午前中はカミさんの実家に行って、仏壇にお参りしてきた。カミさんは少し前から、「どうしよう」と躊躇していたので、「電話してみたら」と促すと、「午前中ならいいって」と言うので、仏前に備える果物を買って出掛けた。
私たちが出かけることで、弟夫婦に負担をかけたくない気持ちは分かるが、盆なのにお参りに行かない方がもっと無礼な気がする。毎年のことだが、仏壇はキレイに飾られていた。異様だったのは、いつもなら飛びついて来る飼い犬の「ポンタ」の声がしない。
11日に亡くなり、遺影に花が添えられていた。お父さんたちの仏壇に入れることは出来ないので、食卓の隅に飾られていた。その前から食欲が無くなり、病院に連れて行き、ふたりの娘が家に戻った日に亡くなった。
弟がひとしきり「ポンタ」の話をする。彼が退職した時に、娘が連れてきた子犬だが、17年も一緒に暮らしてくると、まるでわが子のようだと少し振るえ声で話す。朝から晩まで共に暮らし、ペットのつもりが大切なわが子になっていたのだろう。
ペット専用の葬儀を行い、骨壺まであるようだから、人の子と変わらない。「ポンタ」の話の後、カミさんの家族の集まりの話となり、いつどこでやるかは弟に一任してきた。さて昼食は、いつもの小牧の和食処へと行く。お盆で家族連れで賑わっていた。
その後、メナード美術館で企画展『額縁のむこうのフランス』を観た。パリオリンピックを意識しての企画のようだが、いつもながら企画力と展示の解説に感心する。同美術館が所有する作品の展示だから、以前に観たものが多いのに、見る度に新鮮な印象を受ける。
でも、冷房が強すぎたのか、カミさんは「トイレに行ってくる」を繰り返す。「わかった。熱いコーヒーを飲んで帰ろう」と提案し、以前に卒業生を連れて行った喫茶店に入る。ここも家族連れで賑わっていた。
週刊誌を読んでいたカミさんは、「眠くなってしまった」と目を閉じてウトウトし始める。しばらくゆっくりと、時が過ごせればいい。「今日のデート、よかったね」と眠たげに呟く。
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