わ! かった陶芸 (明窓窯)

 作陶や技術的方法、疑問、質問など陶芸全般 
 特に電動轆轤技法、各種装飾方法、釉薬などについてお話します。

盆器(盆栽鉢) 7(盆器を作る2)

2011-09-19 22:19:08 | 陶芸四方山話 (民藝、盆栽鉢、その他)
2) 作り方を決める。(前回の続きです。)

 ③ 紐作り。

   紐作りでは、手回し轆轤を使うと便利です。轆轤がない場合には、紙の上で作業すると、

   紙と伴に作品が簡単に回転できます。

   紐作りの特徴は、どんな形や大きさにも対応できる事です。即ち万能の作り方とも言えます。

  ) 難点としては、手間が掛かる事です。

  ) 更に、表面を綺麗に仕上げる為には、削り加工が必要で、結構熟練を要する作業です。

  ) 歪み無く、作品を仕上げるのは、「至難の業」とも言えます。

     逆に少しの歪みは、作品に「温か味」を与えるとも言われ、好む方も多いです。

 ④ 電動轆轤で作る

   電動轆轤が世に出て一般に普及するのは、昭和40年代頃からです。

   それ故、それより以前は、手回し轆轤や蹴轆轤(けろくろ)を使って作っていました。

   基本的には、三様の轆轤で作った作品には、差はありません。

  ) 轆轤は回転しながら作る方法ですので、作れる作品は円形が基本になります。

     但し、木瓜(もっこ)式や、輪花式盆器の様に、変形させる事も可能です。

  ) 特に、肉厚を好みの厚さに出来、更に厚みを一定に出来る事も、大きな特徴です。

  ) 外縁又は内縁は容易に作る事が可能ですし、胴の装飾の帯や、足を付ける(削り出す)事も

     簡単に出来ます。

  ) 磁器の器を作るのは、轆轤か次に述べる「鋳込み」の方法が一般的です。

     タタラ作りや、紐作りでは、ひびや「割れ」が入り製作できません。

 ⑤ 鋳込み成型。

   主に磁器を製作する場合に、行う方法です。

   石膏の型(外型のみ)に泥漿(でいしょう)を流し込み、時間を置いて、内の泥漿を流し捨てます。

   石膏が水分を吸収する事により、石膏に接した部分が固まり、型通りの作品が出来ます。

   型を複数個、用意出来れば、かなりの数を量産できます。

   複雑な形の場合には、「割り型」にする事もあります。

 ⑥ くり抜き方法

   盆器の中には、豆鉢と言われる、径が5cm以下高さが4cm以下の小さな物があります。

   形は一般の盆器と同じ様に、色々な種類があります。

   この様な小さな物を作るには、一塊(ひとかたまり)の土から、くり抜く方法が適しています。

   小さ過ぎて紐作りや轆轤作業がしにくいです。

   「むく(無垢)」で作品の外形を作り、中をくり抜きます。但し丸い場合には、轆轤を使って

   丸くくり抜けますが、中が方形の場合には、ナイフ等で穴を貫通させてから、底を付ける方法が、

   作り易いです。

3) 以上の事柄が決ったら、いよいよ製作に取り掛かります。

以下次回に続きます。
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