今朝はすっかり秋の風になっていた。カミさんは「お祝いゴルフ」で出かけた。女性ばかり40人も集まると言う。私は午前中は会議で、会議の後の雑談でこんな話を聞いた。30歳を越えたのに引きこもりで、ずぅーと家にいる男の子がいる。小さい時はとても可愛い子だったのに、一体いつから引きこもりになってしまったのだろう。その子の行動が異常だと言う。
以前はご近所の玄関に小便を撒いたり、ドアのノブに大便を塗りつけたり、最近はエスカレートしてきて玄関ドアを刃物で傷つけたり、車のタイヤやボデイに切りつけたり、鉄パイプのようなものを振り回していたり、とにかく尋常ではないらしい。両親も、昔は「うちの子はそんな悪いことはしない」と言っていたが、最近では我が子の行動がおかしいと気付いているようだ。
小学校や中学校の時ならともかく、30歳を過ぎても家から出ることが無いこと事態が異常だろう。その男の子が日頃はどのように過ごしているのか知らないが、時々パトカーも来ているというのだから、両親としても「うちの子に限ってそんなことはない」とは言い切れないようだ。
それならそれで、子どものためにも、両親のためにも、ご近所のためにも、みんなでどうしていったらよいのか、考える必要がある。まず、両親がどれほど事態を深刻に受け止めているかだ。そのためにも父親なり母親なりと、責任ある立場の人が話してみることだと思う。現場を目撃した人はいないし、間違いないだろうだけでは警察も動きようがないだろう。
そんな事件になる前に、ご近所で何とかしなくてはと思う。それにしても、私たちの世代はどうして子育てを間違ってしまったのか。井戸掘りの友人がよく、「日教組が悪い」と言うけれど、そんなところに問題があるとは思えない。社会全体の価値観、その反映だと私は思う。文部省は個々の個性を大事にするようにと目標を立てたが、現場の学校では画一的な教育しか出来なかった。そこから落ちこぼれた子どもたちがいた。そうした中に、家庭では自由に育てられたが、学校教育の規範からはみ出してしまった子もいた。
両親の愛情は深く大きいのに、社会への適合はうまくいかない。そんな子どもたちが結構いる。また逆に、自分たちの子どもなのに全く愛情を注げない親もいる。子どもへの愛情を注ぎたくても注げなくなることは目に見えるのに、還暦を過ぎても子どもを生むと言い張る人さえもいる。どうも異常気象ばかりでなく、人間社会が異常社会になりつつあるような気がする。