3) 近年は焼成時間が短くなっています。
本焼きの時間は勿論、素焼きの時間も短くなっています。最初に本焼きに付いて述べます。
量産を主体とした商業的ではなく、個人やグループ、小規模な陶芸教室などでは、必ずしも
一度に多量の焼き物を作る(焼く)訳ではありません。陶芸で一番手間隙が掛かり、難しいと
言われているのが、窯を焚く事です(特に本焼き)。その為、より簡便に窯が焚ける事が
要望され、それに応じて、窯のみでなく、粘土や釉の改良がなさ、それらが市販されいます。
以前と比べて、それ程苦労せずに窯焚きが行われる様になりました。但し、「窯焚き一生」と
言われる程で、窯は簡単に焚ける様に成りましたが、希望する焼き物を焼くには、現在でも
大変な苦労があるのは、変わりまません。
① 焼成時間が短くなった理由
) 比較的小型な窯が多くなった。
特に近年、燃料を使わない小型の電気窯が普及しています。小さな窯では、家庭用の単相
100Vの電力でも焼成が可能に成っています。小型ですので、短時間で所定の温度に達し易い
です。尚、燃料(ガス、灯油)を使う窯では、電気窯程容量の小さな窯は見当たりません。
) 窯の構造や材質、燃料の影響で、熱効率が良くなった。
一般に窯の壁材は耐火レンガ(軽量が主役に成っています)を用いて作られていますが、
その他に、耐火ボードやセラミック・ファイバー(ウール)と呼ばれる素材が出現し重量が
軽い窯も登場しています。即ち、耐火レンガを使わなくても、1250~1300℃まで耐える事が
可能の窯であり、フアイバー(ウール)を用いれば、密封度も上がり、温度のロスも少なく
なっています。又、耐火レンガと併用して使えば、窯の壁の厚みが増し、表面より逃げる
熱が少なくなりますので、温度上昇も早くなります。
) 粘土や釉の改良がなされ、比較的短時間焼成が可能になった。
a) 粘土は産地毎に特徴があり、温度の急上昇に耐えない土もあります。例えば本来の備前土
は短時間で昇温すると、素地が煎餅の様に膨らむ為、じっくり温度をげる必要があります。
その為、焼成時間は長時間になります。その他にも、長時間焼かないと焼き締まらない土も
あります。
b) 現在陶芸材料店で市販されている多くの土は、約8時間で焼き締まる様に調合されている
と言われています。備前の土として市販されている土も、実際にはこの様に調整された合成
備前が主流に成っています。それ故、8時間程度の窯焚きで土も焼き締まり、作品として
立派に通用します。但し、素焼きをした作品である事が前提条件です。
備前土は素焼きを行いませんので、ゆっくり温度上昇させる素焼き分も含めると、実際には
もっと長くなります。
c) 市販されている多くの釉も土と同様に、約8時間で十分熔ける様に調合されています。
勿論、温度範囲は明記されていますので、この範囲内での事です。
土と釉がこの様に約8時間で焼成できる用になった結果焼成時間も、以前より短くする事も
可能になりました。
) 温度上昇速度にメリハリを付けて短時間で焼成を終わる。
極端ですが、大分以前に、素焼きが2時間、本焼きが4時間で終わる事が可能と宣伝する
窯がありました。
以下次回に続きます。
本焼きの時間は勿論、素焼きの時間も短くなっています。最初に本焼きに付いて述べます。
量産を主体とした商業的ではなく、個人やグループ、小規模な陶芸教室などでは、必ずしも
一度に多量の焼き物を作る(焼く)訳ではありません。陶芸で一番手間隙が掛かり、難しいと
言われているのが、窯を焚く事です(特に本焼き)。その為、より簡便に窯が焚ける事が
要望され、それに応じて、窯のみでなく、粘土や釉の改良がなさ、それらが市販されいます。
以前と比べて、それ程苦労せずに窯焚きが行われる様になりました。但し、「窯焚き一生」と
言われる程で、窯は簡単に焚ける様に成りましたが、希望する焼き物を焼くには、現在でも
大変な苦労があるのは、変わりまません。
① 焼成時間が短くなった理由
) 比較的小型な窯が多くなった。
特に近年、燃料を使わない小型の電気窯が普及しています。小さな窯では、家庭用の単相
100Vの電力でも焼成が可能に成っています。小型ですので、短時間で所定の温度に達し易い
です。尚、燃料(ガス、灯油)を使う窯では、電気窯程容量の小さな窯は見当たりません。
) 窯の構造や材質、燃料の影響で、熱効率が良くなった。
一般に窯の壁材は耐火レンガ(軽量が主役に成っています)を用いて作られていますが、
その他に、耐火ボードやセラミック・ファイバー(ウール)と呼ばれる素材が出現し重量が
軽い窯も登場しています。即ち、耐火レンガを使わなくても、1250~1300℃まで耐える事が
可能の窯であり、フアイバー(ウール)を用いれば、密封度も上がり、温度のロスも少なく
なっています。又、耐火レンガと併用して使えば、窯の壁の厚みが増し、表面より逃げる
熱が少なくなりますので、温度上昇も早くなります。
) 粘土や釉の改良がなされ、比較的短時間焼成が可能になった。
a) 粘土は産地毎に特徴があり、温度の急上昇に耐えない土もあります。例えば本来の備前土
は短時間で昇温すると、素地が煎餅の様に膨らむ為、じっくり温度をげる必要があります。
その為、焼成時間は長時間になります。その他にも、長時間焼かないと焼き締まらない土も
あります。
b) 現在陶芸材料店で市販されている多くの土は、約8時間で焼き締まる様に調合されている
と言われています。備前の土として市販されている土も、実際にはこの様に調整された合成
備前が主流に成っています。それ故、8時間程度の窯焚きで土も焼き締まり、作品として
立派に通用します。但し、素焼きをした作品である事が前提条件です。
備前土は素焼きを行いませんので、ゆっくり温度上昇させる素焼き分も含めると、実際には
もっと長くなります。
c) 市販されている多くの釉も土と同様に、約8時間で十分熔ける様に調合されています。
勿論、温度範囲は明記されていますので、この範囲内での事です。
土と釉がこの様に約8時間で焼成できる用になった結果焼成時間も、以前より短くする事も
可能になりました。
) 温度上昇速度にメリハリを付けて短時間で焼成を終わる。
極端ですが、大分以前に、素焼きが2時間、本焼きが4時間で終わる事が可能と宣伝する
窯がありました。
以下次回に続きます。
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