食器類や酒器類、花入(花器)類には、形に応じて名前が付けられています。
これらは、昔から呼びならされている場合が多いです。その名前を言えば、自ずからおおよその
形態を把握する事ができます。
2) 酒器の名前。(前回の続きです)
酒器には、酒を一時的に貯めておく物と、盃や猪口など酒を呑む際に、使用する物があります。
⑦ 酒煎子(しゅせんじ): いわゆる土瓶です。そろばん、黒ぢょか(黒千代香、黒じょか)
等の異名があります。主に茶を飲むための物ですが、焼酎を温める酒器でもあります。
黒千代香は沖縄から鹿児島に伝わった焼酎を温める酒器です。
⑧ 馬上杯(ばじょうはい): 高い高台があり、握り易くなっている杯です。
朝鮮の祭器の盃から伝えられた物と言われています。
⑨ ぐい呑み: やや深味のある形の猪口です。上を向いて「ぐい」と飲み干す事からこの名前が
付いたと言われています。
⑩ 猪口(ちょく、ちょこ): 一般的に酒を飲む為の小型の器(盃)をいいます。
尚、蕎麦をそば汁につけるための容器(蕎麦猪口)も同様に呼びます。 猪口の形状は
筒胴、六角形、八角形など様々なものがあります。
⑪ 枡(ます): 陶磁器ではありませんが、木製の小型の枡も利用されています。木の香りが
残り、酒が美味く感じるそうです。
3) 茶碗類の名前。
茶碗には、飯茶碗、湯飲茶碗、抹茶々碗の三種類があります。この中で抹茶々碗が一番種類が
多いです。
① 抹茶々碗の名前。
) 椀形(わんがた)茶碗: 底がやや狭く、自然に口径が開いている形です。
最も一般的な形です。
) 天目茶碗: 小振りの茶碗です。口縁がスッポン(鼈)口と言い、やや狭まっているのが
特徴です。
) 端反(はたそり)形茶碗: 椀形茶碗よりやや細めの茶碗で、口縁を外に捻り出した形に
なっています。
) 筒茶碗: 切立てで底径(高台径ではありません)と口径がほぼ同寸の茶碗です。
) 半筒茶碗: 筒茶碗の高さ方向を低くした形の茶碗です。
筒茶碗がやや細めなのに対し、半筒茶碗の方がやや太めになります。
) 胴紐形茶碗: 半筒茶碗の胴の中央部に、凸状の出っ張りのある茶碗です。
) 呉器(ごき)形茶碗: 筒茶碗の底部が丸みを帯びた形の茶碗です。
) 馬盥(ばたらい)形茶碗: 口径が大きく、半筒茶碗より更に高さが低い茶碗です。
) 沓(くつ)形茶碗、沓茶碗: 馬盥形茶碗が大きく歪んだ形になった茶碗です。
) 鉄鉢(てっぱち)形茶碗: 僧侶が托鉢の際に持つ、鉄鉢に似た形で、球体の上部を切り
取った様な形の茶碗です。
xi) 塩笥(しおげ)茶碗: 元々は塩、味噌などを入れた容器で、茶人が真冬用の茶碗として
使用した物です。丸みのある胴にやや細まった口が付いている形です。
Xii) 平(ひら)茶碗: お皿の様な形の茶碗で、主に夏茶碗として使います。
xiii) その他
a) 杉形(すぎなり)茶碗: 底が狭く、口縁に向かって径が直線的に開いた形です。
b) 五峯(ごほう)茶碗: 楽茶碗に多く、口縁の凹凸が五つ有る形の茶碗です。
c) 五所丸茶碗: 主に豊臣、徳川初期朝鮮より渡来した茶碗で、塩笥茶碗を小振りにした
形の茶碗です。
② 抹茶々碗には特徴的な高台名があります。
) 撥(ばち)高台: 根元が細く末広がり状の高台です。三味線の撥から来ています。
) 三日月高台:輪高台の外側と内側の「中心をずらし」高台幅を不均一にした物です。
) 竹節高台: 高台の中央部に竹の節を模した突起があります。
) 切高台: 輪高台の一部を「Vの字」状又は「矩形」に切り取った物です。
) 桜高台: 高台を桜の五弁の花びらに見立てた物で、タタラ状の粘土紐を後から接着
した物です。
) 四方(よも)高台: 輪ではなく四角の高台です。
) 碁笥底(ごけぞこ)高台: 囲碁の石を入れる容器の底の様に、底の中央が凹んでいる
高台です。
以下次回に続きます。
これらは、昔から呼びならされている場合が多いです。その名前を言えば、自ずからおおよその
形態を把握する事ができます。
2) 酒器の名前。(前回の続きです)
酒器には、酒を一時的に貯めておく物と、盃や猪口など酒を呑む際に、使用する物があります。
⑦ 酒煎子(しゅせんじ): いわゆる土瓶です。そろばん、黒ぢょか(黒千代香、黒じょか)
等の異名があります。主に茶を飲むための物ですが、焼酎を温める酒器でもあります。
黒千代香は沖縄から鹿児島に伝わった焼酎を温める酒器です。
⑧ 馬上杯(ばじょうはい): 高い高台があり、握り易くなっている杯です。
朝鮮の祭器の盃から伝えられた物と言われています。
⑨ ぐい呑み: やや深味のある形の猪口です。上を向いて「ぐい」と飲み干す事からこの名前が
付いたと言われています。
⑩ 猪口(ちょく、ちょこ): 一般的に酒を飲む為の小型の器(盃)をいいます。
尚、蕎麦をそば汁につけるための容器(蕎麦猪口)も同様に呼びます。 猪口の形状は
筒胴、六角形、八角形など様々なものがあります。
⑪ 枡(ます): 陶磁器ではありませんが、木製の小型の枡も利用されています。木の香りが
残り、酒が美味く感じるそうです。
3) 茶碗類の名前。
茶碗には、飯茶碗、湯飲茶碗、抹茶々碗の三種類があります。この中で抹茶々碗が一番種類が
多いです。
① 抹茶々碗の名前。
) 椀形(わんがた)茶碗: 底がやや狭く、自然に口径が開いている形です。
最も一般的な形です。
) 天目茶碗: 小振りの茶碗です。口縁がスッポン(鼈)口と言い、やや狭まっているのが
特徴です。
) 端反(はたそり)形茶碗: 椀形茶碗よりやや細めの茶碗で、口縁を外に捻り出した形に
なっています。
) 筒茶碗: 切立てで底径(高台径ではありません)と口径がほぼ同寸の茶碗です。
) 半筒茶碗: 筒茶碗の高さ方向を低くした形の茶碗です。
筒茶碗がやや細めなのに対し、半筒茶碗の方がやや太めになります。
) 胴紐形茶碗: 半筒茶碗の胴の中央部に、凸状の出っ張りのある茶碗です。
) 呉器(ごき)形茶碗: 筒茶碗の底部が丸みを帯びた形の茶碗です。
) 馬盥(ばたらい)形茶碗: 口径が大きく、半筒茶碗より更に高さが低い茶碗です。
) 沓(くつ)形茶碗、沓茶碗: 馬盥形茶碗が大きく歪んだ形になった茶碗です。
) 鉄鉢(てっぱち)形茶碗: 僧侶が托鉢の際に持つ、鉄鉢に似た形で、球体の上部を切り
取った様な形の茶碗です。
xi) 塩笥(しおげ)茶碗: 元々は塩、味噌などを入れた容器で、茶人が真冬用の茶碗として
使用した物です。丸みのある胴にやや細まった口が付いている形です。
Xii) 平(ひら)茶碗: お皿の様な形の茶碗で、主に夏茶碗として使います。
xiii) その他
a) 杉形(すぎなり)茶碗: 底が狭く、口縁に向かって径が直線的に開いた形です。
b) 五峯(ごほう)茶碗: 楽茶碗に多く、口縁の凹凸が五つ有る形の茶碗です。
c) 五所丸茶碗: 主に豊臣、徳川初期朝鮮より渡来した茶碗で、塩笥茶碗を小振りにした
形の茶碗です。
② 抹茶々碗には特徴的な高台名があります。
) 撥(ばち)高台: 根元が細く末広がり状の高台です。三味線の撥から来ています。
) 三日月高台:輪高台の外側と内側の「中心をずらし」高台幅を不均一にした物です。
) 竹節高台: 高台の中央部に竹の節を模した突起があります。
) 切高台: 輪高台の一部を「Vの字」状又は「矩形」に切り取った物です。
) 桜高台: 高台を桜の五弁の花びらに見立てた物で、タタラ状の粘土紐を後から接着
した物です。
) 四方(よも)高台: 輪ではなく四角の高台です。
) 碁笥底(ごけぞこ)高台: 囲碁の石を入れる容器の底の様に、底の中央が凹んでいる
高台です。
以下次回に続きます。