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鎌倉 (中略)なんで恐慌論なのか。恐慌論というのは労働力が商品化されている前提のうえで、それを使う資本の矛盾を示すものです。資本の蓄積拡大に伴う労働力需要の増大に対し、労働力の供給が不足し、賃金が上昇して、利潤が得られなくなる。これが恐慌の根本原因ですが、労働力は人間だから資本によって生産されないことが問題の原因です。
しかし、恐慌によって資本はその矛盾を現実的に解決するのです。恐慌・不況期を通した失業の形成が、賃金を引き下げ、利潤を回復させる。このように現実的に矛盾を解決するから、また好況が復活するのです。だから恐慌論からは資本主義の歴史性は明らかにされません。
(ken) 12月5日放送のNHK「クローズアップ現代+」では、最近の世界的ベストセラー『サピエンス』が著者とともに紹介されました。現代の人は、原始時代の人類よりも不幸であり、その度合いはますます進んでいるという内容です。「人類は小麦栽培を通じて繁栄してきた」という歴史観ではなくて、「小麦が人類を奴隷化することにより、世界各地に種を根付かせ繁栄しているのだ」との見方は、とても面白いと感じました。それから、現前の国家、貨幣、法律、制度はフィクションに過ぎないが、未来に向けた「人の幸せ」から発想する新しいフィクションが求められていること、それを皆んなの力で作り出さなければ、人類はあっという間に破滅へと向かうことが、著者と池上彰さんは強調していました。論点としは、柄谷行人さんの『世界共和国』と似ていると思いました。
鎌倉 (中略)なんで恐慌論なのか。恐慌論というのは労働力が商品化されている前提のうえで、それを使う資本の矛盾を示すものです。資本の蓄積拡大に伴う労働力需要の増大に対し、労働力の供給が不足し、賃金が上昇して、利潤が得られなくなる。これが恐慌の根本原因ですが、労働力は人間だから資本によって生産されないことが問題の原因です。
しかし、恐慌によって資本はその矛盾を現実的に解決するのです。恐慌・不況期を通した失業の形成が、賃金を引き下げ、利潤を回復させる。このように現実的に矛盾を解決するから、また好況が復活するのです。だから恐慌論からは資本主義の歴史性は明らかにされません。
(ken) 12月5日放送のNHK「クローズアップ現代+」では、最近の世界的ベストセラー『サピエンス』が著者とともに紹介されました。現代の人は、原始時代の人類よりも不幸であり、その度合いはますます進んでいるという内容です。「人類は小麦栽培を通じて繁栄してきた」という歴史観ではなくて、「小麦が人類を奴隷化することにより、世界各地に種を根付かせ繁栄しているのだ」との見方は、とても面白いと感じました。それから、現前の国家、貨幣、法律、制度はフィクションに過ぎないが、未来に向けた「人の幸せ」から発想する新しいフィクションが求められていること、それを皆んなの力で作り出さなければ、人類はあっという間に破滅へと向かうことが、著者と池上彰さんは強調していました。論点としは、柄谷行人さんの『世界共和国』と似ていると思いました。