愛知の史跡めぐり

愛知県の史跡を巡り、その記録を掲載します。

名古屋城 本丸(2) 名古屋市中区

2016年01月10日 09時48分24秒 | 名古屋市中区
本物らしくない天守閣
本丸御殿の次は天守閣です。ご存知のように天守閣は鉄筋コンクリート製です。昔の風景とは似つかわしくないものがどれくらいあるのか、探してみました。

エレベーター
まずは、外部からのエレベーターです。



こちらは天守閣内のエレベーターです。最上階まではいけませんが、一つ手前の階まで上がることができます。
これらのエレベーターは、足の不自由な人にとっては大変ありがたい施設です。しかし、昔の風景を味わいたい人には全くナンセンスなものです。
ちなみに、私は利用しましたが。

階段
階段も緩やかです。先日訪れた掛川城の階段とは大違いです。しかも、階段には滑り止めや手すりも付いています。普通のビルの階段と全く同じです。安全面での対応として必要だったのでしょうか。



掛川城天守閣の階段

最上階に売店
そして最上階には御土産を売る売店が入っていました。

これもありえない風景です。

博物館 名古屋城
各階には展示がありますが、しっかり空調設備も入っていました。


天井には扇風機もありました。


足元を見ると、床はフローリング又はタイルです。


子どもさんたちのために石垣を引っ張ってみるというコーナーもあります。


こうして天守閣の中を見ると、外見は城ですが、中身はまさに近代的な展示館となっていることが分かります。
したがって、名古屋城の木造化をめぐる話は、こうした名古屋城のあり方を変えるか否かという話でもあります。
名古屋城を訪れている人に子どもさんや女性の方が多く見られますが、こうした博物館的な機能があることも一つの要因ではないかと思います。
とすれば、名古屋城の博物館をどこに建てるのか、または無くすのかということも議論する必要があります。

本物そっくりの外観 これも技術
また、簡単に「外は城、中は博物館」と言いましたが、外のつくりにも大変な技術を要したことも忘れてはいけません。外見を再現するのに、ミリ単位で復元したといいます。そういう意味で外見の復元技術もすばらしいものがあります。名古屋城はどこから見ても江戸時代のお城に見えます。昭和の再建工事に携わった人にとって誇りになっているそうです。これも捨てがたいです。

精密に復元されている天守閣外見