おかげさまで生きてます

日々の暮らしのなかで

無題

2010年12月05日 | 日記・エッセイ・コラム
斎場からの道は混雑していた
 
一本道ではない
地元から続く道はこの一本だけではない
しかし、彼の生まれ育った場所を通るその道には
いくつもの車が列を作って走っていた
悲しみの数だけ、ライトの数がある・・・と
感傷的に思ってしまうほど
 
彼との付き合いは短い
親友と言うには、あまりにも短く、
友人と紹介するには、彼の事を何も知らない
消防団の分団長としての付き合いが最初だ
それからの付き合いだから、
知り合いとして、彼の通夜に参列した
 
真面目な人だった
僕を見つけると、いつも声を掛けてくれた
実直な笑顔が印象的だった
自分の事より、人の心配をし
自分の事よりも、人の幸せを喜ぶような人だった
でも、それは何も知らない僕が、
勝手に彼につけた印象だったのかも知れない
いや、そうだろう
 
それでも彼は真面目な人だった
 
未だに信じられない気持ちだ
彼の事をここに書くかどうか迷ったが、
彼が生きていた事を知らせたくて、
少しだけ書くことにした
 
 
祭壇に彼の写真を見た
笑顔の写真だった
 
 
 
あの実直な笑顔だった
 
 
 
心よりご冥福をお祈りいたします
 
 

 
 
 
 
 
 
 


コメント
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