平昌五輪が昨日、17日間の熱戦の幕を閉じた。ミーハーにつらつら書いて来たので、最後まで律儀に書いておこうと思う。
前回ブログから更に、新種目のスピードスケート女子マススタートで高木菜那が金メダルを獲得した。伏兵と言ってもいいのだろう。まさか金メダルが1個追加になろうとは正直なところ思ってもみなかった。大勢で一斉に16周を、ただ速く滑るだけではなく、仕掛けるタイミングなどの駆け引きや状況判断が重要で、団体追い抜きと同様、仲間との連係が鍵だと言われる、なかなか面白い競技だが、1回戦で佐藤綾乃が転倒に巻き込まれて敗退し、決勝は単独滑走という不利な状況をものともせず、初代女王に輝いたのは立派だった。
さらに、カーリング女子では日本代表「LS北見」が英国を破って銅メダルを獲得した。試合のハーフタイムは「もぐもぐタイム」と言われ、彼女たちが食べるお菓子は生産が追いつかず販売が一時休止になったらしいし、試合中に交わされる「そだねー」は、早くも今年の「流行語大賞」の呼び声が高い。
振り返ると、日本のスピードスケートが大いに躍進しており、競泳、バドミントン、卓球などと同様、所属の壁を越えてナショナルチームとして強化するシステムが導入されたからだと言われる。かつて冷戦時代のソ連や東ドイツが五輪で圧倒的な強さを見せていたのは、国威発揚のため、国を挙げて育成強化していたからで、日本でもその気になればそれなりに成果が出せるということだ。
今回、文在寅大統領は「平和五輪」を標榜し、開会式では韓国と北朝鮮の選手団が仲良く合同入場を行ったが、閉会式では別々で、韓国選手は(北朝鮮選手とは違って)統一旗を掲げなかったらしい。この空気の違いについて中央日報(電子版)は、合同チーム「コリア」を結成したアイスホッケー女子をめぐり「南北間に微妙な葛藤があった」ことや、北の選手に支給した装備について国連制裁などを理由に韓国側が大会後の返却を求めたところ「関係が気まずくなった」ことを指摘している。
競技場の外はもっと喧しかったようだ。最大野党の自由韓国党や支持者らは閉会式前日午後から、北朝鮮代表団の車列が通る予定だった道路を占拠し、徹夜の抗議活動を行ったらしい。また反北団体が、閉会式の会場周辺に集結し、「アイ・ラブ・イバンカ」「アイ・ラブ・パククネ」などと書かれたプラカードを掲げ、「北朝鮮代表団は出ていけ」とシュプレヒコールを上げていたという。
それでも、88年のソウル五輪や02年のW杯を経験された黒田勝弘氏(産経新聞ソウル駐在客員論説委員)は、今回は愛国主義がどこか後退した感じがし、韓国人あるいは韓国社会のある種の“成熟”が出ているように思うと述べておられる。
それにしては、団体追い抜きで負けたのをチームメイトのノ・ソンヨン選手の遅れのせいにするような発言をして批判を浴び、代表資格の剥奪を求める声が高まって、謝罪会見に追い込まれたキム・ボルム選手が、スピードスケート女子マススタートで銀メダルを獲得した後、氷上に置いた韓国国旗を前に両膝をついて土下座した姿は痛々しかった。韓国社会の激しさを垣間見た思いで、同胞に対してこうなのだから、況や日本人に対してをや、である。引越し出来ない隣人なのだから、なんとか付き合って行かざるを得ないのだが、神様は日本人に試練を与えたもうたものである。
とまあ、スポーツをスポーツとして楽しむだけでなく、運営面や政治面についても好き勝手に書いてきたが、なんだかんだ言って五輪を盛り上げてくれた(メダルが獲れても獲れなくても)全ての選手にはやはり感謝したいと思う。願わくば、純粋に選手ファーストの大会たらんことを。
前回ブログから更に、新種目のスピードスケート女子マススタートで高木菜那が金メダルを獲得した。伏兵と言ってもいいのだろう。まさか金メダルが1個追加になろうとは正直なところ思ってもみなかった。大勢で一斉に16周を、ただ速く滑るだけではなく、仕掛けるタイミングなどの駆け引きや状況判断が重要で、団体追い抜きと同様、仲間との連係が鍵だと言われる、なかなか面白い競技だが、1回戦で佐藤綾乃が転倒に巻き込まれて敗退し、決勝は単独滑走という不利な状況をものともせず、初代女王に輝いたのは立派だった。
さらに、カーリング女子では日本代表「LS北見」が英国を破って銅メダルを獲得した。試合のハーフタイムは「もぐもぐタイム」と言われ、彼女たちが食べるお菓子は生産が追いつかず販売が一時休止になったらしいし、試合中に交わされる「そだねー」は、早くも今年の「流行語大賞」の呼び声が高い。
振り返ると、日本のスピードスケートが大いに躍進しており、競泳、バドミントン、卓球などと同様、所属の壁を越えてナショナルチームとして強化するシステムが導入されたからだと言われる。かつて冷戦時代のソ連や東ドイツが五輪で圧倒的な強さを見せていたのは、国威発揚のため、国を挙げて育成強化していたからで、日本でもその気になればそれなりに成果が出せるということだ。
今回、文在寅大統領は「平和五輪」を標榜し、開会式では韓国と北朝鮮の選手団が仲良く合同入場を行ったが、閉会式では別々で、韓国選手は(北朝鮮選手とは違って)統一旗を掲げなかったらしい。この空気の違いについて中央日報(電子版)は、合同チーム「コリア」を結成したアイスホッケー女子をめぐり「南北間に微妙な葛藤があった」ことや、北の選手に支給した装備について国連制裁などを理由に韓国側が大会後の返却を求めたところ「関係が気まずくなった」ことを指摘している。
競技場の外はもっと喧しかったようだ。最大野党の自由韓国党や支持者らは閉会式前日午後から、北朝鮮代表団の車列が通る予定だった道路を占拠し、徹夜の抗議活動を行ったらしい。また反北団体が、閉会式の会場周辺に集結し、「アイ・ラブ・イバンカ」「アイ・ラブ・パククネ」などと書かれたプラカードを掲げ、「北朝鮮代表団は出ていけ」とシュプレヒコールを上げていたという。
それでも、88年のソウル五輪や02年のW杯を経験された黒田勝弘氏(産経新聞ソウル駐在客員論説委員)は、今回は愛国主義がどこか後退した感じがし、韓国人あるいは韓国社会のある種の“成熟”が出ているように思うと述べておられる。
それにしては、団体追い抜きで負けたのをチームメイトのノ・ソンヨン選手の遅れのせいにするような発言をして批判を浴び、代表資格の剥奪を求める声が高まって、謝罪会見に追い込まれたキム・ボルム選手が、スピードスケート女子マススタートで銀メダルを獲得した後、氷上に置いた韓国国旗を前に両膝をついて土下座した姿は痛々しかった。韓国社会の激しさを垣間見た思いで、同胞に対してこうなのだから、況や日本人に対してをや、である。引越し出来ない隣人なのだから、なんとか付き合って行かざるを得ないのだが、神様は日本人に試練を与えたもうたものである。
とまあ、スポーツをスポーツとして楽しむだけでなく、運営面や政治面についても好き勝手に書いてきたが、なんだかんだ言って五輪を盛り上げてくれた(メダルが獲れても獲れなくても)全ての選手にはやはり感謝したいと思う。願わくば、純粋に選手ファーストの大会たらんことを。