【69ページ】
鎌倉 労働運動そのものが目標として社会主義をかかげることはほとんどなくなってしまいました。少なくとも資本に懸命に抵抗していた国労(国鉄労働組合)とか日教組などが潰されていくわけです。
とくに80年代の国鉄分割民営化は組合対策でしたからね。70年代のスタグフレーションを乗り切った日本の民間大企業は、労働組合を吸収して減量経営を推進して競争力を強めました。そして、そのやり方を今度は官公労全部に拡大していく。その基軸となったのが国労つぶし、総評つぶしでした。
【73ページ】
鎌倉 (中略)労働力を売るというのは、他人に自分の労働力を一定期間売り、他人に使われることです。他人、つまり、雇い主、一般には資本家ですが、その命令で働かされるという関係ですから、それを当たり前だとなぜ思うのでしょうか。
佐藤 ですから自己実現なんていうのは、労働力が商品化されている体制の下ではないんですよね。あえて言うならば、資本家の自己実現はある。しかし、労働力の自己実現は絶対にないんですよ。
鎌倉 そういうことです。そこで個性を発揮しようといっても無理ですよ。商品経済そのものには個性なんかないんです。
(ken) 三公社の民営化は経済界の強い要請により、とくに国鉄の分割民営化は、最後まで反対した自民党の田中角栄氏を「国鉄労働組合を弱体化」させる切り札として説得し、電電公社と専売公社の民営化から遅れること2年、1987年に国鉄は分割民営化されました。その結果は財界の狙いどおり、世間からストライキが消え、労働者の年収も下がり続けていったのですね。専売公社の民営化(=会社化)に至る経緯や、その後については私自身が体験したを中心に、いつになるが定かではありませんが報告できれば、と考えています。
鎌倉 労働運動そのものが目標として社会主義をかかげることはほとんどなくなってしまいました。少なくとも資本に懸命に抵抗していた国労(国鉄労働組合)とか日教組などが潰されていくわけです。
とくに80年代の国鉄分割民営化は組合対策でしたからね。70年代のスタグフレーションを乗り切った日本の民間大企業は、労働組合を吸収して減量経営を推進して競争力を強めました。そして、そのやり方を今度は官公労全部に拡大していく。その基軸となったのが国労つぶし、総評つぶしでした。
【73ページ】
鎌倉 (中略)労働力を売るというのは、他人に自分の労働力を一定期間売り、他人に使われることです。他人、つまり、雇い主、一般には資本家ですが、その命令で働かされるという関係ですから、それを当たり前だとなぜ思うのでしょうか。
佐藤 ですから自己実現なんていうのは、労働力が商品化されている体制の下ではないんですよね。あえて言うならば、資本家の自己実現はある。しかし、労働力の自己実現は絶対にないんですよ。
鎌倉 そういうことです。そこで個性を発揮しようといっても無理ですよ。商品経済そのものには個性なんかないんです。
(ken) 三公社の民営化は経済界の強い要請により、とくに国鉄の分割民営化は、最後まで反対した自民党の田中角栄氏を「国鉄労働組合を弱体化」させる切り札として説得し、電電公社と専売公社の民営化から遅れること2年、1987年に国鉄は分割民営化されました。その結果は財界の狙いどおり、世間からストライキが消え、労働者の年収も下がり続けていったのですね。専売公社の民営化(=会社化)に至る経緯や、その後については私自身が体験したを中心に、いつになるが定かではありませんが報告できれば、と考えています。