1) 窯の調整機能とは?(どんな事が調整できるのか?)前回の続きです。
⑤ 炎の流れを調整する。
燃料を使う窯では、炎が出ます。当然ですが、炎の温度は場所毎に異なります。即ち大きく
分けて、根元部分(ガス窯の場合では、バーナーヘッド部分)中間部、先端部分と成ります。
) 根元部分では完全に燃焼していませんので、温度は比較的低いです。
) 中間部分は燃料と空気(酸素)が適度に混ざり合い、高温に成ります。
) 中間部から先端部の途中が、一番高温に成ると言われています。
先端に行くに従い、温度は徐々に低下します。
) 炎が伸びるとは、中間から先端部の途中を出来るだけ引き伸ばす事です。
即ち、高温部を時間的、距離的に延ばす事になります。
) 現在の窯の多くは、倒炎式と呼ばれる構造になっています。
即ち、炎は窯の壁際から天井(アーチ状のものが多い)に上り、一転して下方に落ち、
窯底の煙道より外に逃げていきます。上記中間部より先端部途中とは、炎が天井から下に
向かう時から、煙道に抜ける瞬間までの時間となります。
尚、炎を天井に向かわせる為に、耐火製の火盾(たて)を使い炎を導きます。
) 炎には太くて短いものと、細くて長いものがあります。
容積の小さな窯であれば、太く短くても良いのですが、容積が大ききくなると、窯内の
温度を一定にする為にも、細くて長い炎が求められます。更に、の炎を細かく分岐させ、
窯の隅々まで届く様にします。
) 細くて長い炎を作り出すには、炎の通る道を作る必要があります。
炎の通る道を直線的に作ると、一直線に窯底に到達し、周囲に高温が十分に届きません。
それ故、下方に向かう途中途中に、炎を分散させる棚板や作品を置く事になります。
) 作品と作品の間や、棚板間に細い隙間を作る事で、細長い炎にする事が出来ます。
隙間が細ければ細い程、炎は伸びますが、熱量は十分ではありません。本焼きの際には、
窯詰め時に指一本程度の隙間が良いと言われています。高温では素地が収縮しますので、
窯出し時にはもっと開いています。
以下次回に続きます。
余談ですが、先日伊豆にある韮山反射炉(にらやまはんしゃろ)を見てきました。
注: この反射炉は、江戸末期に大砲を製作するのに必要な、鉄を作る日本最初の溶鉱炉です。
世界遺産(産業遺産)に登録する運動がある様です。
耐火レンガで組み上げ、高い煙突を持つ構造ですが、陶芸の窯と同じ様に見えました。
熔けた鉄を作るには、千数百度の高温(説明には温度が表示されていませんでした)にする必要が
あります。燃料は石炭(筑後、常磐産)で、炎を丸い天井に上らせそこから炎と熱を反射させ、
前方下方にある鉄鉱石(?)に当て鉄を鎔かしました。時間は十数時間を要したそうです。
即ち、上記の如く、天井部と炎の先端部の途中が、最高温度に成る事を示しています。
尚、熔けた鉄は型に流し込み成型しています。
⑤ 炎の流れを調整する。
燃料を使う窯では、炎が出ます。当然ですが、炎の温度は場所毎に異なります。即ち大きく
分けて、根元部分(ガス窯の場合では、バーナーヘッド部分)中間部、先端部分と成ります。
) 根元部分では完全に燃焼していませんので、温度は比較的低いです。
) 中間部分は燃料と空気(酸素)が適度に混ざり合い、高温に成ります。
) 中間部から先端部の途中が、一番高温に成ると言われています。
先端に行くに従い、温度は徐々に低下します。
) 炎が伸びるとは、中間から先端部の途中を出来るだけ引き伸ばす事です。
即ち、高温部を時間的、距離的に延ばす事になります。
) 現在の窯の多くは、倒炎式と呼ばれる構造になっています。
即ち、炎は窯の壁際から天井(アーチ状のものが多い)に上り、一転して下方に落ち、
窯底の煙道より外に逃げていきます。上記中間部より先端部途中とは、炎が天井から下に
向かう時から、煙道に抜ける瞬間までの時間となります。
尚、炎を天井に向かわせる為に、耐火製の火盾(たて)を使い炎を導きます。
) 炎には太くて短いものと、細くて長いものがあります。
容積の小さな窯であれば、太く短くても良いのですが、容積が大ききくなると、窯内の
温度を一定にする為にも、細くて長い炎が求められます。更に、の炎を細かく分岐させ、
窯の隅々まで届く様にします。
) 細くて長い炎を作り出すには、炎の通る道を作る必要があります。
炎の通る道を直線的に作ると、一直線に窯底に到達し、周囲に高温が十分に届きません。
それ故、下方に向かう途中途中に、炎を分散させる棚板や作品を置く事になります。
) 作品と作品の間や、棚板間に細い隙間を作る事で、細長い炎にする事が出来ます。
隙間が細ければ細い程、炎は伸びますが、熱量は十分ではありません。本焼きの際には、
窯詰め時に指一本程度の隙間が良いと言われています。高温では素地が収縮しますので、
窯出し時にはもっと開いています。
以下次回に続きます。
余談ですが、先日伊豆にある韮山反射炉(にらやまはんしゃろ)を見てきました。
注: この反射炉は、江戸末期に大砲を製作するのに必要な、鉄を作る日本最初の溶鉱炉です。
世界遺産(産業遺産)に登録する運動がある様です。
耐火レンガで組み上げ、高い煙突を持つ構造ですが、陶芸の窯と同じ様に見えました。
熔けた鉄を作るには、千数百度の高温(説明には温度が表示されていませんでした)にする必要が
あります。燃料は石炭(筑後、常磐産)で、炎を丸い天井に上らせそこから炎と熱を反射させ、
前方下方にある鉄鉱石(?)に当て鉄を鎔かしました。時間は十数時間を要したそうです。
即ち、上記の如く、天井部と炎の先端部の途中が、最高温度に成る事を示しています。
尚、熔けた鉄は型に流し込み成型しています。