前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

福井・近畿の共産党が「大飯原発再稼動認めるな」と福井県に申し入れ。交流会も開催しました。

2012年06月07日 | Weblog
     昨日は、日本共産党の、福井県委員会と嶺南地区委員会、近畿ブロックの滋賀県委員会と京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山5府県議会議員団で大飯原発3、4号機の再稼働を認めないよう福井県に申し入れました。21名が参加し、岩永原子力安全対策課長が応対しました。申し入れの後、短時間でしたが、「交流会」も開催し、各府県の状況や取り組みを情報交換しました。
   その後、生活困難やサラ金などの生活相談の対応がつづきました。
 
    今日も、明日も、福井県庁前では「大飯原発再稼動反対」行動が続きます。午前9時から午後5時まで。ぜひ、お立ち寄りください。


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    昨日の申し入れでは、私や、かねもと幸枝衆院福井1区候補、山本まさひこ同3区候補、清水ただし、堀内照文両衆院近畿比例候補が参加。党側は、東京電力・福島原発事故の原因究明や安全対策、防災対策、規制行政などが不十分な現状を指摘。「(事故が起きれば)福井はもとより近畿一円に大きな影響を与えることは明らかだ」(光永敦彦・京都府議団幹事長)、「福井県民の多くがまだまだ不安をもっている」(かねもと氏)などと訴えました。

    また、再稼働の安全性について、県原子力安全専門委員会が報告書案をまとめた段階で県民説明会を開くことや、原子力規制庁の発足前の再稼働に対する暫定的な「特別監視体制」を同委員会で吟味することなどを求めました。応対した岩永幹夫原子力安全対策課長は「県原子力安全専門委員会のレポート、報告書としてまとめていくが、まだまとまっていない。国から説明があった『特別な監視体制』については、専門委員会の議論にふさわしいかどうか。委員会に事務局から説明する」などと答えました。

    再稼動判断の現況については、「知事もいろいろと言っているので、今後の動きは申し上げられない。国がゆるぎない形で、総理が述べることが必要」と答えました。
    昨日も滋賀県や京都府知事が、あらためて暫定的な安全基準であり、期間限定運転を、と記者会見で述べており、政府や福井県との認識のおおきな違いのままです。

    あらためて、安全ぬきの再稼動への国民の厳しい批判世論の反映です。
    国も西川知事も拙速な判断をすべきではありません。

    また、福井県議会としてもこの間、閉会中審査などの議論はおこなわれていません。このような国民県民の厳しい声や多様な意見があるなかで、短時間の「県民の傍聴を認めない全員協議会」方式での決着では県議会の存在意義が問われます。
    定例会開会目前であり、この間の「交渉経過」もふくめて知事の考えもじっくり聞くし、専門委員会もふくめ参考人招致などもおこない、県民の前で徹底した議論をつくすべきです。

   以下、昨日の申し入れ文です。


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2012年6月6日
福井県知事 西川一誠殿

                        日本共産党福井県委員会
                            委員長  南秀一
                           同書記長  金元幸枝
                           県議会議員 佐藤正雄
                        日本共産党嶺南地区委員会
                            委員長  山本雅彦
                  
原発行政についての申し入れ書

一、日々、道理のなさが明らかになっている大飯原発3・4号機の再稼働に同意しないこと。
①東日本大震災で破壊され、放射性物質を外部に拡散する重大事故を引き起こした福島原発は、原子炉内部の様子さえわからず、どこがなぜ壊れたのかさえわかりません。東電は地震には耐えたが津波で破壊されたと言うだけで、原因を突き止めたわけではありません。政府と国会の調査委員会も、事故原因の究明は東電任せです。事故原因が究明されていないのに、安全基準や対策も確立できません。だいたい全国の原発がどの程度の地震や津波に見舞われるかの想定さえ見直しが迫られているのに安全が確保できるようにいうのは、新たな「安全神話」そのものです。
しかも、関電の説明でも安全対策工事の進捗率は6割にとどまっています。さらに、現状は福井県民の原子力防災計画やヨウ素剤の配備も3.11前と変わらず、再稼働後に福島のような事故がおこれば深刻な県民の避難の遅れや被曝をうける恐れがあります。
このような状態のままで、大飯原発3・4号機の再稼動には同意しないでいただきたい。

②4日に来福した細野大臣らは大飯原発の再稼働をめぐって関西から一定の理解が得られたとした上で、福井県が求めていた特別な監視体制についても、副大臣などをおおい町に常駐させるなどして、原子力規制庁が発足するまで安全確保に努めると説明しました。
しかし、早くも近畿圏の首長から「期間限定運転」が強調されるなど、国の説明との食い違いをみせていますが、これは安全抜き、防災対策抜きの再稼働にたいする国民の厳しい批判の反映でもあります。
「特別な監視体制」についても安全面に「穴」があるから、このような「特別体制」が必要になるという、根本矛盾があります。しかも、全国各地の原発に水平展開できない「体制」は場当たり的であることの裏返しです。このような、小手先の説明で国民、県民をごまかそうとする姑息な野田政権のやり方は許されません。
  今後、県の原子力安全専門委員会でも、この「監視体制」の有効性について国からの説明を受けて、しっかり審議をしてください。
 
③SPEEDIシステムを県内全域をシュミレーションできるものとし、福井県内全域を対象とした原子力防災計画を策定し、避難訓練を実施してください。その際、「合理的に」隣県はもちろんですが、SPEEDIでの計算結果も公表し、実効性ある相互支援協定を考えてください。ヨウ素剤についても、全県民分を準備し、学校施設、公共施設などに重複配備してください。

④これだけ国民県民の関心が高い課題であることをふまえ、県の原子力安全専門委員会の報告書案がまとまった段階で、県として国などとも協力し「県民説明会」を開催し、県民からの意見聴取をおこなってください。


二、敦賀半島周辺の活断層調査は、事業者まかせにせず国が責任をもっておこなうよう求めること。
  経済産業省原子力安全・保安院が、日本原子力発電敦賀原発1、2号機の建屋下を通る断層を専門家と調査した結果、2万~3万年前以降に活動した可能性があることが4月24日わかった。これは、変動地形学者やわが党、住民団体等が指摘してきた通りである。現行の耐震設計審査指針は、活断層の真上に原発を建てることを想定していない。それは、原発の直下が震源だとすれば、耐震設計は計算するまでもなく、工学的に意味がなく、原発施設の破壊はさけられないからである。
 そのため、保安院は5月29日、同院の開いた意見聴取会で、敦賀原発の敷地内を通る浦底断層について、南北の複数の断層(北側の和布─干飯崎沖断層から南方向の鍛冶屋断層まで)との運動を考慮して全長約100キロの断層として影響を評価するよう日本原電に指示。同半島には、関電美浜原発、高速増殖炉「もんじゅ」などがあるため、関電などにも同様の指示をした。さらに、美浜原発の前面海域の海底に存在する断層と南方陸域にのびる三方断層との連動についても、考慮する必要があるとして、保安院は原発3社に評価を行うよう求めた。これについてもわが党と住民団体は、地震学者と地震調査研究推進本部(文科省)の見解を根拠に、浦底断層が連動して動いた場合、「断層帯全体が活動する場合は、マグニチュード8・2程度の地震が発生する可能性がある」と指摘。同様に、三方・花折断層帯は、若狭湾から京都盆地南東部に至る活断層帯で、想定される地震規模はM7・2程度。野坂・集福寺断層帯は、若狭湾から琵琶湖北方の野坂山地にかけて分布する活断層帯で同M7・3程度と指摘してきた。ともに原発機器に与える影響が大きく、基準地震動の見直しにつながる可能性が高い。
したがって、「原発の廃炉判断につながりかねない」敦賀原発の真下の破砕帯が活断層であるかどうかの調査を当事者である日本原電がおこなうことは不適切であり、住民の理解は得られない。調査は国が責任を持って実施し、作業・分析は日本原電と利害関係のない第三者機関によって行い、調査データは全て公開し、住民に説明するよう国に求めること。
 また、三方・花折断層帯、野坂・集福寺断層帯についても同様に求めること。


三、立地自治体への抜本的支援をーー国による補償措置、雇用対策としての老朽化原発の廃炉作業を
 原発停止による地域経済への深刻な影響が出ているといわれ、地元紙は「原発停止で取引企業9割『影響』」(福井新聞4月27日付)と報じている。「仕事がない」という労働者は、「生活のために再稼働を願ってきたが、いまは仕事づくりや生活支援にこそ力を入れてほしい。このままでは暮らせない」と話しているが、敦賀市などでは市長は、「市民生活を守らないといけない。毎日めしを食っていかなあかん」(5月9日、内閣府原子力委員会)と再稼働を求めているものの、肝心の失業対策は、「特別に講じる予定はない」(市産業経済部)という状況である。原発立地自治体は地場産業などの成長が阻害され、一次産業だけでなく工業出荷額も衰退しいびつな産業構造になっている。当面、国による補償と他の仕事をつくり雇用と生活を守りながら、原発依存ではない経済に転換してこそ原発立地自治体の将来、雇用は守られる。
 福井県が福島原発事故の教訓と、その後の「将来、危険な原発をなくし自然エネルギーに」と願う県民の声を真摯にうけとめ、原発推進政策をあらためるよう求める。
現状は、原発運転停止によって、原発関連会社やその取引先、建設業者などから「仕事の予定が入らない」「売り上げが減った」などの声が上がっている。短期的対策として、原発の停止は福島事故が原因であり、そのことで生じた損害について国に補償するよう求めること。
 敦賀市商工会議所のアンケートで、原発停止の影響を訴えた企業の4分の1は人員削減や労働時間の短縮などの雇用調整で対応すると回答しており、商工会議所幹部も「ドンと直撃を受けるのは経営ではない。雇用だ」と指摘している。従業員数人を雇用する「親方」(3次、4次下請け)は、「再稼働しても次の定期検査まで10カ月間は仕事がない。4割減の給与を従業員に払うのも5月までが限界」と話す。こうした下請け企業に補償が必要である。
 また、老朽化した敦賀1号、美浜1、2号などの廃炉を決断し、それにより仕事と雇用を確保することを提案すること。くわえて、原発は廃止措置となるものでも施設内に使用済み核燃料を抱えており、再稼働するしないにかかわらず、防潮堤や免震事務棟など巨大地震・津波対策を講じることは当然である。
 長期的対策として、原発交付金や原発埋蔵金などを、自然エネルギー開発を支援するものに切り替えるとともに、自治体が地場産業の育成や港を利用した街おこしで、地域に新たな産業と雇用をつくりだすことを支援すること。

                                                以上