わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

陶芸、陶磁器の諺、格言、名言 4

2011-01-07 22:15:09 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
今回は、諺や格言ではなく、焼き物に対して、一般に言われている事について、お話します。

10) 焼き物は、「割れ物」である。

  焼き物の、最大の欠点は、衝撃を受けると、割れる事です。

  硬さ(強度)は、強いのですが、粘りが無く、脆くて直ぐに、割れてしまいます。

 ① 高い所から落とせば、床がコンクリートでなく、木やジュータンであっても、確実に割れます。

 ② 特に多いのが、食器などを洗っている際に、起こります。隣の器に当たっただけでも、簡単に縁が、

   割れる事が、多いです。カップの取っ手部分など、出っ張っている部分は、特に注意が必要です。

 ③ 宅配便の様に、移送中でも、起こりやすく、「割れ物」シールを貼る必要が有ります。

   梱包は、作品を紙などで、二重に包み、隣同士の間に、緩衝材を入れます。更にダンボールなどの

   梱包材の中で、隙間が生じ無い様にします。箱を振って、音がする様だと、危険です。

 ④ 割れは、完成した作品以外でも、製作過程で、しばしば起こる現象です。

   陶芸をやっていて、「割れ」を経験しなった人は、皆無でしょう。多くの人は、「割れ」には、

   悩んだ事と、思います。原因は、衝撃による物より、土の収縮による、ひずみ(歪)が、大きな原因

   です。素地の乾燥時、素焼の際や、本焼時に起こります。原因はある程度、推測されますので、

   その箇所(主に土の締めが弱い箇所)を、しっかり処置すれば、割れは少なく成ります。

 ⑥ 割れた作品は、補修して使う事も有りますが、大抵は、廃棄処分に成ります。

   割れ口は、不規則で、鋭利に尖り、手を切らない様に、注意する必要が有ります。

   細かく、粉砕している場合も有りますので、掃除機などで吸い取り、破片が残らない様にします。

   但し、素焼以前に、割れた物は、土を元の状態に戻し、再利用出来ます。

11) 焼き物は一日にして成らず。

  「小説を一晩で、書き上げた」とか、「名曲を一晩で作曲した」「名画を一晩で描いた」等と言われて

  いる芸術品(美術品)は、数多く有りますが、焼き物は、一晩で完成させる事は、出来ません。

  彫刻であっても、円空仏の様に、鉈(なた)を使って、一気に作り上げる事が、可能です。

 ① 焼き物は、他の芸術品(美術品)と違い、完成までには、短くても1~2週間は、必要です。

   一般には、1ヶ月ほどは、掛かります。

 ② 世の中には、作品を作れば、直ぐに持って帰れると、思っている方も居ます。

   多分、観光地で良く見掛ける、楽焼体験からの、想像で言っているのかも知れません。

 ③ 乾燥、焼成の作業で、多くの時間が必要で、製作時間の、数倍~数十倍の時間が必要に成ります。

 ④ この為、インスピレーションで、次々に場面が展開してゆく、音楽や絵画、小説などと違い、時間が

   必要な分、最初のイメージのインパクト(衝動)が、萎えてしまう恐れも多いです。

   逆に、「じっくり」と腰を落ち着かせ、作業する事に成るので、練りに練った、作品に成る事も

   有ります。

   どちらが良いと、一概には言えませんが、十分時間が取れるのは、陶芸の特徴の一つです。

以下次回に続きます。
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