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ドイツの社会学者、ユルゲン・ハーバマスの『コミュニケーション的行為の理論』に出てくるだけど、「発話主体の誠実性」ということになるんです。
----簡単に言いますと?
この世の中、国会や、世間、論壇などでやっている議論、論争は嘘をつかず正直に思っていることを言ったり、書いたりしているという建前の上で行われているんです。その発話主体に嘘が混じる、即ち、発話主体の誠実性が疑われるときは、論戦にならないんですよ。
[ken] 昨今の国会論戦やテレビでの政治討論会を見ていると、通説に「発話主体の誠実性」を疑いたくなります。私は中・高校生の頃、テレビの政治討論会に興味を持ち、たびたび見ていました。当時の政治家で一番強く印象に残っているのは、日本社会党の江田三郎書記長(当時)です。農民運動の活動もしていた江田さんのお話しは、中山間地の農村で生まれ育った自分にとって、「この人は農民の味方である」と感じさせ、私を日本社会党の大ファンにしたのです。(つづく)