

----、15~16世紀のイギリスで起きた「囲い込み(エンクロージャー)」です。
この時期、ヨーロッパで大変な寒波が襲います。そのため、ヨーロッパ全域で毛織物の需要が急激に高まりました。
【53ページ】
地租改正の要点は、課税基準を収穫高から地価に変えたこと、税率を地価の3パーセントとして、物納から金納に変えたこと、そして土地所有者に納税を課したこと、という三点でした。
【57~58ページ】
戦前においては、東京帝国大学の農学部は医学部より難しかった。農学部だけで、東大のほかのキャンパスを合わせたのと同じくらい広さがありました。(中略)
(柄谷行人)農村は、失業した労働者を一時的に受け入れる溜池でもある。また、国家の兵士を提供する母体でもある。その意味で、農業・農村は、産業資本主義国家にとって不可欠であった。農村の荒廃は、資本にとっても国家にとっても危機である。(『遊動論』文春新書)
(ken) 50ページの「囲い込み」を起こしたのは気象変動であった、という記述は私によって盲点でした。天気予報が実態経済に与える要因について、今となっては常識となっていますが、歴史上の出来事を本書のように認識すれば、より理解力が高まると実感させられました。地租改正についても、資本主義が機能していく上では必須の制度だったと改めてしりました。また、私は毎年のように花見がてら、桜の時期に東京大学へ出かけるようにしています。王子の飛鳥山~六義園~東大というコースですが、「農学部ってすごく広いけど、なぜ?」という疑問を持っていましたが、本書で紹介されている柄谷行人さんの言葉で納得がいきました。(つづく)