引き続き、諺、格言、名言について、述べます。
15) 一楽二萩三唐津。
これは、茶道に於ける、抹茶々碗について、述べた格言です。
一番は、楽焼で、二番目は萩焼、三番目に唐津焼が良いと、茶を嗜む(たしなむ)茶人達が、言って
いる事で、当然、焼き物全体の、良し悪しを述べた物では、有りません。
① 楽焼が筆頭に挙げられている理由
) 素地が多孔質に成っている為、お茶が冷めづらい点が、挙げられます。
急熱急冷で、焼成するのが、楽焼の特徴ですが、急熱急冷に、耐える為に、可塑性の大きい
土に、「シャモット」を、混入させます。(多い場合は、全体の1/3程、入れます。)
その為、焼成後に、多孔質の隙間が生じます。この多孔質が、断熱をもたらし、保温効果が、
大きいのだそうです。
注: シャモット(焼粉)とは、1300℃程度で焼成した、板状の物を、粉砕して作ります。
) 見た目より軽い事。
楽焼の特徴は、本焼きに比べ、低い温度で、短時間焼成する事です。
その為、土の焼き締まりが甘く、土の密度も、小さくなります。更に、多孔質な事も重なり、
作品は、大きさの割りに、軽く成ります。
) 楽焼の更なる特徴は、ほとんどの作品(茶碗)が、「手作り」という事です。
その為、形に作り手の個性が、強く表れます。微妙な歪み(ゆがみ)も、心に訴え、想像を
豊かにする、働きもします。又、手作りである為と、焼きの甘さから、作品に暖かさが、有り、
見た目だけでなく、手に取った際にも、暖かさを感じます。
) 楽焼の釉は、黒と赤が基本と成ります。その為、黒楽や赤楽に、抹茶の緑が冴えて、抹茶を
美味しく感じさせる、作用も有ります。
) 楽茶碗には、模様などが、付いていないのが、普通です。
そのシンプルさが、茶の湯の、「侘び、さび」の世界に、マッチしている事も、楽が珍重される
理由の一つと思われます。
) 楽は、本焼きした作品に比べ、焼きが甘い事や、多孔質の為、強度的に劣ります。
その為、壊れ易く、取り扱いに注意する必要が有ります。
又、壊れ易い為、古い時代の作品は、残りづらく成ります。名品と言われる作品は、それなりに
大切に保管、保全されてきた訳です。
この、「はかなくて、脆い」からこそ、楽焼が大事に扱われ、抹茶々碗として、筆頭に挙げ
られたのかも、知れません。
) 上記の諸々の事柄や、使い易さ等で、楽焼の抹茶々碗が、筆頭に挙げられたのではないかと、
推測されます。
尚、楽焼は、抹茶々碗以外では、実用的に向かず、使われる事は、稀で余り見かけません。
以下次回に続きます。
一楽二萩三唐津
15) 一楽二萩三唐津。
これは、茶道に於ける、抹茶々碗について、述べた格言です。
一番は、楽焼で、二番目は萩焼、三番目に唐津焼が良いと、茶を嗜む(たしなむ)茶人達が、言って
いる事で、当然、焼き物全体の、良し悪しを述べた物では、有りません。
① 楽焼が筆頭に挙げられている理由
) 素地が多孔質に成っている為、お茶が冷めづらい点が、挙げられます。
急熱急冷で、焼成するのが、楽焼の特徴ですが、急熱急冷に、耐える為に、可塑性の大きい
土に、「シャモット」を、混入させます。(多い場合は、全体の1/3程、入れます。)
その為、焼成後に、多孔質の隙間が生じます。この多孔質が、断熱をもたらし、保温効果が、
大きいのだそうです。
注: シャモット(焼粉)とは、1300℃程度で焼成した、板状の物を、粉砕して作ります。
) 見た目より軽い事。
楽焼の特徴は、本焼きに比べ、低い温度で、短時間焼成する事です。
その為、土の焼き締まりが甘く、土の密度も、小さくなります。更に、多孔質な事も重なり、
作品は、大きさの割りに、軽く成ります。
) 楽焼の更なる特徴は、ほとんどの作品(茶碗)が、「手作り」という事です。
その為、形に作り手の個性が、強く表れます。微妙な歪み(ゆがみ)も、心に訴え、想像を
豊かにする、働きもします。又、手作りである為と、焼きの甘さから、作品に暖かさが、有り、
見た目だけでなく、手に取った際にも、暖かさを感じます。
) 楽焼の釉は、黒と赤が基本と成ります。その為、黒楽や赤楽に、抹茶の緑が冴えて、抹茶を
美味しく感じさせる、作用も有ります。
) 楽茶碗には、模様などが、付いていないのが、普通です。
そのシンプルさが、茶の湯の、「侘び、さび」の世界に、マッチしている事も、楽が珍重される
理由の一つと思われます。
) 楽は、本焼きした作品に比べ、焼きが甘い事や、多孔質の為、強度的に劣ります。
その為、壊れ易く、取り扱いに注意する必要が有ります。
又、壊れ易い為、古い時代の作品は、残りづらく成ります。名品と言われる作品は、それなりに
大切に保管、保全されてきた訳です。
この、「はかなくて、脆い」からこそ、楽焼が大事に扱われ、抹茶々碗として、筆頭に挙げ
られたのかも、知れません。
) 上記の諸々の事柄や、使い易さ等で、楽焼の抹茶々碗が、筆頭に挙げられたのではないかと、
推測されます。
尚、楽焼は、抹茶々碗以外では、実用的に向かず、使われる事は、稀で余り見かけません。
以下次回に続きます。
一楽二萩三唐津