さすがに肉体労働が二日間続いたのでちょっと疲れた。特に右手の親指の付け根が痛くて物を捕まえることができない。重い物でも人差し指から小指の4本で吊り上げることなら何とかできる。それでも1月に比べれば痛みはかなり減ってきた。NPO「おたすけ」では私は若い方に属するのに、年上の皆さんに頼ってばかりはいられない。痛みが減ってくれば、ついつい頑張ってやろうとするから、結果的には肉体的疲労は増してしまう。
月曜日に2本、そして今日新たに1本、井戸掘りを行なった。3ヶ所とも運のよいことに豊かな水量なので安心した。濃尾平野は地下4.5メートル前後のところに水脈があるようだ。この家の90歳になるお母さんが「昔のことはよく覚えているが、昨日今日のことを忘れてしまう。私たちの頃には書類なんかなかったから、どこの何なのか言われてもさっぱりわからん。そんでもねえ、歩けるうちはいいわね。こうやって皆さんにお茶を持ってくることもできるしね。手が動けんくなったらどうしょうね」と話しかけてきた。
「私なんかもすぐ忘れる。あれ、今何しに来たんかなと考えることばっかりですよ」と仲間がお母さんに言う。私が「手が動けんと困りますか」と聞くと、「お飯が自分で食べられないがね。口あけて食べさせてもらうのはかなわんね」とお母さんは言う。「妹が、ボケたなんて言ったらいかんと言うけどね、あの子も始まっとるでね」とお母さん。「妹さんはおいくつですか」と尋ねると、「7つ下だがね」とお母さん。「昔は7つもあるとえらい違いだったけんど、もう変わらへんでね」と続ける。話し相手が欲しいのだろうなと思ったけれど、お母さんの相手ばかりしているわけにもいかず困った。
それでも2つ目の井戸から大量の水が出て、放水銃で空に吹き上げて見せると、「ようやってくれたね」とほめてくれた。後は手押しポンプをどれにするか、決めてもらったら発注し、取り付ける作業と、もう一つの井戸の方に電動ポンプを据付け、庭に散水できるように配管をする。かつてこの家にも井戸があり、散水の装置もあったけれどいつの間にか水が出なくなったとお母さんは嘆いていたけれど、それをもう一度復活させてあげたい。
それにしても男手のないこの家の庭は手入れができていない。廃棄物があちらこちらに山になっている。600坪あるというから、女だけでこれを守るにはやはり無理がある。「井戸の設置ができたなら、一度みんなでこの庭の手入れをしませんか」と提案している。今日は作業するには暑いくらいだった。これからこんな日が続くだろう。寒くては仕事にならないけれど、暑さもまた大変である。皆さんが熱中症にならないように気を配らなくてはならない。
年寄りはどうも我が強い。なかなか折れることがない。ぶつかってしまう前に取り成すことも大事だが、無理なく持っていかないとただの八方美人と言われかねない。決して前に出ず、年上の皆さんが納得してもらえるようにしなくてはならない。事務方のつらい役割だが、誰かがそれを引き受けなくては組織は機能しない。それもまた疲れるが仕方ない。
月曜日に2本、そして今日新たに1本、井戸掘りを行なった。3ヶ所とも運のよいことに豊かな水量なので安心した。濃尾平野は地下4.5メートル前後のところに水脈があるようだ。この家の90歳になるお母さんが「昔のことはよく覚えているが、昨日今日のことを忘れてしまう。私たちの頃には書類なんかなかったから、どこの何なのか言われてもさっぱりわからん。そんでもねえ、歩けるうちはいいわね。こうやって皆さんにお茶を持ってくることもできるしね。手が動けんくなったらどうしょうね」と話しかけてきた。
「私なんかもすぐ忘れる。あれ、今何しに来たんかなと考えることばっかりですよ」と仲間がお母さんに言う。私が「手が動けんと困りますか」と聞くと、「お飯が自分で食べられないがね。口あけて食べさせてもらうのはかなわんね」とお母さんは言う。「妹が、ボケたなんて言ったらいかんと言うけどね、あの子も始まっとるでね」とお母さん。「妹さんはおいくつですか」と尋ねると、「7つ下だがね」とお母さん。「昔は7つもあるとえらい違いだったけんど、もう変わらへんでね」と続ける。話し相手が欲しいのだろうなと思ったけれど、お母さんの相手ばかりしているわけにもいかず困った。
それでも2つ目の井戸から大量の水が出て、放水銃で空に吹き上げて見せると、「ようやってくれたね」とほめてくれた。後は手押しポンプをどれにするか、決めてもらったら発注し、取り付ける作業と、もう一つの井戸の方に電動ポンプを据付け、庭に散水できるように配管をする。かつてこの家にも井戸があり、散水の装置もあったけれどいつの間にか水が出なくなったとお母さんは嘆いていたけれど、それをもう一度復活させてあげたい。
それにしても男手のないこの家の庭は手入れができていない。廃棄物があちらこちらに山になっている。600坪あるというから、女だけでこれを守るにはやはり無理がある。「井戸の設置ができたなら、一度みんなでこの庭の手入れをしませんか」と提案している。今日は作業するには暑いくらいだった。これからこんな日が続くだろう。寒くては仕事にならないけれど、暑さもまた大変である。皆さんが熱中症にならないように気を配らなくてはならない。
年寄りはどうも我が強い。なかなか折れることがない。ぶつかってしまう前に取り成すことも大事だが、無理なく持っていかないとただの八方美人と言われかねない。決して前に出ず、年上の皆さんが納得してもらえるようにしなくてはならない。事務方のつらい役割だが、誰かがそれを引き受けなくては組織は機能しない。それもまた疲れるが仕方ない。