穏やかで、暖かな年末。
先月だったか・・・、それとも先々月だったか・・・。
この漫画『ぶっせん』が、舞台化されて(それ以前、テレビドラマ化されたらしい・・・が、私は、リアルタイムで、テレビを見ていないので、・・・らしい・・・としか言えません)、観劇に行こうかな・・・と思っていたのだけれど、大極楽シート(座席前方)は、既に完売。
残りの中極楽シートも、後部座席しか空きがなかったし、時間は、充分だけれど、失業中の身なれば、チケット代金など少しは節約せねばの・・・ということで、見送り。
・・・というわけで、原作本を購入して読んでみました。
感想・・・一言。
『面白い。』
仏物専寺(ぶっせん):禅寺 VS 金々腹寺:密教
貧乏寺の仏物専寺の唯一のお弟子でインテリ僧侶の雲信が、入学金目当てに始めた仏教専門学園(ぶっせん)。
それを阻止しようと企むライバルの金々腹寺の阿闍梨と弟子の貞奉。
金々腹寺のスパイとして送り込まれるのは、超天然?馬鹿だけれど、犬並みの嗅覚の持ち主・田村正助。
金々腹寺の四姉妹+唯一の男の子で、跡継ぎの真。
主人公・正助にそっくりな金々腹寺の第二のスパイ・オキタネ、ピンクぃうさぎ(キャバレー)のオーナーで、自らバニーガール(バンニーちゃん)の装束で、商売に励む・みさき。従業員のバンニーちゃん・あけみ。
宝塚音楽学校の入試に失敗して、ぶっせんに入学した唯一の女人・三条くん。
95歳にして町内マラソン盆踊りの優勝者で、ぶっせん二人目の女生徒のキクさんなどなど。
登場人物がスゴすぎる。
私は、最初『ぶっせん』の著作者・三宅乱丈氏は、男性かと思いましたね。
男性の手によるものなのかと・・・。
でも、最終巻のあとがきで、氏は、半分裸体で、登場し、豊かな胸を露わにされております。
何より、いろいろな知識が満載です。それだけ拾い読みしても、充分面白い。
『寺庭(じてい)』=お寺の住職の婦人、『納衣(おころも)』=僧侶の法衣、禅宗の公案、典座、廃仏毀釈、禅による小脳・三半規管の機能・・・各所に散りばめられております。
銃刀法違反(拳銃で、除夜の鐘を鳴らしてしまう)の仏物専寺の老師・・・この人物が愛おしい。
まさに、大悟した老師と言えるかもしれません。この老師と対をなすようなキクさん・・・。
私は、この老師とキクさんが特に大好きなのです。