古い時代から、陶磁器の形は時代と共に色々変化しています。用途によっては、固定された形も
存在します。
絵画の世界や建築(物)等の世界では、全体の構成をバランス良く見せる為、適度に分割する方法に
黄金比と呼ばれる割合があります。
注:黄金比(おうごんひ)とは、線分を二分する時、短い部分:長い部分=1:1.618(近似値)
を言います。古代ギリシャで発見されて以来、最も安定し、美しい比率とされ、美術的要素の
一つとされている分割方法で、色々な分野で使われています。
この黄金比を更に簡略化すると、およそ2:3になります。陶磁器の世界でもこの割合で作品を
形つくれば、見た目にも綺麗に整った形になると言われています。
形作りに迷った時には、大いに利用すべき事柄です。では実際の方法に付いて述べます。
尚、2:3=2/5:3/5(又は、3/5:2/5)と成りますので、全体を5等分して考えた方が
解かり易いかも知れません。
但し、この比率に囚われ過ぎると、作品に動きが出ない為、面白味が出ないと見る向きもあります。
1) 縦(高さ)方向に2/5:3/5(又は、3/5:2/5)に分割する。
例えば、高さが20cmの作品の場合、下部が12cm、上部が8cmになる計算になります。
(逆の場合は下部が8cm、上部が12cmと成ります。)
① 袋物と呼ばれる器の場合。
壷や花瓶など中空の部分が大きい器を袋物と呼びます。完全な球形の場合には、分割の問題は
起こりませんが、上下の大きさ(張り具合)が異なる時には、どの部分で形を変えるかが、
作品全体の形に影響します。
) 鶴頸(つるくび)の場合。
下部に球形の器があり、その真上に細長い筒状の器から成ります。
この球形部と筒状部の境が下から、2/5:3/5(又は、3/5:2/5)になります。
筒状の部分が短いなれば、下から3/5が球形になり、上部筒状の部分が2/5となります。
筒状の部分が長ければ、この比は逆に成ります。
) 瓢箪型にする場合。くびれ部分を何処に取るかによって作品の雰囲気は大きく異なり
ます。上部を3/5とし、下部を2/5とすると頭でっかちの瓢箪型になり、上部を2/5とし
下部を3/5とすれば、安定した形に成ります。
) 胴や型の張った壷などの場合。
張り出す部分をどの位置に設けるかによって、作品の雰囲気も変わります。即ち張り出し部を
下方(2/5)に取れば、重心が下がり安定感が増しますが、逆(3/5)の場合には、重心が
高くなり、不安定さのある作品に成ります。
② 袋物に横線や模様を入れる場合にも、役立つ方法です。
即ち、壷の様に桧垣紋を入れたり、円周上に帯状の模様を描く場合にも、この3/5(又は
2/5)の分割方法をしれば、大きな失敗も無くバランス良く絵柄が出現します。
2) 口径と底径の比を、2/5:3/5(又は、3/5:2/5)にする。
口径が小さく、底径(高台径)が大きい場合、安定感が増します。逆の場合、やや不安定になり
ます。尚、皿の場合は、この割合では綺麗に見えません。一般に口径:底径=1:1/2~1/3と
言われています。
以下次回に続きます。
存在します。
絵画の世界や建築(物)等の世界では、全体の構成をバランス良く見せる為、適度に分割する方法に
黄金比と呼ばれる割合があります。
注:黄金比(おうごんひ)とは、線分を二分する時、短い部分:長い部分=1:1.618(近似値)
を言います。古代ギリシャで発見されて以来、最も安定し、美しい比率とされ、美術的要素の
一つとされている分割方法で、色々な分野で使われています。
この黄金比を更に簡略化すると、およそ2:3になります。陶磁器の世界でもこの割合で作品を
形つくれば、見た目にも綺麗に整った形になると言われています。
形作りに迷った時には、大いに利用すべき事柄です。では実際の方法に付いて述べます。
尚、2:3=2/5:3/5(又は、3/5:2/5)と成りますので、全体を5等分して考えた方が
解かり易いかも知れません。
但し、この比率に囚われ過ぎると、作品に動きが出ない為、面白味が出ないと見る向きもあります。
1) 縦(高さ)方向に2/5:3/5(又は、3/5:2/5)に分割する。
例えば、高さが20cmの作品の場合、下部が12cm、上部が8cmになる計算になります。
(逆の場合は下部が8cm、上部が12cmと成ります。)
① 袋物と呼ばれる器の場合。
壷や花瓶など中空の部分が大きい器を袋物と呼びます。完全な球形の場合には、分割の問題は
起こりませんが、上下の大きさ(張り具合)が異なる時には、どの部分で形を変えるかが、
作品全体の形に影響します。
) 鶴頸(つるくび)の場合。
下部に球形の器があり、その真上に細長い筒状の器から成ります。
この球形部と筒状部の境が下から、2/5:3/5(又は、3/5:2/5)になります。
筒状の部分が短いなれば、下から3/5が球形になり、上部筒状の部分が2/5となります。
筒状の部分が長ければ、この比は逆に成ります。
) 瓢箪型にする場合。くびれ部分を何処に取るかによって作品の雰囲気は大きく異なり
ます。上部を3/5とし、下部を2/5とすると頭でっかちの瓢箪型になり、上部を2/5とし
下部を3/5とすれば、安定した形に成ります。
) 胴や型の張った壷などの場合。
張り出す部分をどの位置に設けるかによって、作品の雰囲気も変わります。即ち張り出し部を
下方(2/5)に取れば、重心が下がり安定感が増しますが、逆(3/5)の場合には、重心が
高くなり、不安定さのある作品に成ります。
② 袋物に横線や模様を入れる場合にも、役立つ方法です。
即ち、壷の様に桧垣紋を入れたり、円周上に帯状の模様を描く場合にも、この3/5(又は
2/5)の分割方法をしれば、大きな失敗も無くバランス良く絵柄が出現します。
2) 口径と底径の比を、2/5:3/5(又は、3/5:2/5)にする。
口径が小さく、底径(高台径)が大きい場合、安定感が増します。逆の場合、やや不安定になり
ます。尚、皿の場合は、この割合では綺麗に見えません。一般に口径:底径=1:1/2~1/3と
言われています。
以下次回に続きます。