
▶︎1月11日の夕方のことでした。今夜のメニューはトマトスープパスタにしようと考え、まずはスープ作りをするために、にんじん、玉ねぎ、ナス、ペコロスを下ごしらえし、圧力鍋にコンソメスープを入れ、鶏の骨付き肉を7本投入し煮込みました。刻んだ野菜をフライパンで、焼き目をつけ、煮込んだ圧力鍋の中に入れました。その間、火力を強くしたり、弱めたり、フタに付いているくるくる回るやつで、圧力鍋の水蒸気を抜いたりしていましたが、肝心なところで手順を間違えてしまいました。スープにトマトピューレも加え、しばし煮込んでから、火を止めて、まだ圧力が高い段階でフタを開けるときに、蒸気を抜くのを忘れてしまったのです。カミさんの静止する声が聞こえている中で、思わず手が動いてしまいフタを開けてしまいました。

▶︎というより、フタを開ける途中でものすごい蒸気が圧力鍋から四方八方に吹き出してしまったのです。せっかく新居に引っ越しできて、まだピカピカのキッチンがトマトスープだらけになってしまいました。おまけに、自分の着ていたシャツやズボンまでスープだらけになり、流し台の下にまでスープが侵入し、壁一面に飛び散り、本当にとんでもない有様になってしまったのです。私は、あっけに取られると同時に、「あーっ、これがジェームズ・ワットによって発見された蒸気の力なのだ!」ということを冷静に思い起こしていました。そばにいたカミさんは、急いでタオルや、キッチンペーパーを大量に取り出し、「せっかく新しい私のキッチンなのに」と言いながらも、せっせと手を動かしお掃除をしてくれました。そして、圧力鍋から水蒸気が吹き出した時、まさに子どもが帰ってきた瞬間でした。ドアを開けたら、プシューッという水蒸気の吹き出す音がしたので、子供もびっくりしていました。そして、「あ〜ぁ、お父さん、やっちゃったね。でも、今日はお母さんの機嫌がいいみたいだから良かったね」と、なかば呆れながら笑って言いました。