小牧市にある「メナード美術館」は小さな美術館だが、いつも企画が面白い。新緑の季節の今は「風薫る夏」をテーマに、美術館が所蔵している作品を展示している。第1室は「緑さす」、第2室は「夏旺ん」、第3室は「涼夏」とあった。
所蔵作品が主だから、当然だが以前に観た作品が多い。それでも作品の解説などを読んでいると、「そうか」と新たに知ることがある。「納涼」と書いて「すずむ」と読ませてあったが、そう言えば「涼みに行く」と発していたことを思い出した。
メナード美術館の学芸員がどんな人なのか、一度は会ってみたいものだ。愛知芸術大学の田淵俊夫さんに早くから目を付け、多くの作品を所蔵してきた眼力を賞賛したい。カミさんが「あなたの好きなダリは無いわね」と、皮肉を言う。
収集するには金が要る。メナード化粧品で儲けた金で、美術品を買い集め、それを一般の人にも公開した姿勢は素晴らしい。美意識を高めることで、化粧品の価値を高めることになったし、学芸員の美意識や文章力も磨かれた。
新聞もテレビも、「頂き女子」の裁判を話題にしている。「頂き女子」のネーミングは凄い、誰が名付けたのか知らないが、上手い表現だ。新聞報道では、彼女は恵まれない家庭で育ったようだ。居場所が無く、自分を受け入れてくれる相手が欲しかった。
優しく接してくれたホストにハマり、金を稼ぐためにパパ活を始め、男たちが下心から同情するのを逆手にとって、ダマしのテクニックを磨いていった。「凄い」と言ってくれる女性たちのために、テクニック集まで作ってしまった。
「これだけ細かに考えられる女性なんだから、きっと世の中でやっていける」と、誰かが言っていたけど、現実の会社のような世界では無理だろう。誰か、彼女を助け、見守ってくれる、そんな存在が必要なのだと思う。
テレビで報じられている「頂き女子」しか知らないが、新聞に書かれている「頂き女子」は、どこにでもいる普通の可愛い女の子だ。「魔が差した」としか思えないが、一端ハマるとどんどんエスカレートしていくのが金の魔力なのだろう。
「クワバラ、クワバラ」。さて、くわばらとは何でしょうか?
成功するかどうかは国家資格なんだけど専門知識、企画力など所属する学芸員の質の問題もあるけど運営母体の考え方、能力が大きく影響する。
杉本美術館は場所もあるけど母体企業が運営に関わりすぎで収益減が閉館の引き金になった。