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日々の暮らしのなかで

フーリガン

2006年06月19日 | 日記・エッセイ・コラム
日本代表、勝てませんでしたね。

「可能性」を残すって事で言えば、昨日の試合は正に“大一番”な試合。
中継するテレビ局も「負けられない試合」って気合入りまくり。

かく言う僕も結構気合入ってました。
豪州戦の時と同じように、缶チューハイを片手に観戦することに!
冷蔵庫を覗くと

「ない! 缶チューハイがない!」

キックオフまで時間がもう無い中、あわててコンビニに走る僕。
田舎だけに夜の10時前には車もそんなに走ってないが、
昨日は余計に少なく感じた。

コンビニにつくと、駐車場に車はない。

「みんなテレビに釘付けやな」

車を降りて店内に入ろうとした時、奇妙なモノを見つけた。

「なんじゃ、あれ?」

駐車場の片隅に、宴会でもしているように
乾きモノの肴を中心に、缶ビールが円を描くように並んでいる。
しかし、人はいない。

「宴の跡か?」

訝しく思いながら店内に入って状況を理解した。
店内では、5人程の若者が騒がしく次のアテを選んでいる。

このコンビニ、結構賑わう店である。

冬場はそんなに人出は多くないがが、夏になると何処からともなく出てくる。
サービスも満点で、駐車場は臨時の「品評会場」となる。
いろんな車がエンジンをかけたまま並び、その周りを取り巻く人は
タバコの煙りをくゆらせながら、楽しそうに座り込んで喋っている。

いろんな人が集まるこの店。
若者だけでなく、白黒ツートンに塗り分けた車に乗って登場する人もいる。
ビシッと制服に身を包み、車には赤色灯までついている。

ほとんどの人は遠巻きに見ているだけだけど、
時にはそんな制服おじさんを取り囲んで談笑しているのも目にする。

気弱な僕は、そんな楽しそうな若者の輪に入る事も出来ず、
ただ眺めるだけだ。

昨日の5人組も、ワールドカップの大一番を前にテンションが上がって
いたのだろうか?
ただ、テレビもなく観戦するには、ちょっと不便な場所ではあったが…。

そそくさと缶チューハイを買った僕は、彼等を横目に車のエンジンをかけた。

帰り道、“ボボーボ、ボーボ、ボーボボォォォォォ”と
アフロなエンジン音が前から聞こえてきた。
小刻みにバウンドするその車は、コンビニの前でブレーキを踏む。

「合流されました!」

実況風に呟いた僕は、テレビを見るためにアクセルを踏んだ。

彼等はあの後、どうしたんだろう。