
鎌倉 (中略)宇野の理論は、形態だけでは自立できない。形態関係自立の根拠は実体にある、というとらえ方だった。だから実体論を明確に位置づけたことが宇野理論の重要な意義でした。逆にいうと、商品・貨幣・資本はそれ自体、自立的根拠がないという意味で、流通形態としたのです。
形態論も宇野でなければこれだけ明確にならなかったと思う。たとえば資本をどうとらえるか。『資本論』を読んで資本が流通形態であることがわからない人がずいぶんいるのです。なんでそういうことになるのか。資本を、流通の関係ではなく、生産関係だととらえてしまうからです。
佐藤 資本は関係概念ですからね。
鎌倉 資本というのは、自分の貨幣と貨幣の関係です。流通における自己関係です。そういうとらえ方を明確にしたのは宇野弘蔵だった。
(ken) 形態が実態を捉える、ということでは今日の出来事なのですが、YahooのTポイント(期間限定ポイント)で佐藤優さんの本を買い、その宛名がハンドルネームの「水元正介」になってしまい、カミさんが「そんな人いません」と宅配便を追い返してしまったので、形態(ハンドルネーム)が実態(本名)を掴み、本を受け取るまで苦労しました。