3) 制作途中の失敗。
① 作品を作る方法は、色々あります。
大きく分ければ、手捻り、電動轆轤、機械轆轤、鋳込み方法などです。これらの方法も更に幾つかの
方法に別れます。但し、ここでは省略します。
機械轆轤や鋳込み方法は、同じ形の作品を多く作る量産的な方法ですので、普通に陶芸を楽しんで
いる人にとっては、余り馴染みの無い方法です。
当然作り方が変われば、自ずから作品の形や表情が変化する事が多いです。
② 作品に対する要求を満たす制作方法を見付ける事で、失敗を回避できます。
一般に電動轆轤では綺麗な左右対称形になります。それに対し、手捻りでは、どの様な形の作品に
対しても対応が可能です。若干表面に残る凸凹も、削り作業によって、轆轤挽きに引けを取らない
位に表面を滑らかにする事も可能です。又、手捻りの特徴としては、制作途中で失敗しても、
幾らでも修復可能な事が上げられます。それに対し電動轆轤では、一瞬にして作品が壊れる事は
珍しくありませんし、修復技術も難しく、修復するよりも、最初からやり直す方が、時間的にも
早く、綺麗な作品になります。
③ 電動轆轤は慣れれば、形の整った作品を、比較的短時間で作り出す事が可能です。手捻りは
時間を掛けて作る事が多い傾向にあります。
④ 制作途中の失敗事例(手捻り)。
) 粘土の量を十分確保しない為の失敗。
作品を作る際、途中で材料の粘土が不足し、新たの土を加えた時、違う土を使ってしまう
事があります。生の粘土の色は、同じような色をしている場合が多いです。生で同じ色だから
と言って、焼成後の土の色が同じである訳ではありません。同じ様に見える粘土でも焼成後に、
白、黄色、茶褐色、黒色になる場合も有ります。それ故、数種類の粘土を使い分けて使用して
いる窯場では、粘土の種類を間違えない様に管理する必要があります。
又、同じメーカーの同じ名前の粘土であっても、ロットによっては、発色が微妙に変化する
場合があります。それ故、使う量よりも若干多目に土は用意しておかなければなりません。
) 繋ぎ目の処置の失敗。
手捻りでは、繋ぎ目が多く発生します。特に紐を巻き上げる紐作りの際には、一段毎に繋ぎ目
が発生し、この繋ぎ目を指や竹箆(へら)などを使い、消す必要があります。勿論上下から
紐を圧着する事で、必ずしも繋ぎ目を消す必要はありませんが、圧着が不十分の場合、繋ぎ目
から「ひび」や水漏れの原因になりますので、繋ぎ目の線は見えない様に、内外共に処理する
事が重要に成ります。
) 手捻りの場合、下段から順番に積み上げる方法と、各パーツを分割して作り、後から全体を
組み立てる方法が在ります。
a) 前者の場合は、全体の構想を頭に描きながら作業しますので、全体の形を把握し易くなる
利点があります。しかし、背の高い作品は、下段がある程度乾燥し、強度が増さなければ、
その上に土を載せる事は出来ません。さもないと、下段は上の重みで変形してしまいます。
b) 後者の場合、各パーツを別々に作る為、作業待ちの状態は少ないです。それ故、割合
早く、作品を作る事ができます。但し、組み立てる際に繋ぎ目の大きさが、上下で一致して
いなければ成りません。更に、繋ぎ目部分は乾燥し過ぎでは、上手に接着できません。
例えその場で完全に接着した様に見えても、時間が経つと、繋ぎ面に亀裂が入り易くなります
ある程度、生(なま)に近い方が、接着面は綺麗に出来上がります。
⑤ 制作途中の失敗事例(電動轆轤)。
以下次回に続きます。
① 作品を作る方法は、色々あります。
大きく分ければ、手捻り、電動轆轤、機械轆轤、鋳込み方法などです。これらの方法も更に幾つかの
方法に別れます。但し、ここでは省略します。
機械轆轤や鋳込み方法は、同じ形の作品を多く作る量産的な方法ですので、普通に陶芸を楽しんで
いる人にとっては、余り馴染みの無い方法です。
当然作り方が変われば、自ずから作品の形や表情が変化する事が多いです。
② 作品に対する要求を満たす制作方法を見付ける事で、失敗を回避できます。
一般に電動轆轤では綺麗な左右対称形になります。それに対し、手捻りでは、どの様な形の作品に
対しても対応が可能です。若干表面に残る凸凹も、削り作業によって、轆轤挽きに引けを取らない
位に表面を滑らかにする事も可能です。又、手捻りの特徴としては、制作途中で失敗しても、
幾らでも修復可能な事が上げられます。それに対し電動轆轤では、一瞬にして作品が壊れる事は
珍しくありませんし、修復技術も難しく、修復するよりも、最初からやり直す方が、時間的にも
早く、綺麗な作品になります。
③ 電動轆轤は慣れれば、形の整った作品を、比較的短時間で作り出す事が可能です。手捻りは
時間を掛けて作る事が多い傾向にあります。
④ 制作途中の失敗事例(手捻り)。
) 粘土の量を十分確保しない為の失敗。
作品を作る際、途中で材料の粘土が不足し、新たの土を加えた時、違う土を使ってしまう
事があります。生の粘土の色は、同じような色をしている場合が多いです。生で同じ色だから
と言って、焼成後の土の色が同じである訳ではありません。同じ様に見える粘土でも焼成後に、
白、黄色、茶褐色、黒色になる場合も有ります。それ故、数種類の粘土を使い分けて使用して
いる窯場では、粘土の種類を間違えない様に管理する必要があります。
又、同じメーカーの同じ名前の粘土であっても、ロットによっては、発色が微妙に変化する
場合があります。それ故、使う量よりも若干多目に土は用意しておかなければなりません。
) 繋ぎ目の処置の失敗。
手捻りでは、繋ぎ目が多く発生します。特に紐を巻き上げる紐作りの際には、一段毎に繋ぎ目
が発生し、この繋ぎ目を指や竹箆(へら)などを使い、消す必要があります。勿論上下から
紐を圧着する事で、必ずしも繋ぎ目を消す必要はありませんが、圧着が不十分の場合、繋ぎ目
から「ひび」や水漏れの原因になりますので、繋ぎ目の線は見えない様に、内外共に処理する
事が重要に成ります。
) 手捻りの場合、下段から順番に積み上げる方法と、各パーツを分割して作り、後から全体を
組み立てる方法が在ります。
a) 前者の場合は、全体の構想を頭に描きながら作業しますので、全体の形を把握し易くなる
利点があります。しかし、背の高い作品は、下段がある程度乾燥し、強度が増さなければ、
その上に土を載せる事は出来ません。さもないと、下段は上の重みで変形してしまいます。
b) 後者の場合、各パーツを別々に作る為、作業待ちの状態は少ないです。それ故、割合
早く、作品を作る事ができます。但し、組み立てる際に繋ぎ目の大きさが、上下で一致して
いなければ成りません。更に、繋ぎ目部分は乾燥し過ぎでは、上手に接着できません。
例えその場で完全に接着した様に見えても、時間が経つと、繋ぎ面に亀裂が入り易くなります
ある程度、生(なま)に近い方が、接着面は綺麗に出来上がります。
⑤ 制作途中の失敗事例(電動轆轤)。
以下次回に続きます。