最高気温20℃越。
市内の桜は、ほぼ散ってしまったようなのだけれど、路上に散った花びらが、強風で、舞い上がり、桜吹雪。
朝から、県央のシネマ・コンプレックスで、『Haute Couture』を鑑賞。
クリスチャン・ディオールの工房で、お針子の頂点を極めたエステルは、引退まじか。
仕事一筋で、娘とも断絶状態。糖尿病を患い、孤独な日々の中、移民の娘でスリのジャドにバッグをひったくられた。
ジャドの手をみた瞬間、その器用さを見抜き、お針子見習いにスカウトするが・・・。
ジャドは、鬱病を病む母親の介護、宗教など、問題も多く、ディオールの工房でも、たびたび問題を起こしてしまう。
安価で大量生産のフリースを着用するジャドと、シルクの上質な服を日常的に纏っているエステル。
着用するひとにとって、用途はさまざまだけれど、本物のシルクの価値を知る人は、激減している現代。
本物の価値、古き佳き美しいアトリエに流れ堆積する時間、フェルメールの静謐な世界を思わせる空気感のある映画。
フランス映画は、起伏が少なくて、淡々としていて、少し退屈だけれど、私は、こういう映画は、好き。
或る意味、退屈さも魅力のひとつなのが、フランス映画かも・・・。
美を縫い込む技術の世界。
機械だったら数分で終わるであろう作業を人の手で行う服飾づくりの技術。
私には、縁のない仕事だけれど、こういう職人になれたら、それはそれで、物凄く幸せだったかも・・・とか、思ったりして。