ペナン二日目は、朝からQueensbay Mallに出かけました。私たちがかつて生活していた頃、日本のイオンが入るというので鳴物入りで開業したペナン島・東海岸随一の大型ショッピング・コンプレックスで、当時のまま、相変わらずの繁盛振りです。ここでの狙いはBordersというアメリカ系の書店で、小学校6年間を内外のインターナショナル・スクールやシドニーのローカル・スクールで過ごした下の子が10冊ほど英語の本を買い込むのにつき合わされました。
午後には、Midlandsという、開業して数十年は経っていようかという、鄙びたショッピング・センターを訪れました。ここは地元民だけではなく、安い所謂オートクチュールの店があるので、海外からの駐在員の奥様方に根強い人気がありましたし、パソコンの周辺機器やパソコン用ソフト・映画・ゲームなどの海賊版DVDやCDを売る店が二十ほども軒を連ねて、観光客にも人気の隠れた買い物スポットでした。しかし当時からGurney Plazaにどんどん客を奪われて斜陽化しつつあったのですが、今では店の9割方にシャッターが下りていて、当時の勢いはおろか、もはやショッピング・センターの体をなしているとは言えません。当時から時限的にシャッターが下りて、当局の査察を逃れていたもので、私も一時間ばかり閉じ込められたことがありましたが、今はRENTの張り紙がそこかしこに見えて恒常的のようです。そんな中、海賊版DVDを扱う店が辛うじて数軒ばかり残っていたので、覗いて見ると、当時、1枚8リンギッ(240円、屋台のラーメン8食分)していたハリウッド映画DVDが、10年近く経った今、5リンギッで売られていて、過当競争の結果なのかも知れませんが、豊かになる一方のペナン社会で陰のような存在は、益々居場所が狭くなっていくようです。こうした店では、個々の商品に値札はなく、ブルーレイだと1枚いくらなどと壁に張り紙がしてあって、観光客と分かると、つり銭を言わないと呉れないところなどは、今も健在です。
二日目の夕食は、ペナン島ジョージタウンの街のレストランで三本の指に数えられると我が家が自信を以てお勧めできる内のひとつ、イタリア料理レストランBella Italiaに行きました。驚いたことに、かつてバツー・フェリンギという島の西北のはずれの保養地の支店で呼び込みをやっていたバングラディッシュ系かミャンマー系のおじさんが、ここ本店でフロア・マネージャー然と振舞っていて、当時と変わらぬお気に入りのオーダーを入れようと、スパゲッティと言いかけるとボンゴレと答え、ピザと言いかけるとポロと答えてくれて、記憶力の良さというより今なおワン・パターンであることに、お互いに思わず破顔一笑したのでした。
その後、土産物を買いに、Gurney Plaza地下一階のCold Storageに行きました。かつて食料品スーパーとして重宝し、毎週のように買い出しに来たもので、土産物もここで調達するのが常でした。ペナン土産としてお勧めは、COCONというブランドのマンゴー・プリン(12個で10リンギッ前後)と、cocoalandというブランドのマンゴー・グミ(5リンギッ弱)で、日本人の知人に評判が良くて、しかも経済的です。なお、近所の日本食料品店MEIJIYAがなくなって(後でネットで調べたら引っ越しただけのようですが)、日本人駐在員家族やセカンド・ライフの年配の方々はさぞ困っているかと思っていたら、Cold Storageの一角に日本食材コーナーがあって、日本の調味料や海苔やカップ麺や菓子類が所狭しと並んで、ごく普通に売られているのに驚きました。
私たちがかつて住んでいたガーニー・ドライブ沿いには今も高層マンションの建設が続き、街は少しずつ表情を変えています。2008年の統一地方選挙の際、ペナン州では期せずして野党が勝ったため、計画されていたペナン第二ブリッジに予算がつかなくなるなど、中央の与党からイジワルされたものでしたが、第二ブリッジは、無事、開通している上、高速道路を走っていると第一・第二ブリッジ並べて渋滞何分などの表示があるため早い方を選べることが出来て、なかなか便利ではありませんか。Gurney PlazaやGurney Paragonの駐車場では、個々のパーキング・ロットにセンサーがつけられ、各フロアに何台分のオープン・スペースがあるか表示されるので、これもまた便利ではありませんか。そんなペナンの愛すべき人たちは概して人が好くて、オッケー、オッケー・ラーなどといい加減で、それはただ周囲を察することに乏しいだけなのが実態でもあるのですが、それでいて多民族社会の故か生きるために抜け目ないところも多分にあって、私たち日本人にとって油断ならないところもあるのは、日本以外の土地では当たり前なのでしょう。
いつしか心は当時に飛んで、ひとしきり遊んで、ホテルに戻ると、ただの観光客だという現実に引き戻されるのでした。名残り惜しみつつ、ペナンを後にしたのですが、旅は、満喫するよりちょっと物足りないくらいが良いようです。
上の写真は、歴史的建造物も取り込んで、発展を続けるペナンのショッピング・モール(Gurney Paragon)。背後に聳え立つのは高層マンション。
午後には、Midlandsという、開業して数十年は経っていようかという、鄙びたショッピング・センターを訪れました。ここは地元民だけではなく、安い所謂オートクチュールの店があるので、海外からの駐在員の奥様方に根強い人気がありましたし、パソコンの周辺機器やパソコン用ソフト・映画・ゲームなどの海賊版DVDやCDを売る店が二十ほども軒を連ねて、観光客にも人気の隠れた買い物スポットでした。しかし当時からGurney Plazaにどんどん客を奪われて斜陽化しつつあったのですが、今では店の9割方にシャッターが下りていて、当時の勢いはおろか、もはやショッピング・センターの体をなしているとは言えません。当時から時限的にシャッターが下りて、当局の査察を逃れていたもので、私も一時間ばかり閉じ込められたことがありましたが、今はRENTの張り紙がそこかしこに見えて恒常的のようです。そんな中、海賊版DVDを扱う店が辛うじて数軒ばかり残っていたので、覗いて見ると、当時、1枚8リンギッ(240円、屋台のラーメン8食分)していたハリウッド映画DVDが、10年近く経った今、5リンギッで売られていて、過当競争の結果なのかも知れませんが、豊かになる一方のペナン社会で陰のような存在は、益々居場所が狭くなっていくようです。こうした店では、個々の商品に値札はなく、ブルーレイだと1枚いくらなどと壁に張り紙がしてあって、観光客と分かると、つり銭を言わないと呉れないところなどは、今も健在です。
二日目の夕食は、ペナン島ジョージタウンの街のレストランで三本の指に数えられると我が家が自信を以てお勧めできる内のひとつ、イタリア料理レストランBella Italiaに行きました。驚いたことに、かつてバツー・フェリンギという島の西北のはずれの保養地の支店で呼び込みをやっていたバングラディッシュ系かミャンマー系のおじさんが、ここ本店でフロア・マネージャー然と振舞っていて、当時と変わらぬお気に入りのオーダーを入れようと、スパゲッティと言いかけるとボンゴレと答え、ピザと言いかけるとポロと答えてくれて、記憶力の良さというより今なおワン・パターンであることに、お互いに思わず破顔一笑したのでした。
その後、土産物を買いに、Gurney Plaza地下一階のCold Storageに行きました。かつて食料品スーパーとして重宝し、毎週のように買い出しに来たもので、土産物もここで調達するのが常でした。ペナン土産としてお勧めは、COCONというブランドのマンゴー・プリン(12個で10リンギッ前後)と、cocoalandというブランドのマンゴー・グミ(5リンギッ弱)で、日本人の知人に評判が良くて、しかも経済的です。なお、近所の日本食料品店MEIJIYAがなくなって(後でネットで調べたら引っ越しただけのようですが)、日本人駐在員家族やセカンド・ライフの年配の方々はさぞ困っているかと思っていたら、Cold Storageの一角に日本食材コーナーがあって、日本の調味料や海苔やカップ麺や菓子類が所狭しと並んで、ごく普通に売られているのに驚きました。
私たちがかつて住んでいたガーニー・ドライブ沿いには今も高層マンションの建設が続き、街は少しずつ表情を変えています。2008年の統一地方選挙の際、ペナン州では期せずして野党が勝ったため、計画されていたペナン第二ブリッジに予算がつかなくなるなど、中央の与党からイジワルされたものでしたが、第二ブリッジは、無事、開通している上、高速道路を走っていると第一・第二ブリッジ並べて渋滞何分などの表示があるため早い方を選べることが出来て、なかなか便利ではありませんか。Gurney PlazaやGurney Paragonの駐車場では、個々のパーキング・ロットにセンサーがつけられ、各フロアに何台分のオープン・スペースがあるか表示されるので、これもまた便利ではありませんか。そんなペナンの愛すべき人たちは概して人が好くて、オッケー、オッケー・ラーなどといい加減で、それはただ周囲を察することに乏しいだけなのが実態でもあるのですが、それでいて多民族社会の故か生きるために抜け目ないところも多分にあって、私たち日本人にとって油断ならないところもあるのは、日本以外の土地では当たり前なのでしょう。
いつしか心は当時に飛んで、ひとしきり遊んで、ホテルに戻ると、ただの観光客だという現実に引き戻されるのでした。名残り惜しみつつ、ペナンを後にしたのですが、旅は、満喫するよりちょっと物足りないくらいが良いようです。
上の写真は、歴史的建造物も取り込んで、発展を続けるペナンのショッピング・モール(Gurney Paragon)。背後に聳え立つのは高層マンション。