風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

中国の間接戦略

2019-11-30 22:26:56 | 時事放談
 タイトルにある「間接戦略」なる言葉はリデルハートを意識したもので、ここでは「間接侵略」と置き換えても構わない。孫子の「戦わずして勝つ」戦略よろしく、中国は平時から世界中で「三戦」(世論戦、心理戦、法律戦)を仕掛けている。2003年、中国共産党中央委員会および中央軍事委員会において採択されたもので、中国人民解放軍政治工作条例に「輿論戦、心理戦、法律戦を実施し、瓦解工作、反心理・反策反工作、軍事司法および法律服務工作を展開する」と記載されている。
 今週、香港で区議会選挙が行われ、民主派が全18区・計452議席の8割超を獲得する地滑り的勝利を収めたと報道されて、快哉を叫んだ人が多かったことだろう。勿論、私もその内の一人だった。投票率も71%超と、過去最高だった前回2015年の47%を20ポイント以上も上回り、関心の高さを窺わせた。
 この選挙前に、変哲もない四つの報道が目をひいた。一つ目は、少数民族ウイグル人に対する弾圧についての新たな事実が、米NYタイムズ紙にリークされた大量の内部文書によって明らかになったもので、16日のことだった。二つ目は、オーストラリア保安情報機構(ASIO)の元トップが豪シドニー・モーニング・ヘラルド紙のインタビューで、「中国が水面下で狡猾に組織的なスパイ活動と利益誘導を駆使して豪政治体制の『乗っ取り』を企てている」と警告したもので、22日のことだった。三つ目は、香港・台湾・豪で中国のスパイ活動に関わっていたとされる男性(王立強氏)がオーストラリアへの亡命を希望し、中国の政治干渉活動に関する膨大な情報を豪当局に提供していたと、23日に豪メディアが伝えた。彼の告白によって、中国の情報ネットワークが、豪ばかりでなく香港や台湾でも、情報収集、攪乱情報流布、メディアの買収、世論工作などの特殊任務を展開していることが暴露された。最後に中国系の男性を5月の豪総選挙に擁立しようと、中国情報機関の関係者が資金提供を申し出ていたと、翌24日に豪メディアが伝えた。
 これら全ての報道が香港の選挙前に意図的に流されたと言うつもりはない。さりとて全て無関係だったとも思えない。だからと言って、これらが全く報道されなかったとしても香港の選挙結果はさほど大きく変わらなかっただろうと思う。王立強氏のケースは台湾では一面トップ扱いだったそうで、こうした中国の動きに対する彼らの関心は高い。
 オーストラリアでの中国の諜報活動が立て続けに報じられているが、別に珍しいわけではない。古くは2005年、駐シドニー中国領事館の一等秘書官が、実に千人以上の中国政府スパイがオーストラリアで活動し、数回の拉致を実行していることを明らかにした(人口比で5倍の日本では、単純計算で5千人のスパイが活動していることになる)。私が駐在していた2008年頃、オーストラリア軍施設傍に通信機器を設置する入札で、中国企業が排除されたという報道を見かけた。そして最近も、2016年、野党の国会議員が中国人実業家から多額の資金援助を受けていたことが明らかになり、翌2017年、この議員が南シナ海情勢で中国寄りの発言をしていたことが判明すると、豪政府は立法措置で外国人や外国団体からの政治献金を禁止した(同様の立法措置がヨーロッパでも検討されていると、Foreign Affairsは報じている)。中国人留学生が騒ぎ立て、あるいは出版社に働きかけて、中国に不利となるような講義や出版物を妨害する事案も報告され、その年の暮れには、アメリカのシンクタンクが、「ハードパワー」でも「ソフトパワー」でもない、中国のそんな水面下の策略を「シャープ・パワー」と名づけ、報告書を提出した(この言葉は、その後、揉み消されたかのように後景に引いてしまったが・・・)。最近、アメリカが、華為やZTEの5G通信機器を排除する動きを見せる発端となった情報搾取事件は、どうやらオーストラリア発だったと知った。ファイブ・アイズという大英帝国圏5ヶ国(英・米・加・豪・NZ)の諜報ネットワークの中で、資源大国のため経済的に中国に依存し、移民一世が流れ込んで人の動きが激しく、従って最も弱い鎖部分だと見做され得るオーストラリアが狙われているのではないかと疑う。1年半ほど前、Clive Hamiltonというオーストラリア人の学者は“Silent Invasion”なる著書をものし、オーストラリアの市民社会と政治に対する中国共産党の影響力増大を告発した。
 他国のことはもとより、問題は日本である。一応、経済大国かつ技術大国であり、それなのに脇が甘く、戦後に牙を抜かれてすっかりナイーブな発想に堕してしまった日本人は、恰好のターゲットだろう。日本的な意味でのリベラルなマスコミや護憲派の主張は、そのまま中国やロシアや韓国を利するものであって、息がかかっていないと思う方がオカシイのではないだろうか。香港情勢に対して何か支援できるわけではないが関心を寄せ、台湾の来年の総統選挙を案じるのは大いに結構だが、足元の私たち日本と日本人は大丈夫か・・・これまで中国やロシアや北朝鮮によるスパイ天国と散々揶揄されながら、「特定秘密保護法」ごときでも難産で、「防諜組織」や「スパイ防止法」に至っては今なお設立・成立のメドが立たず、公安から数々の工作事案が明らかにされ、実際に私だって某シンポジウムに参加して名刺交換したロシア大使館付駐在武官から何度か電話を貰って、気になって無視していたら、公安の知人から、そりゃ公安がマークする要注意人物だと聞かされて、ちょっとビビッてしまったことがある(まあどの国の大使館員も駐在武官も程度の差こそあれそんなものだろうが)・・・という具合いに、きっと大丈夫ではないに決まっているのだ(苦笑)。「桜を見る会」の参加者リストを裁断したとかいうシュレッダーを見に行くなどアホか!?と言うつもりは毛頭ないが、政治家のセンセイには他にもっとやることがあるだろうと思ってしまう・・・
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GSOMIA狂走曲

2019-11-28 00:49:00 | 時事放談
 その昔、弓月光さんの「エリート狂走曲」なるマンガがあり、大学受験勉強の合間に読んでは自らに“喝”を入れたものだった。そんな懐かしい「狂走曲」の名を冠するのは勿体ないような呆れたドタバタ劇だった。お隣の国は、日本としては引越し出来ないから付き合わざるを得ないが、実に手がかかる国である。思い出すだに気分が悪くなるが、吐き出さないことには精神衛生上よろしくないので、書く(苦笑)
 日韓のGSOMIA(軍事情報包括保護協定)失効が回避された。日本が原則を貫いたのは、立派だったと言うより、当たり前のことをしたまでであって、むしろこれまで下手に妥協して相手をつけ上がらせたのが間違いだった。それを「ほとんどこちらのパーフェクトゲーム」と得々と語った日本政府高官がいたらしいのは、まことに嘆かわしい。何故、対外関係でわざわざ本当のことを言って、相手の神経を逆撫でする必要があるだろうか。せめてここは武士の情けで相手のメンツを立ててあげるべきではなかったかと思う(もっとも状況次第ではあるが)。
 いずれにしても、文在寅政権は、日本に圧力をかけることを期待して仲介の労を頼ったアメリカから、逆に決断を迫られ、アテが外れた(普通に道理が分かる人なら、韓国のインチキに気づかないはずはない)。直前にはエスパー国防長官や国務次官補に乗り込まれ、上院決議まで出されて、追い込まれた。ぎりぎりまで日本が妥協することにも期待したが、アテが外れた。日本の毅然たる態度に、今までのようなワガママは通用しないことを知って、ちょっとは目が覚めただろうか。しかし、来春の総選挙を控え、外交敗北と見せたくなかった文政権は、日本から妥協を引き出したかのような体裁を貫かんとするばかりに、日本が了解事項を「意図的に歪曲したり、膨らませたりして発表した」などと噛み付き、それに対して日本側から謝罪があったとまで独り芝居のデタラメを言って、日本からつれなくあしらわれるハメになった。安倍政権だってメンツがあるのに、なりふり構っていられない韓国は本当に浅墓である。
 それだけならまだしも、期限三日前に韓国MBCの番組に生出演し、100分間の「国民との対話」とやらを行った文大統領は、GSOMIAを飽くまで「日本に原因がある」「日本の態度の変化が必要だ」と言い募ったのは負け犬の遠吠えとしてもはや無視するしかないが、「韓国は日本の安全保障において防波堤という大きな役割を果たしている。日本はアメリカの安保の傘と韓国の防波堤によって防衛費を削減し、自国の安全保障を維持している。実際、日本のGDP全体に占める防衛費の割合は1%に満たない。一方、韓国の防衛費は2.5~2.6%と非常に高く、それは日本にもプラスになっていると思う」などと世迷言をまくし立てたらしい。休戦中の朝鮮戦争の当事者が防波堤とは、よく言えたものだ(苦笑)。なんなら後方支援基地を提供する日本としては謹んで請求書を回したらどうだろうか(微笑)。北朝鮮は別に日本を狙ってミサイルをぶっ放しているわけでもなければ、核開発しているわけでもない(アメリカとまともにやり合ったら亡国に至るという意味ではシグナリングであろう)。日本が憲法改正し普通の国になろうとするのを散々警戒するくせに、大統領という責任ある立場でよくもデタラメを言えたものだと、相変わらずのことではあるが呆れてしまう。
 いやはや現実をありのままに見ることなく現実を糊塗したファンタジーに浸り続けるとは、かくも正気の沙汰ではない。一国の大統領がこの現実認識で大丈夫だろうかと思ってしまう。困った国である。
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史上最長の安倍政権

2019-11-23 11:37:19 | 時事放談
 前回ブログの補足として・・・「桜を見る会」に実際に参加したことがある方に話を伺う機会があった。後援会の関係者ではない(笑)、大学や役所の有識者で、新宿御苑に1万人を超える招待客は明らかに多過ぎて、食事が供されると言ってもあっという間になくなって、ありつくことが出来ず、桜じゃなくて葉桜の見物で、こりゃ拷問だと参加者同士でぼやいていたそうだ(笑)。これまで主催者側の公私混同だとばかり悪しざまに罵られて来たが、陳情が政治家の問題と言うより有権者たる国民の我がままであるのと同様、もしかしたら地元の後援会や一部の関係者の我がままに、安倍首相や与党議員が(嬉々として?)義理立てしているだけではないかと思えて来た(苦笑)。まさか政権側がそんな実態を(それが本当なら)マスコミ取材で話すわけにはいかないだろうから、真実は明かされないままだろうが・・・
 今週、安倍首相の通算在任日数が、戦前の桂太郎・元首相(2886日)を超え、憲政史上最長となった。来年夏には、佐藤栄作・元首相の7年8ヶ月の連続在任記録をも超えることになりそうだ。これは、逆説的だが余り喜んではいられないように思う。安倍首相そのものが問題なのではない。むしろ混迷の時代に安倍さんという首相(更にその周囲を含むチーム安倍と言うべきかも知れない)を戴くことが出来たのはまあまあ幸運だったと喜ぶべきだろう。何が問題かと言うと、安倍さんという政治家に頼り過ぎの“状況”である。端的に、野党が多弱であること、自民党内にも首相後継候補が見当たらないこと、そうした政治の貧困である。
 民主党政権時代を含めて、毎年のように首相の顔が変わる2000年代後半のことを思えば、安定感があるのは望ましい。「桜を見る会」や「モリ・カケ」問題や閣僚任命責任など、長期政権にありがちの驕りや歪みも目につくが、安倍政権の成績を振り返る場合、日本人の悪い癖を脱して、受験勉強よろしく日本史と世界史を分けてしまいがちになる(内政や政局ばかりに目を向ける)愚を犯すことなく、如何なる世界史的環境の中でどういった成果を挙げてきたかを公平に評価すべきだろう。
 そういう意味では、これまでのところは好調な世界経済に助けられてきたことは間違いない。とりわけ経済政策・アベノミクスは、大胆な金融緩和と財政出動という基盤はそれなりに機能してきた。しかしその基礎に乗っかる本丸の成長戦略が力不足なところは否めない。成長そのものは政治の責任とは言い切れないものの、規制緩和や法整備など政治としての環境整備が十分だったかと問われれば、そうとは言い切れないウラミがある。しかし、支持率が順調なときを狙って、一般国民(一部国民と言うべきか?)には不人気な安全保障関連の法整備を行い、選挙で得点にならない外交・対外政策で着実に成果をあげて来たことは評価しなければならないだろう。第二次政権発足当初は、靖国参拝などでアメリカからも保守的・リビジョニスト的な性格を警戒されたが、きっちり軌道修正し、気紛れなトランプ大統領ともうまく付き合って、日米二国間関係を強固なものにした上、アメリカをインド太平洋構想に乗っからせ、広くアジアの秩序維持を担うまでに至っているのは、隔世の感がある。停滞する経済のもとで格差社会と大量難民が発生する地域を周辺に抱えてポピュリズムに揺れる欧州をも適宜巻き込みながら、中国という異形の権威主義国家が台頭するアジアで、米中戦争に揺さぶられつつも、リベラルで多国間の国際秩序を守れるのは、もはや日本を措いて他にはないような悲惨な状況である。
 北朝鮮による拉致問題、ロシアとの北方領土交渉、日韓関係・・・個別に見て行けば、どこに成果があるのか疑問に思われるところだが、言い訳がましくも国際関係は相手あってのこと、そうそう上手く行くことばかりではない。安倍政権によってそのレベルで留まっていると言えなくもない。というのも指導者同士で見て行けば、トランプ大統領ともプーチン大統領とも、安倍さんはうまく付き合っているし、まともに付き合えば金正恩委員長や習近平国家主席ともうまくやれるのではないかと思わせるからだ(根拠が乏しいが 笑)。唯一、文在寅大統領だけは例外だが、トランプ大統領をはじめとして彼を敬遠する人の方が多いし(苦笑)、韓国については、昨晩のGSOMIA継続に見られたように、むしろ毅然とした対応こそこれまでにない安倍政権ならではの画期的な到達点だ。いずれにしても国家間の関係にあっては個人的関係は無視できない要素で、それを含め、安倍政権によって構築されたシステムが、ポスト安倍の時代に維持されるのかどうかが注目されるところであろう。二階幹事長は四選が可能になる党則改正をちらつかせ、ロイターによれば、安倍首相が一度辞めてから復帰するという、プーチン大統領は再登板だったが、安倍さんの場合は再々登板となるシナリオが市場で囁かれているようだが、それはともかく、不安定な香港や台湾や朝鮮半島情勢を見れば、秩序安定が如何に重要かが分かるし、いずれ日本の社会にも影響を与えかねないことが大いに懸念されるのである。
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桜を見る会

2019-11-19 22:09:56 | 時事放談
 野党は安倍政権を攻めあぐねているようだ。彼らは、国家百年の大計とか政治家の本懐などより、次の選挙に勝つことが優先するようなので、安倍政権ひいては与党の足を引っ張ることは極めて合理的な行動である。それにしても、関西電力役員の金銭授受、文化庁による国際芸術祭への補助金不交付、公選法違反疑惑を報じられた2閣僚辞任、英語民間試験に絡む「身の丈」発言、そして首相による「桜を見る会」私物化と、与党も与党なら、野党も野党で、安倍政権を追い込むと言いながら、テーマが次々に目移りし、節操がない。
 今は「桜を見る会」とその「前夜祭」でもちきりだが、空騒ぎに過ぎるのではないだろうか。さすがに昨今、あけすけな法令違反は考えづらく、「前夜祭」をつついても何か出てくるとは思えないのだが、「桜を見る会」の方は、小泉政権の最後の年あたりから旧民主党・鳩山政権まで、出席者はだいたい1.0~1.1万人だったのに、第二次安倍政権から毎年増え続けて、今年は1.8万人、首相をはじめ与党議員の後援会関係者が多数含まれるようで、自らの資金を使えば公職選挙法違反になるところ、ドサクサに紛れて税金を使うとは何ともセコイ話で、公私混同も甚だしいという野党の追及はもっともだ。明細はないなどと隠しだてするのも、相変わらずみっともない。しかし、そんなに大勢で花見とは、ちょっと想像を絶するではないか。場所は新宿御苑、開催中の時間帯は招待客のみが入園できる(今年は午前8時30分~10時30分)と言っても、1.8万人である。呼ばれた方が却ってビックリするんじゃないかと、呼ばれることはない私は僻んでみたくなる(笑)
 よせばいいのに、鳩山氏は、沢尻エリカ容疑者逮捕について「政府のスキャンダルを覆い隠すのが目的」とツイッターに投稿したらしいが、それは沢尻エリカ嬢を買いかぶり過ぎで不見識というものだ。蓮舫女史の「あなた達も桜の会を行っていた、とか。出席してたでしょ、とか。つまらない反応です」というツイートも、往生際が悪い。確かに安倍さんは度が過ぎるが、事の性質からすれば、多寡の問題ではないはずだ。野党の皆さんは安倍政権を追い込もうと張り切っているらしいが、この程度のことで・・・とは仮に5500万円程度としても(しかも警備費などを除くと便乗分は微々たるもの)不謹慎かも知れないが、かつてのxxx疑獄じゃあるまいし、そのために国会を空転させるとすれば、そちらの方が余程カネの無駄遣いであって、勘弁して欲しいと庶民としては思ってしまう。
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甘えモード?の韓国

2019-11-12 00:05:30 | 時事放談
 相変わらず、責任ある立場の人がよくもまあ見え透いたことをいけしゃあしゃあと垂れ流せるものだと感心する(笑)。韓国名物のデモ参加人数の水増しがハンパじゃないのはこの際ご愛嬌ということにしよう。今月4日にバンコクで開催されたASEAN関連首脳会議に出席中の「日韓首脳のやりとり」(日本政府)は会談でも立ち話でもなく「言葉を交わしたという理解」(西村明宏官房副長官)などと軽く受け流したのに対して、韓国政府は堂々と「歓談」と発表し、野党議員から「韓日の発表に温度差が大きい」と指摘された韓国の首相は「対話の内容も紹介せず、国際的な基準に合うとは思わない」と日本の対応に言いがかりをつけた。昨日、韓国大統領府の国家安保室長は「(GSOMIAは)韓日両国が解決すべき問題で、韓米同盟とは全く関係ない」「韓国の立場から見れば、最近の韓日関係悪化の根本原因は日本がつくった」と強弁し、GSOMIA協定延長のためには日本の輸出管理厳格化措置の撤回が必要だと主張したらしい。イデオロギーに凝り固まって、自らの耳に心地よいファンタジーに酔っていると、そのうち悪酔いして現実の厳しさに目覚めざるを得なくなる。それとも、そろそろ日本に助け舟を出して欲しいと甘える高等戦術だろうか(笑)。
 この輸出管理厳格化措置について、ちょっとアカデミックな装いで解説(憶測)を試みる(笑)。
 一ヶ月ほど前に、最近はやりつつあるeconomic statecraft(「経済外交策」「経済的国政術」などと訳される)について書いた(https://blog.goo.ne.jp/mitakawind/d/20191011)。対外政策の内、経済を手段とするもので(他に、軍事力の行使や威嚇によるmilitary statecraft、交渉によるdiplomacy、言語シンボルの意図的操作によるpropagandaがある)、David A. Baldwin氏によると、positiveなものとnegativeなものに分けられる。自由貿易を国是とする日本は主にpositiveなもの(広い意味での報酬やそれを約束するもので、代表例は政府開発援助)を使って来たが、negativeな事例もないわけではない。北朝鮮に対する禁輸と、このたびの韓国に対する輸出管理厳格化措置がそれで、いずれも朝鮮半島に関するのは偶然ではないかも知れない(笑)。その目指すところ(戦略目標)について、長谷川将規氏は次の8つを挙げておられる。
(1)シグナル: 経済的な損害や利益(あるいはこれらの脅しや約束)を与えて相手にメッセージを送る
(2)強化: 様々な経済政策を通じて、自国や友好国のパワーを維持・補強する
(3)相殺: 脅威国や海外からの経済的悪影響を無効化する
(4)封じ込め: 経済的締め付けによって相手のパワーを劣化させる
(5)強制: 経済的損害やその脅しによって相手を譲歩させる
(6)買収: 経済的利益やその約束と引き換えに相手を譲歩させる
(7)抽出: 相手の経済的依存に付け込み、相手から富や資源を調達する
(8)誘導: 持続的な経済利益の提供を通じて、相手国内にシンパを増やし、相手国を迎合に導く
 今回、対象となる厳格化措置は、韓国を旧ホワイト国から除外することと、三品目(フッ化ポリイミド・レジスト・フッ化水素)を包括許可対象から除外すること(結果として、個別許可対象となる)の二点だった。とりわけ即効性が予想されたのは後者の方で、韓国の輸入量が少なくないことからグローバル・サプライチェーンに影響すると韓国で大騒ぎとなった。確かに、当該品目における日本企業のシェアが高く、他に代替がききにくいものだったため(そのような品目を選んだのだ)、効果てきめんで言わば急所を突いた形となったが、実際には、例えば最初の二品目は貿易統計(通関実績)上はそれなりのボリュームがあっても、輸出管理の対象となるのはその内の限られた仕様で極めて限定的であり(ほんの数%)、しかも手続きが煩雑となるだけで、例えば三つ目の品目は既に許可がおりて問題なく輸出されており、一説によれば、ここ数ヶ月、中国向け半導体輸出が減っていたので在庫がだぶついていたこともあって、実害はないという意味では、急所を突いたとは言え寸止めされていたと言える。実際に、韓国の康京和外交部長官も、最近の国会の決算特別委員会の全体会議で、日本の輸出管理措置について「具体的な被害は確認されていない」「このような状況が長期化することによる不確実性が企業の負担となる」と述べたという(8日付KBS記事)。従い、日本国政府の本音を代弁すれば、この厳格化措置で狙ったのは上記(1)の「シグナル」つまり「警告」に過ぎないのであって、輸出「規制」でもなければ、ましてや「禁輸」でもない。当初、安倍首相や経産大臣が徴用工問題とリンクするかのようにうっかり口を滑らせたのは、そのためだろうと思われる。ところが韓国側は(5)の「強制」と受け止めて反発した。日本側の意図が正しく伝わらなかったのは、日本側の説明不足と言うよりも、如何に説明されようとも政治利用しようと待ち構えていた韓国側の作為と言うべきだろう。正確に言うと、その筋の専門家(例えば韓国側の規制官庁)は正しく理解していただろうに、韓国大統領府が聞く耳を持たなかった可能性が高い。それはちょうど韓国の国防筋も情報筋も外交筋もGSOMIA継続を主張したのに、韓国大統領府が受け入れなかったとされるのと同じ構図で、イデオロギーに凝り固まった文大統領府の独裁と言うべきだろう。
 これじゃあ日本政府としてまともに相手をしていられるかぁ・・・ということになる。
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八方塞がりの北朝鮮

2019-11-09 22:17:22 | 時事放談
 ある方の最近の訪朝記によると、昨年の板門店での南北首脳会談後に訪問したときと比べて、北京で搭乗した高麗航空の(素っ気ないはずの)キャビンアテンダントが随分、にこやかな表情で対応してくれたらしい。また入国の税関検査も、(昨年はスマホに入っている画像までチェックされたらしいが、今年はスマホの提示を求められたものの)ほぼ素通り状態だったらしい。こうした現場感覚(特に定点観測)はなかなか貴重だ。これらは単なる気のせいかも知れないし、たまたまだったかも知れないが、もしかしたら北朝鮮で起っている、ささやかながらも重大な変化なのかも知れない。因みに、(所謂)平壌市民も普通に持っているというスマホにどんな機能があるのか、案内してくれた朝鮮対外文化交流協会の幹部に尋ねたところ、電話、メール、写真撮影、辞書、ゲーム、労働新聞や朝鮮中央放送のニュースなどが利用可能らしいが、「検索は?」という問いかけに首を傾げたらしい。なるほど、GoogleやYahooは当然のことながら、北朝鮮版の百度もまだないようだ。
 昨年4月に行われた党中央委員会総会で、金正恩委員長は、核・ミサイル実験の中止や、核開発と経済建設の両方を追う「並進路線」に勝利したと終了宣言し、経済発展に注力する路線への転換を表明した。今年4月の総会では、2月の米朝交渉が不調に終わった後のことでもあって、「自立的な民族経済を土台にし、自力更生の旗を高く掲げ、社会主義建設をさらに進める」(朝日新聞デジタル)などと、「自力更生」という言葉を計27回も繰り返した。「制裁でわれわれを屈服させることが出来ると血眼になり誤った判断をしている敵対勢力に、深刻な打撃を与えるべきだ」(日経新聞)などとも語り、アメリカへの一方的な譲歩には応じず、交渉の長期化を視野に入れた姿勢を示した可能性があるとも報じられた(同)。その後、交渉については年内を一つの区切りとしたのは周知の通りで、来年のアメリカ大統領選挙を睨んで、成果を誇示したいトランプ大統領の足元を見ているのは間違いない。トランプ以前の大統領からは相手にされず、トランプ氏だからこそトップ同士の直接の交渉相手となり得た事情もあり、原則合意から進展が乏しい現状への焦りはあるだろうし、依然続く国連制裁への苛立ちもあることだろう。
 そういう意味で、今年に入って10回以上の度重なるミサイル発射実験で北朝鮮はミサイル技術を着実に向上していることを懸念する声が聞かれるが、真の意図がそこにあるとは思えない。そんな中、10月23日に金委員長が、朝鮮半島五霊山の一角・金剛山を視察したときの報道は興味深かった。韓国資本で作られた数々の観光施設をボロクソに貶し、「わが国の力で、名山・金剛山にふさわしい施設を作り直すのだ」と命じたのは、見方によっては父親の偉業を否定することになりかねない(父親との確執は実は一部で報じられて来たことだが)。そして、それより一週間前の16日に朝鮮中央通信社は、金委員長が白馬に跨り聖地とされる白頭山に登る写真を公開するという、なんとも大仰な報道をして見せた。金委員長に同行した側近は「金氏が雄大な作戦」を計画していることを確信したと、これまた勿体をつけて報じているが、繰り返しになるが何とも大仰で北朝鮮らしい。
 先ず中国は、米中摩擦のために、北朝鮮をカードの一つにしたい思惑をもって背後に控えている。北朝鮮としてはなるべく頼りたくない相手だろうが、カードの一つになるのは間違いない。
 韓国は、金委員長とトランプ大統領の逢瀬を演出したが、いったん個人的関係が構築されてしまうと用済みで、国家間の南北融和を期待しようにも、客観的な国際情勢のせいで、なかなか進展しないのは止むを得ない。北朝鮮は韓国のことをなじることはあっても、次に利用できるまで手加減するだろう。他方、文大統領は、歴史認識問題以外に南北融和に水を差すことでも苦々しく思っている日本との関係を悪化させたこと自体は何ら気にしていないだろうが、ディールのつもりでGSOMIA破棄まで表明したことで、アメリカの虎の尾を踏んでしまった。11月22日までに揺り戻しのキッカケを掴みたい文大統領は、心ならずも日本に接近を図っているが、こうした日米韓、否、米韓の絆の強さを、金委員長はさぞいまいましく思っていることだろう。
 日本は、今は登場する段階ではない。
 最後にアメリカは、かつて北朝鮮の裏切りにも近い行為に学んで、宥和的な姿勢を見せないのは当然で、報道によれば北朝鮮は近海の漁業権を中国に売却したとされるのが本当かどうか知らないが、瀬取りや海外就労者のビザ書き換えやサイバー攻撃に見られるように、経済制裁がそれなりの効果を挙げているのが事実であれば、核開発を停止している北朝鮮との関係で、時間は自らに味方すると思っているであろうことは、これまでブログで触れて来た通りだ。金委員長にとってはそれが自らの公約の妨げとなり、物事が思い通りに進まないことに、さぞ苛立ちを覚えていることだろう。しかし考えてもみて欲しい。北朝鮮のような最貧国の深窓の三代目が、戦後の国際社会が奉じる核不拡散体制に敢然と挑戦し、世界に冠たるアメリカ大統領とディールをしようとは、かつての大統領側近が考えたように、甚だもって異例であり非現実的なことである。多角的あるいは多国間の協調が苦手で、プーチンや習近平などの一対一のディールが出来そうな独裁者ばかりを好むトランプ大統領だからこそ、物好きにも誘いに乗ったのであって、本来はあり得ないことだ。そんなことを容認したら第二・第三の北朝鮮が現れないとも限らない。その意味でも原則論としての非核化は譲れない。
 金委員長にとって、自らの統治に関わる命懸けのこととは言え、世界とりわけ選挙制度があって国民の負託により統治が容易に引っくり返る西側諸国にとって、事態はそれほど深刻ではない、と言うより血統による三代目には冷ややかだ(と思う)。大統領補佐官を解任されたボルトン氏は「北は核放棄しない」と発言し、トランプ外交を切り捨てたようだが、金委員長は少し頭を冷やした方がよいのではないかと思う(がいらぬお節介なのだろう)。
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菊池桃子の再婚

2019-11-06 00:15:09 | スポーツ・芸能好き
 (下書きのままだったことに気が付かず、遅れてしまった)菊池桃子さん(51)が一般人と再婚したというニュースは聞き流したが、今朝の「おはよん」でお相手が経産省の局長だと聞いて、これは聞き捨てならないと、会社で早速、日経電子版を見ると、経済産業政策局長の名前のみならず顔写真まで出ていて、確かに経済の消息ニュースには違いないが、それにしても日経もさぞかし驚いたことだろう(笑)。
 桃子ちゃんは我らが学生時代のアイドルで、会社の独身寮にいた知人が大ファンだったのをふと思い出したが、私自身は今も昔も、そもそもアイドルにさほど関心がない。しかし同じように齢を重ねている割りに桃子ちゃんは上手く齢をとっていて、とてもチャーミングなので、昔より今の方が余程関心がある(!?)ほどだが、お相手の局長さんは、こう言っては失礼ながら普通のおじさんっぽいものだから、二倍、驚いた。まさか桃子ちゃんに限って掠奪愛はないだろうと思ったが、聞くところによると局長さんは60歳にして初婚だということで、三倍、驚いてしまった。前・経産大臣の世耕さんは昨日の記者会見で「心からお祝いを申し上げたい。彼(新原氏)が結婚すると聞くこと自体大変な驚きだが、お相手を聞いてその千倍ぐらい驚いた」と述べ、元・経産大臣の甘利さんは「『えーーっ』我等のアイドルが野蛮人(笑)の手に」とツイッターでいじったのも、むべなるかな(笑)。そうは言っても、日刊ゲンダイによると、「福岡出身(と言っても、別の情報筋によると、4歳のときに父親の転勤で福岡を離れ、東京の私立海城高校卒)で東大経済学部を卒業後、1984年に旧通産省に入省、産業組織課長などを歴任し、2010年には民主党政権で首相秘書官、14年からは内閣府大臣官房審議官を務め、次期事務次官候補と目される」堂々たるエリート官僚、ということだ。同じく日刊ゲンダイによると「今年夏の人事では、今井秘書官の“操り人形”として次官に昇進ともっぱらでした。官邸の威光もあって部下には威張り散らし、正直、人望は薄い」という経産省事情通(って誰!?)の発言を引用していて、「付いたあだ名は『将軍』」とは、なんとも棘のある言いよう・・・やっかみ半分ということにしておこう。経産省で二期下だったという岸博幸氏(慶應大教授)からは、「仕事ぶりで言えば、結構強引な面がある。そうでないとまとめられないですから」「それに加えてフットワークも軽い」「強引さとフットワークの軽さで菊池さんを射止めたのかなと」と、一応、お褒めのお言葉。
 いやはや、これは小泉進次郎氏と滝川クリステルさんの結婚どころではない。あの山ちゃんを越える令和元年のヒットと言えるのではないだろうか(・・・どういう価値判断や!?)。末永くお幸せに・・・
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戦後最悪の日韓関係

2019-11-04 14:59:47 | 時事放談
 「戦後最悪」が枕詞となった日韓関係だが、この形容は、政治レベルの問題に留まらないからでもあるだろう。かつて安倍首相は、中国は難しいことを言って来るが交渉はできるのに対し、韓国とは交渉にならないとボヤいたらしいが、このあたりの嫌韓感情は、もはや草の根にまで幅広く、しかも骨の髄まで!?沁みわたっているかも知れない(苦笑)。私の周囲のみならず、たとえば日経ビジネス・オンラインやプレジデント・オンラインで、韓国に宥和的な記事が出ようものなら(例えばアメリカの識者は日本の譲歩を期待している、とか、今こそオトナの対応をとり韓国に恩を売るべき、など)、読者コメント欄の90%以上にコテンパンに叩かれるのだ(アメリカの識者はどこの誰か、米政権にも厳しい進歩派ではないのか、それに対して反論しなかったのか、これまでさんざん恩を売って来ても仇で返してきたではないか、恩を恩と思う相手ではない、云々)。韓国とビジネスの関係がないわけではないだろうに、そんな比較的意識が高いであろう層でも韓国を見限り始めていると言うべきだろう。そうすると安倍政権もおいそれと韓国と妥協出来ない(どちらかと言うと、安倍首相としては世論の支持を背景に韓国を冷たく突き放しているところがあるが 笑)。
 他方で「八方塞がり」が枕詞となった韓国の文在寅政権も、ようやく風向きを変えつつある、すなわち即位の礼に際して文大統領の親書が安倍首相に手渡され、今日もASEAN関連会議で訪れているバンコクで11分間の会談があったとわざわざ韓国大統領府が伝えるなど、日本に秋波を送っているようだが、そうは問屋が卸すのかどうか。確かにアメリカは、GSOMIA破棄で神経を逆撫でされ、最近も在韓米大使館侵入事件で「urge」というキツイ言葉を使って善処を申し入れた。中国はどうも韓国という国を信用していないようだし、北朝鮮は文氏個人の名指しでの批判は控えるものの、韓国に対して相当落胆しているのは事実だろう(そして金委員長の性格からすると、文大統領を利用し尽くすために、文氏を突き放すところまで行かず、むしろ援けているとさえ言える)。国内経済も1997年のアジア通貨危機や2008年のリーマンショックに迫る厳しさだと言われ、反・文政権デモが広がりを見せている。他人の不幸を笑うつもりはないが、自業自得やないかとソッポを向きたくなる。この2年半の文在寅政権の日本に対する理不尽な仕打ちはおよそ国家間の関係の度を越してしまった。
 では、文大統領は本当に困っているのかと言うと、対外関係に関する限り、実は孤立感はそれほどではないのではないかと言われる。実際に対外関係悪化は政権支持率には影響しないようだ(日本でも外交は選挙の点数稼ぎにならないと言われる)。ある朝鮮半島専門家に言わせれば、そもそも韓国人は“狭間”に生きる民であって、アメリカから離れて中国に擦り寄るかと言うとそうではなく、むしろ安全保障も経済も中国に依存するようになると不安になるので、アメリカの顔色を窺い、中国の顔色を窺いつつ、安全保障をアメリカに頼り、経済を中国に依存するという、“ねじれ”を実は心地よく思っているというのだ。大国に囲まれた大陸の端にへばりつく半島の地政学上の微妙で複雑な心理は、流れの激しい玄界灘を挟んで距離を置く島国の日本人には分かり辛い。
 そうすると、混迷する経済や閣僚のスキャンダルなど、内政がうまく行かないことで韓国民の失望を招いているのが余程応えているのだろうか。アメリカからの圧力もあるのだろうが、それにしては手のひらを返すように日本に歩み寄るのは余りに安直で楽観的に見える。先の専門家も、最後は日本が何とかしてくれるだろうという「甘え」が依然としてあって、しかも当然、日本はそうするだろうという「自信」を持ち始めているからというのは、よく聞かれる話だ。先進国に並ぶ経済成長を成し遂げ(しかし、財閥依存のイビツな発展で、しかも日本が斬り捨てた分野をそっくり引き取り、今、そこで中国に追われている)、民主化を達成し(しかし、政治が弱いために韓国社会特有の強い感情を抑えられず、左右の対立に翻弄される)、目の上のたんこぶだった日本が衰退しつつあるように見える(まあ衰退とは言い過ぎで、停滞して見えるのは事実かも)ものだから、なおさらなのだろう。これに文在寅大統領個人のイデオロギーの強さが掛け合わされれば、保守政権の全て(過去に保守政権が成し遂げた歴史すら)を否定し、韓国社会に特有の「正義」を実現するために、異様なまでに「歴史認識」(歴史的事実ではない)へのこだわりがクローズアップされるのだろう。
 日韓基本条約は戦後の日韓関係の基盤を成すものであり、先の専門家は、この原則を崩しかねない徴用工問題で差し押さえ資産が現金化されるのであれば、日韓基本条約をご破算にし、その中で日本が放棄した戦時中の朝鮮半島の資産(総額53億ドルの幾分か?)や供与した3億ドルを請求して、断交してもよいのではないか、とまで言っている。恐らく、そこまでの切迫感が文在寅大統領や韓国民にないことが、日韓問題の核心なのだろう。
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