風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

ダム

2009-09-30 01:00:42 | 時事放談
 先週、もう一つ話題になったのは、ダムを巡る一連の騒動でした。群馬県の八ッ場ダムと熊本県の川辺川ダムという長期化したダム事業の代表格が、自民党政権下の悪しき公共事業の典型として、民主党政権下で見直しの槍玉に挙がっているのはご承知の通り。
 八ッ場ダムには、計画が発表された1952年以来57年の長きにわたり総工費4600億円の内3210億円が投入され、川辺川ダムには、1966年以来43年間に総工費3300~3400億円の内2200億円と、それぞれ事情はあるにせよ途方もない年月と巨額の予算が注ぎ込まれて、なお完成に至っていません。これだけの時間が経過すれば計画を成り立たしめた当初の前提条件が相当変わって来ているはずですが、計画の見直しが行なわれた形跡はありません。監督官庁から関係企業や団体への天下りも噂されます。自民党政権時代の公共工事はやはり杜撰だったと決め付けられても反論するのは難しそうで、少なくとも国の直轄事業(国交省所管)として進行中の全国のダム143箇所については、潜在的な行政の無駄として、大いに見直しを進めて欲しいと思います。
 だからと言って、民主党の前原国交相が、現場視察や地元住民の話を聞く前から中止を表明し、中止を判断するに至った根拠や経緯を明らかにすることもなく、中止を白紙に戻す考えもないと明言したのは、やや一方的に過ぎ違和感を覚えます。
 更に、政権公約で約束したことはやりきる責務があるからと言い切る硬直性には、拒絶反応に近い違和感を覚えます。そもそも国民は個別政策に投票したわけではなく、民主党の外交・安全保障政策などは自民党ほど国民の支持を集めていませんでした。亀井金融相の現代版徳政令発言に至っては、寝耳に水と思っている人が多いのではないでしょうか。それを当然のように進めようとする神経を疑います。マニフェストと言っても、国民はその方向性を支持したのであって、個別には現実的に見直すことに異論を差し挟む人はいないでしょう。是非とも再考を促したい。
 上の写真はペナン島とマレー半島を結ぶペナン・ブリッジ。これより南、空港寄りに計画されていた第二ペナン・ブリッジ建設はようやく動き出しましたが、大型公共工事の中には、ペナン州で野党が政権奪取したことに伴い見直しを余儀なくされているものが多いと報道されています。実はそれは連邦政府(与党)からのイヤガラセと言うのですから、政権交代にはドラマがあります。
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25%

2009-09-27 15:42:18 | 時事放談
 先週は、鳩山さんが国連気候変動サミットの開会式で演説し、温室効果ガスを2020年までに1990年比で25%削減する、極めて意欲的な目標を表明したことが話題になりました。25%の根拠は明確ではありませんし、既にエネルギー効率が高い日本における実現可能性を巡っては、特にインパクトが大きい産業界からの反発が大きいようです。それもあって、そのコストが電力料金や車・家の価格に転嫁され国民負担が増えることがさりげなく喧伝され、国民心理の不安を煽っています。
 実際に、単純な私などは、各家庭でも出来ることもあって、新築の住宅に高断熱と太陽光発電パネルを設置するよう政策誘導すれば随分効果があがるように思いますが、現時点では、パネル費用に200万円、その重量に耐える構造にすることまで含めると500万円かかるとする試算があるのを聞くと、道のりは決して平坦ではないと思わざるを得ません。
 しかし、麻生政権が掲げていた2005年比15%削減(1990年比8%削減)の目標では、国内削減分だけを計上していたという定義上の違いがあるにせよ、全く迫力がありませんでした。そこがリーダーシップの難しさでしょう。麻生さん目標は、経団連と霞ヶ関と自民党が一緒になって作成(実態は霞ヶ関が経団連の意向を聞きながら纏めたと想像)されますが、実現可能性という点では誰もが納得するレベルであっても、リスクを負わないという点から言えば、変化を起こすことは難しい。そういう意味で、25%という数値目標には困難さが伴うとは言え、久しぶりに日本が国際社会をリードせんとする鳩山さんの決意が感じられ、これまでの自民党のやり方からの変化を象徴する目玉の一つと言えます。
 因みに、自民党総裁戦候補者の反応は、河野氏は素晴らしいと絶賛したのに対し、西村氏は米国や中国を新たな国際ルールの枠組みの中に組み込まないと効果がないと指摘し、谷垣氏は国内議論が未成熟で評価はこれからと慎重で、三者三様、これまでの自民党的なものを色濃く残す人ほどネガティブに映ります。
 かつて公害問題が起こった時に、アメリカでは弁護士を大挙して雇い法的な対応を取ろうとした、それに対して日本では正面から取組み技術的な対応を取ろうとした、それがその後の両国の産業の行方を左右したというたとえ話があります。そうした教訓を意識したかどうか、オバマ大統領は政権公約でグリーン・ニューディール政策を打ち出し、かつてパソコンやインターネットによって情報産業分野で日本を凌駕したように、環境・エネルギー分野でもアメリカが台頭することを狙っています。
 25%という目標は、本質的に流動性が低い日本の産業構造を成長分野にシフトさせ(あるいはそれを加速し)、既に江戸期に循環型経済を実現していた日本があらたに低炭素社会のモデルとなる、その契機となり得る潜在力を秘めています。内向きのバラマキ政策が多い民主党にあって、これまで自民党政権ではなかなか言い出せなかったという意味で大胆で、無謀にすら見えますが、今後何十年かの日本の方向性を指し示す積極的・対外的なものとして、大いに期待しています。
 上の写真はペナン島の西海岸にいまも残る高床式の家。これまでの一本調子の成長ではないあらたな発想が必要かも知れません。
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渋滞

2009-09-25 01:37:27 | 日々の生活
 シルバー・ウィークの高速道路の渋滞は、ゴールデン・ウィーク以上だったという報道がありました。高い高速料金は実は経済原理に叶っているのだと言われて来ましたが、1000円への値下げが需給バランスを崩したようです。日本人は、高速料金が高かったばかりに、車を有効活用して来なかった、いわば宝の持ち腐れになっていたということでしょうか。
 日本がシルバー・ウィークの間、イスラム社会のマレーシアではラマダン(断食月)明けの休暇が週末と重なり、月・火曜日が振替休日となって、マレーシアでも大渋滞になっていたようです。マレーシアの人々は、断食明けの休暇に帰省して親族や知人と共に過ごす習慣があるからで、この休暇の初めには大都市クアラルンプールから地方に向かう下り方面のNorth-South Highwayが大渋滞し、休暇の終わりには上り方面が大渋滞します。これは中国の旧正月でも同じで、クアラルンプールから地方に向かって中華系民族大移動が起こります。
 アメリカで家族で過ごす休暇は、ホームアローンの舞台になったクリスマスよりも、感謝祭の休暇でしょう。アメリカでは都市が機能的に分散していることもあって、混雑するのはせいぜい空港です。渋滞を起こすのは、極端に集積する大都市をもつアジア的光景なのかも知れません。
 上の写真はバンコクの渋滞の光景。タクシーの色がなんとも派手です。
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シルバー・ウィーク

2009-09-23 18:10:37 | 日々の生活
 いつの間にかシルバー・ウィークと呼び習わされる5連休もいよいよ今日まで。家でだらだらしていると、あっと言う間です。連日、高速道路の渋滞報道を見ていると、民主党の目玉政策である高速道路無料化は現実的かどうかと言う議論より、どうしてかくも一斉休日を取りたがる日本という国柄に思いを馳せます。
 実際に日本の国民の祝日は年間15日と、先進国の中で一番多いようです。オーストラリアは連邦制のため、祝日は州毎に定められますが、NSW州では、全州共通の祝日6日に州独自の4日を加えて10日でした。他方、マレーシアは、大英帝国支配の名残りで、多民族に配慮して、イスラム教徒やヒンドゥー教徒や中華系住民のそれぞれの記念日を祝日に設定しているため祝日が多く、連邦で14日、ペナン州では2日加えて16日といった具合です。日本はそういう国並みに祝日が多い。
 日本では、自分だけが有給休暇を取りづらいといった雰囲気があるのは、欧米とは異なる労働観のせいもあるでしょう。その欧米は、アダムとイブが罰として労働を与えられたように、労働に対する忌避感が根底にあります。それもあって、個人が有給休暇としてのバケーションを取得するのが基本で、アメリカやオーストラリアでは、子供の学校を休ませてまで、家族が共に過ごす時間を大切にするのには驚かされました。公と個の関係で言うと、欧米は個人主義的であり、日本は対極にある集団主義的とでも言えそうです。日本においては、独特の勤労観があり、子供優先の習慣があり、お上が仕切りたがることにさして抵抗せずに受け入れる習性あり、普段から混雑や渋滞に慣れて我慢強い国民性あり、渋滞になろうとも一斉の祝日を有難がる気性は、なかなか変わらないのでしょうか。
 上の写真は真夏のクリスマス休暇(メルボルン郊外)。
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帰国子女の悩み

2009-09-22 11:54:32 | 日々の生活
 下の子は、幼稚園年長になった夏に、私の転勤に付き合ってペナンに移りました。ペナンでは8月末から新学期が始まるので、半年繰り上げて小学校に入学し、丸三年間、インターナショナル・スクール(以下、インター)に通いました。昨年7月にシドニーに移ってからは、南半球シドニーの新学期が夏休み明けの1月末に始まるので、小学三年を半年間ダブり、小学四年を半年間修めました。
 このように、子供は日本の学校をほとんど知りません。帰国して、住まいを決めて、住民票の転入手続きを取り、教育委員会に出頭して、事情を話して、アメリカン・スクールかインターに通わせたいと申し出ると、文部省が認可しない学校で学ばせるのは義務教育違反だと通告されました。寝耳に水とは、こういうことを言うのでしょう。
 ペナンには日本人学校もありますが、異文化を学ばせるために敢えてインターを選びました。30ヶ国以上の国籍の子供たちが集まる場は、日本にいたら探そうと思ってもそうそう見つかるものではありません。私のように会社に入るまで日本の外に出たことがなく、いきなり海外の仕事に携わり、言葉と文化のハンディを感じ続けてきた者にとっては、羨ましいほどの環境です。シドニーでも、日本人学校はありましたが、地元の公立学校に通わせました。思えば軽はずみな行動でした。
 海外あまねく日本人学校を作って、国境を越えてもシームレスに日本の学校制度の下で学ばせる環境を整えているのであれば、日本で義務教育違反を問うのも筋が通ります。確かに世界の大都市にはだいたい日本人学校が設置されており、海外派遣日本人のかなりの部分はカバーされると思います。しかし広い世界にはそうでないところもあり、仕方なくインターに通わせ、帰国後も、教育カリキュラムや子供たちの習慣などの点で馴染んだインターに通わせたいと思う親もいるはずです。そうした場合でも義務教育違反だからと無理やり日本の学校に通わせなければならないのか、教育委員会の担当の人にやんわりと尋ねたところ、日本の公立学校に籍を置いて、形の上で義務教育違反を免れつつ、実際には通学しないで、インターに通っている子供たちも例外的にいるのだと、言いにくそうに話してくれました。
 好んで法律違反を犯したい人などいません。しかし、実際に帰国子女を受け入れている日本の小学校の話を聞いて見ると、小学校四年生レベルでは、遅れた日本の教科をフォロー・アップするというのが帰国子女受け入れの実態で、折角覚えた英語力を伸ばそうという学校はほとんどなく、ましてや積極的に異文化環境を作っている学校に至っては皆無です。私立の中学校ですら、外国人教師はせいぜい一人か二人で、週に一時間から三時間程度の上級英語クラスがあるのが関の山です。
 こうした考え方に対しては、日本人である限りは、小学生から中学生になる頃までに、日本の教育をしっかり受けさせるべき、すなわち日本語で論理的に思考する習慣をしっかり身につけさせるべきだという有力な反論があるでしょう。それはまさにその通りで、私も子供はやはり日本人であって欲しいので、自ら軽はずみな行動と称したように、悩むところなのです。ところが私が想定した以上に、子供は英語環境に馴染んでしまった。日本の社会にソフト・ランディングする都合の良い受け入れ体制はありません。
 日本のインターの実態は、海外からの日本駐在家族が過半数で、残りは片親が外国人(つまりハーフ)である場合が多いようです。学費も年間200万円前後というのが相場で、外務省や企業から派遣されて日本に駐在し、外務省や企業が教育費を肩代わりしてくれるというのでもなければ、とても普通の家庭が負担できる金額ではありません。こうして、折角、身についた英語や生活習慣を捨てて、日本に急速に馴染ませられる帰国子女は多いことでしょう。制度的な不備が、日本を海外から遠ざけている、これも小さな一例と言えそうです。
 上の写真はペナン島の子供たち(肖像権侵害ですが、既に3年以上経ち人相も変わったでしょうし、いつもより小さめサイズにしますのでご容赦ください)。
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野党・自民党

2009-09-20 23:46:51 | 時事放談
 勝てば官軍とはよく言ったもので、負けた自民党の凋落振りは見るに忍びないほどです。戦後日本の復興と高度成長を半世紀にわたって支えた政権与党の面影はもはやありません。
 それを象徴するのが、自民党総裁選の低調ぶりです。ベテラン議員がでしゃばっている間に中堅層が育っていないのではないでしょうか。否、知らないところにいるのかも知れません。しかし、もし、首相になれない党総裁では旨みがないとか、火中の栗を拾うのを避けようと計算しているのだとすれば、やはり人材がいないのではないかと疑いたくなります。また、危機の時代には人物が現れると言われ、幕末から明治維新の日本が引き合いに出されますが、真相は、人物はいつの世にもいて、平和な時代にはその才覚を生かすまでもないだけのことなのでしょう。自民党にとって、民主党に政権を取られた今こそ、再生の第一歩を踏み出すべき時であり、党始まって以来の危機だと思うのですが、人物が現れないのだとすれば、危機を危機だと思っていないのかもしれません。
 いずれにしても、これからの100日は、民主党にとって大事な時期であるとともに、自民党にとっても試練です。自民党の凋落は今に始まったことではなく、小泉改革をめぐる迷走、その後の二度の政権投げ出しと、政権担当能力の綻びは覆いようがありませんでした。それだけに厳しいとは思いますが、是非とも奮起を期待したいところです。
 上の写真は、断崖絶壁の世界遺産ブルーマウンテン(シドニー郊外)。
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風呂

2009-09-18 01:04:57 | 日々の生活
 週末の話でしたが、久しぶりに湯船に浸かりました。海外にいた4年間、日本の風呂に入ったのは片手に数えるほど。ほぼ4年振りで、全身の筋肉が緩んで疲れがすっと引いていくような、日本人であることをあらためて実感した心地良さでした。
 ペナンのマンションにも、ジャクジーがついたバスタブがありましたが、珍しく思って使ったのは最初の数回だけで、いつの間にか使わなくなりました。アメリカでもオーストラリアでも、バスにバスタブはついていましたが、滅多に使うことはありませんでした。こうして見ると、風呂場(バス)の大きさも影響していそうですし(だだっ広いバスで浸かっても有難くないかも)、蒸し暑い日本の夏にこそ汗が吹き出て爽快だったり冬に冷えた身体に心地良いですし、よく歩いて凝った身体をほぐすという意味では日本の生活にこそ合っているものなのかも知れません。
 上の写真は、なみなみと湯を張った湯船のようなプール(バリ島のホテルで)。
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鳩山新内閣

2009-09-16 23:09:35 | 時事放談
 今日、鳩山内閣が発足しました。見るからにオールスター・キャストで、鳩山さんあるいは民主党の不退転の決意が感じられます。それもそのはず、国民の多くは民主党を積極的に支持したと言うよりも、自民党への反対票を投じたわけで、国民は熱い視線を注ぐと言うよりも、冷めた目で一挙手一投足を見ているからです。しかし、何よりも初々しいのが良いですね。国民は、ややぎこちないかも知れないけれども、こうした爽やかな風が政界に吹くことを求めていたのだと、あらためて思います。そういう意味で、多くの政策転換には法案成立が必要な手前、性急な結果を求めるのは酷と言うもので、暖かく見守りたいと思います。もっとも、アメリカ大統領のように最初の100日が蜜月で勝負だとまでは言わないまでも、来年の参議院選で一つの審判がおりるわけで、悠長に構えてはいられないのが現実ではあります。
 自民党には良い薬になったことでしょう。党への助成金が減り、ハイヤーの割り当てが減り、秘書の数を維持できず、国会の控え室も移動させられる始末で、これまで当たり前だったことが当たり前でなくなることのひとつ一つに、野党への転落という現実を突きつけられたことでしょう。共産党が「建設的野党」と言っても迫力がありませんが、自民党には「建設的野党」あるいは細田幹事長が言う「堂々たる野党」として、反対のための反対を叫ぶだけの野党根性ではなく、長らく政権与党だった矜持と度量を忘れないで欲しいと思います。
 新内閣にも苦言を三つ。今日、早速、藤井財務相や亀井金融相の発言に、マーケットや業界が反応していました。これまでは自民党だけを相手に、反対のための反対を繰り返しただけの民主党でしたが、これからは自民党と言うよりも、国際社会や市場を相手にしなければなりません。心して欲しい。それから、ご存知の通り、国民が必ずしも支持したわけではない社民党と国民新党から入閣がありました。思い上がらないで欲しい。最後に、政治主導と言うのは良いですが、脱官僚とは言い過ぎで、今の世の中、官僚抜きに進むものではないでしょう。今後、答弁のペーパーを官僚が用意することはないと言いますが、民主党が暴走(迷走)しないとも限りません。むしろ優秀な官僚に気持ちよく働いてもらって、その官僚を使いこなす器量を見せて欲しいと思います。
 上の写真は、鳩ではありませんが・・・
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漢字テスト

2009-09-15 23:08:12 | 日々の生活
 最近、やたら漢字やことわざを題材にしたクイズ番組が目につきます。漢字検定・主催者の不祥事はありましたが、昔から言葉遊びはありましたし、言葉で遊ぶ趣向は悪くありません。
 いくつか気づいたことがあります。お笑いタレントもなかなか高学歴化したものです(少子化で大学のレベルが落ちている?わけではないでしょうが、出身大学から就職先へのこだわりはなくなったと言えそうです)。最近はすっかり見かけなくなったタレントが活躍する姿が見られます(まさかわざわざ昨今のブームのために勉強しているわけでもないでしょうね)。昔からあったとはとても思えないような当て字がよく登場します(日本語と言うよりも中国語を紹介しているのではないかと疑いたくなります)。
 日本語の表現の美しさ、表現力の豊かさは比類ないものですが、道具としての言葉ばかりが脚光を浴びるのは、やや行き過ぎの感がしないでもありません。などと、大人気ないことを言うのは、かつては漢字やことわざが得意だったのに最近は歯が立たないことが多いことへのヒガミでしかありません。
 上の写真は漢字テストではありません。シンガポールのマクドナルド。
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イチロー

2009-09-15 00:51:55 | スポーツ・芸能好き
 9年連続200安打の偉業を達成したイチロー選手の一言が「ようやく解放された」ということだったことに、人間味を感じて嬉しくなりました。かつてジョージ・シスラーのシーズン最多安打記録を破った時ですら「自分にとって満足できるための基準は、少なくとも誰かに勝った時ではない。自分が定めたものを達成した時に出てくるもの」と言い切り、今後の目標を聞かれて、「野球がうまくなりたいんですよね、まだ。そういう実感が持てたら嬉しいですね」と言ってのけたイチローでも、人(の記録)との戦いに緊張を感じ、ピリオドを打ったことに安堵したのです。
 そうは言っても、大リーグの長いシーズンでは、けがや集中力の欠如で記録達成を逃す選手も多いが、何が大事かと聞かれて、「結果的にやっぱり野球が大好きということが、それに当てはまるかもしれない」と答えたところは、やっぱりイチローらしい。今後、シーズン200安打に対する考え方は「変わるんじゃないですか」という言葉に次いで「ちょっと楽になりますよね。自分と向き合っていれば良いんだもん。もう最高ですよ。(来季以降も)目標だと思いますけど、随分気楽な目標になるのでは」と言ってのけられるところも、イチローらしい。
 野球少年だった私たちにとって、イチローは奇跡であり、夢そのものです。野球が好きで仕方ない、野球がもっと上手くなりたいと言うイチローが野球を楽しむ姿を見ていたい。同時代に生まれあわせた幸せを感じます。
 彼の前にはどんな地平が広がっているのでしょう。上の写真は、一枚岩でウルルと繋がるカタジュタを望む(オーストラリア)。
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