わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

素朴な疑問 102 陶芸での失敗事例6?

2015-03-30 22:20:08 | 素朴な疑問
4) 削り作業の失敗事例。

  ② 電動轆轤で削り作業で失敗する事。

   ) 作品を轆轤上又は「湿台(シッタ)」に固定する、又は固定しない場合。

    a) 轆轤上に直接作品を伏せて置いた時、金属製の轆轤では、削る際、遠心力で移動して

     しまいます。それ故、周囲を別の土(止め土)で3箇所止めるのが普通です。

     但し、止め土が削る際にカンナの邪魔にならない位置で止め、固定しなければなりません。

     作品を固定すると、作業の終わるまで、直接肉厚が計れないと言う欠点があります。

    b) 「湿台(シッタ)」を使う場合、「シッタ」は轆轤上に固定され、更にその「シッタ」の上に

     作品が載る事になります。「シッタ」に被せる様に伏せた作品を置くだけならば、作品を

     外側から軽く叩く事で、轆轤の中心に載せる事ができます。この場合、作品の底の中心を

     右又は左の指(主に一番長い中指)で押さえ、作品が移動しない様に押さえます。
   
     場合によっては、シッタに作品を止め土で固定します。

    ・ 注:「シッタ」には、生シッタと素焼きしたシッタがあります。一般いは汎用性のある

      素焼きの物を使います。素焼きの物は、水に漬けて十分水を吸い込ませてから、生の土を

      巻いて、クッションにして使います。

    c) 良くある失敗は、カンナで作品を削る際、何らかの理由で、カンナの刃先が作品に

      食い込み、作品が轆轤上より転げ落ちてしまう事です。転げ落ちた作品は回転部とドベ

      受けの間に落ち、大きな傷を付けてしまう事です。この様成った場合、ほとんど望みは

      ありません。それ故、しっかり作品を固定する方が安全です。

   ) 削る際の電動轆轤の回転方向は一定していません。人により異なります。

     即ち、轆轤挽きも削り作業も左(時計)回転の人、轆轤挽きは左で削り作業のみ右回転の人

     轆轤も削りも右回転の人など、色々な方法が有りますが、基本はやり良い方法で行う事です

   ) 削る道具はカンナやベラ(平行、丸)と呼ばれる金属製の物を使います。

     基本的には上から下に掛けてカンナ類を移動させますが、上下交互に行う事もあります。

     尚、上から下の方が、作品を下(轆轤面)に押し付ける効果がありますので、若干有利です

     高台脇を削ってから、高台内を削るのが一般的な方法です。高台は釉掛ける際に持つ事で、

     指跡などを付けない為でもありますので、三本の指で持てる高さが必要です。

     但し、例外的に、碁笥底高台や極低い高台の場合もあります。

   ) 作品を轆轤や「シッタ」に固定してしまうと、直接肉厚を計る事はできません。

     その場合、回転している作品の側面や底の部分を、中指などで弾いて音で判断します。

     音での判断(聞き分け)は、かなり難しいですが、実際に作品の側面や底を弾いて音の違い

     を習得すると、後々役にたちます。

     尚、一度削り終え、作品を取り上げると、肉厚の場合再度、轆轤の中心に再セットする事は

     可能ですが、実際には元の状態に戻す事は、慣れないとかなり難しいです。

   ) 削った場所と削らない場所の境目に、「ボカシ」を入れ滑らかにする。

     削り作業はカンナの位置が振れ無い様に、両手を添えてしっかり固定させて使います。

     「ボカシ」は、片手でカンナ類を持ち、軽く押し付ける事で、作品の凸凹度に応じる様に

      します。そうする事により、削った境目が目立たなくなります。

5) 乾燥時の失敗事例。

 以下次回に続きます。    

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