
国民国家は、「世界経済」の中で形成されるユニットです。それは歴史的な構築物であり、不安定なものです。とはいえ、それは容易に解体されるものではないこと、また、解体されるならば宗教的あるいは血縁的共同体が出てくるだけだ、ということを心得ておく必要があります。
【214〜215ページ】
今日顕著なのは、中国人、インド、イスラーム圏、ロシアなど、近代のシステムにおいて周辺部におかれてきた旧来の「世界帝国」が再登場したことです。
(ken) 211ページで述べられているように、「国家は歴史的な構築物であり、不安定かつ容易に解体されない」ものであるとの認識は重要です。現在の日本は、安倍政権の絶対多数に揺るぎはないと思われていますが、容易に解体されないけれども安定はしていないと解釈できますね。そして、あくまでも国家は「世界経済」の中で形成されるユニットであり、言葉を換えれば「関係性の中」で考えるべきなのですね。数年前から、私は日本の年表と世界の年表を関連づけて歴史をみるように心がけていますが、フィールドが広すぎてなかなか身に付きません。でも、繰り返し見比べ、追加・修正しながら続けていくしかないと覚悟しています。(つづく)