風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

追悼:フランシス・レイ

2018-11-10 21:40:57 | スポーツ・芸能好き
 アメリカの中間選挙もあって、書きたいことはいろいろあるのに、故あって今またブログをなかなか思うように書けないモードに入ってしまった。しかし、11月8日付の日経に、フランシス・レイさん死去のごく小さな記事が掲載されたことだけは触れておきたい。7日に出身地の仏南東部ニース市の市長がツイッターを通じて死去の事実を公表したそうだが、死因や亡くなった日は明らかにされていない。
 あらためてWikipediaを見た。1932年生まれとあるから、86歳、アコーディオン奏者から作曲家に転身した、とある。ブログで繰り返しになってしまうが、中学生の頃、なけなしの小遣いで「スクリーン」という月刊誌を購読し、高校受験を控えながら、毎週少なくとも一本はテレビで映画を観ていた映画好き少年にとっては、映画と言えばハリウッドではなくフランス映画であり、フランシス・レイと言えばアカデミー作曲賞を受賞した「ある愛の詩」(1970年)もさることながら、「男と女」(1966年)、「パリのめぐり逢い」(1967年)、「個人教授」(1968年)、「雨の訪問者」(1969年)、「さらば夏の日」(1970年)などの映画音楽は忘れられない。中でも、「個人教授」のナタリー・ドロン(名前からも分かる通りアラン・ドロン夫人だったと言っても、アラン・ドロンを知らない人が多いかも知れない)に憧れて、パリジェンヌに憧れ(彼女はモロッコ生まれだけど)、パリに憧れた(笑)。「ほろ苦く切ない恋を綴った青春ラブロマンス映画の名作」(Wikipedia)だが、主演のルノー・ヴェルレーも今は72歳だという(苦笑)。
 「イージー・リスニング」というカテゴリーに入れられてしまう作曲家だが、2016年に朝日新聞の電話インタビューで映画音楽について「音楽と映画の関係は不可欠で、映像にエモーショナルなものをもたらす。一度聞いたら口ずさめるような音楽にしたい」とさらりと答えているところに、「イージー」の意味を語って余すところがない。
 フランスの映画音楽の巨匠は他にも、ミシェル・ルグラン氏がいるが、なんと同じ1932年生まれ。ある方のサイトで「おすすめフランス映画の音楽」10選を見かけて(https://france-cinema.net/music/)、共感した。年齢も近いかも(笑)。フランシス・レイが半分を占めている。
 1.「白い恋人たち」(1968年)    フランシス・レイ
 2.「シェルブールの雨傘」(1963年) ミシェル・ルグラン
 3.「男と女」(1966年)       フランシス・レイ
 4.「禁じられた遊び」(1952年)   ナルシソ・イエペス
 5.「さらば夏の日」(1970年)    フランシス・レイ
 6.「雨の訪問者」(1969年)     フランシス・レイ
 7.「あの愛をふたたび」(1969年)  フランシス・レイ
 8.「地下室のメロディー」(1963年) ミシェル・マーニュ
 9.「太陽がいっぱい」(1960年)   ニーノ・ロータ
10.「エマニエル夫人」(1974年)   ピエール・バシュレ
 音や声の記憶というのは、文字とは違って身体に染みついており、魔法のように、それを聴いた年頃にふっと戻ってしまう。恐らく永遠に。フランシス・レイさんのご冥福をお祈りし、合掌。
コメント
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