中学3年の時の同級生が集まった。男3人、女4人、中学時代の思い出に話が弾んだ。中3のこの時、私たちの担任はまだ独身で、とにかくよく怒る先生だったらしいが、私にその印象は無い。先生は30歳になっていて、担任になってすぐに結婚した。
結婚したのは、給料が上がったからと話してくれた。新婚旅行の写真を教室の後ろに貼り、1枚10円(?)で買ったことが思い出深い。私は副級長の女性と一緒に街の小物店に行き、ふたりでベニスの小舟のオルゴールを買って、先生にプレゼントした。
「こうして集まれるのも、先生のおかげかも知れないね」と言うが、多分その通りだろう。私たちはよく、先生の自宅へ遊びに行ったから。短気なところはあったけれど、優しくて思いやりのある先生だった。
「テレビを見ていたら、こんな言葉があったの。素敵でしょう」と、彼女が書いた短冊をみんなに配ってくれた(写真)。「人のつながりは 春の花のように 人生を色どってくれます」。
出逢いこそが人生と、80歳を迎えてよく分かる。人生に彩を与えてくれた大勢の人たちに感謝したい。友だちはスマホのアドレス交換を、「こうするのでは」「いや違うよ」「じゃー、やってくれない」とか、夢中になって行っていた。
スマホを持たない私はただ羨ましく眺める。一見すると皆、健康そうなのに、それぞれに問題を抱えている。夫を亡くした女ともだちは、娘が心配して同居やら近くに住むやらしてくれている。女ともだちは孫の好物の手作りに追われている。
そうかそうか、みんなそれなりに幸せに暮らしている。「ねえ、これが最後かも知れないから、みんなで写真撮らない」と言う。「最後」と言うのに、「今度は何時する?幹事は決めていかないと」と、指名する。まだまだ元気だ。
おしゃべりが止まらなくて、午後5時を過ぎてしまった。家に着いたら7時半になっていた。頂いた混ぜご飯を食べた。
後9年で我々も80歳。何人集まれるのだろうか?
楽しみのような、心配のような…。