風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

北朝鮮の得意満面

2024-06-29 01:13:36 | 時事放談

 プーチンと金正恩が接近している。困った悪の枢軸である(苦笑)。それで、金正恩が得意なのには相違ないだろう。コロナ禍やウクライナ戦争で、世界の注目を浴びることが出来ず、干上がっていたのだ。

 近づいたのはプーチンだった。ウクライナ戦争が重荷になりつつあっても、自らの威信を保つために、おいそれと戦争をやめられないプーチンは、片や、独裁者なのにまともに国家経営も出来ないのかと馬鹿にしているかどうかは知らないが、貧しい中で核とミサイルの開発に余念がない北朝鮮を、都合の良い兵器廠代りにしようとしている。

 犯罪以外にまともな稼ぎがない金王朝の三代目には願ったり叶ったりだろう。かつては偽ドル札の印刷や麻薬の栽培に手を染め、(北朝鮮が制裁対象であることを知らない)アフリカの一部の国への武器輸出や軍事サービスの提供を行い、今は暗号資産の盗掘や(国連安保理から禁止されている)労働者派遣など(どうやら日本のアニメ制作の下請けまでしていたことが報道された)で、どうにか食い繋いでいる。貧しいせいではあるが、旧・ソ連時代の兵器を後生大事に持ち続けた甲斐があった。同じく旧・ソ連時代の兵器に頼るロシア軍には、恐らく部品の互換性もあり、使い勝手が良いはずだ。

 しかし、提供された武器・弾薬の半分ほどは使いものにならないほど、品質が劣悪だったらしい。プーチンからは足元を見られることだろう。冷戦期の同盟時代を記憶する人民は、見返りにプーチンから食料援助を期待するようだが、新たな相互援助の「同盟」(プーチンはついぞこの言葉を口にしないし、国連憲章やそれぞれの国内法の手続きに従い、との留保がついている)関係の下で、三代目は自前技術だけでは突破出来ない衛星や先端兵器の技術の提供を受けることを期待するようだか、どうなることやら。相変わらず、三代目と人民との間の意識のギャップは如何ともし難い。

 何しろ、法的には今なお朝鮮半島で戦争中という危機を偽装することでしか国家をまとめ切れないのだ(もっと言うと、金王朝の成り立ちも甚だ怪しく、存在自体が偽装まみれだ)。三代目にとっては「貧者の兵器」である核やミサイル以外に、韓国との間で比較優位はなく、結果、お隣の独裁者である中国共産党がその統治の正統性の源とする社会の安全や経済成長を、真似できない三代目は、声高らかに米韓との緊張を演出し、核やミサイル開発の成功を宣伝しないことには、統治の正統性を担保出来ないのだ。そんな茶番をいつまで続けるのかと、冷めた目線を送る我々との間の意識のギャップもまた如何ともし難い。

 かの喜劇の名優チャールズ・チャップリンは、「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇である」(Life is a tragedy when seen in close-up, but a comedy in long-shot.)と言った。至言であろう。人民には、かつて満州に跋扈した匪賊のような統治能力の乏しい王朝の下で気の毒でならないが、世界の目には、かつてトランプ前大統領と交渉決裂したように統治の保全に汲々として現実を顧みず誇大妄想する三代目の北朝鮮の、現代にあってなお孤立した秘密国家ぶりにも、よく当て嵌まる。もっとも、北朝鮮の置かれた地政学的な難しさと歴史的現実には同情するから、さしずめ三代目はそんな厳しい現実に翻弄される深窓の令嬢といった趣きであろうか(その得意満面の裏側を想像するならば…)。

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台湾の自立意識

2024-06-22 09:34:48 | 時事放談

 台湾で頼清徳氏が新総統に就任することに決まってから、どんな就任演説をするか注目された。

 前総統の蔡英文さんは、就任演説で「中台関係」や「中国」を表現する際、「両岸関係」や「対岸」など、今から思えば穏やかな言葉を使ったが、頼清徳氏は「中国」で通したそうだ。中台が「一つの中国」原則を確認したと中国が主張する「1992年コンセンサス」には全く言及せず、この5000字余りの演説の中で、「中華民国」という呼び名を9回、「中華民国台湾」を3回繰り返したそうだ。さすが筋金入りの独立派で、確信犯である。

 これを息を殺して見ていた中国が面白かろうはずはない。早速、人民解放軍を派遣して威圧して見せる、いつもの嫌がらせをした。

 全体として、「独立」そのものは封印したものの、台湾における台湾アイデンティティの高まりを捉えて現状維持を主張するという、彼としては抑制気味ながらも、彼自身のアイデンティティを支持する人にもぎりぎり応える内容だったように思う。その上で、頼氏は「中国からの様々な威嚇や浸透工作」に対処するため、国防力を強化し、経済安全保障を構築して、「世界の民主主義国家」と連携を進める考えを示した。

 ウクライナ情勢は、ユーラシア大陸の東端の台湾にも影を落とす。ウクライナ制圧というプーチンの妄動を易々と許すならば、習近平をも台湾制圧へと駆り立てると言われて来た。ロシアと地続きのウクライナと違って、台湾島を軍事制圧するのはそれほど簡単ではなさそうで、余程の覚悟が要りそうだが、やや手垢に塗れたと言えるかもしれないハイブリッド戦ならお手軽で、既に始まっている。そして、プーチンの非道に立ち向かうウクライナ国民を、NATOを始めとする自由民主主義諸国が支える構図に乗じて、頼清徳氏も自由民主主義諸国への働きかけを強めて行く。

 話は変わるが、最近、宋美麗の伝記を読んだ。悪名高い?宋三姉妹の三女で、蒋介石に嫁いだ。因みに次女は孫文に嫁ぎ、長女は財閥に嫁いだ(長女の旦那は中華民国の行政院長(NO.2)にも就いた)。20世紀前半の中国で栄華を極め、中国の運命を左右したと言われるファミリーである。混乱を極めた当時、10%をピンハネするだけでも莫大である。1949年に大陸を追い出された蒋介石に対してアメリカが冷たかったのは腐敗が酷かったからだと言われるのも分かる気がする。習近平は権力闘争で反腐敗を旗印にしたが、このあたりは東洋的専制の体質だろう。

 それはともかく、宋美麗はアメリカ留学経験があり、南部訛りの流暢な英語を操り、蒋介石が軍人あがりで、さばけた人ではなかったので、彼女が蒋介石の通訳をしたり、アメリカ・メディアのインタビューを受けたり、寄稿したりして、アメリカ世論に多大な影響を与えたと言われる。ルーズベルト大統領夫人に取り入り、米国史上、議会演説した外国人女性としてはオランダ女王に次ぐ二人目で、全米にラジオ放送され、また、タイム誌の表紙には、1927年に蒋介石と結婚した時の顔写真が掲載されて以来、1955年までの28年間に、二人の写真が実に11回、宋美麗単独では4回も掲載されたらしい(譚璐美著『宋美麗秘録』より)。日本はついぞ大陸の戦闘で中国に負けたことはなかったが、世論戦で負けたとも言える。

 今も東アジアで行われているのは、世論戦を含む認知戦である。GDP比2%の軍事費も重要だが、私たちに認知戦への備えは出来ているだろうか。

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ヨーロッパの憂鬱

2024-06-13 05:12:21 | 時事放談

 6〜9日に実施された欧州議会選挙で、極右や右派など、EUに懐疑的な勢力が票を伸ばし、右傾化が強まっている。日経は「伸長」と書き、朝日は「躍進」と書いた。全体では依然、中道の主流派政党が過半数を維持するが、フランスやオーストリアでは極右が国内第一党になった模様だ。環境や人権などの遠いテーマよりも、インフレ対策や治安、移民政策など目先のテーマに、人々の関心が移っているということだろう。そこには長期化するウクライナ戦争の暗い影があり、アメリカのトランプ前大統領とその支持者のMAGA運動とも共鳴する。岩間陽子さんは、「戦間期」的状況が到来しそうだと警戒される。

 以下はある本からの抜粋である。

 「民主主義は二正面作戦を強いられている。一方は、いよいよ拡大し、いよいよ広範な労働者層を把握しつつある極左の闘争であり、他方は極右の闘争である。(略)この二つの反民主主義運動の目的は何か。その一方の目標は、プロレタリア独裁とそれに伴う経済的・文化政策的帰結という明確なものであるが、もう一方について知り得るのは、ナショナリズムと社会主義を混淆し、奇妙で矛盾に満ちたイデオロギーのみである。(略)この闘争において勝利を収めるのは誰か、その勝利は一時的なものか、永続的なものか、我々は知らない。ただ一つ分かることは、左翼が勝とうと右翼が勝とうと、その旗は民主主義の墓の上に立てられるであろうということである。」

 一部、言葉を略したが、それでもやや違和感を覚える表現が見られることから分かるように、現代の政治情勢を写したものではない。最近、読んだハンス・ケルゼン著『民主主義の本質と価値』(岩波文庫)所収の論文『民主主義の擁護』(1932年)からの抜粋である。まさに「戦間期」の政治情勢で、省略した言葉はボルシェヴィズムとファシズムだ。現代に当て嵌めれば、それぞれアイデンティティ政治とポピュリズムになろうか。歴史は繰り返さないが韻を踏む、ということが、なんとなく分かる。

 外交と防衛は一義的には欧州議会ではなく、各国の主権に属するから、例えばウクライナ情勢がすぐに影響を受けるとは思わないが、環境政策や人権などの優先順位には間違いなく影響し、それはとりもなおさず、ルールメーカーとしての欧州のプレゼンス低下を意味する。また大西洋を挟んだヨーロッパとアメリカでは(特に安全保障面で)作用と反作用といった反応あるいは共鳴があり、2016年当時のブレグジットとトランプ旋風のように、今年もまた米大統領選挙を控え、その動きが増幅されるのだろうか。

 自由を護るための制度である民主主義を擁護するケルゼンは、論文を以下の文章で締める。

 「船が沈没しても、なおその旗への忠誠を保つべきである。『自由の理念は破壊不可能なものであり、それは深く沈むほど、やがていっそうの強い情熱をもって再生するであろう』という希望のみを胸に抱きつつ、海底に沈みゆくのである。」

 これほどまでの悲壮な決意と信念を、今の私たちは共有しない。しかし西側・民主主義陣営の混乱と混沌は、権威主義陣営を利することは間違いない。現代にあっては、それが憂鬱なだけである。

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ロシアの苦境

2024-06-11 00:10:55 | 時事放談

 プーチンの苦境なんて、本人以外には分かりようがなく、神のみぞ知る世界なのだが、ウクライナ情勢に変化の兆しが見られるように思う。

 補給がままならないウクライナ軍を、装備が消耗し兵力が不足するロシア軍は思っていたほど押し切れなかったと言われる。ここにきて西側の支援が再開する見通しがたったとは言え、戦局を覆すほどの影響はなさそうなのだが、効果が疑問視されてきた経済制裁では、もう一段の強化が効き始めているようなのだ。 

 プーチンは、五期目をスタートして早々に中国を訪問し、蜜月を見せつけた。中国から、西側の制裁で不足する電子部品等を横流ししてもらい、イランからはドローンを、北朝鮮からは弾薬等を(手元で暴発するなど、品質はかなり落ちるとの噂が漏れ伝わるが)輸入するなど、これら悪の枢軸への依存を深めたことに加え、西側の制裁に同調しないインドやトルコが抜け穴になって、制裁の効果が上がらないと揶揄されてきた。そこで、ロシアへの輸出規制では埒があかないことに苛立つアメリカが、とうとう昨年暮れに、ロシアを支援する企業や金融機関を二次制裁の対象とする規制強化を発表すると、さすがに米銀との取引が出来なくなる(それは世界との取引が出来なくなることを意味する)リスクをとってまでロシアと付き合うほど殊勝な中国人はいないようで、中国系の企業や銀行の中にはロシア離れを引き起こしつつあるとの報道が見られるようになったのだ。それだけ基軸通貨としての米ドルは今なお強いということでもある。プーチンは五期目の就任演説の際、浮かない顔をしていたようで、それはショイグ国防相を更迭し、後任に軍事の素人を(しかし経済通を)置かざるを得なくなったからだと解説されたが、経済制裁も効き始めているのではないだろうか。ロシアで戦時経済が構造化すれば、なかなか泥沼から抜け出せそうになく、ロシアの将来の発展は益々遠のく。

 そもそも「制裁」は外交や対外政策のツールであって、武力によらずに(軍事と並ぶハードパワーである)経済の力を使って、相手の行動変容を促すものだ。もともと中国の得意技で、今なお福島原発処理水を巡って日本の水産物を禁輸しているし、コロナ禍での原因調査を巡ってオーストラリアを苛めたし、台湾に対しては日常的に経済的に威圧している。中国の武器は14億ものマーケットの魅力であり、アメリカの武器は技術力や基軸通貨ドルというわけだ。

 ウクライナ戦争に当て嵌めれば、一般に戦争は「意思」と「能力」の掛け算と言われるが、プーチンの戦争への「意思」を変えられない以上は、継戦「能力」を削ぐために物資の輸出を制限し、プーチンの行動変容を促すものだ。金融制裁強化は、これと絡めて、抜け駆けして輸出する中国等の企業を、金融面から追い込んで行動変容を促すものだ。良し悪しは別にして、これが政治の現実である。

 もとよりアクションがあればリアクションがあり、人の世はリニアには進まないものだ。おまけに、戦争には「霧」が多く、一寸先は闇だ。

 日本人にとって、そもそも地理的に遠いヨーロッパの出来事である上に、戦争から距離をとりたがる国民性であり、平和憲法の日本に出来ることは限られるという諦めもある。地理的に遠い日本では、ヨーロッパとは違うサプライチェーンの構造がまがりなりにも機能しており、日本人の関心は薄くなりがちだ。国会で、野党は世界平和やら政治理念よりもちまちました政治闘争に明け暮れ、与党はその防戦に明け暮れる。皮肉を込めて、極東の島国に生きる幸せを噛み締めつつ、ロシアとウクライナの情勢を見守りたい。明日は我が身と身構えながら。

 

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8964または5月35日に寄せて

2024-06-08 01:39:36 | 時事放談

 天安門事件から35年が経った。月日が流れるのは早い。

 今なお中国当局は、犠牲者追悼などの動きを徹底阻止するために厳戒態勢を敷き、言論の自由を求める声が国際社会で高まると「内政干渉」だと強く反発し、NHK海外放送のニュース番組を数分間にわたって遮断して、カラーバーと信号異常を示す画面に切り替えた。無駄な抵抗じゃないかと、私なんぞはつい思ってしまうが、徹底した情報統制で、記憶の風化が進み、若い世代を中心に事件を知らない人が多くなっているというから、侮れない。

 日経の中沢克二さんは、「天安門事件35年」として「中国革命の故郷・東京に集結する志士」と、些か週刊誌的(!)な副題のコラムを寄稿された。1911年の辛亥革命に先立ち、1905年に東京で孫文ら革命の志士らが政治結社「中国同盟会」を結成した歴史を振り返りつつ、この6月3日に永田町・国会議員会館内の国際会議場で天安門事件の犠牲者を追悼する集会があったことを伝えている。在日中国人らで作る中国の民主化を求める団体や、アムネスティや、日本の国会議員ら160人ほどが参加し、天安門広場、香港中文大学に続き、第三の「民主の女神像」が登場したらしい。興味深い。

 しかし、言うほど生易しいものではないだろう。中国共産党は自らの統治を邪魔する勢力を排除するのに、反スパイ法をはじめとして、また、国防費並みに治安維持費をかけ続けて、文字通り「必死」である。当時と今とでは情報通信技術の発達で格段の差があり、手段として最大限活用して抑え込もうとしている。勿論、イタチごっこの様相ではある。

 最近、中国人富裕層の間に、苛烈な受験競争や、コロナで露わになった脆弱な医療インフラや、貧弱な社会保障と老後への不安や、財産保全への不安や、とりわけ最近は習近平思想教育を嫌気して、日本をはじめとする海外に脱出する動きが伝えられる。それが反体制運動にまで昇華するのかどうか予断を許さないが、私は、中国の歴史と、中国共産党統治は嫌悪しても中国人民一人ひとりの人間の力はなお信じて、見守っている。誰が見ても、中国共産党の統治には無理があり、持続可能とは思ないからだ。それがいつ成功するのか、当然、作用に対して反作用が働くので、明日のことか、三年後か、十年後になるのかは分からないが。

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永遠の峰不二子

2024-06-04 21:05:13 | スポーツ・芸能好き

 テレビアニメ「ルパン三世」Part 2から峰不二子役を務めてこられた声優の増山江威子さんが5月20日に亡くなっていたことが分かった。享年89。

 年齢とともに声も老化するものだが、増山さんは驚く勿れ70代になっても、ときに甘えすかしてそそのかし、ときに冷たくあしらいながら、狙った獲物は逃がさない、世界を股にかける大泥棒・ルパン三世を自在に操る魔性の女・峰不二子の艶やかな声を保っておられた。プロの矜持である。

 早くも1960年代から声優として活動されたが、当時は声優という職種が世間に認知されておらず、舞台俳優の副業扱いでしかなかったそうだ。峰不二子役以外にも、「天才バカボン」のママ役や「キューティーハニー」の如月ハニー役に「パーマン」のパー子役など多彩な役柄をこなし、私たちアニメ全盛の世代にとって、今更のように存在感の大きさを思う。

 こうして私が一番好きなアニメ「ルパン三世」で私が馴染みがあるルパン・ファミリーは皆さん鬼籍に入ってしまわれた。ルパン(山田康雄さん、1995年没)、銭形警部(納谷悟朗さん、2013年没)、石川五エ門(井上真樹夫さん、2019年没)、次元大介(小林清志さん、2022年没)・・・私もそういう年齢なのかと、感慨深い。

 峰不二子というアニメ上の強烈なキャラに(文字通りに)命を吹き込み、一人の女性像を打ち立てて、限りない夢を与えて下さった感謝の気持ちを込めて、合掌。

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