2) 流動性を持つと、どんな効果があるのか?。
① 釉が混ざり合い、綺麗な流れ文様ができます。
) 釉同士の境界線は不鮮明になります。
a) 一般に異なる釉を、一部二重掛けした場合、その境界線がしっかり現れるのが普通です。
釉が流れると、その境界線は不鮮明になり、場合によっては境界線上の色は、徐々に変化し
グラデーションが掛かる様になります。但し、横方向の境界線もボケますが、下方向程では
ありません。
b) 流れて出来る紋様は多種多様です。
大理石模様(マーブル)、ぼかし模様、筋状模様などで、釉の濃淡や施釉の仕方によって
変化します。
) 流れ易い釉を総称して流紋釉と呼びます。
a) 我が国では、一般に海鼠(なまこ)釉といいます。主に藁灰(わらばい)や土灰を主原料
に酸化銅、酸化マンガン、酸化コバルト等の酸化金属を8~15%程度添加する事で、
独自の色の海鼠釉を作る事が出来ます。
b) 光沢のある結晶を析出するには、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化タングステン等
を添加します。特に酸化バナジュウムを0.2~2%添加し、更に5%の酸化錫を加えると
とても綺麗な結晶が表れます。
c) 艶消し(マット)の海鼠釉を作るには、釉にカオリンと亜鉛華を加えると良いでしょう。
) 一般には素焼き後の作品に釉を掛けますが、一度本焼きした作品の上に流れる釉を掛ける
方法もあります。即ち二色の釉の熔ける温度に差を持たせる(下釉が高温、上釉が低温)事で、
より流れ易い釉が使える利点があります。
) 流れ落ちる量が大きくなると、最上部の釉は薄く伸ばされる為、ガラス層や釉の色が薄く
なり勝ちです。流れ落ちた最下部の釉は厚くなり、盛り上がり滴く状になる場合もあります。
尚、油滴天目と呼ばれる抹茶々碗は、落ちそうな天目釉(鉄系の結晶釉)の滴がギリギリの
処で止まっているのも 一つの見所と成っています。この場合も、口縁の釉が薄く伸ばされて
いる(ガラス質が薄い)為、金や銀覆輪が施され、口縁の保護と口当たりの良さを演出して
います。
) 釉が流れる事により、単体の釉では出せない色を出す事ができます。
前回も記した様に、混ざり合った釉は単体の色と異なる場合があります。二色の中間色に
成る場合も有りますが、全く異なる色に仕上がる事もあります。又、光沢が増す場合や逆に
光沢が減じる事もあります。還元焼成に敏感に反応する釉を使うと、更に色の変化が多様化
します。
② 釉の流れる量は、完全に把握する事は難しいです。
その為、流れ過ぎても棚板まで流れない様に、最下部には数cm無釉にしておく事が多いです。
又、流れ落ちても、高台まで流れない様に、作品の上部のみに流れ易い釉を掛ける場合も多い
です。
) 流れに大きく関係するのが、窯の温度です。
窯の温度は場所場所によって変化します。即ち、容量の大きい窯では、中が均一の温度に成る
事は稀です。特に燃料を使う窯では、炎が直接当たる火表が高温に成り易いです。
電気窯であれば、熱源に近いほど高温になります。その為、作品を何処に置くかの、窯詰め
作業も大切になります。
) 寝らし時間によって、流れる量も変化します。
最高温度をどの程度引っ張る(時間を掛ける)かによって、流れる範囲や量も変化します。
3) 流れ難い釉や流れ易い釉を作るには?。
以下次回に続きます。
① 釉が混ざり合い、綺麗な流れ文様ができます。
) 釉同士の境界線は不鮮明になります。
a) 一般に異なる釉を、一部二重掛けした場合、その境界線がしっかり現れるのが普通です。
釉が流れると、その境界線は不鮮明になり、場合によっては境界線上の色は、徐々に変化し
グラデーションが掛かる様になります。但し、横方向の境界線もボケますが、下方向程では
ありません。
b) 流れて出来る紋様は多種多様です。
大理石模様(マーブル)、ぼかし模様、筋状模様などで、釉の濃淡や施釉の仕方によって
変化します。
) 流れ易い釉を総称して流紋釉と呼びます。
a) 我が国では、一般に海鼠(なまこ)釉といいます。主に藁灰(わらばい)や土灰を主原料
に酸化銅、酸化マンガン、酸化コバルト等の酸化金属を8~15%程度添加する事で、
独自の色の海鼠釉を作る事が出来ます。
b) 光沢のある結晶を析出するには、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化タングステン等
を添加します。特に酸化バナジュウムを0.2~2%添加し、更に5%の酸化錫を加えると
とても綺麗な結晶が表れます。
c) 艶消し(マット)の海鼠釉を作るには、釉にカオリンと亜鉛華を加えると良いでしょう。
) 一般には素焼き後の作品に釉を掛けますが、一度本焼きした作品の上に流れる釉を掛ける
方法もあります。即ち二色の釉の熔ける温度に差を持たせる(下釉が高温、上釉が低温)事で、
より流れ易い釉が使える利点があります。
) 流れ落ちる量が大きくなると、最上部の釉は薄く伸ばされる為、ガラス層や釉の色が薄く
なり勝ちです。流れ落ちた最下部の釉は厚くなり、盛り上がり滴く状になる場合もあります。
尚、油滴天目と呼ばれる抹茶々碗は、落ちそうな天目釉(鉄系の結晶釉)の滴がギリギリの
処で止まっているのも 一つの見所と成っています。この場合も、口縁の釉が薄く伸ばされて
いる(ガラス質が薄い)為、金や銀覆輪が施され、口縁の保護と口当たりの良さを演出して
います。
) 釉が流れる事により、単体の釉では出せない色を出す事ができます。
前回も記した様に、混ざり合った釉は単体の色と異なる場合があります。二色の中間色に
成る場合も有りますが、全く異なる色に仕上がる事もあります。又、光沢が増す場合や逆に
光沢が減じる事もあります。還元焼成に敏感に反応する釉を使うと、更に色の変化が多様化
します。
② 釉の流れる量は、完全に把握する事は難しいです。
その為、流れ過ぎても棚板まで流れない様に、最下部には数cm無釉にしておく事が多いです。
又、流れ落ちても、高台まで流れない様に、作品の上部のみに流れ易い釉を掛ける場合も多い
です。
) 流れに大きく関係するのが、窯の温度です。
窯の温度は場所場所によって変化します。即ち、容量の大きい窯では、中が均一の温度に成る
事は稀です。特に燃料を使う窯では、炎が直接当たる火表が高温に成り易いです。
電気窯であれば、熱源に近いほど高温になります。その為、作品を何処に置くかの、窯詰め
作業も大切になります。
) 寝らし時間によって、流れる量も変化します。
最高温度をどの程度引っ張る(時間を掛ける)かによって、流れる範囲や量も変化します。
3) 流れ難い釉や流れ易い釉を作るには?。
以下次回に続きます。
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