カミさんは先週から、「どうもすっきりしない」と言う。「何が?」と聞くと、「頭がもやもやしているし、身体もだるくて、何もやりたくない」と答える。「なんだそんなことか。そんな時は何もせずに、ボヤーとしてればいい。そのうちに治るものさ」と私は自分のことを話す。「うつ」状態になることは度々ある。だからと言ってどうしようもない。時が過ぎるのを待つしかない。
先日、市の図書館で、題名を忘れてしまったが、「人類の最後がやってきている」といった内容の本を目にして、つい読んでしまった。科学者は人類が危険な状況にあることを知っている。自然科学でも社会科学でも、現状がどんなに危険か、分かっている。地球の温暖化が進み、北極海や南極海の氷が溶け出し、2050年には海面は広がり、オランダは国土をなくす。日本の海岸線も大きく変わる。もちろん、太平洋やインド洋の島国は消えてしまう。
自動車や工場あるいは農業においても、炭酸ガスが大量に放出されているから、政府は規制を設けて食い止めようとしているが、間に合わないだろうと著者は予想している。トランプ大統領は「地球の温暖化はでっち上げだ」と言い切っているが、カリブ海で大型台風が次々と発生し、アメリカに襲い掛かっている。太平洋でもインド洋でも大型台風が生まれ、猛威を振るっている。ヨーロッパや北米で大寒波が続いたりして、異常気象が日常化している。
たまたま、今がその周期にあるだけで、いつしかまた収まっていくと言う科学者もいる。人間社会の動きは人間の経済活動によるものだそうだ。経済学の祖、アダム・スミスは「(経済は)神の見えざる手でコントロールされている」と分析したが、「人が創り出したものなのに、人の力ではコントロールできない」と見抜いていたのだろうか。インフレもデフレも政府がどんなに変えようとしても変えられない。
唯一、人の知恵で解決できそうな「戦争の回避」も、現実は無情にも逆方向へ進んでいる。時の過ぎるのをただひたすら待つことしか人間にはできないのだろうか。それで、未来があるのなら、それでもいいと思うけれど…。