「りぼん」様より、以下の質問をお受けしましたので、私なりの回答を致します。
現在、主に、転写での上絵付けをしております。透明釉の白磁器のすり傷に常に悩まされております。
再焼成で修正できるとのことで、是非、方法をお伺いしたくよろしくお願いいたします。
電気炉の焼成温度(当方の電気炉は1350度まで上がります)、焼成時間
ご多忙のところ、恐縮ですが是非ともご教授ください。よろしくお願いいたします。
◎ 明窓窯より。
1) 上絵付け焼成後に付いた、透明釉の「すり傷」は二度焼きでは修正できません。
透明釉を掛けた作品と、上絵付けの焼成温度が異なりますので、透明釉を再度熔かす温度で焼成
すると、上絵付けが飛んでしまう(消失する)からです。完全に焼失し表面が綺麗に成れば良い
のですが、多くの場合、上絵付けの残渣が残り、表面を汚しますので、結果的に効果ありません
2) 上絵付け前の「すり傷」であれば、二度焼きで修正(消す)する事ができます。
再度、透明釉が熔ける温度で焼成すれば良い訳です。そのまま再焼成するか、大きな傷であれば
筆や刷毛で傷部分に透明釉を塗ります。
3) 上絵付け前に釉の「すり傷」の有無を確認してから、上絵付けを施す事で失敗を少なくします。
4) 何よりも、すり傷が出来る原因を調べ、取り除く事が先決事項となります。
磁器を焼く程度であれば、1280~1300℃で焼成していると思われます。(最低でも1250℃
程度以上は必要です。)この程度の温度で焼成した釉の表面に、陶芸作業中に「すり傷」が出来
る事は不自然です。転写の際に刃物や固い物は不要ですので、傷付く事はほとんどありません。
① 考えられる事は、窯入れ窯出しの際が疑われます。即ち、狭い空間に無理して窯詰めし、
隣同士の作品で擦れ合い、傷が出来る事が考えられます。又、上扉の電気窯の場合、作品を上部
に引き抜く様にして取り出しますので、作品の下部が見え難く「ぶつけたり、すり」傷を付ける
恐れもあります。
② 作品の梱包の不十分による傷が付く場合もあります。
特に上絵付けされた部分は、透明釉部分より強度的に弱いですので、作品一個一個を梱包材で
包む必要があります。又作品同士が摩り合わない様に、クッション材を間に入れ「ガタツキ」を
防ぐ事も大切です。
③ 釉の表面が軟らかい場合。
釉はガラス質ですので、十分熔けていれば、ダイヤモンドヤスリ掛をける等特殊な作業をしない
限り、傷付く事はほとんどありません。カッターナイフや鉄鋼ヤスリでは、ほとんど傷が出来
ません。但し、焼成温度が所定より低い場合や、特殊な釉の配合で釉の表面が若干弱い(軟ら
かい)場合には、傷付き易くなるかも知れません。
④ すり傷であるかの確認が必要です。質問者は「すり傷」と断定していますが、一度疑って
下さい。表面の傷は「すり傷」よりも「貫入(にゅう)」や「ひび」「釉溜り」その他の傷の
方が頻繁に起こり易いです。それ故「すり傷」であるかを再度確認してから対策をとる事を
お勧めします。
◎ 結論。
多くの場合、「すり傷」は作品の取り扱う際の不手際で発生すると思われますので、作品の
取り扱いを慎重に行う事で、傷の発生を減らして下さい。
以上。 又不明な点がありましたら、再度ご質問下さい。
現在、主に、転写での上絵付けをしております。透明釉の白磁器のすり傷に常に悩まされております。
再焼成で修正できるとのことで、是非、方法をお伺いしたくよろしくお願いいたします。
電気炉の焼成温度(当方の電気炉は1350度まで上がります)、焼成時間
ご多忙のところ、恐縮ですが是非ともご教授ください。よろしくお願いいたします。
◎ 明窓窯より。
1) 上絵付け焼成後に付いた、透明釉の「すり傷」は二度焼きでは修正できません。
透明釉を掛けた作品と、上絵付けの焼成温度が異なりますので、透明釉を再度熔かす温度で焼成
すると、上絵付けが飛んでしまう(消失する)からです。完全に焼失し表面が綺麗に成れば良い
のですが、多くの場合、上絵付けの残渣が残り、表面を汚しますので、結果的に効果ありません
2) 上絵付け前の「すり傷」であれば、二度焼きで修正(消す)する事ができます。
再度、透明釉が熔ける温度で焼成すれば良い訳です。そのまま再焼成するか、大きな傷であれば
筆や刷毛で傷部分に透明釉を塗ります。
3) 上絵付け前に釉の「すり傷」の有無を確認してから、上絵付けを施す事で失敗を少なくします。
4) 何よりも、すり傷が出来る原因を調べ、取り除く事が先決事項となります。
磁器を焼く程度であれば、1280~1300℃で焼成していると思われます。(最低でも1250℃
程度以上は必要です。)この程度の温度で焼成した釉の表面に、陶芸作業中に「すり傷」が出来
る事は不自然です。転写の際に刃物や固い物は不要ですので、傷付く事はほとんどありません。
① 考えられる事は、窯入れ窯出しの際が疑われます。即ち、狭い空間に無理して窯詰めし、
隣同士の作品で擦れ合い、傷が出来る事が考えられます。又、上扉の電気窯の場合、作品を上部
に引き抜く様にして取り出しますので、作品の下部が見え難く「ぶつけたり、すり」傷を付ける
恐れもあります。
② 作品の梱包の不十分による傷が付く場合もあります。
特に上絵付けされた部分は、透明釉部分より強度的に弱いですので、作品一個一個を梱包材で
包む必要があります。又作品同士が摩り合わない様に、クッション材を間に入れ「ガタツキ」を
防ぐ事も大切です。
③ 釉の表面が軟らかい場合。
釉はガラス質ですので、十分熔けていれば、ダイヤモンドヤスリ掛をける等特殊な作業をしない
限り、傷付く事はほとんどありません。カッターナイフや鉄鋼ヤスリでは、ほとんど傷が出来
ません。但し、焼成温度が所定より低い場合や、特殊な釉の配合で釉の表面が若干弱い(軟ら
かい)場合には、傷付き易くなるかも知れません。
④ すり傷であるかの確認が必要です。質問者は「すり傷」と断定していますが、一度疑って
下さい。表面の傷は「すり傷」よりも「貫入(にゅう)」や「ひび」「釉溜り」その他の傷の
方が頻繁に起こり易いです。それ故「すり傷」であるかを再度確認してから対策をとる事を
お勧めします。
◎ 結論。
多くの場合、「すり傷」は作品の取り扱う際の不手際で発生すると思われますので、作品の
取り扱いを慎重に行う事で、傷の発生を減らして下さい。
以上。 又不明な点がありましたら、再度ご質問下さい。
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