梅雨があけたようで、正午前に、裏の雑木林から、油蝉の鳴き声。
ケタたましく、喧しく、暑苦しく・・・。
奴らは、5年から10年くらい?土の中で、ヌクヌクと過ごし、地上では、1週間から10日の命だそうで、そうなれば、鳴いたもん勝ちなのだろうか・・・。
よくわからないけれど、あんなに鳴いていると、天敵(鳥)などに、狙われたりしないのか・・・と思う。老婆心ながら・・・。
それでも、今日は、油蝉の初鳴きを聞く。
夏・・・である。
うんざりするくらい夏である・・・。
・・・うんざりしながら、この暑さをやり過ごす。
暑いので、(別に、暑くなくても、ダラダラ寝暮らしているけれど)、うっかり、昼寝などしてしまい、目覚めたら、夕方だった。
何時の間に、寝入ってしまったのだろうか・・・。
夕方なのか、明け方なのか・・・一瞬、時間と自分を忘れてしまった。
忘れているうちは、幸福である。
寝入っているうちは、幸福である。
不幸なのは、目覚めて、今の自分を思い出すことだ。
そのときの絶望感・・・たら、筆舌に尽くしがたい。
そんな毎日を送っていた・・・いや、今でも送っている。
明け方なのか、夕方なのかも、解らずにいる一瞬の間。
そんな絶望の日々でもある。
梅雨が、あけて、油蝉が鳴いて・・・それでも、私は、未だに、去年の夏から、逃れられていない。
去年の夏は、色褪せもせず、くすんだ記憶を、いつまでも、ひきずって、新しい夏の色には、染まる事のない・・・そんな絶望的な、夏の始まり。