前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

「全国 里の達人サミット」に参加しました。各地で意欲的な活動。高速道路建設による懸念も・・・・。

2013年09月12日 | Weblog
 昨日は福井県で開催中の「SATOYAMA国際会議2013」の企画である「全国 里の達人サミット」に参加しました。勝山市の恐竜博物館で4時間にわたる講演や事例報告、その後、ニューホテルで交流会でした。

 東京農業大学の進士五十八先生は、「農業では80代でも働いている方がたくさんいる。楽しむことが里山、地域を元気にする」などと話されました。
 事例報告では県内外から豊富な報告。
小浜市の国富地区でコウノトリの郷づくり推進会の宮川健三会長は、「コウノトリが去って40年、国富小学校にあった剥製に気づき町づくりメニューにした、活動に取り組んでいる」「平成22年2月には豊岡で放鳥されたコウノトリ4羽が国富に飛来した。また、今年の4月にも飛来した。勇気と感動をあたえてくれた」と語りました。



 一方、課題として、高速道路建設により、地域が分断されること、コンクリート3面張の排水路がつくられることなどが懸念材料とし、「環境へのあきらめムードを払拭したい」と語りました。




  越前和紙製造の山田兄弟製紙株式会社の山田晃裕さんは、「株券電子化で売り上げの半分がなくなった」「大阪の鵜殿ヨシ原の保全活動のなかから紙にできないか、ということで取り組んだが、経費は倍かかり、6年間ほどまったく受注がなく、在庫がたまる一方で、やめようと思った」「その直後に大手の文具メーカーなどから問い合わせ・注文。補助金も申請した。雅楽のしちりきのリードにもヨシは使われている。その縁で、東儀秀樹さんイラストの便せんもつくられた」などと報告しました。
 また、課題として「いま、ヨシ原のど真ん中に高速道路の建設計画があり、致命的。雅楽関係者も『SAVE THE 鵜殿ヨシ原』と取り組んでいる。紙は人の思いを伝えるもの。ご支援をお願いしたい」と訴えました。





 交流会では、山岸市長も参加。勝山の料理などを食べながら、あちこちで語り合いの場が広がりました。わたしも、大学関係者や県内各地で活動されているみなさんと懇談し、スピーチで歓迎のあいさつをしました。

 以下、報道・・。

■NHK・・・里山の保全活動の成果を発表

  里山の大切さを世界に訴えようと、9月8日から福井を舞台にした国際会議が開かれています。
これに合わせ11日、県内外の環境保護団体や企業が、里山の保全活動の成果を発表する「里の達人サミット」が勝山市で開かれました。
各国の政府機関や福井県などが参加する国際的な協力機関「SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ」の会合が、13日から福井県で開かれます。
この関連のイベントとして11日は、勝山市の県立恐竜博物館で、「里の達人サミット」が開かれ、福井県を始め、奈良県や広島県など6つの環境保護団体や企業が、里山の保全活動について報告しました。

  このうち小浜市でコウノトリを呼び戻す環境作りを進めている団体の代表は、子どもたちによる田んぼの生き物調査を手伝っていることなどを報告し、「野生のコウノトリが暮らしていた光景や環境を次の世代に引き継ぎたい」と締めくくりました。
また、大阪の河川敷で植物のヨシの保全活動をしているという越前市の製紙会社は、ヨシに川の浄化作用があることを触れたうえで、長野県や滋賀県などでも活動を広げていることを報告していました。県環境政策課の高林祐也課長は、「福井の人たちに地元の里山のすばらしさや魅力を改めて気づいてもらい、楽しみながら守っていって欲しい」と話していました。

福井県議会6月議会 土木部関係の質疑 公契約条例の制定、足羽川ダムの住民移転

2013年09月12日 | Weblog
2013年6月県議会  土木警察常任委員会での佐藤正雄議員の質疑。

土木部関係

丹南総合公園の指定管理者について
◯佐藤委員  丹南総合公園がほかの総合公園と違うのは、越前市が管理負担をする約束でつくったとの説明だったと思うが、それならば、指定管理者制度を活用する理由というのはどこにあるか。

◯都市計画課長  県内の総合公園は4つある。嶺南地域に若狭総合公園、奥越地域に奥越ふれあい公園、坂井地域にトリムパークかなづの3つが既に供用開始している。これらの公園については、建設に当たって整備費の1割を負担してもらうことが県の条例で決まっている。管理費は、基本的には有料施設の固定的な経費、つまり、電気料金、水道料金、法定点検などの諸費用については、県からそれぞれの管理者である小浜市、大野市、あわら市に交付して、管理してもらっている。
 丹南総合公園の指定管理については、平成16年当時、武生市から、維持管理を全部するとの申し出があり、県も妥当だと判断したものであり、この丹南総合公園だけは越前市が維持管理の全てを負担するようになったいきさつがある。
 そういった中で、県の都市公園条例では指定管理を受けようとする者は県知事に申請しなければならないとされているため、越前市から指定の申請してもらい、都市公園条例に基づく審査基準に照らし合わせて妥当であるということで、越前市を選定した。

◯佐藤委員  指定管理者制度は民間の活力を導入して競争してもらうためのものであり、県が委託費の範囲を示し、それに対応できる複数の事業者が手を上げて、県の審査を受けるというのが従来のイメージである。それが、県は金を出さない、越前市がつくってほしいというのでつくったから、あとは頼むということであれば、委託や県直営にして、越前市を管理者として指名すればよい。競争がないものについてなぜ指定管理者制度を使うのかよくわからない。

◯都市計画課長  繰り返しになるが、この丹南総合公園については、過去のいきさつもある。
 それと、都市公園条例の第17条に記載があるが、指定管理者の指定の基準として、県民の平等な利用を確保できるということ、公園の利用を最大限に発揮でき、管理の経費の縮減が図られるということ、公園の管理を安定して行う能力を有しているということ、公園の管理を効果的かつ効率的に行うことができること、この4つがある。これらの基準にも照らし合わせて、今回は公募によらず、越前市からの申請を県として審査し、選定した。

◯佐藤委員  別に反対する内容ではないが、以前にも討論で言ったことがあるように、県はつくるだけつくって、あとは丸投げであるという批判も各地からある。
 もう大きな施設をつくる時代ではないと思うが、これが前例になって、県がつくって、あとは市に丸投げではよくないし、今、適正に管理している大野市やあわら市などには十分な予算措置をして、維持管理が進むようお願いしたい。


除雪機械のオペレーター
 それから、第53号から第55号議案について、先日、除雪機械のオペレーターについて質問したところ、会社数は203社、オペレーターの人数は1,492名という資料をいただいた。例えば、福井土木事務所管内は会社数が40社で人数が262名、奥越土木事務所管内は会社数が28社で人数が285名ということで、奥越では、大体1社当たり10人くらいで、福井では、その半分ぐらいである。
 オペレーターの技能水準の維持のため、県が一定の責任を持って訓練費用の負担や研修による教育はしているのか。

◯道路保全課長  除雪作業におけるオペレーターの運転技術の向上については、平成18年度から除雪機械の運転者技術講習会を年2回開催している。昨年度も、秋に今庄の365スキー場において、実際に県の除雪車を動かしながら講習しているし、3月には勝山市の福井県クレー射撃場で、雪の中を技能のある方が若手のオペレーターに同乗し指導をしながら講習している。やはりオペレーターも高齢化しているのは事実であるので、除雪技術を若手の技術者に受け継いでいくための講習会等を、今後とも継続的に開催していきたいと考えている。

◯佐藤委員  非常に大事なことだと思う。
 全県で203社というのは、この10年間くらいでは、やはり不景気などで会社数は減っているのか。また、いろいろな影響で除雪業務を行える会社が少なくなると、県の除雪計画が維持できなくなると思う。今は県直営の除雪はしていないということだが、除雪を行える会社の維持、経営支援とあわせて、地域によっては、県直営の除雪スタッフなどの育成を検討すべき時期も来るのではないか。その辺はどういう認識か。

◯道路保全課長  福井県内の除雪機械については県の保有が226台、民間の機械が412台、合計638台で除雪を行っている。
 最近の除雪業務を受託する建設業者の数については、平成24年度は7社、平成23年度は10社が倒産や人員削減のため除雪作業から撤退している事実はある。しかし、他社のオペレーターが余っているところから回したり、機械はないがオペレーターだけがいる会社に県の保有車を回したりして、必要な区間を賄ってもらうといった対策をしており、現在、建設業者が足りなくて困っている状況まではいってない。

公共工事の発注と効果
◯佐藤委員  土木部長の報告の中で、5月末現在で、平成24年度2月補正予算は6割の発注率、平成25年度当初予算は1割強の発注率だったが、金額的は幾らになるのか。

◯土木管理課長  平成24年度2月経済対策補正予算は、土木と農林と合わせた全体で133億円である。平成25年度当初予算については42億円である。

◯佐藤委員  全体で175億円くらいだが、短期間に発注すると、受け手となる設計や施工の業者や人など、県によってはかなり足りないと思われるが、福井県はそういうことはないか。

◯土木管理課長  この経済対策の発注においては、委員指摘の状況も想定され、業界などから聞き取りをした結果、特に問題になるのは技術者の確保であった。ただし、福井県内には約1万2,000人の技術者がおり、これまでの大型経済対策補正でも十分対応できたということで、今回は過去2番目の規模だが、現在も問題は生じていない。

◯佐藤委員  そうだとすると、次の問題は、県内経済への波及効果である。
 今回、国の設計単価が改定されたが、福井県では、どういう改定率と額になるか。

◯土木管理課長  国の4月から設計労務単価の改定では、全業種平均で15.1%引き上げたと報道されているが、本県においては、平均約10.2%の単価の引き上げで、工事費全体としては、一般土木では設計額が約2%上がる状況である。

◯佐藤委員  全国平均で労務単価が15.1%上がり、福井県で10.2%では、大きい差がある。たしか石川は16%ぐらいと聞いているが、福井はなぜこれほどに低いのか。

◯土木管理課長  毎月実勢単価を調査しているが、他県との比較はしていない。

◯佐藤委員  10%でも15%でも上がった分が、県民の懐に入っていくかどうかが一番大事である。下請け、孫請け等となると、工事の中で中抜きされて、余り変わらないことがよくあるそうだが、今回、対策は何か講じているか。

◯土木管理課長  いわゆる下請け業者へのしわ寄せ防止のため、全ての工事については、施工点検調査などを実施し、下請け業者への支払いもチェックしている。

◯佐藤委員  施工点検調査は従来からのやり方である。以前からも要望もしているように、この仕組みを変えていくことが必要だと思う。
 例えば、ほかの自治体では公契約条例を考えているところがある。発注の際に、末端の労働者の賃金も含めて一定の水準を保証するよう義務づけることで、無謀な中抜きをなくし、地域の経済に大きくプラスになるよう最大限工夫している。今後、福井県もいろんな公共事業が予定されているので、確実に福井県内の経済にプラスになるよう、地元業者の受注に加え、県民の収入に還元されるため、もう一工夫が必要ではないか。

◯土木管理課長  県としても、低額の入札を防止し、厳しい経済環境の中で少しでも業者の利益、利潤の増大を図るため、ことし4月1日から、経費のうちほとんどを占める直接工事費の比率を、国のモデルである95%から100%に引き上げ、それにより最低制限価格を2%上げた。さらに、国の一般管理費の率も上がったので、それも、6月10日の入札公告から2%上げた。
 国の標準的なモデルから比べると、結果的に2%程度最低制限価格を上げたことになり、応札業者も従前より2%ほどの利潤の増大につながっている。


公契約条例を
◯佐藤委員  直接下請けとなる業者に工事を発注する方法や、公契約条例のような仕組みも大事だと思う。
 というのは、TPPは、農業や医療が問題になっているが、公共事業もその対象になってくるわけで、例えば、新幹線やダムなどの公共事業に対して、アメリカの企業が参入を求めてくるという予測がある。今のままだと日本の企業を守るすべがない。しかし、人件費はTPPの枠外であるから、例えば、公契約条例などで担保するということになれば、我々はTPPには反対だが、そうなったとしても、福井県内の経済を守る1つの歯どめにもなる。
 これまで、大きな公共事業を発注しても、大きなゼネコンがとれば、結局、県外の大手の金融機関に金は回ってしまうことになるので、それを福井県内の雇用者報酬に還元させるという点で、公契約条例などの仕組みをぜひ検討してほしいがどうか。

◯土木管理課長  公契約条例だが、全国的に市町レベルでは幾つかの県で制定しているが、都道府県レベルでは制定している県はない。国会での総理大臣の答弁でもあったが、労働者の最低賃金の法制度については、基本的に国がやるべきとの方針も出ており、他県の状況も踏まえながら、研究したいと思う。

社会資本の老朽化対策
◯佐藤委員  せっかく税金を使うのであるから、福井県への最大限の経済効果と県民の雇用者報酬がふえるよう提案するので、ぜひ前向きに研究してほしい。
 それから、社会資本の老朽化対策の問題だが、具体的に橋梁の長寿命化などいろいろな対策の報告があったが、技術的には、ある対策では、例えば、20%、50%と、どの程度まで延ばせるという目安はあるのか。

◯道路保全課長  長寿命化計画をつくる意味は、今までは一旦インフラ整備をすると、老朽化するまである程度補修をして、使えなくなった時点で新しいものをつくっていたという事後対策から、少しでも使える期間を長く延ばすための、事前対策に切りかえることである。例えば、現在の橋梁の状況について3年ないし5年に1回点検を行い、橋梁の傷みぐあいに応じた重要度を勘案し、修繕時期や手順をどうすれば一番長寿命化できるかを試算しながら、修繕計画を立てていくという対応をしている。

◯佐藤委員  長寿命化のための点検だけか。もう少し技術的にこの対策をして長寿命化するということはあるのか。

◯道路保全課長  点検した部材の状況により、どのような補修が一番いいのか勘案しながら、補修の対応をしていく。

◯佐藤委員  例えば、橋梁だと洗浄だけでも全然違うという話を聞いた。塗装し直すと5,400万円で、塗装が20年間耐久だと、40年間で約1億円かかる。しかし、毎年洗浄すれば、塗装を長持ちさせて、結局、コストを40%ぐらい低減できるとのことである。洗浄は、技術的に新しくもなく簡単な技術だと思うが、40年のスパンでコストが半分ぐらい近くに減らせるということであれば、土木部として、お金を使わずに長寿命化することを、もう少し真剣に考えたらいかがか。

◯技幹  構造物について、どの補修に対してどれだけ寿命が延びるのかについては、考え方も非常に難しく、橋の傷みぐあいや補修部位によって寿命はさまざまで、建設コストとそれまでの維持管理費とのバランスで新設のほうがいいこともあるので、一概には言えない。
 また、長寿命化計画をつくっている中で、橋梁の場合、ある程度全国的に同じパターンでやっているが、1回の補修をしたときの次回の劣化の度合いについては、中日本高速道路など管理体制が確立しているところではそれなりのデータがあるが、県の場合には蓄積がない。定期的に傷みぐあいを点検しながら、この橋は大体この程度の補修をすれば、どの程度の期間経過後にもう一回補修が必要であるとのことが、蓄積によってわかってくる。
 このため、まず、しっかり点検し、傷んでいるものは、今の技術で補修していく。それを繰り返す中で、データを蓄積して、次は、どれくらい長寿命化できるかという知見を得ていく。この2つの取り組みで、長寿命化させながら橋を補修していく。
 また、委員の話のように、特に海岸線付近の橋梁については、非常に塩害が出やすい。昔の構造は、塩がたまりやすい部分が多いので、新しい橋は構造の変更など、知見を生かしてつくられている。古い橋はそうはいかないが、塗装などをさびに対して強くする一つの方法として、洗浄の効果がある程度わかってきている。県では、二、三年前から、坂井市三国町の新保橋で、試験的に融雪をした水を使って洗浄を行った。しかし、塗膜は紫外線でも劣化していくので、これから点検しながらデータを取っていく必要がある。

◯佐藤委員  データを蓄積しながら、一定の知見で有効だと思われる手法は、例えば、海岸線の近くの橋梁などについては、洗浄もすればいいと思う。
 また、塗装についても、業者の技術力や、塗料の質により、大きく変わるものであるから、県の検査体制をもっと強化すべきと提案したことがある。やはり、専門の技術者が検査すれば問題はわかるわけだが、短期間で塗装が剥がれてきたこともあったようであるが、その辺はどうか。

◯技幹  塗料については、県の公共施設には、基本的にJIS規格品を使っている。
 塗装技術に関しては、塗膜がまず鉄板にしっかり付着すること、また、一定の厚さになることが課題であって、検査のときには、塗膜計などで確認している。
 ただ、特に鋭角部や凹凸部などは塗料がつきにくく、塗膜の厚さにも影響があるので、耐久性を上げるために、丁寧に施工し、注意して検査している。
 今後、県の技術者が一緒に学びながら、補修の技術を高めていきたいと思っている。

◯佐藤委員  趣旨は、いかに低コストで長寿命化を図るかということであり、ぜひいろんな角度から研究をしてもらいたい。

足羽川ダム
 それから、足羽川ダムの水源地域対策基金の資料に、財産運用で減額になっているところがあるが、これまでもあったのか。

◯河川課長  国債や各県の公債を運用しており、基本的にこれまでは原価を下回ることはない。下回っているように見えるのは、もし、今解約した場合には少し減るということを記載しているだけで、満期までいけば、原資が減ることはない。

◯佐藤委員  特定の債権だけがマイナスなので聞いたが、損害が発生しなければ、問題ない。
 きょうの新聞の報道で、移転のための代替地確保の予算が池田町議会で可決されたということだが、移転の場所や予算規模は具体的にどうなるのか。

◯河川課長  池田町の話では、町内への集団移転を希望している方が数名いる中で、町は移転先として2地区対象にしており、そのうち、現時点で実現見込みのあるものについて用地費用の1,500万円を計上したとのことである。

◯佐藤委員  わかった。
 また、先日の新聞報道では、池田町長が、福井市などへの移転に十分に協力してもらえていないと、少し不満を表明していたが、この辺はどうなっているか。

◯河川課長  直轄事業における集団移転地については、国のほうで整備することが基本だが、福井市への移転を希望する方も多いということで、国が福井市に依頼し、一緒に作業を進めている状況である。
 福井市でも、候補地の絞り込みを進めている中で、地元の池田町からは作業を少しでも早く進めてほしいと要望したものではないかと考えている。

◯佐藤委員  私は足羽川ダムに反対の立場だが、住民と何十年も話し合ってきて、とにかく移転することになったわけだから、基金の活用も責任を持ってやらないといけない。平均70歳を越えていると思われる地元の高齢者が、先が見通せずに安心して暮らせない状態が続くのはおかしいし、その解消のためには、国と福井市だけでなく、県としても大きな役割があるのではないか。

◯河川課長  移転を円滑に進めるために、従来から、国と市だけに任せるのではなく、県も入って協力しているし、今後も同じスタンスでやっていきたい。

◯佐藤委員  ぜひお願いしたい。
 それから、先日の雨水対策についての一般質問に対し、地震は予知できないから、県も補助する必要があり、耐震診断や耐震対策の助成制度をつくったが、雨は予知できるから、助成制度をつくる必要がないとの答弁があった。
 この答弁は紋切り型で、いかがかと思う。地域や家ごとに雨水対策をすれば、結果的には減災になるので、そういう観点で支援制度を考えてもいいのではないか。

◯砂防防災課長  地震による災害については、まず、一瞬にして被害を受けることになるからこそ、ほかの都道府県でも同じだが、国と県と市で耐震対策に公的支援する考え方がある。また、耐震化しても家などが潰れた場合には、仮設住宅の建設やがれきの処理に、公的資金を入れる話になる。さらに、復興の段階になると、例えば市街地や公営住宅の整備などに、社会全体で大きなコストがかかるという点がある。
 それに対し、水害については、同列で議論するものではないのではないか、また、雨による被害の規模は予測できないので、防災の観点からも避難をしてもらい、県としてはできるだけ早く県民に情報提供していく、そういう趣旨で答弁した。

◯佐藤委員  福井豪雨災害では、全体で1,000億円ぐらいの被害の規模であったと思う。土砂災害もあるし、河川の氾濫もあるので、単純にそれぞれの家で対策をした場合に防げるかといえば、確かにそうではない。
 しかし、太陽光発電でも、県民が少しでもエコなエネルギーに取り組むときに、国も県も補助をして推進しているように、家に貯留タンクをつくると5万円補助するという発想があってもよいし、それは、住民の防災意識の向上という観点で大事なことだと思う。
 地域全体で取り組んでいけば大きな防災、減災の力にもなるので、門前払いすることはいかがなものか。

◯技幹  先日の一般質問では、塀のかさ上げなどの自衛的措置に対し助成措置ができないかとの質問であったので、それ対する答弁内容について説明した。貯留タンクや自然貯留などについては、基本的に河川管理者という立場から一所懸命対応していくし、地域における総合的な対策については、例えば、鯖江市では堰板やますの設置に助成して取り組んでいるので、理解願う。