施釉した作品を一度高温で本焼きした作品の上に、赤、黄、緑、紫、紺、金、銀などで色を付ける
方法を上絵付けと言います。下絵の呉須に色絵を上絵付する方法などです。特に著名なのが、有田の
染錦(染付けと上絵を重ねたもの)や九谷の五彩などがあり、古くから作られています。
赤や黄の原料は主に鉄を用い、緑は銅を、紫や紺はコバルト等の酸化金属が使われています。
フラックスと呼ばれる熔剤と顔料を混合せ、熔剤が下面の釉に熔け込み、顔料を固定します。
一般に700~850℃程度の温度で焼付けます。
尚、熔剤の種類は非常に多く70種類以上あると言われています。代表的な物はガラス質を作る硼酸
です。以前ですと酸化鉛が使用されていましたが、現在鉛は食器については、禁止されています。
一般に顔料と熔剤が混合されている各種の絵の具が、上絵の具として市販されていますので、利用
する事が多い様です。
1) 顔料と熔媒の比によって、光沢と艶消し色になります。
ご自分で、上絵の具を作る際に参考にして下さい。
① 光沢のある色は、顔料:熔剤= 1:2~4の割合と成ります。
② 艶消し色は、顔料:熔剤= 1:1の割合と成ります。
③ 上記調合では、素地に接着する為の粘着剤が入っていませんので、植物油、砂糖、糖蜜などの
他、油絵で使うテレピン油やリシドール油を添加する場合がます。
2) 和絵の具と洋絵の具。
① 和絵の具は、厚く塗り深みのある色を出します。但し、例外的に赤色は塗る様にします。
但し、広い面積に赤色を塗ると、塗り方によっては、色斑(いろむら)が生じ易いです。
厚く盛り上げる為に、下の釉面に密着させる必要があります。密着が不十分の場合ピンホール
や、下釉と共に剥がれる事も有ります。
陶器(土物)では、上絵の具は比較的安心して使用できますが、磁器の場合には十分注意が
必要です。昔からの方法では、素地に布切で薄く膠(にかわ)で塗布してから、絵の具を塗る
と良いといわれています。
② 日本画で使われる岩絵の具に熔剤を添加すれば、良い上絵の顔料になります。更に鉱物質の
油絵の具も、熔剤を添加すれば、良い上絵付けの顔料として利用できるとの事です。
尚、近年の上絵の具は、純粋の化学薬品ですので、色に面白味(味わい)が無いと言われてい
ます。昔は不純物の多い金属酸化物が使われている為、面白味のある色になっています。
③ 洋絵の具は近年、皿やコーヒーカップ等の既製の磁器製品に、絵付けする事が流行っています
その為の絵付け専用の教室も存在しています。又、印刷や写し絵として量産され、広く使われて
います。洋絵の具は薄塗ります。
3) 上絵付けで使う窯を錦窯と言います。
現在では、電気窯で行う事が多いです。利点として、温度が平均的に伝わる事、(冷め)割れ
などが起らない事が上げられます。尚、上絵付けでは窯内の湿度を嫌いますので、素焼きとは
一緒に焼く事は避けた方が良いです。窯内に湿度があると、白釉が曇り易いと言われています。
但し、素焼きとほぼ同じ温度ですので、湿度を気にせず一緒に焼成している人もいます。
以下次回に続きます。
方法を上絵付けと言います。下絵の呉須に色絵を上絵付する方法などです。特に著名なのが、有田の
染錦(染付けと上絵を重ねたもの)や九谷の五彩などがあり、古くから作られています。
赤や黄の原料は主に鉄を用い、緑は銅を、紫や紺はコバルト等の酸化金属が使われています。
フラックスと呼ばれる熔剤と顔料を混合せ、熔剤が下面の釉に熔け込み、顔料を固定します。
一般に700~850℃程度の温度で焼付けます。
尚、熔剤の種類は非常に多く70種類以上あると言われています。代表的な物はガラス質を作る硼酸
です。以前ですと酸化鉛が使用されていましたが、現在鉛は食器については、禁止されています。
一般に顔料と熔剤が混合されている各種の絵の具が、上絵の具として市販されていますので、利用
する事が多い様です。
1) 顔料と熔媒の比によって、光沢と艶消し色になります。
ご自分で、上絵の具を作る際に参考にして下さい。
① 光沢のある色は、顔料:熔剤= 1:2~4の割合と成ります。
② 艶消し色は、顔料:熔剤= 1:1の割合と成ります。
③ 上記調合では、素地に接着する為の粘着剤が入っていませんので、植物油、砂糖、糖蜜などの
他、油絵で使うテレピン油やリシドール油を添加する場合がます。
2) 和絵の具と洋絵の具。
① 和絵の具は、厚く塗り深みのある色を出します。但し、例外的に赤色は塗る様にします。
但し、広い面積に赤色を塗ると、塗り方によっては、色斑(いろむら)が生じ易いです。
厚く盛り上げる為に、下の釉面に密着させる必要があります。密着が不十分の場合ピンホール
や、下釉と共に剥がれる事も有ります。
陶器(土物)では、上絵の具は比較的安心して使用できますが、磁器の場合には十分注意が
必要です。昔からの方法では、素地に布切で薄く膠(にかわ)で塗布してから、絵の具を塗る
と良いといわれています。
② 日本画で使われる岩絵の具に熔剤を添加すれば、良い上絵の顔料になります。更に鉱物質の
油絵の具も、熔剤を添加すれば、良い上絵付けの顔料として利用できるとの事です。
尚、近年の上絵の具は、純粋の化学薬品ですので、色に面白味(味わい)が無いと言われてい
ます。昔は不純物の多い金属酸化物が使われている為、面白味のある色になっています。
③ 洋絵の具は近年、皿やコーヒーカップ等の既製の磁器製品に、絵付けする事が流行っています
その為の絵付け専用の教室も存在しています。又、印刷や写し絵として量産され、広く使われて
います。洋絵の具は薄塗ります。
3) 上絵付けで使う窯を錦窯と言います。
現在では、電気窯で行う事が多いです。利点として、温度が平均的に伝わる事、(冷め)割れ
などが起らない事が上げられます。尚、上絵付けでは窯内の湿度を嫌いますので、素焼きとは
一緒に焼く事は避けた方が良いです。窯内に湿度があると、白釉が曇り易いと言われています。
但し、素焼きとほぼ同じ温度ですので、湿度を気にせず一緒に焼成している人もいます。
以下次回に続きます。