鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

『私にできるすべてのこと:池辺葵・著』

2022-04-24 22:24:24 | Weblog

たけのこ梅雨に突入?なのか・・・昨日よりも、最高気温10度近く低下。

日中は、どんよりとした曇り空で、夕刻より雨。

20℃前後が、一番過ごしやすい・・・とは思うのだけれども、昨日の蒸し暑さを体感してしまうと、何やら肌寒いような日曜日。

 

暫く、新しく読む本などご無沙汰状態で。

再読などは、していたのだけれど、ほんの少しのつまみ読みをしても、集中が難しくて、すぐページを閉じてしまう。

以前は、本を読むために生きていた?ようなところもあったのに、変われば、変わるもの・・・と思っています。

 

漫画家・池辺葵。

不思議な物語と不思議な画力。

画力は、上手いのか下手なのか・・・で言えば、そう画力のあるほうだとは、思えない・・・(違うのかもしれないが・・・)。

最初は、よくわからない・・・のだけれど、物語が進むにつれて、登場人物の名前、役割、関連が、繋がって来る。

20年前に大量破棄されたヒト型AIロボット達と、それらに関わる人物の物語。

喫茶店の老女主人、その友達、コールセンタークレーム部で働くリリィとショウとその上司・田岡。ガンを患うゲート管理の林田さん。旧ヒト型AI開発を担ってきた科学者兼社長と官僚。

 

数十年前・・・某・SONYから、ロボット犬AIBOが、発売されて、そして、生産を終了。

長年、ペット?として飼い続け、部品の寿命が来ても、修理できる体制がなくなった・・・。

AIBO開発に関わった社員のおひとりが、AIOBの修理会社を立ち上げて、修理は、数か月から数年待ち・・・とのことで、余命宣告をされたお年寄りなどが、修理されて戻って来るAIBOを待っているのだという・・・。

 

使い捨ての機械、心を持たない機械たち。

 

そのヒトと同じ形状の目のなかの監視カメラと、CPUから取り出された過去の記憶。

記憶に感情をのせない・・・というAI。

 

ジャンルは、SFということだけれど、今迄の人間のドロ臭さ・・・みたいなものを描き続けた池辺葵で、記憶とそれに伴う感情が全て・・・みたいな作品が多かったような気がしているけれど。

 

その記憶に感情をのせないAIには、破棄される悲しみも痛みも、なにもないハズなんですけどね・・・。

そこは、やはり池辺葵・・・なんだろうな・・・と自分でもよくわからない読後感であったりします。