3) 制作途中の失敗。
⑤ 制作途中の失敗事例(電動轆轤)。前回の続きです。
) 作品の直径を大きくしても、肉厚はほとんど変化はしません。しかし、直径を小さくすると
確実に肉厚になります。即ち、作品を膨らませても、肉厚はほとんど変化しませんが、
背の高さは、膨らみに比例して、確実に低くなります。その為、所定の高さ寸法に仕上げる
には、所定の高さより、高く土を延ばしてから、形作りをしなければなりません。
逆に、直径を細くすると、肉厚は確実に厚みを増します。肉厚のまま形作りを行うと、
撚れ(よれ)が出ますので、厚くなった部分は肉を薄くしながら、更に径を細くする必要が
あります。肉を薄くする事により、背は高くなります。その為、必要な高さにするには、
上部を切り取る事もあります。
a) 直径を細める方法には、作品の径の状況により、幾つかの方法があります。
直径の大きい場合もは、両手の掌(手のひら)を使い、細くなるに従い、両手の指6本、
指4本と本数を少なくしてゆきます。
b) 細める時の注意点。土は細くしようとすると、必ず土の逃げが生じます。
土の逃げ場を無くすのが理想的ですが、土を指や掌で全周を押さえるには、限度があります。
その場合、一箇所に逃げ場があると、土はそこに逃げ、細くなってくれません。
一箇所に逃げ場を作るのではなく、対称的な位置(2又は4箇所)に逃げ場を作ります。
更に逃げ場の大きさ(隙間)も同じ間隔にします。一方が広いとそちらに多く土が逃げ、
径は細くなりません。
) 肉が薄くなり過ぎた部分は、径を小さくする事は難しい事です。その為、肉厚にもなりま
せん。径を小さくして、肉厚にするには肉厚が厚い程効果的です。「ペラペラ」の状態では
幾ら径を小さくしようとしても、小さくならず、スカートの「ギャザー」状態になるのみです。
この様な状態の場合、薄くなった部分を切り取ります。薄い部分のみを切り取るのはかなり
難しいですので、若干厚みのある部分を切る事になります。当然背は低くなりますが、
切り取った事で、頭が軽くなり、その下の土を上に延ばす事で、背の高さが切り取る前の高さ
に成る事も珍しい事では有りません。それ故、一度試す価値があります。それでも高さが
足りない場合には最初からやり直す方が手っ取り早いです。尚、上に土を継ぎ足す方法も
ありますが、かなり難易度が高いです。
) 轆轤作業で簡単なのは、径を広げる事です。電動轆轤では、轆轤の回転に合わせて遠心力が
発生し、常に径を広げる方向に力が働くからです。
逆に、径を狭める事は、遠心力以上の力で、中心(内側)に押し戻す事に成りますので、
難しくなります。それ故、径を小さめに作り、最後の段階で径を所定の寸法に広げる事が
制作上の「コツ」です。
) 作品の揺れの問題。
a) 轆轤作業が巧く行っている場合は、作品に揺れは発生しません。しかし、背が高くなるに
従い揺れが発生します。特に上部は大きく揺れる事も多いです。その為、上部の振れを抑え
様としますが、巧く行かない事が多いです。揺れが発生するのは、目に見えている部分より、
若干下の部分から、揺れているものです。それ故、幾ら振れを止め様としても、下から直さ
ないと巧く行きません。
b) 揺れ(振れ)の発生原因は色々あります。
・ 土の量が一方に多くなった場合(円周上の肉厚に差がある場合)。
円周上の高さに差がある場合にも、揺れは発生します。
・ 胴体など膨らませ際に、均等に膨らませていない場合。
・ 根元(土台)部分で、一箇所が極端に「えぐられて」いる場合(即ち、一箇所の径が小さい)
・ 轆轤目を着け様として、轆轤の回転速度を緩くしたが、手の上昇スピードが速い場合。
・ 土から手や指を離す際、早く離し過ぎた場合(基本は一呼吸入れる様に、「ゆっくり」
離す事です。
以下次回に続きます。
⑤ 制作途中の失敗事例(電動轆轤)。前回の続きです。
) 作品の直径を大きくしても、肉厚はほとんど変化はしません。しかし、直径を小さくすると
確実に肉厚になります。即ち、作品を膨らませても、肉厚はほとんど変化しませんが、
背の高さは、膨らみに比例して、確実に低くなります。その為、所定の高さ寸法に仕上げる
には、所定の高さより、高く土を延ばしてから、形作りをしなければなりません。
逆に、直径を細くすると、肉厚は確実に厚みを増します。肉厚のまま形作りを行うと、
撚れ(よれ)が出ますので、厚くなった部分は肉を薄くしながら、更に径を細くする必要が
あります。肉を薄くする事により、背は高くなります。その為、必要な高さにするには、
上部を切り取る事もあります。
a) 直径を細める方法には、作品の径の状況により、幾つかの方法があります。
直径の大きい場合もは、両手の掌(手のひら)を使い、細くなるに従い、両手の指6本、
指4本と本数を少なくしてゆきます。
b) 細める時の注意点。土は細くしようとすると、必ず土の逃げが生じます。
土の逃げ場を無くすのが理想的ですが、土を指や掌で全周を押さえるには、限度があります。
その場合、一箇所に逃げ場があると、土はそこに逃げ、細くなってくれません。
一箇所に逃げ場を作るのではなく、対称的な位置(2又は4箇所)に逃げ場を作ります。
更に逃げ場の大きさ(隙間)も同じ間隔にします。一方が広いとそちらに多く土が逃げ、
径は細くなりません。
) 肉が薄くなり過ぎた部分は、径を小さくする事は難しい事です。その為、肉厚にもなりま
せん。径を小さくして、肉厚にするには肉厚が厚い程効果的です。「ペラペラ」の状態では
幾ら径を小さくしようとしても、小さくならず、スカートの「ギャザー」状態になるのみです。
この様な状態の場合、薄くなった部分を切り取ります。薄い部分のみを切り取るのはかなり
難しいですので、若干厚みのある部分を切る事になります。当然背は低くなりますが、
切り取った事で、頭が軽くなり、その下の土を上に延ばす事で、背の高さが切り取る前の高さ
に成る事も珍しい事では有りません。それ故、一度試す価値があります。それでも高さが
足りない場合には最初からやり直す方が手っ取り早いです。尚、上に土を継ぎ足す方法も
ありますが、かなり難易度が高いです。
) 轆轤作業で簡単なのは、径を広げる事です。電動轆轤では、轆轤の回転に合わせて遠心力が
発生し、常に径を広げる方向に力が働くからです。
逆に、径を狭める事は、遠心力以上の力で、中心(内側)に押し戻す事に成りますので、
難しくなります。それ故、径を小さめに作り、最後の段階で径を所定の寸法に広げる事が
制作上の「コツ」です。
) 作品の揺れの問題。
a) 轆轤作業が巧く行っている場合は、作品に揺れは発生しません。しかし、背が高くなるに
従い揺れが発生します。特に上部は大きく揺れる事も多いです。その為、上部の振れを抑え
様としますが、巧く行かない事が多いです。揺れが発生するのは、目に見えている部分より、
若干下の部分から、揺れているものです。それ故、幾ら振れを止め様としても、下から直さ
ないと巧く行きません。
b) 揺れ(振れ)の発生原因は色々あります。
・ 土の量が一方に多くなった場合(円周上の肉厚に差がある場合)。
円周上の高さに差がある場合にも、揺れは発生します。
・ 胴体など膨らませ際に、均等に膨らませていない場合。
・ 根元(土台)部分で、一箇所が極端に「えぐられて」いる場合(即ち、一箇所の径が小さい)
・ 轆轤目を着け様として、轆轤の回転速度を緩くしたが、手の上昇スピードが速い場合。
・ 土から手や指を離す際、早く離し過ぎた場合(基本は一呼吸入れる様に、「ゆっくり」
離す事です。
以下次回に続きます。