前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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9月県議会、予算特別委員会。新幹線。在来線特急の存続。原子力防災。子どもの医療費窓口無料を

2014年12月01日 | 福井県政
 2014年9月県議会、予算特別委員会での佐藤正雄委員の質疑を紹介します。


新幹線問題

◯佐藤委員  日本共産党の佐藤正雄である。
 昨日から臨時国会が始まって、安倍総理が所信表明演説を行ったけれども、7月1日に閣議決定を強行した集団的自衛権行使容認についての説明が一言もない。消費税増税で苦しむ国民、中小業者に対するそういう実態に対して心を寄せる言葉も一言もないという状況であった。
 今、私たち、町を歩けば、アベノミクスというが、そういう効果は余り感じない。実際、消費税増税と物価高、年金は毎年削減ということで、「1食減らした」とか、あるいは「次の年金支給日までお金がもたないので近所の人に借りている」とか、「年金が毎年減らされているのに負担がふえているのは本当につらい」と、こういう声のほうが多いのである。
 このようなときに、県民に財政負担を強いる新幹線建設と北陸本線の第三セクター化というのは大きな問題だと思う。東村総合政策部長は本会議で私に新幹線計画への理解を求められたわけであるが、新幹線建設と北陸本線の第三セクター化には県民の過半数が反対しているのである。だから、民主主義を大事にしたい私としては、現状の計画のまま、つまり建設費の負担、そして北陸本線は県に押しつけるというスキームのままでは賛成するわけにはいかないのである。
 そこで尋ねるが、おおよそ新幹線の建設と北陸本線の第三セクター化で福井県と沿線の市町の負担、これは大体幾らになるというふうにお見込みであるか。


◯総合政策部長  今、お尋ねの金沢-敦賀間の総事業費は1兆1,600億円であって、本県の負担対象事業が約7,800億円。このうち本県負担額にJR貸付料というのが充当されるので、それを考慮すると1,800億円。国費と貸付料を差し引くわけである。それから交付税措置後の実質負担というのが約800億円である。現在新規着工区間の貸付料の活用も検討されているから、さらに軽減が見込まれる。佐藤委員が言う試算の中では、この800億円を約2,660億円と試算されて、1世帯当たり97万円という試算でアンケートのときにチラシをお配りになっていたということであるので、ちょっとほかの予断が入っているのではないかと私は感じている。
 市町の建設負担金については、駅設置4市の負担金がある。この負担率は県負担額の10分の1であって、4市で約50億円の負担を見込んでいる。これも県負担と同様、起債を借りるので、40年以上で平準化して返すということになるわけである。
 第三セクター化に伴う県、市町の負担としては、出資やJRからの駅舎、それから、線路を初めとする鉄道資産などの初期投資がある。今後、旅客流動調査など必要な調査を順次実施して、富山県、石川県などの先行事例も参考にしながら、並行在来線対策協議会において検討を進めていきたいと考えている。現在、開業3年前を目途に策定する計画案の中で明らかにしたいと思っているので、現段階で出資総額、初期投資額及び県と市町の負担割合については、まだ明らかにできていない。


◯佐藤委員  現在、明らかにできないということで、非常に県民に対しては、総合政策部長はいろいろ数字に対して意見がおありのようであるが、県庁自身トータルが大体これぐらいになるということも示せていないではないか。非常に計画自体が無責任だと思う。
 知事に1点尋ねる。知事も福井県は副知事、知事と長いのであるが、そういう総事業にかかるトータルの事業費が幾らになるかということも議会に示さないで事業を進めたことは、これまであるか。


◯知  事  今、新幹線の全体の事業費、あるいは負担区分については説明を申し上げたところであるし、並行在来線については先行の石川県や富山県のいろんな数字もあるから、そういうものをもとに福井県としてより詳細な計算をすると、こういうことである。


◯佐藤委員  結局、ないのである。だから、結局県民に対しては、後出しじゃんけんなのである。そんなことないと言っても、実際総合政策部長が答弁したではないか。詳細は説明できないと言ったではないか。


◯総合政策部長  それでは、富山県、石川県の並行在来線三セク化に伴う県と市町の額をざっと申し上げると、富山県の第三セクターの資本金は総額40億円である。そのうち県が25億円、市町村が11億円、民間が4億円を出資している。一方、石川県は総額20億円であり、県が14億円、市町が4億円、民間が2億円を出資している。
 JRからの鉄道資産の取得費などの初期投資については、富山県が185億円、石川県が80億円から85億円というふうになっていて、両県とも県による補助で賄っている。また、両県において、開業後の投資、乗り継ぎに係る利用者の負担軽減とか、運賃値上げ抑制のための財源を確保するための経営安定基金というのを設けており、富山県では総額65億円のうち県が30億円、市町が30億円、民間が5億円を拠出している。石川県は約30億円ということで、県と市町が2分の1、初期投資については交付税措置もあるし、十分な財源措置が講じられているところである。



金沢-大阪、金沢-名古屋間のサンダーバード、しらさぎの存続を

◯佐藤委員  今、言ったように、富山県とか先行事例があるわけであるから、大体このぐらいの負担がかかるということは県民に示していくべきだというように思う。
 それで、この数字自体、7,800億円という数字は随分前から聞いている数字である。だから、それ以降消費税が8%であるし、私も反対しているが、今のままいくと来年には10%ということになるから、こういう公共事業費も全部5%アップで計算してこないといけないということになる。今の総合政策部長の説明よりもその分がふえてくるということも指摘をしておきたいというように思う。
 それで、一般質問でも取り上げたのであるが、フリーゲージトレインができるまでの間、金沢-大阪、そして、金沢-名古屋間のサンダーバード、あるいは「しらさぎ」の存続を求めたわけであるが、なかなかいいお返事をいただけなかった。そこで尋ねるが、現在、福井駅から大阪方面にサンダーバードに乗車するお客さんで、そのお客さんがおりる駅の割合──どこどこの駅で大体2割とか5割とか、それはどうなっているのか。大阪駅から金沢方面のサンダーバードでは、同じような質問であるが、おりる割合はどうなっているか。ちょっと端的にお答えいただきたい。


◯総合政策部長  サンダーバードに係る乗客数とか、それぞれの降車駅の割合というのは公表されていない。国土交通省が平成24年度旅客地域流動調査というのを行っていて、これによると、福井県からJRで大阪府へ出かけた人は1日当たり1,500人、京都府は1日当たり約1,200人である。また、大阪府、京都府から福井県を訪れた人はほぼ同数が戻ってみえているということである。これはわかりにくいかと思うので、皆さんサンダーバードをもし利用されているということであれば、サンダーバード1便当たり約100人程度が乗車されているということである。


◯佐藤委員  今、言ったように活発に利用されているが、実は、石川県が今回の新幹線開業に即して独自の調査をやられている。多分知っていると思うが、やられている。その結果を見ると、石川県では全列車の乗客数が6万7,000人と、普通列車が4万7,000人、特急列車が2万人である。特急列車2万人のうち、要するに、福井県方面へ行く人は9,500人、福井県方面に行った人で大阪へ行く人は4,400人、米原方面は2,100人ということで、要するに、サンダーバードなり、「しらさぎ」を利用して福井県内を通過していくという方は、やっぱり相当の人数おられるわけである。この人たちは福井県を通過してどこへ行くかといえば、京都、大阪、あるいは、名古屋ということになると思う。だから、これだけたくさんのお客さんが利用しているのが現行のサンダーバードであり、しらさぎである。
 今、部長が言われたように、福井県民も利用しているということなのである。だから、これらの皆さんのお客様の利便が、料金が高くなるし、一旦敦賀駅で乗りかえなければいけない。利便性が悪くなるようではいけないということを、重ねて私はいつも申し上げているのである。だから、これは国とJRの責任であるので、ちゃんと国とJRに求めて、利用者の国民に迷惑をかけたらいかんと、とにかく暫定的に特急列車の運行を求めるということはどうしてできないのか。


◯総合政策部長  並行在来線については、JRとの経営分離というものが新幹線の着工5条件の一つになっているので、福井・石川両県及び沿線市町がこれについては同意をしているということである。在来線区間はこれから切り離されて、第三セクターが運営する区間について特急列車を走らせるということは、既にこの条件の中で我々は約束しているので、これについてはできないということである。


◯佐藤委員  これの責任はどこにあるかということをもう一回問いたい。これは、実際は福井県庁に責任があるわけではないのである。だから、これはやっぱり国とJRに責任があるのである。条件は条件なのであるが、切り離すのが条件であるが、それは何も第三セクターをやめなくてもできるわけである。要するに、第三セクターで引き受けながら特急を運転してもらえればいいわけである。要するに、前も言ったように、例えば、JR貨物にしてもそうであるし、使っているわけである。残念ながら廃止になったけれども、寝台特急を走らせるなら、それだってそうなるわけである。在来線は走るわけである。だから、そういう発想できちんとお客さんの立場に立つ、利用者の立場に立つ。何かJRの経営の立場じゃなくて、きっちりと利用者の立場に立って物を申すべきだと思うが、その辺はどうか。


◯総合政策部長  寝台特急の話があったが、そういう企画的な分野で寝台特急とか走っていただくのはありかと思うが、そもそも今回、切り離して第三セクター化することによるメリットというのが、特急が走らない空き時間を通勤、通学の快速電車とかを我々の手で、第三セクターの手で走らせることができるというのが大きなメリットである。そういう活用をしていきたいと考えている。


◯佐藤委員  今、申し上げたように、ちょっと議論が平行線であるが、やはりこのまま続けていけば、こういう事態になったら、必ずそれはお客さんからクレームが出る。クレームはJRに向かって福井県庁には向かわないだろうけれども、やはりそういうことではいけないと、これは再度申し上げておきたいと思う。
 それで、こういう問題はいろいろある。まだまだ県民の皆さんにもフリーゲージトレインのこととか知られていない。それから、第三セクター化を含めた財政負担のこともなかなか知られていないという問題があると思うが、石川県は今度アンケート調査をやるらしい。石川県は人口減少、新幹線問題とか含めたアンケート調査をやるということで、9月17日の新聞に報道があったが、やはりこういう重大な問題であるから、福井県としても、きちんと県民の意向──どういうものを望んでいるのか、あるいは、望んでいないのかを含めてアンケートをとる必要があると思う。東村総合政策部長は、市民の会がとられたアンケートについていろいろデータが不正確だということを指摘されているが、これは県民の負担の額が50万円に下がれば賛成がどっとふえるとかいう単純な問題ではもちろんないと思うのである。だから、やはりきっちりと県としてそう言うのであれば、責任を持った調査をやるべきである。石川県もやるわけであるから、西川知事、福井県もぜひやってほしい。


◯総合政策部長  新幹線の問題については、県議会で十分議論いただいており、また、県議会の議員方と相談しながら考えていきたいと考えている。


◯佐藤委員  そんな都合のいいときだけ県議会と相談していると、そんなことを言ったらだめである。やっぱり積極的に県民の声をリサーチするということがどうしてできないのか、知事。


◯総合政策部長  全く拒否しているわけではない。皆様、議員方と相談して考えていきたいと思う。


新幹線金沢開業

◯佐藤委員  是非よろしくお願いする。それで、来年春、いよいよ3月に金沢開業ということになるが、金沢-福井間の特急列車が3本できるというようにJRが発表している。これについて福井県としての活用策、運行時間帯などを尋ねる。


◯総合政策部長  この3本の特急列車については、県でもこれまでJR西日本に対して、北陸新幹線金沢開業時にビジネス等の用務で首都圏に滞在する時間がふえるよう、金沢駅において早朝とか深夜の新幹線に接続できる列車の増便を要望してきたところであって、先日、発表があった3本の福井-金沢間の特急列車増便は、こうした要望に基づくものだというふうに認識している。具体的な運行時間はまだ決まっていないが、より便利なダイヤ編成になるよう、今後もJR西日本に要望していきたいと考える。


◯佐藤委員  JRにしてみれば、これはどんどん福井県のお客さんを金沢へという発想が当然ある。当然そういうことになってくると思うのである。今、ビジネス用務と言ったけれども、ビジネス用務はもちろんであるが、より福井県民が、福井市民が金沢へアクセスが一層便利になるということになってくると思う。ずっと議会でも議論されているが、いろんな福井県の、福井市内の商業問題、あるいは、人口減少問題ということを考えると、どんどんそうなってくると、新幹線の効果のときにストロー効果に気をつけなきゃいけないということがよく言われている。福井まで新幹線は来ていないのだけれども、こういう形で事実上、福井-金沢シャトルみたいなことをどんどんやられると、ストロー効果が出てくるのではないか。


◯総合政策部長  ストロー効果については我々としてはまだ十分検討していないので、今後検討していきたいと思う。


◯佐藤委員  来年の3月のことである。だから、やはりこれはしっかり対応というか、便利になる面と、福井の商店とかいろんなそういう方にとってマイナスになる面と両方を見ていかないと、よっしゃ、よっしゃということだけでは済まないというように思う。
 それで、ダイヤ改正が毎年行われる。多分、新幹線開業に合わせてダイヤ改正が行われるわけであるが、このときに、いわゆる普通列車──現行の金沢─福井間とかの普通列車、これが削減にならないようにはきちんと要望しているのか。


◯総合政策部長  我々の並行在来線になるところではなくて、現行のことか。現行のことについては減便にならないよう要望している。


◯佐藤委員  富山県、石川県でも心配が起こっているのは、シャトル新幹線を走らせるわけである。そうすると、その区間の並行在来線について当然お客さんが吸い取られるというのを、富山県、石川県なんかでも心配が出ているわけである。だから、福井の場合は新幹線──まだ福井駅は開業していないが、同じようなことで、普通列車のお客さんが減って普通列車が減便になるということだけは避けなければいけないので、お願いもしたいというふうに思っている。
 それから、同じくJRが発表した新幹線の運行計画を見ると、いわゆる県が宣伝している最速で東京へ接続するというのは1日10本しかないのである。そうすると、実際に数十本走ると思うが、福井県なり、石川県なりが宣伝してきた、東京へ早く行けるという効果がたった1日10本しかないところは、どのように評価されているのか。


◯総合政策部長  金沢駅と東京駅が今、最速の「かがやき」が10往復ということの指摘だと思うが、1日10本というとほぼ1時間に1本ということであって、今、我々が東京へ米原回りで行っている本数と比べても、それほど遜色はないのかなと思っている。


◯佐藤委員  だから、実際に新幹線が来て、何十本か新幹線は列車としては来るが、行政が宣伝しているような効果はさほどない。今と変わらないのであれば、今の新幹線は要らないじゃないか。要するに、今、福井駅から乗って、あるいは武生駅から乗っていくのと、1日1便ぐらいでさほど変わらないというのであれば、効果がないわけであるから、やはり実際、金沢開業の1日10本の新幹線、最速タイプが1日10本どまりだというようなこともよく見ておかないと、実際、県民に対しては大きく宣伝していたけれども、さほど効果は大きくないということになりかねないのではないかということは指摘をしておきたいというように思う。



        「原子力行政について」


◯佐藤委員  原子力の問題で質問するが、原発の稼働で発生する使用済み核燃料や再処理の後の高レベル放射性廃棄物に関して、日本学術会議が「再稼働を判断する際に、新たに発生する高レベル放射性廃棄物を暫定的に保管する施設を電力会社の責任で確保しなさい。そのことを必要条件にすべきだ」とする報告書をまとめた。このことについて知事の見解を尋ねる。


◯安全環境部長  佐藤委員指摘の日本学術会議の提言であるが、これはわかりやすくいうと、例えば、県内の関西電力の原子力発電所で発生した使用済み燃料を一旦青森の六ヶ所村に持っていって、そこで再処理を行う。その再処理の結果生じたガラス固化体──いわゆる高レベル放射性廃棄物を、また関西電力の消費地の管内、近畿圏に持っていって、関西電力の責任で当面──日本学術会議の提言によると30年ということであるが、どこか地上に30年保管をしておいて、その間に最終的に地下に埋めるのか、あるいは、どうするのかという方針を決める、このような提言であると理解している。
 このことについては、昨年度、経済産業省の総合資源エネルギー調査会の放射性廃棄物ワーキンググループというものがあって、こういった学術会議の提言についても十分検討をされた。その結果として、やはりほとんどの欧米諸国が、基本的には現在地層処分というものを方針として持っている。そういう欧米の動向からも見ても、今、ここで例えば30年とか、あるいは一定の期間将来の方針を固めずに暫定保管だということが、果たして今の我々の生きている世代が果たすべき役割としてどうなのかということから、ここは何かがあった場合にさかのぼると、そういうオプションは持つのだけれども、基本は地層処分をしていく方針であるべきじゃないかという方針を立てたわけである。
 こういうことで、県としては、こういった方針を立てたということであれば、国がその体制を強化して最終処分という道筋を着実につけるように進めるということが重要ではないかというふうに考えている。


◯佐藤委員  あわせて、この報告書をまとめた責任者の方は、こういう課題が積まれたまま再稼働して、そういう廃棄物がどんどんふえていくということは避けるべきでないかということを、まとめるに当たって指摘しているわけである。だから、なかなか技術的にも非常に困難な課題がある。きのうも「ふげん」の再処理の問題が報道されていたが、そういうのも含めてこのような課題があるということで、あわせてそういう再稼働問題と絡めて日本学術会議の責任者の方は発言をされている。これについてはどういう見解であるか。


◯安全環境部長  佐藤委員指摘の御発言もあったわけであるが、その一方で、この検討委員会の委員長、今田東京大学名誉教授であるが、こういった暫定保管を電力会社が行うということを、例えば、再稼働の条件にするということについては、現実的な問題としてはなかなか悩ましい問題だと、検討委員会の委員長自身もそういうことを言われていることも事実である。


◯佐藤委員  悩ましいから再稼働しないほうが当面いいということになるわけである。それで、一般質問でもちょっと聞いたが、知事に尋ねるが、今、再稼働に当たっての規制基準、これをクリアすれば政府は再稼働を認めるというのを小渕経済産業大臣も言っているわけであるが、知事は、そもそも欧米に比べて日本の基準が劣っているのかいないのか、その辺はどのように認識しているのか。


◯知  事  新規制基準については「国際原子力機関や諸外国の規制基準を参考にしながら、我が国の自然条件の厳しさ等も考えて、地震や津波への対策の強化やシビアアクシデントの対策の導入を図った上で、世界最高水準の基準となるよう策定したもの」というのが政府の基本的な考え方である。
 新規制基準は、福島事故の教訓、また、日本特有の地震などの自然条件に対する考慮、IAEAとの国際基準をもとに、これまでの知見を十分反映したものであると考えており、事業者は新規制基準に基づいて発電所の安全向上対策を進めていくべきと考える。


◯佐藤委員  基準そのものが、ちょっと一般質問でも言ったけれども、いろいろなコアキャッチャーとかを含めて、もし万が一、福島のようなメルトダウンを起こすような事象が起こっても、事故が起こっても、例えば日本の原発はそれを防ぐという装置が標準装備されていない。そういうことで非常にまだまだ不十分だという指摘があるが、そういうのを知事はどのように考えているか。


◯安全環境部長  佐藤委員指摘のような、例えば、欧米でコアキャッチャーがあるというような設計であるが、現実に今設計段階ではそういうことはあるが、動いている発電所で、例えば、コアキャッチャーというものが備えられているかというと、そうではない。ただ、さまざまな対策というのは確かにあるにしろ、現実にそのような議論に対して、一つ一つの設備が整っているかどうかと、そういうようなことではなくて、あくまでプラント全体として、炉心損傷が起こったときに、どのように対処できるか、いわゆる性能要求をしているということで、安全性は保たれているのだということである。それは、田中原子力規制委員会委員長が国会等でもそのように答弁されているということであって、私どももそのように理解しているところである。


◯佐藤委員  だから、全く福島原発の事故を考慮していない答弁だと言わざるを得ない。先ほど地震、津波の対策と言ったが、それもやってきているというのが、国会でのこれまでの従来の原子力安全・保安院を含めた答弁であった。だけど、実際にはああいう事故を起こしてしまった。その反省の上に立って新基準をつくったけれども、まだまだ諸外国に比べれば不十分な基準のまま再稼働を認めようとしているというのを一番国民が心配しているのである。実際、今回のような御嶽山の噴火もあったが、やっぱり火山の問題はどうなのかというのも、今川内原発ではテーマになってきている。やはりそういうことを含めれば、非常に不十分だと言わざるを得ないと思う。
 それで、実際に原子力規制委員会の審査の次は、福井県の場合は独自に原子力安全専門委員会というのを開くことになる。
 ちょっと1点お尋ねしたい。安全環境部長も読んでおられると思うが、こういう「ENERGY for the FUTURE」という雑誌があって、これは原子力専門というか、PR雑誌なのであるが、ことしの春の号に、今、福井工業大学の教授をされているが、前の原子力安全対策課長の来馬さんと委員長の中川さんとかが対談されている。この対談の中で、それはそれぞれのお立場だからいいのであるが、民間の方はお立場だからいいのであるが、中川委員長自身もさきの大飯発電所についての福井地裁の判決を中身がない判決だというように、かなり厳しい口調で理解しがたいということで、かなり厳しく批判されているわけである。これは、要するに、こういうことが公になっている雑誌で、県の原子力安全専門委員会の委員長の立場におられる方が、最初からこういう形で福井地裁判決を批判するということになってくると、この後議論をされても、最初からそんな色めがねで見ているのかということになってしまうという懸念が出てくると思う。その辺はいかがか。


◯安全環境部長  今後の再稼働のさまざまな判断に当たって、当然、県の原子力安全専門委員会の審議の中で、県民の立場に立った観点でさまざまに議論していくことになろうと思う。中川委員長におかれては、これまでもそういう委員長としてのお立場で公平、公正に判断なされているところであって、これからの運営に当たっても、そのような立場で臨まれるものと考えている。


◯佐藤委員  多くの国民の共感を呼んでいる福井地裁判決を、内心はともかく、公のこういう文章になるところで正面から「中身がない」などと批判する人は不適切である。そのことは申し上げておきたいと思う。
 それから、もう一点尋ねるが、さきの原子力防災訓練とそのシミュレーションによれば、福島原発事故級の事故が高浜原発で起こったときに、避難計画の実行によって住民総数のうち何%を避難先まで避難させることができるか。また、何%の住民を被曝することなく避難させることができるかという、おおよその推計を伺う。また、今回の訓練のいわゆる総括文書、いろんな評価はいつごろ発表されるのかということを尋ねる。


◯危機対策監  まず、原子力災害時においては、何%の住民を避難させるかというふうな問題ではなくて、避難対象となる全ての住民を安全かつ迅速に避難させるということが重要である。国が定める原子力災害対策指針では、放射性物質放出前の全面緊急事態の段階で、PAZ─5キロ圏については避難を実施し、UPZ圏─5キロから30キロ圏については全域で屋内退避を実施する。その後、UPZ圏については放射線量が毎時500マイクロシーベルト──IAEA基準の1,000マイクロシーベルトの半分を超える地域を数時間内に特定して、1日以内に避難を実行するということになっている。先般の訓練においてもこうした想定をしており、万が一の事故の際にも、こうした考えをもとに対応していくということである。
 それから、訓練の総括であるが、防災訓練においては、一般災害、原子力を問わず、これまでも参加機関による課題の検証、それから、参加住民や防災関係者へのアンケートにより明らかになった課題等について記録として取りまとめており、次の訓練に反映させ充実を図ってきたところである。今回の訓練においても、訓練終了後、県、関係市町、国、自衛隊、海上保安庁、警察、消防により訓練の課題について検証した。また、参加住民や防災関係者に対するアンケートも実施している。これらの結果について今後取りまとめをして、次回の訓練に生かして内容の充実に努めていきたいというふうに考えている。


◯佐藤委員  全住民を安全に避難させるのは当たり前。それはそのとおりである。だけど、実際に、例えば、私が避難所で聞いた地区の方は小浜市の松永地区というところの方であったが、車で避難所まで避難する。別に全住民が対象になったわけではない。だから、やはり実際に全住民が一斉に車で、何百台の車が動き出せば、こういうことも可能なのかという疑問があるが、これはマスコミも書かれているし、県議会の委員会でも質問、議論があったというふうに報道されているが、当然ではないか。だから、本当に実効性があるのかどうということが問われているので、あえてこういう質問をしているわけである。だから、それならそれにふさわしい訓練をどうするのかということを尋ねたいのと、取りまとめた文書はいつ発表されるのか。


◯危機対策監  まず、訓練については、今回は30キロ圏に範囲を広げて初めての訓練ということで、段階的避難の手順──スクリーニング、安定ヨウ素剤の配布、それで避難というふうな手順を大きく確認するというふうな確認の訓練をした。
 今後は、いろいろと情報伝達であるとか、それから安定ヨウ素剤の配布であるとか、スクリーニングであるとか、そういう個別の訓練というものを、今の住民の検証結果をもとに充実をさせていかなければいけないというふうに考えている。
 それから、先ほどの取りまとめについては、今現在、アンケートの結果等を集計しているので、できるだけ早い時期に取りまとめたいというふうに考えている。


◯佐藤委員  発表されるのか──公表。


◯危機対策監  これまでは、特に内部で集計しているので積極的な発表ということはしていないが、求めがあればお見せすることはできると思う。


◯佐藤委員  何かおかしな答弁である。これだけ参加者、県会議員、そして、マスコミの方からも厳しい検証があるのである。ちゃんと公表して、それも検証してもらわないといけない。ちゃんと公表してくださいよ。


◯危機対策監  取りまとめ文書の公表については、検討させていただきたいと思う。


◯佐藤委員  それを強く求めておく。

 

       「福祉行政について」


◯佐藤委員  最後の質問であるが、これも議会で繰り返しお願いしていることであるが、子供さんの医療費無料化制度の拡充ということでお尋ねをしていきたい。
 現在、償還払いである。そこで、市町が実際、外部機関に支払っている事務的経費の総額は幾らなのか。これが現物給付というか、窓口無料化ということになれば、外部機関に支払うそういう費用が幾らぐらいに変わるのかというのを尋ねる。実際多くの県が現物給付に踏み出しているけれども、群馬県は県として行っている。この群馬県の制度は群馬県自身がどう評価しているのか、そして、福井県は群馬県の医療費無料化制度をどう見ているのか、この点を尋ねる。


◯健康福祉部長  最初の質問の事務費の問題については、医療機関とか、国民健康保険連合会に支払っている名寄せ等の事務費ということで、平成25年度の実績でいくと1億2,000万円かかっている。これが窓口無料化になったときの手数料はどうなるかというのは、単価等が、今やったことがなく持ち合わせていないので試算はしていない。けれども、佐藤委員指摘のとおり、これについては窓口無料化にすることによって国民健康保険の国庫負担金の減額措置があるので、そういった額に見合うような経営効果があるかどうかというのは、ちょっと私のほうは難しいのではないかなと今は考えている。
 それから、群馬県さんがやられているということで、群馬県がどういう評価をされているか私は承知していない。現在、窓口無料化23都県、また、本県と同じ償還払い10道県、あと併用をやっているのが14府県という現状ではある。本県としては、現在、医療無料化については、先ほど申したような国庫の減額調整があるという意味でも、市町としてはいろいろとまだ慎重な意見もあるが、我々としては、まずそういった減額調整の廃止を知事会として強く求めていきたいと思っている。


◯中川委員長  佐藤委員に申し上げる。発言時間を相当超過しているので……


◯佐藤委員  時間が来たので終わるが、今答弁をいただいたように、今でも事務費が1億2,000万円かかっている。国保のペナルティーは約8,000万円である。だから窓口を無料化したほうが財政的にもいいのだということが今の答弁で浮き彫りになったので、ぜひよろしくお願いする。

                              ~以  上~

9月議会、農林水産部関係質疑。米価暴落問題

2014年12月01日 | 福井県政
2014年9月県議会 農林水産部関係の佐藤正雄議員の質疑を紹介します。

■地域特産物応援団育成事業費
◯佐藤委員  予算案説明資料4ページの、地域特産物応援団育成事業費の詳しい内容を教えてもらいたい。


◯地域農業課長  地域特産物応援団育成事業であるが、まず、基本的な考え方は、中山間地域の振興の一環として地域特産物の振興を図るものである。
 しかしながら、地域や集落によっては、人手不足があり、生産の拡大ができない。そのため、企業が持っている地域貢献の取り組みと、労働力が不足している地域とのマッチングを進め、企業の力を活用していく。こういうことで、今回の事業を設定させてもらった。
 特に、企業には、例えば、苗の定植であるとか、育成であるとか、あるいは収穫等、農作業の基本的な労働力を必要とする部分について支援をもらって、地域特産物の生産拡大を進め、あわせて、企業であるので、企業内での販路拡大をしてきたい。


◯佐藤委員  そんな大きな額ではないが、これは、どこの地域で、どこの企業が、どういう内容でやろうという予算なのか。


◯地域農業課長  これから企業を募集していく。想定をしている地区は、初年度であることしは7地区を予定している。


◯佐藤委員  これから企業を募集して、7地区とマッチングするとのことだが、7地区というのは、まとまった規模でないと企業も乗ってこないという面があると思う。この7地区というのは、かなり広域で企業に任せるという意向がもう示されているということなのか。


◯地域農業課長  事前に県内の幾つかの企業に意向等を確認させていただいたが、これらの企業は、地域で企業活動をしていくためには、その地域にあるいろいろなことに取り組んでいきたい、社会貢献をしたいという意向がかなり強く、農林業についてどうかと聞いたところ、かなり意欲もあった。
 そういうこともあり、この企業ならできるというところは、ある程度想定している。


◯佐藤委員  差し支えなければ、その企業名、7地区全部決まっているのかどうか知らないが、教えてもらいたい。


◯地域農業課長  今のところ、これからということで、了承願いたい。


■TPP、米価問題

◯佐藤委員  部長報告になかったので、基本的な考え方を尋ねたい。
 一つは、マスコミでもいろいろ報道されているように、TPP交渉が大詰めになっているということについての、県としての見解はどうなのか。
 二つ目は、今回、請願も出しているが、全国的な米価暴落について伺う。いろいろな試算が出ているが、昨年と比べると、いろいろな補助金の分も含めても、全国的には4000億円ぐらい農家の減収になるのではないかという試算が出ている。福井県内の農家の減収は、今回、コシヒカリとかいろいろ、新聞報道は一部出ているが、おおよそどのぐらいの減収になると見込まれているか、この2点の基本的な考え方を伺う。


◯企画幹  まず、TPPだが、TPPについては、4月に日米首脳会談、それから、5月に閣僚会合が行われ、その後、日米の実務者による協議、それから、12カ国による首席交渉官会合、これが複数回にわたって実施をされたところである。
 この9月初旬においても、実務者協議が開催されていて、その中では、14品目の中でも、特に、牛肉、豚肉の関税の引き下げ幅、あるいは輸入が一定量超えた場合の関税率を元に戻す、いわゆるセーフガードについて、日本は、それをなるべく発動しやすくしたいという思いがある。一方で、アメリカは輸入をふやしたいということで、そういった中で、9月の初旬の中では、そういった部分での溝が埋まっていないという状況である。
 現地時間の9月23日、24日、日本時間だときょうかあすになろうかと思うが、日米の大臣、甘利内閣府特命担当大臣とフロマン代表が協議をすることになっているが、まさに、そういった部分での最後の協議が始まるのではないかと思っている。
 ただ、西川農林水産大臣も言われていたが、国会での決議があるので、それは守り抜くといった姿勢のもとに交渉に臨んでいると思っており、今の段階では、県としては、交渉の成り行きを注意深く見守っていくというスタンスである。


◯技幹  もう1点目の、米価の下落についてであるが、農業団体等に確認をすると、実際の米の動きについてはこれからだということである。承知のように、平成25年産米というのがまだ残っているということで、平成25年産米をはくということが先決問題である。
 それをはいてから、具体的に、平成26年産米が実際に動くという手順になっているということである。年末に向けて、米の具体的な動きが出てくるということであったので、新聞報道では、米価が昨年の価格よりも2,000円程度落ちているのではないかと言われているが、それはあくまでも標準の価格であるので、これから、相対でその価格が決定されるということである。そのため、現在のところ本県で何億円マイナスになるとか、そういった試算はしていない。


◯佐藤委員  今、答弁したように、平成25年産米の処理が先決だということであるが、そこが、今回の引き下げの大きな要因になっているということで問題になっている。
 だから、アメリカでもやっているが、それは一旦隔離しなさいということである。ことしの米価を保障するために、そういうことを農業団体なども要求している。米価が2,000円なり3,000円なり、昨年に比べて下がるようでは、米はつくるけれども御飯が食べられないという問題になる。大きな要望があるが、それについては、県の受けとめとか対応はどうされるのか。


◯技幹  まだ、農業団体から、米価下落に対して具体的にどうしてほしいという話は聞いていないので、あくまでも、実際の米の動きがどうなってくるかということを見据えての話かと感じている。
 現段階で、県がどういった方法で施策を打つとかという段階ではないと感じている。


◯佐藤委員  具体的に聞くが、昨年と比べて、前渡金はどうなっているのか。


◯技幹  前渡金については、概算金で、コシヒカリだと一俵1万300円と聞いている。


◯佐藤委員  前年比はどうか。


◯技幹  平成25年産米で1万2,000円である。


◯佐藤委員  2,000円弱マイナスになっているわけである。
 農家の人にしてみれば、前渡金でいろいろな支払いをしている。前渡金は、当てにしているお金ということがあるので、2,000円弱のマイナスは打撃である。
 そういうことを考えると、県として、年末までわからないということではいけないのではないか。さっき言ったように、平成25年産米をそのまま処理しようとするからこういう問題が起こっていると、要因ははっきりしているわけだから、きちんと農林水産省に対しても働きかけてもらわないと無責任であると思うが、どうか。


◯技幹  まず、我々が考えているのは、価格下落に対する国の支援が昨年は発動されなかった。ことしは、承知のとおり、2,000円ほど下落するということであるので、もし、下落すれば、その約9割が国のほうで価格下落対策として補填されるという仕組みになっている。そのため、生産者の人々に価格下落に対する支援を少しでも早期に出してもらえるように、国に要望していく必要があると考えている。


◯佐藤委員  仲倉委員の質疑にもあったが、集約化・集積化して、コストを下げていこうということだが、どんどん米価が下がっていくようでは、追いつかない。機械にしろ農薬にしろ、そうコストが大きく下がるわけではないので、やはりそういうところをきちんと担保していかないといけないと思う。
 あと、農業新聞にも大きく報道されていたが、島根県などでは、県独自で緊急の融資制度をつくっている。失礼な質問かもしれないが、島根県などは危機感持って、融資制度もつくっているが、一方の福井県は、年内様子を見ようというのでは、温度差があり過ぎるのではないかと思うが、どうか。


◯農林水産部長  今の米価対策については、基本的に、時代に合っているのかどうかという部分でいくと、若干、ずれが生じていると感じている。
 今、TPPの問題がある。それから、米の直接支払交付金が1万5,000円から7,500円になったという米の政策の見直しの問題もある。それからJA改革の話がある。現在、農産物、特に米に関する施策は、物すごく揺れている。
 そういうことで、県も、地域からの意見について、要望書とか意見書ということではなく、常に国の担当の課長なり、経営の局長とお話しする場を持っている。向こうからも、現場はどうなのかという話もある。その都度、福井県は、米に特化した産地として、関東の産地とは根本的に違うという話をさせてもらっている。
 一つ例にとると、技幹から答弁のあった補填制度に関しても、差額の2割しか上限がない。そのため、もっと大きく下落したときなどは、全部生産者が負担しなくてはいけなくなる。こういうことが起こっては困るという問題を初め、いろいろ個別の問題について、現在、意見を申している。
 いろいろな対策はこれから考える。もちろん、米の価格に関して、まだ手を打つ段階ではないと答弁しているが、日常的にいろいろな施策を考えている。国に対しても、一番効果的な政策に転換するよう考えてもらう。現在、島根だとか山形では、無利子制度をつくっているようであるが、ある意味、自分のところの米は安いと世間に伝えているようなものでもある。本県の、高い価格の米を売っている産地としてのPR戦略ともかかわってくるので、その辺もバランスをとりながら考えている。
 いずれにしろ、米の値段というのは、私たちも非常に注目しているし、それにかかわる生産者の所得に関して、何とかしたいという思いは常に持っている。今後、国とのやりとりの中で、いろいろな部分でこちらから提言をさせてもらおうと思っているので、また、いろいろな場で、私どもにサジェスチョンをもらえればありがたい。


◯佐藤委員  PR戦略にもかかわるからというが、当面の営農が継続できなければ、何もならない。集約化して、認定農業者とか一所懸命やっている人がどんどんふえているときに、どんどん値段が下がってくるということでは、根本が揺るぎかねない。そこはしっかり国に対して言わないといけない。もちろん、これは県だけの責任ではないことがわかって質問しているが、国に対して言っていかないと、もう福井の農業のみならず、日本の農業はどうなるのかということになっていってしまう。
 そのことは、再度、要望しておきたい。



■請願陳情審査

◯畑委員長  
 これより、請願、陳情の審査に入る。
 今回付託を受けた請願2件の審査に入る。審査は1件ずつ行う。
 それでは、今回付託を受けた請願第49号「政府に対する過剰米処理を求める意見書提出に関する請願」を議題とする。
 本件に対し、各委員より発言願う。


◯佐藤委員  紹介議員であるので、発言したい。
 先ほど質疑させてもらったが、全国的な推計では、昨年と比べ、4,000億円のマイナスという報道もされていく中で、政府に責任を持って過剰米処理を求めるというのは、福井県の農業にとっても大事なことであるので、採択と願う。


◯仲倉委員  平成26年産米が、8月の日照不足を原因として、品数及び収量の低下も予想される。今後発表される作柄概況を踏まえて、平成26年産米の動向を見きわめた上で判断したいということで、本請願は、継続ということで願う。


◯畑委員長  ほかに発言はないか。

      〔「なし」と呼ぶ者あり〕


◯畑委員長  本件については、継続審査を求める意見があるので、まず、継続審査について諮る。
 本件を継続審査とすることに賛成の方は挙手願う。

      〔賛成者挙手〕


◯畑委員長  賛成多数である。
 よって、本件は継続審査とすることに決定した。
 次に、請願第50号「政府に対する農業委員会、企業の農地所有、農協改革など、農業改革についての意見書提出に関する請願」を議題とする。
 本件に対し、各委員より発言願う。


◯佐藤委員  紹介議員であるので、発言したい。
 家族営農から大規模営農へどんどんかえていこうという方向だが、日本の農業は、中山間地含めて、それだけで済む問題ではない。何よりも、TPP交渉とセットで進められているというところからも見ると、アメリカ含めて外国からの米、農産物の輸入拡大の下準備ということにもなりかねないものなので、ぜひ採択で願いたい。


◯仲倉委員  農業改革は、農業者や農協などの意見を踏まえた上で慎重に判断すべきと考える。
 よって、本請願は、継続で願う。


◯畑委員長  本件については、継続審査を求める意見があるので、まず、継続審査について諮る。
 本件を継続審査とすることに賛成の方は挙手願う。

      〔賛成者挙手〕


◯畑委員長  賛成多数である。
 よって、本件は継続審査とすることに決定した。
 以上で、請願、陳情の審査を終了する。


9月県議会、観光営業部関係質疑。恐竜王国福井宣伝強化事業など

2014年12月01日 | 福井県政
2014年9月議会  観光営業部関係の佐藤議員の質疑を紹介します。

■恐竜王国福井宣伝強化事業について
◯佐藤委員  恐竜王国福井宣伝強化事業について伺う。これは首都圏等のイベントや恐竜博物館での恐竜キャラクターのPRとあるが、約1,000万円かけているのだが、どういう効果を狙っているかということを尋ねる。


◯ブランド営業課長  これまで、リアルな恐竜を使っていろいろやってきたが、この事業は、恐竜王国福井ということで、今年の2月に恐竜ブランドキャラクターというのをつくって、新たな面から、恐竜イコール福井という位置づけを、特に首都圏において発信していこうという狙いがある。
 先ほど、部長報告にあったけれども、県内外含めて、キャラクター自身が、いろんなところに出向宣伝をしている。そういった中で、さらに認知度をアップするために、着ぐるみをさらに追加する予算と、今までは職員が中に入って演じていたけれども、限界もあるということで、演者の方々を雇う予算、そして、発信するという面においても、トータル的に広報、発信するために、トータルプランナーの予算をつけさせていただいた。


◯佐藤委員  来年の3月に北陸新幹線金沢開業ということで、首都圏のイベントというのも組まれているのだろうと思う。東京のお客さんが北陸新幹線で金沢まで来ると、そこを中継して福井なり、あるいは、恐竜博物館なりに足を運んでいただこうという作戦だと思うが、それをするためには、もう一工夫というか、具体的に言うと、例えば、旅行の商品として具体化していくことが必要ではないか。
 また、金沢まで来てからどこへ行こうかと考える人はいないわけだから、あらかじめ福井県なり、あるいは恐竜博物館なりに来ていただくためには、具体的にどのような作戦なのか。


◯新高速交通活用推進室長  金沢まで来たお客さんを、どのように福井県内に持ってくるかということであるけれども、今回、デスティネーションキャンペーンが来年の秋にある。その1年前のことしの秋、10月から12月までの間、プレキャンペーンとして、JR西日本が金沢駅を出て恐竜博物館、大野市の町中、永平寺、福井駅につなぐバスを試行で走らせる。
 また、県も新幹線開業後、来年の3月に「一押しバスツアー」ということで、芦原温泉駅から東尋坊、恐竜博物館、永平寺、そして一乗谷朝倉氏遺跡と、その4カ所を回るバスを走らせることにしていて、また、先ほど言ったプレキャンペーンの期間中にも5回ほど走らせることにしている。
 そういったものを宣伝して、金沢まで来たお客さんを福井県内に引き寄せるということを進めていきたいと思っている。


◯佐藤委員  このプレキャンペーンは、どういう人を対象にしてやるのか。


◯新高速交通活用推進室長  プレキャンペーンは広く一般の観光客の方に伝えられるように、JRが出している北陸秋物語という雑誌があるけれども、JR東日本とJR東海の協力をいただいて首都圏や中京圏、そして、JR西日本のお膝元の関西圏を中心に、主要駅にパンフレットを置いて、展開することになっている。
 そこにツイッターで福井県内の見どころを書いていただき、それでお客さんに来てもらおうと考えている。


◯佐藤委員  金沢開業について、産業常任委員会でも長野県へ観光行政の視察に行ってきた。福井県庁の職員が長野県庁にいたので、びっくりしたのであるが、各県とも必死であった。
 だから、パンフレットに載るとか、これまでと同じことをやっていてもうまくいかない。福井県は金もないので、知恵も使わなければいけない。先日、あるマスコミの人と話をしていたら、公のPR誌も、もちろん参考にするけれども、今は、個人の発信する情報、例えば、フェイスブックとかブログとかいろいろあるけども、そういうもので、恐竜博物館なり、あるいは福井県のいろんな民宿なり、そういうよさを、発信しろということなのである。例えば、旅行者に対して、宣伝してもらうという条件をつけて、企画に参加してもらって発信してもらうというのが、これからの国内の誘客にとっても大事だし、海外からの誘客にとっても大事なのではないかという話を聞いて、なるほどと思った。
 それから、言いたいのは他県も一所懸命であるということである。長野はものすごく金をかけて善光寺の参道を整備しており、石川、金沢も大規模な投資をして、ホテル建設や、駅周辺の大規模開発を取り組んでおり、富山も同様である。福井県が同じ舞台で争おうとしても、なかなかうまくいかないと思う。だから、もう一つ知恵を使って、福井県なりに、従来のものから越えて、一つ一つの観光地に国内外問わず観光客を集めていくという工夫をやっていかないと、他県との競争の中では見劣りしてしまう。恐竜は突き出ているかも知れないけれども、ほかのところは見劣りするというところがあるのではないかと思うのだが、その辺はどうか。


◯観光営業部長  口コミ発信については、非常に重要である。
 せんだってJR西日本の関係で北陸カレッジというものを行った。全国の9の大学の学生に来ていただき、75人ぐらい参加した。その際、参加者には、自分のフェイスブック等で発信してもらった。
 あるいは、たけふ菊人形に来ているOSK日本歌劇団の方の中に、福井の恐竜ファンがいるということで紹介していただき、彼女たちから発信してもらうなど、いろんな形で発信のお願いをしている。
 それと、ここ二、三年感じるのは、これまで県がやっていた、JRであるとか、JALとか、ANAとか、あるいはNEXCOという、交通事業者との連携が、非常に効果的であるということである。あるいは観光関係の雑誌、新聞社にも積極的にPRを仕掛けており、なるべくパブリシティというか、お金をかけずして宣伝してもらえるようなことも含めて、鋭意そういうPRをやっている。


◯佐藤委員  先日も大学の先生といろいろ話を聞いた。若い人はなかなか新聞を読まないとのことであり、では何で情報を収集しているのかというと、ネットであるのだが、そんなネットを使って勉強する学生も最近減っている。ならば情報はどこから仕入れるのかというと、ラインといった友達関係の濃い情報が割と行動を左右するというのが最近強まっているとのことであった。みんながみんなそうではないだろうけれども、それだけに、ラインとかフェイスブックとかいろいろ含めて、若い層なり、お年寄りはお年寄りの作戦をいろいろ考えてほしい。


■若狭路恐竜展2014について
◯佐藤委員  若狭路恐竜展2014について伺う。6月議会のときは、無料化制度の説明はなかった。3カ月たって、県内の子どもに対して、大規模な無料化をやるという方式に変更したが、その辺の経緯を教えてもらいたいのと、4万5,000人ぐらいお客さんを見込んでいるなかに、子供が無料で来る数をどのぐらい見込んでいるのか伺う。
 それから、こういうイベントを組むときは必ず収支計画を立てると思う。当然、無料券をそれだけ配れば収支計画が変更になると思うが、それはどうなるのか。


◯観光営業部長  嶺南、嶺北の児童の交流という事業があり、昨年の秋の時点で800人ぐらいの実績だったが、今年度もふえているとはいえ、まだ2,000人しか行っていない。これはずっとやっているが、年度途中で学校の行事を変更するというのは非常に難しいというのが実態としてある。そうした中で、では、どうやってさらにやろうかといったときに、まず、スポーツ少年団とか子供会に声かけをしたが、それでもまだ物足りない。次に、家族で行ってもらおうということを考えて、全4万3,000人の小学生の全児童にまず無料券を配ろうということになった。さらに、無料券は、岐阜、滋賀、京都と、兵庫県の北部も加え、合わせて10万人の児童に配るものである。
 当然、児童一人分は無料であるが、同行する親御さんの分は有料であるので、そうした中で、目標は4万5,000人としている。4万5,000人ということは、44日間の開催なので、一日1,000人入らないといけない。
 一番問題なのは、ウイークデーであるので、週末いかに入れるかということで、より4万5,000人に近づけるために、少し戦略的にはじき出した感じになっている。


◯佐藤委員  収支計画はどうか。


◯ブランド営業課長  収支計画としては、今のその算定で大体ペイできる形で計画を練っている。


◯佐藤委員  説明はわかったが、当初目標4万5,000人で収支計画を持っていた。今、県内、県外含めて10万人に無料券を配布して来てもらおうというということは、4万5,000人プラスアルファということなのか、無料券で入ってくる子供の数は、収支計画上でどのように含まれているのか。


◯ブランド営業課長  先ほど、部長から答弁があったように、子供たちが一人で来ることはあり得ないので、無料券を配ることによって、ファミリーで来ることが多くなるので、その分が加算されるものとして算定している。


◯佐藤委員  別に悪いことではないと思うが、ただ、場当たりでやるとうまくいかないこともあるのではないか。それと、もう一つは、安全面である。確かに、答弁のように親と来るだろうというのは普通の考えだ。だが、例えば、無料券を持った子供の中には、僕一人で行きたいという子供が出てくる可能性もある。昨今、いろいろ事件が起こっているので、敦賀からでも福井からでも、無料券を片手に、お小遣いの範囲で、汽車賃をかけて行くという子供が出てくるかもしれない。そういういろいろなことがあるので、スポーツ少年団とか子供会で配布するとかいろいろ言われたが、安全に、ツアーを組むならツアーを組むということできちんとやってもらわないといけないのではないか。無料券を配って、さあ、勝手に来いよということで、事故につながってはいけないので、その辺は考えているのか。


◯観光営業部長  配るに当たっては、各市町教育委員会へ行って説明し、学校を通じて先生から、勉強になるということで説明は入れてもらっている。


■県庁移転
◯佐藤委員  関連だが、元鳥取県知事の片山さんも、これまで、社会福祉団体とかに寄附した人が、それを止めて、そういう商品合戦のところに寄附し始める傾向もあるということで、警鐘を鳴らしていた。知事も警鐘を鳴らすのはいいことだと思うが、これからどうするかというのはいろいろ悩ましい。
 質問だが、福井市内の周遊観光ということをいろいろ考えていかなければいけないと思う。もともと、この場所に県庁を建てるときにも、市民の大きな反対の声があったが、当時の県庁、県議会の判断でここへ建ててしまった。今度、県庁を建て直すときは、ここから移転するということで、知事も言っているし、先日、商工会議所が試案を出した。あれは別に県の試案ではないと思うが、商工会議所がああいう形で試案を出したので、これは議論になると思う。
 そうすると、観光営業部としても、福井市内の周遊観光を考えたときに、どういう形で考えるのがいいのか。下手なところに県庁や市役所が建ってしまうと、周遊観光の邪魔になるということもある。その辺の流れはどういう考え方になってくるのか。


◯観光営業部長  県都デザイン戦略は、総合施策部が中心になってやっているが、県庁移転がどうするかというところまでは、まだ議論に至っていない。
 ただ、今、西口開発であるとか、県都デザイン戦略の中で、観光客の動線をどうつくっていくか、それに向けて、観光スポットをどうするか、情報発信をどうするかということは、福井市とも一緒に検討している。


◯佐藤委員  議論が煮詰まってからでは、修正がきかなくなるので、いろいろな議論の早い整理を願いたいと要望しておく。


9月議会・産業労働部関係質疑。消費税、人口流出問題、越前焼など

2014年12月01日 | 福井県政
2014年9月県議会 佐藤県議の産業労働部関係質疑を紹介します。

■人口流出問題に関して
◯佐藤委員  先ほどの質問の関連で、引き続き伺う。帰福して就職する人が減っているのは、例えば、過去10年間で、最近急激に減っているのか、それとも、10年間あるいは20年間通して、もともと少ないのか、あるいは2割が1割になった程度ということなのか。例えば、私と同じ年代で見ても県外出身者は、県外へ帰っていく人が多かった気がする。県内の大学に県外から来た人の県内に就職した数の変化、あるいは県外へ行って、福井へ戻ってくる人の数の変化はどうなっているのか。


◯労働政策課長  まず、県外へ出て、県内に戻ってくる学生について、30代後半の人と20代後半の人といった年齢層で比較をすると、30代後半では、3,000人出ていって、戻ってくるのは1,000人という状況だった。それが20代後半の年齢層においては、約2,800人出ていって450人が戻ってきているという数字をつかまえている。
 それから、県内大学に在学する県外出身者の就職の状況であるけれども、10年前の数字は持っていないのであるが、ここ数年間の状況で見ていくと、約100名前後の方々が県内に就職をしていて、ここ数年ではあまり変動はないと捉えている。


◯佐藤委員  1,000人ぐらい戻ってきていたのが450人と、約半分になっているのは、これはじわじわと減ってきているのか、それとも、この数年、先ほど答弁のあった大企業の吸収力が高まっているといった、何かのきっかけがあって急激に落ち込んでいるのか。その辺の分析はどうか。


◯労働政策課長  要因についての分析は、現時点では至っていない。


◯産業労働部長  この数字は、国勢調査で押さえるのが一番わかりやすいので、18歳人口と30歳人口を比較したものである。要するに、大学適齢期というか、20何歳のときの5年後、例えば、18歳で調査をすると、5年後の国勢調査で何人ぐらい減っているか見ると、大体3,000人ぐらい減っている。それは大学等の進学による出入りがあって3,000人減っているであろうという計算である。
 それが、30歳ぐらいの国勢調査になると、1,000人ぐらい戻っているというのが、ずっと続いていて、この数字を申し上げている。それは、卒業生の進学状況等とも、大体整合性がとれるので、その数字で大体合っているだろう、県内就職の数も、大体合っているだろうということで押さえていた。その直近の数字で見ると、500人減っているという状況である。
 一番想定される要因としては、都市部の一極集中によることが強くあらわれていると思う。景気がよくなると東京にとられるというのは従来の傾向でもあるから、リーマンショック以後、いろいろ回復過程の中で、そういった結果が出ているのではないかと考えている。ただ、これはもっと先を見て、30歳以降のところで、最終的にUターンしていたかどうかというのをチェックしないと、時間的なずれもあるので、厳密なことは言えないと思う。


◯佐藤委員  データを、もっと正確にしてもらう必要があると思う。この議論があって、高校の先生とか、大学の先生とかにいろいろ聞いたが、教育現場の人から見ると、戻ってくる人の数が極端に悪くなっている感じはしないとのことであった。女性の場合であると、何年か県外で働いてから戻ってくる人も結構いるということであった。それが、先ほど答弁にあった10年ぐらいのスパンで見ると減っているのかもしれないが、その辺のデータを、正確にしてほしい。また、こういう議論があったので、個人的に私の親戚はどうかと、いろいろ見てみたが、父や母の世代でも3割ぐらいは県外へ出ている。だから、その辺の数字について、詳しく見ていかないといけない。危機感だけあおっても、では要因が何なのか、どういう対策が必要なのかということが見えてこないと、県の仕事もすっきりしないのではないかと思う。
 次に、ジョブカフェの話があったけれども、このジョブカフェというのは、商工会議所にある若者向けのジョブカフェのことであると思う。例えば、そこに県外出身で県内の学生さんが来て相談する比率、あるいは県外から福井へ戻ってきて相談する比率とか、あそこに来られる方の分析というのは、どうなっているか。


◯労働政策課長  ジョブカフェにおいて県内、県外からの来訪者の集計はとっていない。


◯佐藤委員  これほど大変だと声を上げているわけだから、いろいろな分析についても緻密にしていただきたいと思う。あと細かい話なのだけれども、私らも商工会議所へ行くと、駐車料金をとられる。例えば、ジョブカフェに行く方は、無職の方が多いと思うが、そういった方へのサービスとして無料制度というものはやっているか。


◯労働政策課長  駐車料金を無料とするという対応はとっていない。


◯佐藤委員  細かい話だけれども、そういうことも含めて、福井県は応援しているという姿勢を若者に見せていくということが大事だと思っているので、そんなに大きな金額にはならないかもしれないけれども、よろしくお願いする。


■消費税問題
◯佐藤委員  消費税の問題が出たので、確認させていただきたい。商工会議所は、よくはないけれども、消費税増税の影響は想定内とのことであり、部長報告では、ばらつきがあるとのことで、先行きに不安要素もあるため引き続き注視していくということであった。
 年内、11月中にも消費税の10%増税の判断がされると思うのだが、今の、県内の状況を見ると、10%増税は可か、否か。


◯産業労働部長  それを答える立場でないと思うが、いろいろばらつきがある中で十分注意して、我々として打てる手を打っていく。


◯佐藤委員  こういう報告が出て議論になったわけだから、影響がないはずはない。中小企業の景況感や、県民一人一人の景況感といったものをトータルで見ると、厳しい状況である。
 部長報告にあった制度融資について、全体で653億円の融資額を確保しているが、例えば、昨年度、今年度、これがどの程度利用されているのか確認したい。


◯商業振興・金融課長  制度融資の利用状況については、8月末現在で249件、35億円を利用いただいている。これは前年同期と比べて、約6割という数字である。


◯佐藤委員  消費税増税で苦しくなっているのだけれども、制度融資の利用は落ち込んでいるということか。先日、北陸三県の信用金庫の調査で貸し出しが伸びないという新聞報道があったけれども、課長の答弁は、それを裏づけるものであると思う。やはり、信用金庫関係の貸し出しは、全体として落ちているのか。


◯商業振興・金融課長  具体的な数字は聞いていない。県では、定期的に県内の金融機関、商工団体と一緒に情報交換会をしている。直近では9月3日に聞いているが、県内の信用金庫も含めた金融機関は、どこも融資額自体が落ちていると聞いている。


◯佐藤委員  その要因は、今の景況感では、お金を借りて設備投資をやる体力がないと、一般的に言われているが、県内の状況もそういう状況か。


◯商業振興・金融課長  県では、二つの要素があると分析している。一つは、各企業においては、リーマンショック時に運転資金を相当借りており、ちょうど返済のピークという時期に向かっていて、まず、そちらを優先しているということである。
 もう一つは、各企業は、先行きに対する不安があるということで、設備投資自体はやるけれども、それは内部留保しているお金を優先して使っており、借金は次のステップからということで、融資が伸びないということである。


◯佐藤委員  今、答弁があったように、厳しい状況で運転しているというのが実際だろうと思う。それが最初に言ったように、消費税が10%ということになると、さらにぐっと重しがかかってくるということになるのは間違いない。答弁はできないだろうけれども、消費税増税ができる環境ではないということは、いろいろな形でアピールしておかないといけない。どちらでもいいということでは、福井県の経済はうまく回らないと思う。
 そこで、最後の質問である。中小企業は返済などで、先行投資ができるような状況ではないという答弁があった。日銀は、銀行に金を倍ぐらい落としてきているけれども、その出口がないという状況だから、福井県として、同じような制度融資をやっているだけではいけない。もう一工夫考えていかないといけない。新年度は、仮に10%にならないにしても、8%増税は続いていく。だから、制度融資も利用していただく、中小企業を応援していくことについて、どういう知恵を出すか。


◯産業労働部長  制度融資が伸びないもう一つの要因としては、一般の金融機関の貸出金利が、特に優良なところは相当下がっている。これはかなり低いレベルであって、制度融資の率を下回る条件で貸しておられる金融機関もたくさんある。
 だから、前向きな会社が、決して全部ないわけではなく、逆に言えば、前向きな会社は有利な条件で借りることもできる。
 しかし、設備投資をやって、新たな成長を目指していかないと、日本経済、福井の経済全体が伸びていかないというのも事実である。新しい分野に出るとか、あるいは販路を拡大するとか、そういう前向きな動きというものを、我々が応援することによって、自信を持って設備投資をしていくというように、プレーヤーを促すのが我々の役割だろうと考えている。


■越前焼、嶺南消費喚起キャンペーン
◯地域産業・技術振興課長  越前焼と捉えさせていただくと、平成12年度をピークに減少しており、この10年で製造品出荷額が3分の1に落ち込んでいる。現在、年間で約1億8000万円である。
 今回、越前陶芸村の中に越前古窯の整備として、古民家を移築して行うことにより、観光客にたくさん来ていただき、そこを拠点とした陶芸村の活性化を図る。これにより、観光客がふえて、越前焼の売り上げも拡大していこうということで、現在、約1億8,000万円である生産額をふやしていきたい。


◯佐藤委員  今の関連で、この越前焼の生産額がピークの3分の1ということであるが、工場生産しているものは、どの程度あるのか。あと、県も育成されていると思うが、いわゆる作家としてつくられている方は何人ぐらいいらっしゃるのか。


◯地域産業・技術振興課長  今、実際、越前焼に従事されている方は122名である。そのうち工芸士といわれる方の数が、越前焼の場合は6名いらっしゃる。


◯佐藤委員  そうすると、110数名の方は工場生産に携わっているということか。


◯地域産業・技術振興課長  全て個人の工房で従事されている。工場生産というものはないものと聞いている。


◯佐藤委員  実際によく聞くのは、部長とも話をさせてもらったことがあるが、なかなか売れないということである。大量生産でつくるのなら、価格は数十円から数百円程度であろうが、それなりのものをつくっていくと、安くても数千円ぐらいにはしないと、もとがとれない。そのため、バイトをかけ持ちしている方が結構いるとのことである。以前に、県としてはぬきんでた人を育成して売り出そうという作戦だと伺っているが、この作戦が今どうなっているのか。
 あと、そういう人を力にして全体を引き上げていき、越前焼の知名度を上げて販売額を伸ばしていくことについて、どうなっているのか。


◯地域産業・技術振興課長  特に、ぬきんでた方を世に出すということで、若手生産者が、例えば日展であるとか、そういう展覧会に出品していただいて、そこで入選していただくことによって知名度も上げ、さらに販売額もよくしていくということで支援させていただいている。


◯佐藤委員  入選した方は出てきているのか。


◯地域産業・技術振興課長  毎年、3名か4名ほど入選している。


◯企画幹  日展入選者は、昨年の11月に、やわらぎ工房の清水さんという方が入選している。
 それから、日本現代工芸美術展では、日向工房の日向さんという人が入選している。


◯佐藤委員  そういうすぐれた人を売り出して知名度を上げるというのとあわせて、全体の底上げというのを考えていく上では、今いろいろな企画を組まれて、越前陶芸村を軸にして観光客も呼んでということだが、これは地道にやっていくしかなく、奇手はないとは思うので、頑張っていただきたい。
 最後に、部長報告にあった嶺南消費喚起キャンペーンについて伺う。これは春のキャンペーンをやって、今度は秋、冬をやるということだが、春のキャンペーンの成果はどうであったか。


◯商業振興・金融課長  春のキャンページだが、実績として、観光客に対して、約3,500万円の商品を提供している。これに伴う消費拡大効果というのが約1億2,000万円と見込んでいる。


◯佐藤委員  3,500万円の商品を提供して、1億2,000万円の効果があったということか。今回の、この3億円分というのは、同じような計算式でいくと8,000万円ぐらいまで売り上げようということか。


◯商業振興・金融課長  年間を通して9,000万円の予算化をしている。商品分として、それを昨年の冬にも1カ月させていただいた。そのときに、買う効果というものが1,000万円で3,400万円相当と、約3.4倍となる。最終的なアンケートなどで集計を行うが、まだ、アンケートが100%戻ってきていないのだけれど、そのシミュレーションをかけた場合、春の場合で1億2,000万円ということで、年間で9,000万円の3.4倍で約3億円ということである。


◯佐藤委員  これは嶺南圏域外の人しか有効ではないと思ったが、つまり嶺北とか県外からの効果ということか。


◯商業振興・金融課長  委員指摘のとおりである。嶺南地域の方は対象になっていない。嶺南地域の方は、それぞれの市町が、今、プレミアム商品券等を発行して対応されているということになっている。

9月県議会一般質問議事録。新幹線、原子力行政、原子力防災、人口減少問題へのアプローチ

2014年12月01日 | 福井県政
 2014年9月19日におこなった佐藤正雄県議の一般質問、理事者答弁を紹介します。


◯7番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。

新幹線建設、北陸線第三セクター化問題

 まず、新幹線建設、北陸線第三セクター化と県民の意識について質問いたします。
 市民団体である北陸新幹線福井延伸と在来線を考える会が、県内の8カ所のJR駅などを中心に約200通のアンケート用紙を配り、福井県が進める新幹線計画と北陸本線の第三セクター化について、利用者の皆さんを中心とした県民調査を行いました。回答率は約14%だそうです。本来であれば、県庁自身が県民ニーズの調査を行うべきであります。
 このアンケート結果は、既に県庁やマスコミの皆さんにも提供されておりますけれども、福井県や福井市など沿線自治体が進めている新幹線建設計画と、それに伴う北陸線の第三セクター化には、厳しい批判の声が浮き彫りとなりました。新幹線建設については、「不要だ」という声が69%、「必要だ」という声が21%、北陸線の第三セクター化については、「反対」が65%、「やむを得ない」は7%であります。知事初め理事者の皆さんや私たち県議会が問われるのは、半数を超える県民、JR利用者が反対、または懸念を表明している新幹線建設と北陸線の第三セクター化を強引に進めていくことの行政の責任、そしてチェック機能の責任であります。
 知事、私は繰り返しこの壇上からも計画の問題点を指摘してきましたが、決まっている計画だと耳を傾けないできております。今回、市民団体の取り組みではありますが、実際のJR利用者を中心にこのようなアンケート調査結果が出された、この県民の声を知事はどのように受けとめられておるのか、お尋ねいたします。
 この計画の問題点は、これまでも指摘してきましたように、第一に、総事業費が約8,000億円もの公共事業計画であり、消費税が増税された分の投入とともに、県民の負担が大きいことであります。
 第二に、強大な北陸本線の税金投入での買い取りと運行が、地元自治体に大きな負担となること。そして、全国の実例にあるように、スケールメリットがJR時代よりも大きく低下することで、料金の値上げという形で二重三重に住民の負担が課せられることです。
 そして第三に、JRが記者会見で明らかにしているように、フリーゲージトレイン開発が間に合わず、敦賀駅での全ての乗客の乗りかえが発生することです。現在のサンダーバード、しらさぎ号と比較して、料金は新幹線料金で高くなり、敦賀駅での乗りかえが生じることは、利用者にとっては踏んだり蹴ったり、全く住民いじめの新幹線となるではありませんか。
 そこで知事にお尋ねします。このフリーゲージトレイン開発が間に合わない場合、新幹線が敦賀延伸となることで関西・中京方面の行き来について、大きく住民利用者に不利益を生じる事態となることは、新幹線で便利になるとの宣伝の全く逆であります。私たち日本共産党は、先日、国土交通省鉄道局にも強く申し入れました。担当者は、国にも責任がありますと認めました。認可した責任があるのですから当然です。
 そこで知事は、国とJRに対し、これまでよりも乗客の利便性を低下させることは許されないと強く申し入れを行い、フリーゲージトレイン営業までは現行の在来線特急の金沢-大阪間、金沢-名古屋間の運行を石川県とも協力して強く求めるべきではありませんか。知事の責任ある答弁を求めます。
 そもそも、全国各地で在来線の経営分離による経営問題や住民負担増問題が引き起こされている原因は、政府・与党合意であります。このような形だけで進められているところが、経営分離された鉄道の基盤の脆弱性を生み出しているのではありませんか。
 私は、もともとこの政府・与党合意を破棄すべきだと考えますが、仮にこの合意どおりに今後も進められるのであれば、第三セクター経営安定化のためのきちんとした法律の整備を国が責任を持って進めるべきだと考えます。知事の見解をお尋ねいたします。



広島市の土砂災害を踏まえた福井県の対策について

 次に、広島市の土砂災害を踏まえた福井県の対策について質問いたします。
 まず、今回の災害の犠牲者、被災者の皆様にお悔みとお見舞いを申し上げます。
 9月10日に土木学会が行った2014年豪雨による水害・土砂災害緊急調査報告会での広島市八木地区を調査した地盤工学会の報告では、「流下した土砂は、風化した花崗岩だけではなく、粘板岩などの堆積岩などからなる」「まさ土のみならず、チャートなどの堆積岩と思われる岩石が多かった」とし、「土石流をもたらしたのは、現在のところまさ土を中心とする斜面の表層崩壊と考えられるが、今後さらに渓流の調査が必要だ」と、慎重な分析を行っています。つまり、まさ土だけを悪者扱いにしてしまうことは、災害対策を狭める危険があると考えられます。呉工業高等専門学校の森脇武夫先生は、「花崗岩、まさ土斜面以外に、粘板岩などの堆積岩の斜面でも発生している」と述べております。
 知事は提案理由説明で、「まさ土が分布している地域や新たに山際で住宅団地等の開発が行われた箇所を対象に、土砂災害の危険度調査を改めて実施する」と述べられました。
 そこで質問します。この10年、20年間の県内の土石災害を振り返れば、必ずしもまさ土地域だけが危険なわけではありません。まずは、降る雨の量──降雨量が災害を大きく左右するでしょう。広島市での最新の土木学会の調査団報告も踏まえて、まさ土だけと決めてかかるような最初から狭めた調査ではなく、本当に福井県の、また県内各地域の実態を踏まえた調査と対策が求められると考えますが、知事の見解をお尋ねいたします。
 あわせて、この対策では、実際の防災対策をつくる市町との連携が欠かせません。現在の課題と今後の強化方向をお尋ねします。
 また、現在、土砂災害特別警戒区域及び警戒区域、それぞれの民家などの建造物のおおよその数と土砂災害特別警戒区域での対策工事が完了している割合について答弁を求めます。



原子力行政について

 3番目に、原子力行政について質問いたします。
 知事は、原子力行政について、代表質問への答弁で、「国民の中で意見が分かれている。政府がきちんと説明すべきだ」「政府の責任で再稼働議論を腰を据えて進めるべき。こうなってないから、さまざまな意見が出てくる」「ベストミックスがはっきりしないと、福井県の方向も出てこない」などと述べて、いら立ちを隠しませんでした。また、小渕新経産相にも申し入れています。
 知事の気持ちは、大飯原発再稼働の際に、当時の民主党野田政権に対して、ぼやっとしてるなと叱り飛ばした気持ちを安倍政権にもぶつけたいのでしょう。また、再稼働が進まないから反対運動がいつまでも続くので、次々と再稼働していけば、国民の反対運動も静まっていくという思惑が見える答弁でした。
 しかし、私が以前も指摘しましたように、福島原発事故の後よりも、3年半過ぎて一層原発を望まない国民がふえているのは、福島原発事故の被害の現実からであります。一旦原発が事故を起こせば取り返しがつかないのだ。その被害の実相が、国民の粘り強い再稼働反対の声を歳月とともに広げ、再稼働を認めないという福井地裁判決を生み出したのです。そして、放射能で汚染され、戻ることができないふるさとの家で焼身自殺された奥さん、その御遺族に対して、東電に損害賠償を求める福島地裁判決があり、東電も受け入れたわけであります。
 東京新聞は、「東日本大震災から11日で3年半、東京電力福島第一原発事故に伴う避難で体調が悪化し死亡した事例などを、本紙が独自に原発関連死と定義し、福島県内の市町村に該当数を取材したところ、ことし3月の調査から半年間で70人ふえたことがわかった。事故後の合計は、少なくとも1,118人、原発再稼働に向けた動きが進むが、事故の被害は今もやんでいない」と報道しました。
 そこでお尋ねします。知事は、福島原発事故による放射能の影響でふるさとを失い焼身自殺した被災者遺族が東電に対し起こした損害賠償請求を認めた福島地裁判決をどう評価し、その背景をどのように認識しておられるのか、お尋ねいたします。
 さて、いよいよ廃炉問題に取り組むときが来ました。知事や安全環境部の幹部の方も、それぞれの日程でヨーロッパ各国の廃炉の現状を視察されております。
 今、全国の原発が停止して1年以上たつのに、安倍政権は、経済は好調だと吹聴していますし、雇用環境も悪くないと発表しています。悪い要因が発生するとすれば、原発停止ではなく消費税増税であります。少なくない企業は、より国民が志向する発電形態に投資を強めています。実際、県内のある建設業者は、最近の仕事の半分以上が太陽光発電の関連だなどとおっしゃっておりました。耕作放棄地なども活用されてきております。原発企業と利害関係のあるところを除けば、企業の中でも原発再稼働に固執するエネルギーは弱くなってきているのではないでしょうか。当然、自治体も同様ですし、住民はなおさらです。西川知事も福井県議会も、規制委員会審査に再稼働を目指してハッパをかけておりますけれども、肝心の電力を使う地域の自治体の議会では、そのような動きは聞きません。
 知事は、力を込めてベストミックスを叫ぶわけですが、そういうニーズは消費地からは聞こえてこないのです。資本主義社会でありますので、ニーズのないものを売り込むのはなかなか至難であります。今こそ、福井県も再稼働を認めず、全原発の廃止へ進む新しい福井県のビジョンを創造すべきときであります。
 しかし一方、私たち福井県にとって大事なことは、福井県とそれぞれの原発立地自治体が原発関連の財政と雇用に深く密着してきただけに、廃止措置とともに財政、雇用問題の見通しを明らかにしていかなくてはなりません。
 そこでお尋ねします。福井県は、全国に例のない大規模な廃炉時代に入りました。知事や県職員が海外調査された点も含めて、今後の福井県及び立地自治体が取り組むべき課題として認識されている点は何か、お答えを願います。


高浜原発事故を想定した原子力防災訓練について

 ところで、高浜原発事故を想定した原子力防災訓練が8月31日に行われ、県議会から私も視察に参加いたしました。私が訓練を視察、参加するたびにチェックしているオフサイトセンターのSPEEDI画面は、風向を表示しているだけで、放射性物質の拡散予測が出ることはありませんでした。職員の方にお聞きしましたら、きょうはデータを入力していないとのことで、まさに政府がSPEEDIの予算を削減して、廃棄する方向に持っていこうとしていることがあらわれておりました。福島原発事故の教訓に反するおろかな方向であります。
 放射性物質による汚染物を30キロ圏外に出さないとして、汚染度を調べるスクリーニングと除染の実施場所は2カ所設置され、車ごと調べるゲートモニターも使いましたが、一旦汚染となると手間取っておりましたし、車の高さによっては十分な検査ができない。車両を除染した後の汚染水の始末ができていないなど、不十分さも目立ちました。私がのぞいた車両を除染した汚染水回収ドラムには、ホースはつながれておりましたけれども、中は空っぽでした。訓練以上のことはできないとよく言われますけれども、こういう実態でありました。
 さて、5キロ圏外の高浜町和田地区に有線放送などで避難指示と保健福祉センターでのヨウ素剤受け取りが案内されたのは、放射線量が基準を超えて観測されたとする時刻から40分後の午前10時でした。これは重大な問題点を明らかにしました。日本医師会が策定した原子力災害における安定ヨウ素剤服用ガイドラインでは、安定ヨウ素剤の服用のタイミングと効果について、放射性ヨウ素に曝露する24時間前は90%以上の抑制効果があるとし、8時間後では40%、24時間後では7%に落ちます。つまり、SPEEDIなどを効果的に使用せずに実測値で行うことは、その間にどんどん放射性ヨウ素を取り込んでいくのですから、被害を大きくする危険性があります。また、何らかの治療で薬の服用を続けている人は、ヨウ素剤との相互作用にも注意しなくてはならず、混乱する現場でチェックが医師や薬剤師などによってでき得るのか、甚だ疑問であります。
 私はこれまで、全県民対象の防災計画とヨウ素剤の配備を求めてまいりました。今回の訓練の教訓を踏まえれば、少なくとも30キロ圏内の全住民には事前配備を行い、その際にヨウ素アレルギーの有無、現在服用している薬との相互作用などについてあらかじめ準備していくことが、真に県民の安全を考えた計画となり得るのではありませんか、所見をお尋ねいたします。



人口問題へのアプローチについて

 最後に、今議会でも議論が続いている人口問題へのアプローチについて質問いたします。
 人口減少問題の議論が、国・地方を含めて大騒ぎになっております。人口推計は以前から出されているわけで、昨年から急激な議論となってきたのには、そういう仕掛けが増田元総務大臣らを含めてつくられてきたと思います。私も昨年11月12日に、都道府県議会議長会が開催した研究交流大会に同僚議員の皆さんと参加しました。基調講演が増田寛也氏です。多分、対外的なまとまった講演の最初ではないかと思います。
 しかし、既に雑誌「中央公論」が発行されておりまして、キャンペーンが開始されておりました。この議員大会の中で増田氏は、出生率が比較的高い沖縄県、富山県、福井県、島根県の名前を挙げて、「住宅事情などがよいのだから、もっともっと頑張ってほしい」と、このように述べられました。共通するのは住宅。自然や食べ物がいいというだけではなくて、新幹線がない、東京からのある程度の距離感も、ここで家庭を持とうなどと出生率を高めてきたのではないかと考えてもいいのではないかと思います。
 冷静に考えれば、国の存続、人口に危機的な打撃を与えるのは、現代では戦争や原発事故、巨大な自然災害、飢餓、致死率の高い感染症でしょう。巨大な自然災害そのものを阻止することはできませんが、それに伴う原発事故をなくすには、原発をやめることが有効です。戦争での国土の破壊と戦死者の増大を防ぐには、戦後の69年が証明したように、戦争をしない国であり続けることです。国民が飢えないようにするには、食料自給率を高めることが有効です。
 しかし今、安倍政権は、原発再稼働を推進し、TPPで食料自給率向上を投げ捨て、海外で戦争する国づくり、集団的自衛権行使を推進する、こういう方向に進んでいるのはまことにおかしいことと言わなくてはなりません。まさに、国を滅ぼす方向であり、亡国の政治と言わなくてはなりません。原発事故が地域と人口に大変な打撃を与えることは、福島原発事故の現実が示しています。戦争がいかに打撃を与えるかは、世界各地の戦争の現状と、かつて日本の戦争の際に日本男子の平均寿命が縄文時代に戻ったと言われたことでも明瞭です。日本の現在の食料自給率ですら、海外からの食料供給が不十分な状況に陥れば飢餓が国民を襲うことは、世界各地の飢餓の実態が示しています。
 私が言いたいのは、人口問題の根本問題では真逆の対応を進めようとしている安倍政権が、狙いを持ってキャンペーンを行っている人口減少問題、地方の問題が、伝染病のように高熱を発して、多くの自治体や議会を襲っていることに、冷静に議論すべきだということを呼びかけたいわけであります。
 このような人口問題や地方自治体の問題のアプローチの仕方について専門家からも、なぜ若年女性人口が半減することをもって消滅可能性自治体と呼べるのか、なぜ簡単に自治体消滅と言いかえられるのか論理的な根拠が薄弱だ。増田レポートでは、なぜ人口減少が進んでいるのか構造的な分析がされていないとの批判が出されております。新藤前総務大臣は、あからさまに道州制を進めることと分権や地方活性化は、全て同じ流れの中にあると狙いを語っております。安倍政権が進める新たな広域連携、集約とネットワーク化は、その準備となるのではないでしょうか。気をつけなくてはいけません。
 ところで、なぜ若年世代が子供をつくれなくなってきているのか。人口減少が始まった2008年前後は、構造改革路線、格差の拡大、年収200万円以下の勤労者ワーキングプアが25%を超えるという、いわば日本社会に大きな活断層が動いた時期です。2010年の総務省調査でも、年収300万円以下の20代から30代男性の既婚率は10%に届かない。400万円以上の層の4分の1ぐらいです。また、正規雇用の男性の既婚率が29%、非正規雇用の男性の既婚率は5%であります。さらに今、安倍政権は残業代を払わないという労働時間の概念を撤廃する雇用形態をつくろうとしていますが、これはサービス残業の無間地獄に労働者を追い込む道になるでしょう。
 知事、今日的に急速に進んでいる人口問題の大きな要因の一つが、若者の雇用問題にあることは明瞭ではありませんか、見解をお尋ねいたします。
 また、福井県庁、教育委員会で雇用されているパート、アルバイト、講師など、非正規労働者の20代、30代の人数と平均年収、既婚率を男女別にお答えください。
 以上で質問を終わります。

◯副議長(松田泰典君) 知事西川君。
    〔知事西川一誠君登壇〕

◯知事(西川一誠君) 佐藤議員の一般質問にお答えをいたします。
 原子力行政についてであります。
 廃炉問題について、県の海外調査結果を含め、今後の県及び原子力発電所の立地自治体が取り組むべき課題をどう認識しているかという御質問です。
 ことし5月、IAEA──国際原子力機関からの招聘を受けまして、ウイーンで開かれました国際会議に出席をいたしました。福井県が40年余りの間、日本のエネルギー政策や人材育成、または地域の安全に貢献してきた、取り組んできた役割について広く説明をし訴えたところであります。また、ドイツの廃炉作業中のミュルハイム・ケールリッヒ原子力発電所を視察したところであり、廃炉を円滑に進めるためには、使用済み燃料や放射性廃棄物の処分などの条件が整うことが大前提で、こうした問題は国際的課題であるということを改めて感じたところであります。7月には、県庁職員が欧州の発電所等を調査し、廃炉や使用済み燃料の中間貯蔵など各国が強く関与している実態等について調査をし、先月20日に、まずその段階での報告書を公表しております。
 県としては、今後これらをもとに廃炉の安全対策、廃炉技術の集積、関連ビジネスの育成など、具体的な施策を検討するとともに、また、国や事業者について、再稼働や廃炉の問題、使用済み燃料の中間貯蔵等の課題について責任ある方針を早急に示すよう、また具体的な問題点の提示を示しながら、こうした事柄についての方向性が出るように努力して対応したいと考えております。
 それから、この問題に関連いたしまして、ベストミックスを求めているのはなぜかというようなことのお尋ねがございましたが、これはこのまま曖昧なままで原子力やその他あらゆるエネルギーの基本的な方向が決められませんと、福井の原子力発電所、福井県に立地している我々としての安全に支障が出るおそれがあります。また、嶺南地域の今後の地域振興の方向性も定まらないわけでありますので、ぜひともこうしたベストミックスを政府において責任を持って決めて、我々福井県の将来の見通しが立つようにしなければならないと、こういう意味で申し上げているところであります。
 それから、福島事故の被災者の遺族に対し福島県で裁判があったけれども、このことをどう思うかということでありますが、これは福島県における個々の民事訴訟の結果に対する事案でありますので、判断を加えるような十分な立場にはないというふうに思っております。
 福島原発事故については、汚染水問題を早急に解決することが大事なことでありまして、廃炉への道筋をつけるとともに、住民たちの定住環境の整備など、復興に向けて国が、さらにこれこそ前面に立って取り組むべき必要があると、この問題に関してはこのように考えるところであります。
 それから、人口問題でありますが、人口問題の大きな要因の一つは、若者の雇用問題があるのではないかという御質問です。
 本県の20代、30代の男女の正規雇用率は、平成22年の国勢調査によりますと、全国上位であります。男性が2位、女性が3位という、福井県としては安定した雇用環境が整っているわけでありまして、全国で言われるような状況にはないわけであります。本県においては、県内企業と連携を密にし、この水準の維持をしさらに向上することが若者の所得増の第一の対策ではないかと考えます。
 一方、若い人たちの正規雇用の問題、さらにスキルアップや意欲向上を進めるため、産業技術専門学院などにおける資格取得訓練やジョブカフェにおける正社員としての職業支援など、さまざまな方法を講じまして、技能アップ、そして若い人たちが意欲を持って励める仕事といいましょうか、こういうことについての応援を強化してまいりたいと考えます。
 さらに、産業政策の一層の強化により、地域経済の好循環による収益拡大、雇用環境の充実、全体的な政策についても努力してまいりたいと、このように考えます。
 その他については、関係部長から答弁します。

◯副議長(松田泰典君) 政策幹森近君。
    〔政策幹森近悦治君登壇〕

◯政策幹(森近悦治君) 人口問題につきまして、福井県庁において雇用するパート、アルバイトなどの20歳代、30歳代の人数、そして平均年収、既婚率についてのお尋ねでございます。
 県では、臨時的、補助的な業務に従事するアルバイトや非常勤嘱託の職員を期限つきで採用しているところでございます。平成26年4月現在のこれらの数は、20代が22人、30代が68人の計90人でございます。内訳は、男性が8人、女性が82人となっております。アルバイト等が占める割合というのは、北陸3県で本県は最も低くなっている状況でございます。
 また、県では一人一人の所得、全体については把握していないわけでございます。これらの方々の県からの支給額は日額5,500円でございまして、勤務日数は月15日ということで、月額約8万3,000円ということでお支払いしているところでございます。
 また、これらの方々は、扶養手当など家族構成により支給される手当がないことや、短期の雇用を前提としていることから、結婚の有無など、家族に関する情報については把握をしておりません。

◯副議長(松田泰典君) 総合政策部長東村君。
    〔総合政策部長東村健治君登壇〕

◯総合政策部長(東村健治君) 新幹線、北陸線の第三セクター化についての御質問にお答えいたします。
 まず1点目でございますが、新幹線建設と北陸線第三セクター化のアンケート調査結果について所見をというお尋ねでございます。
 県議会におきましても十分御議論いただき、また、敦賀までの延伸がようやく現実のものになる中、佐藤議員におかれましては、新幹線建設につきましてぜひとも御理解、御協力をお願いいたします。
 御指摘のアンケートにつきましてですが、地方負担が発生しない貸付料を考慮せずに県民負担額を算出し、事業費の3分の1を世帯数で割るという計算方式だったようでございますが、1世帯当たりの負担額を97万円としている点など、重要な部分に誤りがあるチラシの配布とともに実施されております。
 県では、このチラシの内容につきまして、事前に誤りをお伝えしたものの訂正がなされないまま実施されたものでございまして、調査の前提に予断が入っており、アンケート結果を一般論として論じるのは難しいと考えております。これからの本県の発展のベースとなります新幹線、及び通勤・通学など県民の日常生活に欠かすことのできない並行在来線、これはいずれも重要な社会基盤でございます。
 県といたしましては、県民の理解がさらに得られますよう、県民を対象とした講演会とか職員による出前講座の開催のほか、パンフレット、ホームページなど、各種広報媒体を通じて正確な情報を提供し、広く周知してまいりたいと考えております。
 続きまして、フリーゲージトレイン導入までは、現行の在来線特急の金沢-大阪間、金沢-名古屋間の運行を石川県と協力して強く求めるべきとのお考えでございます。
 北陸本線の金沢-敦賀間の経営分離につきましては、福井、石川両県及び沿線市町が同意したものでございます。JR西日本は、敦賀駅における乗りかえ利便性の低下を回避するため、フル規格による大阪延伸までの間の接続方法としまして、フリーゲージトレインの開発を進めておりますが、このことが大阪までのフル規格による延伸に影響を与えてはならないと考えます。フリーゲージトレインの開発が敦賀開業に間に合わない場合は、敦賀駅で新幹線と在来線の乗りかえが必要となるため、乗りかえにできるだけ時間がかからないようにし、利用者の利便性の低下を回避することが重要であります。
 このため、県といたしましては、敦賀駅における乗りかえ利便性につきまして、関西、中京、両方面ともに、この低下を回避するための最善の方策を講じるよう国やJR西日本に要請しており、これからも引き続き要請してまいりたいと考えます。
 第三セクターの経営安定化のための法律の整備について、国が責任を持って進めるべきとのお考えでございます。
 第三セクターの経営安定化に向けましては、平成23年度に国が貨物調整金制度を拡充いたしまして、線路使用料を大幅に増額した結果、既に開業している第三セクターの経営が改善されまして、4社中3社が黒字となっております。
 県としましては、並行在来線の安定的な運行と健全な経営が図られますよう、これからも引き続き並行在来線沿線の道県と一体となり、国に対し財政支援等の拡充を求めていく。また、JRに対しても鉄道資産の低額での譲渡など、必要な協力と支援を要請してまいります。

◯副議長(松田泰典君) 健康福祉部長山内君。
    〔健康福祉部長山内和芳君登壇〕

◯健康福祉部長(山内和芳君) 原子力行政につきまして、安定ヨウ素剤を少なくとも30キロ圏内の全住民に事前配布を行い、あらかじめ準備することが必要と考えるが、所見を伺うという御質問でございます。
 国の被曝医療の検討チームによれば、前もって配布することで早く服用することができるメリットがあるが、配布した後の時間の経過によります紛失とかいったような課題も一方であるということでございます。このことから、国の原子力災害対策指針では、早い段階で避難を開始する5キロメートル圏内においては事前に配布するけれども、30キロ圏内は公共施設等に備蓄し、事後に配布をするということにしております。
 また、安定ヨウ素剤の効果は、放射性ヨウ素による甲状腺の被曝防止に限られておりまして、アレルギーのある人、また副作用が心配で希望しない人には配布をしないということで、速やかに避難をするということになっております。
 県では、30キロ圏内の配布に備えまして、県の健康福祉センターのほか12市町の公共施設等、29カ所に住民人口約34万人分の配備を完了しているところでございます。
 いずれにいたしましても、今回の訓練で実施しました配布訓練の結果を調べまして、実態に即した訓練を今後充実してまいりたいと思っております。

◯副議長(松田泰典君) 土木部長幸道君。
    〔土木部長幸道隆治君登壇〕

◯土木部長(幸道隆治君) 私のほうからは、土砂災害対策につきまして、3点お答えいたします。
 まず1点目でございますが、土砂災害の危険度調査について、まさ土地域だけでなく土木学会などの調査団報告や県内各地域の実態を踏まえた調査と対策が必要ではないかという質問でございます。
 県では、昨年の台風18号によりまして山の斜面に変調等が見られますので、当初予算をもちまして、まさ土が分布している地域だけでなく、県下全域の土砂災害警戒区域1万1,660カ所の全てにつきまして、再調査を行っているところでございます。この結果と、今回9月補正で計上しております花崗岩区域の調査に基づきまして、対策を行っていくこととしております。
 それから、2点目でございます。
 防災対策を策定する市町との連携が重要と考えるが、現在の課題と今後の強化の方向についてという御質問でございます。
 県では、土砂災害警戒区域につきまして、市町と一緒に集落単位で住民説明を行いまして、1万1,660カ所全ての指定を終えてございます。さらに、警戒避難体制は、県による警戒区域などの指定に基づきまして市町が整備するものでございますが、近年、土砂災害が頻発していることから、県が主導的に市町と一緒に危険箇所の巡視、点検、警戒区域等の周知、ハザードマップの公表、配布などの対策を行ってございます。
 土砂災害に対しましては、迅速な避難が第一であることから、引き続きハザードマップによる周知や避難訓練などを行ってまいります。また、県民が土砂災害の危険性を認識して新たに警戒区域などに住宅等を建てないことが重要でございますので、県民や不動産業者に危険性を十分に周知しまして、市町と力を合わせて住宅等の新規立地の抑制や既存住宅の移転等を推進してまいります。
 3点目でございます。
 土砂災害特別警戒区域、警戒区域ごとの民家などの建造物の概数、特別警戒区域における対策工事の完了割合についてという御質問でございます。
 現在、これまでに特別警戒区域内に人家などが立地する箇所の約3割におきまして、砂防堰堤や擁壁などを整備しております。整備率は全国上位にございます。
 平成13年から平成21年度までの調査におきましては、警戒区域内に立地する人家などの建物は約3万8,000軒でございますが、調査に入るときには地元住民に十分説明し、危険な箇所であることを認識していただいております。その上で、警戒区域等の指定後には、市町とともにハザードマップによる周知とか避難訓練を行っているところでございます。

◯副議長(松田泰典君) 教育長林君。
    〔教育長林 雅則君登壇〕

◯教育長(林 雅則君) 先ほどの政策幹の答弁に関連しまして、教育委員会の状況をお答えいたします。
 平成26年4月現在、教育委員会で雇用しております学校の臨時任用、非常勤の講師、または埋蔵文化財発掘の嘱託調査員などで20代の者は、合計で380人、男性で186人、女性で194人、そして30代の者は183人で、これは男性67人の女性116人でございます。
 また、県が定める給料表や基準により月額の支給額が決められておりますが、業務内容や勤務時間等に応じて幅がありまして、20代、30代の者については、おおむね二十数万円程度となっております。
 なお、結婚の有無については、先ほどの知事部局と同様でありますが、届け出の必要のない個人情報であり、全員の状況は把握しておりません。

◯副議長(松田泰典君) 佐藤君。

◯7番(佐藤正雄君) 知事に、まとめて2点再質問します。
 先日、川内原発の再稼働に伴って経済産業大臣の小渕大臣が、鹿児島県知事に政府の方針についての説明書を出しました。その中で改めて強調しているのは、原子力規制委員会により、世界で最も厳しい水準の規制基準、新規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重して再稼働を進めるのだということを、小渕大臣は改めて鹿児島県知事に対して強調しているというか、文書を出しているわけですが、西川知事自身は、規制委員会をいろいろ批判されておりますが、そもそも規制基準そのものが世界で最も厳しい水準の規制基準と考えているのかどうか、そのところをまず1点確認したい。
 それから、2点目にお尋ねしたいのは、新幹線の問題で東村部長が答弁されたのですが、三セクの問題では、西川知事の名前で国に対して要望書も出してるのですね。何の要望書を出しているかというと、資料でいただきましたけれども、三セクの経営安定とかの要望書を出しておられて、その中で西川知事も名前を出されているのは、要するに寝台特急の維持というのは、非常に三セク経営のためにも重要になってるのだということで、そういう三セクの在来線を走るJRの特急列車を維持してほしいと。これは、寝台特急ということですけれども、維持してほしいということを要望されているわけですね。
 ですから、そういう意味では、さっき提案しましたように、今のサンダーバードとかしらさぎとか、それを維持してもらうということは、乗客の敦賀乗りかえの不便な点を抑制するということだけでなくて、三セクの経営自身のプラスになるわけですから、要望したらいかがですか。この2点をお尋ねします。

◯副議長(松田泰典君) 安全環境部長櫻本君。

◯安全環境部長(櫻本 宏君) 現在の規制基準は、もともと大飯3・4号機の2年前の再稼働のときに、福井県が国に暫定的な基準をつくれと言って、そこが緊急対策、あるいはベント等々の対策を講じ、それを、新たな規制委員会が今の規制基準をつくったと、そういう経緯がございます。
 これは、今の福島の事故の知見なども規制委員会で検討会を持って調査しているところでございますので、今後新たな知見が出た場合には、新たな知見に応じた規制を追加していくと、こういうふうになっていると理解してございます。

◯副議長(松田泰典君) 総合政策部長東村君。

◯総合政策部長(東村健治君) 並行在来線の問題につきましては、並行在来線を活用して、JR西なりが企画列車を走らせるとか、そういうことはあってもいいのかなとは考えておりますが、今回の並行在来線と西日本旅客鉄道会社からの経営分離、この問題につきましては、新幹線認可の合意事項でございますので、それを今遵守しているということでございます。

◯副議長(松田泰典君) 佐藤君。

◯7番(佐藤正雄君) 知事にもう一度確認しますが、今の安全環境部長の答弁だと、今の基準は世界最高水準にないということでよろしいですね。

◯副議長(松田泰典君) 安全環境部長櫻本君。

◯安全環境部長(櫻本 宏君) せんだって、小渕経産大臣が鹿児島県知事に対して政府の見解を出してございますが、その中には世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し、原子力発電所の再稼働を進めることとしていると、このような説明が書いてございます。私ども、そういう理解でいるところでございます。

いよいよ明日公示。86歳の方の反戦平和の訴え。自民党が「支持中立」のJAに圧力か?

2014年12月01日 | Weblog
  昨日も、かねもと幸枝1区候補や後援会のみなさんとの地域訪問、宣伝活動、会議などがつづきました。
86歳の後援会員の方が、宣伝カーのマイクをにぎり、「私の同級生で3人が戦死した。南方へ行き、遺骨も戻ってこなかった。潜水艦にのり、沖縄付近で米軍魚雷に撃沈され、遺骨も戻らない。こういう時代を繰り返してはなりません」と気迫をこめて切々と訴えられたのには感動しました。
 ふたたび、戦死する若者をつくるな。憲法9条解釈改憲・集団的自衛権で戦争する国づくりへ進む安倍政権の暴走をとめよう。戦争体験世代のよびかけが福井市内にひびきわたります。

  いよいよ明日公示です。
 午前9時から日本共産党比例代表、福井1区かねもと候補のスタート集会です。
 福井市二の宮5丁目7の25。
 芦原街道、二の宮食堂さんの隣、福井信用金庫さんの前です。
 ご参加よろしくお願いいたします。


           ★


  福井新聞の報道では、「福井県農政連(山田俊臣会長)は28日、来月の衆院選で自民党公認の稲田朋美氏と高木毅氏を推薦することを決めた。一方で、政権公約に農協改革を掲げた自民党に対する反発は強く、農政連の動きとは別に、26日には県内11JAの組合長が衆院選では中立の立場で臨むことを確認。表裏一体の県農政連とJAは足並みがそろわない状況となっている。」。

 米価暴落を事実上放置し、さらに秘密交渉のTPP推進、JA中央会解体へと暴走する安倍政権にたいして、農業従事者やJAが嫌気をさすのは当然でしょう。
 安倍政権のすすめる道に、地域農業、家族農業の発展はみえないのです。

 さっそくJAには地元の自民党員の議長などが自民候補を応援せよ、と圧力をかけている、とお聞きしました。
農業と農業者の生活をささえる政策は投げ捨てながら、身勝手な「圧力」で特定候補支持を組合員に強要するのは個々人の思想信条の自由をふみにじる憲法違反の行為です。
 
 「米価暴落」「円安での農業資材の高騰、負担に輪をかける消費税増税」「悪天候」・・・・農業者は3重苦、4重苦です。
この苦悩がわからない安倍政権に期待はできない。天気は変えられないが、政治は変えられる!
 

 以下、報道です・・・・・
■福井・・・・ 衆院選で農政連とJAに隔たり 福井、農協改革で足並みそろわず
 (2014年11月29日午前7時30分)


  福井県農政連(山田俊臣会長)は28日、来月の衆院選で自民党公認の稲田朋美氏と高木毅氏を推薦することを決めた。一方で、政権公約に農協改革を掲げた自民党に対する反発は強く、農政連の動きとは別に、26日には県内11JAの組合長が衆院選では中立の立場で臨むことを確認。表裏一体の県農政連とJAは足並みがそろわない状況となっている。

 政府の規制改革会議は全国農業協同組合中央会(JA全中)の一般社団法人化など、制度の大幅見直しを提言しており、政府や自民党は農協法改正案の通常国会への提出を目指している。一方、JA全中は現状維持を求める内容の自己改革案を発表している。

 28日は、県農政連の県内8支部長やJA組合長、JA県5連役員など約40人による選挙対策委員会を福井市の県農業会館で開催。稲田、高木両氏を呼び、農政に関する考えなどを聞いた。稲田氏によると「決して農協潰しでなく、地域の農協や農業者が創意工夫ができるようにすべきという考えで改革を進めていることなどを説明した」という。

 会合後に会見した山田会長は「2人を推薦し、比例の山本拓氏については全国農政連に推薦依頼を出すことに決めた」と述べ、「政権与党」であることが決定の理由とした。JAグループによる自己改革が実現できるような政策・制度の確立に取り組むことを求めた政策協定を求めたが、候補者側から反発があり、要請書とすることにした。

 一方JAは、経済事業の100%出資会社への譲渡など、独自路線をいくJA越前たけふが、26日の定例理事会で自民候補者の推薦を決定しているが、ほかの県内11JAの組合長は中立の立場で臨むことを確認した。関係者によると、複数の組合長から「政策協定を結べない状況で、自民を応援すべきでない」との意見が出たという。

 過去には05年の郵政選挙で、JA県5連の池端昭夫会長が自民党公認新人だった稲田氏を、県農政連の山田会長が松宮勲氏を応援したことがある。

 農政連はJAの組合員らを代表する政治組織で、盟友数は3万4777人。県内JAの正准組合員数は12年6月時点で約11万人。