先の日米首脳会談で、スガ首相は「屈辱的な冷遇」を受けたと解説する人がいる。ホワイトハウス到着時に玄関先で出迎えがなかったとか、夕食会を提案したが断られたとか、昼食はハンバーガー1個だけだったとか、翌日は地元のデラウェア州のウィルミントンに戻ってゴルフに出かけたバイデン大統領から(スガ首相もゴルフ好きなのに)お誘いがなかったとか・・・。米国側にも、同盟国の首脳に対するもてなしとしてぞんざいで失態があったと訝る人がいる。
これらは、バイデン大統領として、日本を信用し切れていないとか、盟友とされる習近平氏に何等かのサインを送っているといったような底意があったとすれば、50年以上も政治家(その大部分は上院議員)をやっている割には、余りに見え透いていてお粗末と言えるのではないだろうか(年齢のせいでどうでもよくなったのだろうか 苦笑)。今後の米国の世界戦略の中で、アフガニスタンから条件をつけずに911から20年後のその日に撤退するとまで宣言して、暫定版の国家安全保障戦略で「国際秩序に挑戦する唯一の競争相手」と位置づける中国との対峙に備える、そして同盟ネットワークを重視するバイデン政権として、地域の安定の要である日本の首相を粗末に遇するとは(いくら痴呆の疑いがあるバイデン大統領にしても)、いくらなんでもなかなか想像し辛い。因みに、朝日新聞が1月にスクープしたとされるトランプ政権時代の「米国のインド太平洋における戦略的枠組みに関する覚書」(2018年2月15日、今年1月5日に秘密解除)でも、日本は地域統合の中核国と定義されていた。この戦略文書の公開は、バイデン政権の対中戦略に懐疑的だったトランプ政権が、FOIPなどを党派を超えて引き継ぐためだったとされる。良い悪いは別にして日本は米国の戦略の重要な構成要素として組み込まれている、というのは、ある意味で当たり前のことで、秘密解除とは大袈裟だと思いがちだが、解除する必要があるほど秘匿されたものであればこそ、却って意味がある。バイデン政権で、位置づけが変わったというのは想像し辛い。
先の日米首脳会談の話に戻ると、私たちは、ついトランプ前大統領が安倍前首相に示した好意と比較してしまうのだろうか(笑)。まあ、ホワイトハウスに到着したゲストを玄関先で出迎えるのはホストの務めであって礼儀であろうが、夕食会を断り、昼食中もN95マスクを外さなかったところを見ると、選挙期間中ですら引き籠っていた高齢のバイデン大統領は、新型コロナを相当警戒されているのだろう。あらためて、(フランス語で頭を突き合わせる様子を指す)「テタテ」と呼ばれる、通訳のみ含めた首脳同士の昼食会について、バイデン大統領のツイッターで公開された写真を見ると、シャンデリアのある部屋で、長テーブルを挟んで、スーツ姿の二人が、それぞれ仰々しくハンバーガー1個を前にしてご対面とは、滑稽ですらある(苦笑)。こりゃ、トランプ氏のやりそうなことを敢えて戯画化して見せた演出じゃなかったかと疑いたくなる(苦笑)。ホワイトハウスの執務室の机の上に、核のボタンならぬダイエット・コークをオーダーするボタンがあったほど、トランプ氏はハンバーガーとダイエット・コークが好物だった。この昼食会の場に座っているのがトランプ氏であれば何の違和感もないところだが、紛れもなくバイデン大統領であり、スガ首相ともども、20分という短時間でもあって、ハンバーガーには手をつけなかった(と言うより、結局、食事するつもりがなくて、ハンバーガーは当てつけのように飾りとして置いたとしか思えない)。もしそうだとしても、オバマ前政権のレガシーをことごとくひっくり返したトランプ氏の政策を、意趣返しのように大統領令を乱発してひっくり返して見せたバイデン大統領にして、これもまた余りに見え透いていてお粗末なのだが・・・。
そうは言っても、私はまだバイデン大統領を信用し切れないでいる(笑)。さすがに米国の世論は対中警戒に傾いているし、議会は党派を超えて反中に染まっている中で、習近平氏が長年の盟友であると言っても、今、対中宥和の姿勢は取り辛いのは間違いない。しかし、ファミリーを介して中国ビジネスに関与するのは、なんとなくルーズベルト家を彷彿とさせるのだ(笑)。
冗談はさておき、当の米国にしても経済面で中国との全面対決、所謂デカップリングを望むわけではないし、現実的でもない。ただ、台頭する中国を今のうちに(かつて米国のGDPの6割を超えたときに日本を抑えたように)抑止しておかないと・・・との思いは強いようだ。そしてこうして追い込まれて覚悟を決めたときの米国は、ことのほか強い(というのは、歴史的に証明されるところで、このパンデミックでも惨憺たる結果だったが、ワクチン接種で一発逆転したのを見れば分かる)。
共同声明は英文で2500字の長文で、「事前に事務レベルで広範な分野について綿密な擦り合わせがあった結果」(元・経産省官僚の細川昌彦氏)だ。もっともこうした外交文書のこと、日米といっても、それぞれ地理的・歴史的な経緯もあり、同床異夢のところもある。これから具体的にどう実現されていくかを見ることで、ハンバーガーの意味するところも見えてくるのだろうか(笑)。
これらは、バイデン大統領として、日本を信用し切れていないとか、盟友とされる習近平氏に何等かのサインを送っているといったような底意があったとすれば、50年以上も政治家(その大部分は上院議員)をやっている割には、余りに見え透いていてお粗末と言えるのではないだろうか(年齢のせいでどうでもよくなったのだろうか 苦笑)。今後の米国の世界戦略の中で、アフガニスタンから条件をつけずに911から20年後のその日に撤退するとまで宣言して、暫定版の国家安全保障戦略で「国際秩序に挑戦する唯一の競争相手」と位置づける中国との対峙に備える、そして同盟ネットワークを重視するバイデン政権として、地域の安定の要である日本の首相を粗末に遇するとは(いくら痴呆の疑いがあるバイデン大統領にしても)、いくらなんでもなかなか想像し辛い。因みに、朝日新聞が1月にスクープしたとされるトランプ政権時代の「米国のインド太平洋における戦略的枠組みに関する覚書」(2018年2月15日、今年1月5日に秘密解除)でも、日本は地域統合の中核国と定義されていた。この戦略文書の公開は、バイデン政権の対中戦略に懐疑的だったトランプ政権が、FOIPなどを党派を超えて引き継ぐためだったとされる。良い悪いは別にして日本は米国の戦略の重要な構成要素として組み込まれている、というのは、ある意味で当たり前のことで、秘密解除とは大袈裟だと思いがちだが、解除する必要があるほど秘匿されたものであればこそ、却って意味がある。バイデン政権で、位置づけが変わったというのは想像し辛い。
先の日米首脳会談の話に戻ると、私たちは、ついトランプ前大統領が安倍前首相に示した好意と比較してしまうのだろうか(笑)。まあ、ホワイトハウスに到着したゲストを玄関先で出迎えるのはホストの務めであって礼儀であろうが、夕食会を断り、昼食中もN95マスクを外さなかったところを見ると、選挙期間中ですら引き籠っていた高齢のバイデン大統領は、新型コロナを相当警戒されているのだろう。あらためて、(フランス語で頭を突き合わせる様子を指す)「テタテ」と呼ばれる、通訳のみ含めた首脳同士の昼食会について、バイデン大統領のツイッターで公開された写真を見ると、シャンデリアのある部屋で、長テーブルを挟んで、スーツ姿の二人が、それぞれ仰々しくハンバーガー1個を前にしてご対面とは、滑稽ですらある(苦笑)。こりゃ、トランプ氏のやりそうなことを敢えて戯画化して見せた演出じゃなかったかと疑いたくなる(苦笑)。ホワイトハウスの執務室の机の上に、核のボタンならぬダイエット・コークをオーダーするボタンがあったほど、トランプ氏はハンバーガーとダイエット・コークが好物だった。この昼食会の場に座っているのがトランプ氏であれば何の違和感もないところだが、紛れもなくバイデン大統領であり、スガ首相ともども、20分という短時間でもあって、ハンバーガーには手をつけなかった(と言うより、結局、食事するつもりがなくて、ハンバーガーは当てつけのように飾りとして置いたとしか思えない)。もしそうだとしても、オバマ前政権のレガシーをことごとくひっくり返したトランプ氏の政策を、意趣返しのように大統領令を乱発してひっくり返して見せたバイデン大統領にして、これもまた余りに見え透いていてお粗末なのだが・・・。
そうは言っても、私はまだバイデン大統領を信用し切れないでいる(笑)。さすがに米国の世論は対中警戒に傾いているし、議会は党派を超えて反中に染まっている中で、習近平氏が長年の盟友であると言っても、今、対中宥和の姿勢は取り辛いのは間違いない。しかし、ファミリーを介して中国ビジネスに関与するのは、なんとなくルーズベルト家を彷彿とさせるのだ(笑)。
冗談はさておき、当の米国にしても経済面で中国との全面対決、所謂デカップリングを望むわけではないし、現実的でもない。ただ、台頭する中国を今のうちに(かつて米国のGDPの6割を超えたときに日本を抑えたように)抑止しておかないと・・・との思いは強いようだ。そしてこうして追い込まれて覚悟を決めたときの米国は、ことのほか強い(というのは、歴史的に証明されるところで、このパンデミックでも惨憺たる結果だったが、ワクチン接種で一発逆転したのを見れば分かる)。
共同声明は英文で2500字の長文で、「事前に事務レベルで広範な分野について綿密な擦り合わせがあった結果」(元・経産省官僚の細川昌彦氏)だ。もっともこうした外交文書のこと、日米といっても、それぞれ地理的・歴史的な経緯もあり、同床異夢のところもある。これから具体的にどう実現されていくかを見ることで、ハンバーガーの意味するところも見えてくるのだろうか(笑)。