友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

奈良へ行ってきました その2

2010年11月08日 20時57分36秒 | Weblog
 翌日は平城京遺跡を見て、西ノ京へと出かけた。遷都1300年を記念した再建された朱雀門や遺跡公園を見たいと姉は言うので、宿の人に尋ねると、遺跡公園には一般の駐車場はなく、JR奈良駅からシャトルバスを利用する方がいいと教えてくれた。人の話を総合すると、公園内は広く、とても姉では歩けそうにないと思われた。それで、地図を見ていると、遺跡公園の周りに道がある。「この道は車で通れますか?」と聞くと、自信なさそうに「通れると思いますが‥」と言う。行ってみてダメなら仕方ないと思って出かけた。

 すると、東西に行き交う車はあるけれど、朱雀門の方へと曲がる車はいない。けれど進入禁止の標識はない。思い切って曲がってみたが、別に車が通れないことはないがかなり道幅は狭い。そのためゆっくり走るから公園内が車中からよく見える。広場には大勢の人々が集まってきていた。朱雀門を見て、もう一度北へと同じ道を走ると再建された大極殿が目の前に見えたので、思い切って写真を1枚撮る。反対側には大極殿へ入ろうとする数え切れない人の列が続いていた。これではとても姉を連れて来ることは無理だった。姉もこの様子に納得してくれた。そこで、唐招提寺の鑑真像を見ようと西ノ京へと向かう。

 秋川雅史さんの追いかけをしている姉は昨年だったか、秋川さんのコンサートが開かれた時に薬師寺に来ているのだが、唐招提寺はすぐ側にあると教えられたのに訪ねることができなかったので、ぜひ行きたいと言う。唐招提寺には平山郁夫画伯の作品があるのでそれも見たいと。実際は平山画伯ではなく東山魁夷画伯の作品で、平山画伯の作品は薬師寺にあり、薬師寺にて見学できた。唐招提寺の鑑真像と東山画伯の作品は6月の決められた日にしか公開はないというので姉は「けち臭いところだね」とブーブー文句を言っていた。薬師寺は秋川さんのコンサートで見たからと言っていたけれど、せっかくここまで来たのだから行ってみようと、唐招提寺の駐車場に車を置いたまま、薬師寺へと向かう。

 西ノ京駅で降りてすぐだったことも、駅の側の喫茶店でコーヒーを飲んだことも、姉の記憶に間違いはなかった。もったいないと言っていたけれど、実際に薬師寺の中に入ってみるとコンサートで来た時とは違っていたようだ。金堂の如来と日光・月光菩薩は相変わらずきれいな姿をしている。すると姉が「如来は男だけれど菩薩は女だよね」と言うので、「仏教では男も女もないようだよ」と答えると、「あんたはお父さんに似て偏屈なところがある。お父さんも仏さんを馬鹿にしているところがあった」と急に言い出した。父とはヘンなところが似ているのだなと教えられた気がした。

 確かに父に信仰心があったとは思えない。けれど、私がキリスト教に関心を持っても否定しなかった。家には社会主義に関する本は1冊もなく、むしろ国学や漢文の本が多かった。その中で三島由紀夫の『美徳のよろめき』が隠れるように置いてあった。今、それを読んでみようかと思っている。
コメント
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