自然をコントロールすることは出来なくても

 　雨降りが止んだと思ったら、ものすごく暑くなった。仕方ないね、夏だもの。「暑い、暑い」と言って暮らそう。教え子に農家に嫁いだ女性がいるが、長雨に猛暑にと、毎日がヘトヘトと言っていた。ルーフバルコニーの鉢の世話だけでも手間がかかるから、農家はもっと大変だろう。岐阜県の友だちのところも大雨注意報が出ていたが、大丈夫だっただろうか。

　自然が相手では、「科学技術がいかに進歩しようとも、自然をコントロールすることは出来ない。備えるしかない」と新聞にあった。それでも人間は、何とか自然を支配下に置こうとしてきた。欧州も中国も３０年後には電動自動車に切り替えるという。日本も遅れを取ることはないだろう。それこそもう３０年くらい前に、トヨタに勤めていた卒業生が電動自動車の話をしていた。「電動車は部品が少ないので、電動にすぐ切り替えたなら、下請けのほとんどが倒産してしまう。ハイブリッドはエンジンを２つも使う効率の悪い車だけど、徐々にしか切り替えられない」と。

　ガソリンを替えるのはいいが、充電をどこで行うのか目途は立っていない。バッテリーの開発に力を入れているのもそのためだ。当面は事故を無くすための装置の開発に力点が置かれているが、それもまだ不十分のようだ。車間距離が１メートルになるとブレーキがかかり、追突事故を防ぐことが出来るというが、スピードや重量で違ってくるのをどう計算するのかというところまで来ているそうだ。

　車は単なる移動手段となり、ドライブを楽しむことは無くなりそうだ。近頃、見えにくくなってきた私は、運転がしたくないからちょうどいい。車も自転車のように、街のあちらこちらに置かれていて、必要な時に乗れるようになるのだろうか。昔のように、恋人同士がドライブに出かけ、車内でそっと触れ合う、そんなことも無くなるのか。恋人たちはどこへ出かけていったらよいのだろう。年寄りが要らぬ心配などしなくても、若いふたりはちゃんと楽しみを見つけるって？やっぱり。