前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

今日は福井市で再稼動反対集会。昨日は、神戸で「イエローケーキ」とトーク、非核の政府の会トーク

2012年06月17日 | Weblog
     昨日は、野田民主党政権と西川知事による大飯原発再稼動が強行された日になりました。あらためて、国民県民の世論に背き、安全ぬきの再稼動強行に厳しく抗議します。

     今日は正午から福井市中央公園で再稼動反対集会、パレードですぜひ、ご参加ください。


     昨日は以前から決まっていた企画で、神戸へ。

     午前中は元町映画館の「イエローケーキ鑑賞とトーク」、午後は非核の政府をつくる会の「福井からの報告、トーク」でした。トークのお相手は、画家の増山れなさん。増山さんご自身が原発反対運動を芸術で訴える活動を全国各地で展開されている方で、トークをリードしていただきました。ありがとうございました。

    会場のみなさんからも、相次いで、議会の状況や原発のコンクリートの問題、教育問題、被災地がれき問題、などの質問が寄せられ、兵庫県のみなさんの関心の高まりを実感し、連帯して原発ゼロをめざそう、という企画になりましたね。

    終了後は、企画された保険医協会の岡林さんら有志で増山さんの個展が開催中の喫茶店で2次会、お世話になりました。

        
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    以下、報道。

■NHK・・・・政府 大飯原発の運転再開を決定

関西電力大飯原子力発電所の運転再開を巡って、政府は、野田総理大臣と関係閣僚による4大臣会合を開き、福井県など立地自治体の同意が得られたとして、運転再開を決定しました。

現在停止中の大飯原発3号機と4号機を巡って、福井県の西川知事は16日午前、総理大臣官邸を訪れ、野田総理大臣らと会談しました。
この中で西川知事は、運転再開にあたって、使用済み核燃料の中間貯蔵対策を国が責任を持って進めることや、地震と津波の予測を太平洋側だけでなく日本海側でも積極的に行うことなど8つの前提条件を示しました。
これに対し枝野経済産業大臣ら担当閣僚は、真摯(しんし)に対応する考えを示しました。
これを受けて西川知事は、「大飯原発の再稼働は、国から安全確保のいっそうの努力の約束をいただいたことから、主な電力消費地である関西の国民の生活と産業の安定に資するため、同意する決意を伝えたい」と述べ、運転再開に同意する方針を伝えました。

このあと政府は、野田総理大臣と関係閣僚による4大臣会合を開きました。
この中で野田総理大臣は「福井県の西川知事に大飯原発の再起動について了承をいただいた。40年以上にわたり、電力消費地に電力供給を続けてきた立地自治体の決断に感謝したい。西川知事の言葉を重く受け止めるとともに、要請について引き続き、政府として取り組んでいく。地元の了解が得られた今、大飯原発の3、4号機を再起動することを政府の最終的な判断とする」と述べ、政府として運転再開を決定したことを表明しました。

そのうえで、野田総理大臣は「政権として、原子力行政や安全規制への国民の信頼回復に向けて、さらなる取り組みを始めていく決意だ。政府として、原子力に関する安全性を確保し、さらに高めていく努力をどこまでも不断に追求していく」と述べました。
福島の原発事故以降、定期検査に入った原子炉は安全性の観点から再稼働することができず、先月には、全国で運転中の原発がなくなる「原発ゼロ」の状態となっていましたが、16日の決定によって、政府は再び原発の利用に踏み出すことになります。・・・・・・・・・


昨夜は1万1000人が官邸包囲!国民県民の声を無視する無謀な大飯原発再稼動に抗議する!

2012年06月16日 | Weblog
     大飯原発再稼働に厳しく抗議する!   県議会議員 佐藤正雄


      西川知事は、本日、野田首相と会談し、大飯原発3,4号機の再稼働了承を伝え、その後の関係閣僚会議で再稼働が決められようとしていま。

     昨夜は官邸包囲に1万1000人が集まりました。私は国民県民の、「福島を繰り返さないで」「あぶない原発再稼働はやめて」の大きな世論をふみにじる政府と西川県政にきびしく抗議します。国民合意なき原発推進は許されません。

     さらに、福島原発事故の解明も、大飯原発の安全対策も、住民の避難計画も、ないないづくしの再稼働であり、日本の原子力史上からみても極めて異常なことです。

      西川知事が提唱し、国が作成した「暫定安全基準」は、私が議会で指摘してきたようにあらたな安全神話をうみ出すものであることも明らかとなりました。

     無謀な再稼働につよく抗議します。

     5月5日から今日まで「原発稼働ゼロ」を実現した国民県民のみなさんと力あわせて、今後「原発ゼロ」をめざす政治実現のために全力をあげます。

     今日も福井県庁前では9時~17時まで抗議行動がおこなわれます。
     明日は、福井県庁横の福井市中央公園で再稼動反対集会とパレードなどがおこなわれます。


      がんばりましょう!


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以下、報道です。


■NHK・・・政府 大飯原発の運転再開決定へ

関西電力大飯原子力発電所の運転再開を巡り、政府は、福井県などの同意が得られる見通しとなったことから、16日、野田総理大臣をはじめ4人の関係大臣による会合を開き、運転再開を決定することにしています。

大飯原発の3号機と4号機を巡り、福井県の西川知事は、16日午前、野田総理大臣や枝野経済産業大臣らと面会し、運転再開を容認することを伝える方針です。
これを受けて、政府は、野田総理大臣、藤村官房長官、枝野経済産業大臣、細野原発事故担当大臣の4人の関係大臣による会合を開くことにしています。

この会合で政府は、立地自治体である福井県とおおい町の同意が得られている、福島の原発を襲ったレベルの地震や津波に見舞われたとしても対策は整っており、安全性は確保されている、さらに、電力需給のひっ迫は避けなければならず、国民の暮らしを守る必要があるとして、運転再開を決定することにしています。

この決定を受けて、関西電力は直ちに運転再開の作業に着手することにしていますが、安全面や技術面などでのチェックが必要なことから、本格的な運転は来月下旬ごろになる見通しです。

福島の原発事故以降、定期検査に入った原子炉は、安全性の観点から再稼働することができず、先月には、全国で運転中の原発がなくなる「原発ゼロ」の状態となっていましたが、今回の決定によって、政府は再び原発の利用に踏み出すことになります。
野田総理大臣は、先の記者会見で、大飯以外の原発についても「引き続き丁寧に個別に安全性を判断していく」と述べており、政府は、安全性が確認されれば、順次、停止中の原発の運転再開を検討していく方針です。


運転再開へのスケジュールは

大飯原発の3号機と4号機の2基がいずれも最大出力で発電を再開するまでに、早ければおよそ6週間と見込まれています。
定期検査中の大飯原発の3号機と4号機では、今後、原子炉を動かす場合、最終的な機器の点検や試験が行われます。
まず、発電用のタービンを回す蒸気や水が通る配管を洗ったり、配管内の水質を整えたりする作業が行われ、これらの作業にはおよそ10日間かかる見通しです。
続いて、原子炉を冷やす水が循環する配管に異常がないか点検したり、原子炉を止めるための制御棒が機能するか試験を行ったりして、さらにおよそ10日間費やすということです。
最終段階では、原子炉で制御棒を引き抜いて核分裂反応を起こし、臨界状態にしてから発電を始め、その後、出力を上げる計画です。
その結果、作業の開始から最大出力の118万キロワットで発電するまでに、早ければおよそ3週間と見込まれています。
一方で、原子炉を動かす一連の作業は、タービンに蒸気を送りながら実施する必要がありますが、蒸気を発生させる補助用のボイラーは大飯原発では1基分しかありません。
このため関西電力は、3号機を動かしたあとに、4号機での作業に取りかかる計画で、2基がいずれも最大出力で発電するまでに、早ければおよそ6週間と見込まれています。
関西電力によりますと、大飯原発の3号機が最大出力になるのは来月上旬、2基目の4号機が最大出力で動くのは来月下旬とみられています。


深刻事故の対策は道半ば

大飯原発では、大津波に備える対策が取られましたが、メルトダウンのような深刻な事故が起きたあとの対策は道半ばです。
政府は、大飯原発3号機と4号機について、去年春に実施した緊急的な安全対策などの結果、「福島第一原発を襲ったような地震や津波が来ても、原子炉などで炉心損傷が起きないための対策が取られている」と評価しました。
そのうえで政府は、ことし4月、原発の運転再開を判断する新たな基準を示して、メルトダウンのような深刻な事故が起きたあとを想定した、長期間かかる安全対策について先送りを認めました。
例えば、福島第一原発の事故で対策の拠点となった「免震重要棟」のような施設は3年後までに設置されるほか、放射性物質が放出する深刻な事故に備えて、フィルターの付いたベントの設備も3年後までに設置する予定になっています。
さらに、津波から守る防潮堤をかさ上げする工事は来年度中になるとしています。
また、メルトダウンが起きたあとの原発の安全対策を評価する「ストレステスト」の「2次評価」について、電力会社は、去年12月の期限を過ぎても結果を提出していません。
これに対して、国の原子力安全委員会は「1次評価だけでは原発の安全評価としては不十分だ」と批判し、早期に2次評価を実施するよう繰り返し求めています。

大飯原発再稼動、福井県議会全員協議会。反対表明は私と細川議員だけ。「知事一任」で再稼動容認は無責任

2012年06月15日 | Weblog
昨日は福井県議会全員協議会。大飯原発3,4号機再稼働について知事からこの間の取り組み、専門委員会の説明をうけ審議しました。昨日はユーストリームでも中継されるなど、議会事務局も市民団体の要請に応えて対応していただきました。

再稼働反対の立場を鮮明にしたのは私と、無所属の細川議員。

ほかの会派は知事一任、という形もふくめて再稼働を容認しました。この間の議会審議の不足、これだけの重大問題で明確な意思表示をおこなわない、というのは県民にたいして無責任な態度です。今朝の福井新聞でも「見えにくい県会の意思」と書かれています。

   この日は、おおい町の時岡町長も容認の態度を知事に伝達。報道では、今日、関電社長と知事が会談し、明日の関係閣僚会議に知事が出席して再稼働容認を表明する、と伝えられています。



私は要旨、つぎのように述べました。

    私は昨年5月に福島の実情を見て、これは原発から撤退する政治をすすめないと国と民族が滅びかねないと痛感しました。福島県知事と福島県議会が原発から手を引こうとなっていることは当然だと思うんです。県内でも、越前市でも小浜市でも、原発にちかい自治体議会は原発をなくしてほしい、と決議している。
いま、西川知事が野田総理に無理押しして記者会見おこなわせて、原発再稼働にすすもうとしていることは大きな問題です。

    なにより、福島原発事故は収束しておらず、17万人ともいわれる方々がふるさとを失ったままであります。
そして、福島1号機から4号機は放射線がつよく、事故原因の調査はできておりません。
したがって、大飯原発の対策内容もこの内容で100%大丈夫とは言えないわけです。

    さらに、その不十分な対策計画ですら、関電の説明では進捗率60%。防潮堤、ベント、免震棟、送電鉄塔地盤対策などなどだいじなところが手付かずです。

    知事、事故調査にしても、対策工事にしてもこのような穴だらけの状況で、県民に100%の安全が保障できるのですか?できないのですか?

    福島とちがい、福井県内の原発は直下型巨大地震と、同時の津波・浸水を想定しなくてはならないが、その場合には今回の対策は役立たないものが多く机上の空論となるのでは。

   また、福島事故をおこさない対策は万全ではない。なのに、福島事故に見合った防災対策はない。県民に無責任ではないか。


    福島原発事故で1号機から3号機で大気放出された放射性物質は、放射性希ガスで1100万テラベクレル、放射性ヨウ素で16万テラベクレル。
大飯原発の設置許可申請書に記載された大気放出量の想定は、放射性希ガスで8500テラベクレル、放射性ヨウ素で120テラベクレル。実際は関西電力の想定より3ケタも4ケタも上回る量になっています。つまり、原発設置と事故想定の根本が揺らいでいるのです。
   政府提出の原子炉等規制法改定案には最新の知見の反映を義務付けるバックフィット制度が盛り込まれていますが、そういう基準を満たしていない大飯原発の再稼働は、福島事故のわかっている知見すら反映していない問題があるのではないか。・・・・

   西川知事は、「政策には時間軸がある。住民をないがしろにしてはいけないが、現実的な対応が必要」などと述べ、安全対策や避難計画が整わないまますすめる姿勢をあらわにしました。

   まさに、安全基準でも、防災対策でも、あらたな「安全神話」のオンパレードです。

    その後、福井県庁前の再稼働反対宣伝行動に合流し、訴えました。
    また、全員協議会の前には、民主会派の野田、糀谷両議員とともに田中議長と面会し、再稼動に前のめりになってきた議長の対応などについての申し入れをおこないました。民主、希望、細川議員、それに私の4会派連名の申し入れです。



■福井県庁前での抗議宣伝行動は今日、明日もおこなわれます。

午前9時~午後5時。ぜひ、ご参加ください。激励をお願いします。

   17日は、正午から福井市中央公園で再稼働反対集会、パレードです。ぜひ、ご参加ください。



   以下、報道です。報道のなかには、県議会全員協議会で反対の意見がだされたことをまったく報じないひどいところもあります。総理ですら「国論二分」という大問題、県議会で明確な反対の意思表示が2名の議員からおこなわれたことをマスコミが伝えることは当たり前ではないでしょうか。


■福井新聞・・・大飯再稼働、地元県議会は知事一任 最大会派など明確な賛否示さず

 福井県議会は14日、全員協議会を開き、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働について会派ごとに見解を表明。最大会派の自民党県政会(24人)と第2会派の民主・みらい(7人)は明確な賛否を示さず、県議会としては事実上、判断を西川一誠知事に一任した。

 自民党県政会からは山本芳男会長ら3人が質疑に立ち、原発の安全対策や防災対策などの一層の充実を国に要望するよう提案した上で、再稼働については「適切に対応するよう切望する」とし、最終的な判断を知事に委ねた。知事自らが県民に向けて理由を説明することも求めた。

 民主・みらいは野田富久会長らが大飯3、4号機の安全性、国の規制体制の再構築、防災計画の見直しといった課題を指摘し、嶺南の経済、雇用対策も提言した。

 公明党の石橋壮一郎議員、希望ふくいの山田庄司議員は知事の判断を支持する意向を示した。共産党の佐藤正雄議員、無所属の細川かをり議員は、安全、防災対策が不十分などとして再稼働反対を明言した。・・・・・

大飯原発再稼動問題、本日10時から福井県議会全員協議会。党愛知県委員会が申し入れ。3月質問内容。

2012年06月14日 | Weblog
      昨日は、会議や打ち合わせ、県議会への要請、再稼働反対の街頭宣伝、県への再稼働反対の申し入れ、マスコミ各社の取材などでした。

      昨日は、共産党愛知県委員会から、元参議院議員の八田ひろ子副委員長と、もとむら伸子くらし・環境対策委員長が、大飯原発視察と県庁申し入れに。福井県庁前ではお二人ともマイクで演説。さすが八田さんの演説は人をひきつけます。もとむらさんのすばらしい原発なくそうコールでみんなで唱和。お二人とともに、県庁原子力安全対策課へ再稼働反対の申し入れ。3月に大飯から飛ばした風船が愛知県に一番多く届いたということで、愛知も「被害地元」、再稼働はやめて、とていねいに、しかし熱く訴えられました。その後、議会控室でしばし、打ち合わせなど。名古屋時代の話にもなりましたね。

     県議会への要請は市民団体の方からの急な申し出。しかしできる限り対応します。内容は全員協議会のネット中継をユーストリームでやってほしい、そうすればスマートホンなどでも観ることができる、という内容でした。今日の協議会には難しいですが、今後検討していただくことになりました。


■今日は大飯原発再稼働問題での県議会全員協議会。10時からのライヴ中継はこちら。

http://info.pref.fukui.jp/gikai/live/index.html


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以下、3月県議会での一般質問内容です。原発問題、新幹線・在来線3セク化、くらしの問題などを取り上げました。

■2012年3月1日 一般質問

◯7番(佐藤正雄君) 3番バッター、日本共産党の佐藤正雄でございます。

 まず、原発行政について質問いたします。

 福島原発事故から1年がたとうといたしておりますが、事故は収束しておりません。日本社会にこれほどのダメージを与え続けているのは、戦争以来ではないでしょうか。知事は、福島のような事故は繰り返さないと言いますが、福島の現状を見れば、再稼働は福井県民と、とりわけ関西地域の国民の皆さんに、ノーリスクではないということは明らかです。

 北海道電力泊原発は耐震性が不十分などとして、北海道民ら612名が北電を相手取り、同原発の1から3号機すべての廃炉などを求めた訴訟の第1回口頭弁論が2月13日、札幌地裁で開かれました。北電は提出した答弁書で、「原発に絶対的な安全性を求めることは不可能」などと表明いたしました。弁護団によりますと、全国の原発をめぐる訴訟で、電力事業者など被告側が原発について、絶対安全との主張をみずから否定する答弁書を提出したのは初めてだと言います。まさに電力事業者自身が、安全性に自信を持てなくなってきているということであります。

 また私は、先日、福島大学副学長の清水修二先生の講義をお聞きしました。原発と地方財政論でありましたが、福島県が36年間で受け取った電源三法交付金は2,700億円、原発事故での賠償は4兆円、除染費用は5兆円とも推計されるそうであります。一たび事故が起これば、受益は吹き飛ぶと話されました。そして原発のはらむリスクの質と量を考えれば、地元利益を云々するレベルではないと強調されました。福島の現地からの訴えが心にしみたわけでございます。改めて福島を繰り返さないということは、原発からの撤退を政治が決断をする以外にないと痛感しました。

 さて、福井県の原子力安全専門委員会は、経済産業省原子力安全・保安院が、東北地方太平洋沖地震と東京電力福島原発事故を検証し、対策に知見を反映させる目的で設けた意見聴取会の中間取りまとめなどの説明を受けました。私も、その専門委員会を傍聴させていただきました。

 保安院は、炉の中が高放射線量のため現場の奥深くまで行けない、限られた現状があるので、そういう部分は、まだ十分整理できていないと前置きをして、事故の技術的知見から、外部電源や発電所内電気設備、冷却設備など30項目の対策強化を説明しました。また、今回のプレート間地震で、広範囲の断層連動が生じた知見を踏まえ、活断層型地震についても連動性を検討して、2月中に報告するよう電力事業者に指示していると述べました。

 委員からは、地震・津波対策の不備を指摘する声を無視してきた国や電力事業者の姿勢に触れて、最新の知見や少数の意見を、どう合理的に規制に取り入れる枠組みをつくるかだとの指摘がありました。とても再稼働についての判断ができる取りまとめではないと私も感じましたし、委員の先生方も感じられたと思います。

 まさに今、もともと範囲の限られた1次のストレステストで、しかも十分な知見が集約されていないのが現状であり、とても福島は繰り返さないとして、自信を持って再稼働を判断できる状況にはないのではありませんか、知事の答弁を求めます。

 申し上げましたように福島原発事故は収束せず、被害は拡大し続けています。このような状況下で、県民の間でも大きく意見が分かれています。その象徴が、2月7日の市議会議長会でした。

 敦賀市から出されていた原発の再稼働などを求める議案が、反対多数で否決されました。報道によりますと、市議会で脱原発の意見書を採択した越前市と小浜市を中心に、嶺南で事故が起きると福井県全体が被害に遭う。将来の子供のためにも大きな決断をしないといけないとか、敦賀原発1号機は40年を超えていて安全でないなどと反対する意見が相次いで、議案は採決の結果、反対多数で否決されたといいます。賛成したのは、提出した敦賀市議会と、あわら市議会の2市議会だけで、7市議会が反対、または棄権しました。民意の反映である市議会の議長会で、原発再稼働などが圧倒的多数で否決されたのに、知事や県議会が認めるわけにはいかないでしょう。行政として、有権者の代表者の間で大きな意見の相違がある、つまり原子力行政における県民合意が完全に崩れているわけですから、慎重を期さなくてはなりません。

 私は前回の予算特別委員会で、県民の民意をつかむために県民アンケートなどを提案しましたが、知事は否定されました。しかし、このような形で民意が示されました。そこで提案しますが、一定期間、例えば1年程度かけて、県内各地で今後の福井県の原発をどうするか、県民の御意見を聞く会などを開催して、福井県として、なるべく多くの県民の声に耳を傾ける取り組みを行うべきと考えますが、知事の所見をお尋ねをいたします。

 向こう1年間という期間は、どういう意味を持つのでしょうか。一つは、福島原発事故がおさまっていくのか、いかないのか。また、事故の要因はどうなのかなど、さらに解明が進められる中で、冷静な議論ができるということになります。二つ目に、予定では新年度から新しい原子力規制庁が発足する中で、国の新しい原子力行政が国民の信頼に足るものかどうか明らかになってまいります。三つ目に、福井の原発がすべて停止したもとで、日本と福井のエネルギーや地方行財政をどうするか、県民を巻き込んでじっくり考える機会となります。ぜひ積極的な御検討をお願いするものであります。



 次に、原発労働と雇用の問題について質問します。

 報道されておりますように、関西電力大飯原発を舞台にした職業安定法違反の事件が起こりました。代表質問への答弁で県警本部長は、先般検挙した指定暴力団工藤会の関係企業等による職業安定法違反事件に見られるように、暴力団は資金獲得を図るために関係企業を通じて、さまざまな経済取引に介入しているとの現状認識を示されました。

 原発をめぐる問題の中で重大な問題の一つは、労働者の権利がないがしろにされている問題です。被ばく労働の押しつけ、使い捨てが、これまでも指摘されております。このような労働者の権利を保護していくことは、行政機関の重要な課題であります。

 そこで知事は、原子力発電所で働く労働者の方々の雇用や勤務の実態について、どのように把握しているのか。また、問題がある場合に、どのように対処するのか所見をお尋ねします。

 さらに今回の事件のように、原発が反社会的勢力の資金源にもつながっている疑念があるとしたら重大です。警察の取り調べに関係者は、このようなことは日常茶飯事だと供述していると報道されました。このような違反事犯に対する取り締まりを初めとする抑止策をどのように展開するのか、県警本部長の答弁を求めます。



 二つ目に、原発政策の大転換期の中での雇用確保の問題です。

 以前の質問でも指摘しましたように、原発立地自治体の電力などに偏った雇用構造からの脱却を、県も市町も真剣に考えなくてはならない時期が到来いたしました。しかし、当面どうするかと。

 県議会厚生常任委員会では、浜岡原発と静岡県庁を視察しましたが、原発がすべて停止していても、雇用の悪化はないという回答に意外な気持ちがいたしました。その要因は、浜岡原発1号機・2号機の廃炉工事、そして福島原発事故を受けた対策工事としての土木事業などでありました。

 そこで40年を超える老朽化原発は、運転再開が認められない状況があるわけですから、敦賀1号機、美浜1号機については、廃炉工事による雇用創出の観点からも、県として積極的に廃炉を求めていくべきであると考えますが、知事の見解をお尋ねします。



 原発問題の最後に、活断層の評価と再稼働の判断についてお尋ねします。

 私は先日、東京大学で開催された防災研究フォーラムに参加してまいりました。文部科学省地震防災研究課の北川貞之氏は地震調査研究推進本部について、陸域の主要な活断層と海域で発生する地震について長期評価を行っている。海底地形調査、津波堆積物調査、海域活断層調査、海底堆積物調査など長期評価の高度化について述べました。

 私も質問いたしまして、福井県の原発について、福島事故のようなことになれば関西地域も含めて被害は甚大となると。事業者任せではなく、国が責任をもって調査すべきではないかと質問をいたしました。北川氏は、特定のところではなくて全国的な評価をしていると。日本海プレートと津波、沿岸活断層調査などはしているとお答えになりました。

 しかし、現実的には日本海側の調査と観測体制は、太平洋側と比べると非常に不十分であります。特に、大飯原発について言えば、FO-BとFO-A断層の連動は想定しておりますが、これに加えて熊川断層との連動は考慮されておりません。

 私たちは関西電力本社を訪ねて、関西電力本社の原発土木の担当者にもお聞きしましたが、保安院もそれでいいと言ってるんだと、そういう回答でございました。この関西電力や保安院の活断層評価については、専門家の皆さんからは異議が出されております。そうなれば、基準地震動が全く変わるからであります。このような情勢を受けて1月27日に保安院は、ようやく活断層間の離隔距離が約5キロメートルを超える活断層と、その連動性を否定していたものに関し、連動の可能性について検討することを指示いたしました。福島原発事故では、津波想定の低さを専門家が指定していたにもかかわらず東電も国もその指摘を退けて、対策を講じなかった過ちを繰り返してはならないと考えます。

 そこで、この保安院の指示を受けた関西電力の調査結果が昨日出されましたが、これまでの評価は変える必要がないというものでした。けさの福井新聞には、私が12月の予算特別委員会で紹介した東京大学地震研究所の纐纈一起教授の過去最大、既往最大を考慮すべきとの講演も紹介されております。関西電力の報告について、今後、保安院がチェックを行うわけですが、関西電力の報告と今後の保安院による検証について、福井県は再稼働などに係る判断材料としてどう考えていくのかお尋ねをします。

 フォーラムでは、また、高知県の取り組みについて、高知県庁の担当者から大震災以降の補正予算と事業の取り組み、新年度の計画などについて説明がありました。驚きましたのは、南海地震と津波での浸水予測が2,757ヘクタール、13万人が被災するとの想定に立って、高知県庁内では住民の高台移転について、かんかんがくがくの議論を始めているというのです。そういう議論が県民に伝わることが、積極防災にもつながるのではないかと思いました。

 巨大地震による津波の襲来は防ぐことはできません。したがって、地域移転も含めた命がけの防災対策が議論されております。巨大地震・津波による原発の過酷事故は防ぐことができます。それは自然に謙虚に向き合い、原発から撤退することは政治の意志で決めることができるからです。改めて、その決断を知事に求めておきたいと思います。



 次に、新幹線と、これに伴う並行在来線の経営分離問題について質問します。

 北海道、九州、北陸の各新幹線計画の中で、一番費用対効果がぎりぎりなのが北陸新幹線であるということが、国土交通省の委員会資料で示されました。B/Cが1.0と、ぎりぎりなわけです。仮にトンネル工事などで事業費が増嵩したり、利用者が予想どおりでなかったらアウトになる事業なわけであります。日経新聞ですら、「すら」と言うと失礼ですが、国や自治体も応分の負担をする上、肝心の採算性がはっきりしない。需要はどの程度あるのか、営業開始から何年で黒字になるのか、それらを徹底的に詰めずに着工を認めるのでは、後々JRや国に大きな負担を強いる懸念がある。本州・四国連絡橋や関西国際空港のように綿密な収支計画抜きに着工し、赤字経営を続けた過去の教訓を忘れるべきではないと批判をしております。

 費用対効果の課題の一つが、私たちが指摘してきた現行の「サンダーバード」や「しらさぎ」の利便性が、福井駅や敦賀駅で乗りかえの必要性が生まれることによって損なわれる問題です。下手をすると、費用対効果が1倍を下回り、公共事業計画として成立しないおそれがある中で、苦肉の策として国は乗りかえ不要のフリーゲージ案を出し、現行の「サンダーバード」の利便性を確保できるとしようとしている面もあるのだと思います。

 そこで質問しますが、福井県の場合、今後人口が急激に80万人台から2015年には70万人台、2035年には60万人台にまで減少し、しかも経験のない高齢化福井となるわけです。そういう人口構成の大きな変化が、新幹線需要予測にどのように考慮されているのか、お尋ねをいたします。

 さらに重大な問題は、並行在来線のJRからの経営分離問題です。これまで福井県は、新幹線のPRには懸命でありましたが、並行在来線の第三セクター化については、ほとんど県民にはPRしてきませんでした。私が議会で質問しても、まだ認可されていないので、認可の後の話だという答弁ばかりでございました。であるならば、これから並行在来線のあり方について県民、とりわけ沿線自治体住民に説明会を開き、現行のJRからの経営分離、第三セクター化のスキームについて説明し、理解を求めるべきではありませんか。

 ところが、もう今月初めには、県と関係自治体の会議を開催して今決めてしまおうとしております。こんな県民の生活に重大な影響を及ぼす問題で、県民への説明責任を果たさない野蛮なやり方は、福井県政史上も余り例がないのではないと思います。一体どのくらい、県民や市民の税金が投入されるのか明らかにされておりません。JRの経営と比べてダイヤはどうなるのか、運賃はどうなるのか、その見通しすら利用者には示されておりません。何一つ県民には知らされていないではありませんか。こんな目隠し状態で、とにかく判こだけ押すなどというのは、ちまたの悪徳商法と変わりません。

 県議会や関係する市議会でも、JRからの経営分離のスキームについて十分な議論がされていないし、県民利用者には、全くと言っていいほど情報提供がされていない中で、知事や沿線自治体の首長が勝手に決めることは、断じて許されることではありません。きちんと県民に情報提供を行い意見を聞くとか、お得意のパブリックコメントを行って当然ではありませんか。拙速な並行在来線のJRからの経営分離決定を行わないように求めておきます。知事の責任ある答弁を求めます。



 第3に、県民の生活と暮らしに関する問題で何点か質問します。

 まず、消費税増税計画についてです。

 今、国民の支持率が3割を切り、危険水域に突入した民主党野田内閣が、社会保障と税の一体改革と称して、国民と中小企業の営業を破壊するブルドーザー増税を進めようとしております。これまで政府は、消費税を5%引き上げて10%にしたら、社会保障の充実に1%、安定に4%を使うなどと説明してきました。しかし、安定というのは、国民に戻ってくるものではありません。赤字の穴埋めなどに使われる部分です。

 では、充実とされる1%分、つまり2.7兆円は返ってくるんでしょうか。これもわかりません。仮に返ってきたとしても年金の削減、子ども手当の減額、医療と介護の自己負担増で、2.7兆円の社会保障の削減になり、それだけで消費税増税による充実部分は吹き飛んでしまいます。その上、年金の支給開始年齢が68歳から70歳というように引き上げられれば、さらに6兆円から10兆円の削減になります。野田総理はいろいろおっしゃいますが、負担がふえて給付が減るということは否定できません。充実をはるかに上回る切り捨てが行われます。かかる大増税を地方の力も合わせて、何としても食いとめなくてはならないと思います。

 そこで質問いたします。仮に10%に消費税が増税されると、福井県民や県内企業の負担増の試算はどうなるか。また、福井県庁や県内市町の事業、調達にかかる増税はどうなるか、お尋ねをいたします。



 また、社会保障の中で、先日もNHKで国保の危機が紹介されておりました。福井市などを初め県内自治体でも、新年度からの国保税や介護保険料の大幅値上げ計画がメジロ押しであります。これでは国による年金削減や増税と相まって、県民生活の底が抜けかねません。ここは福井県として緊急の財政出動も行い、県民の生活の底を支えるべきであります。県内でふえ続ける低所得者層への国保税増税と滞納の増加、保険証の取り上げ、医療機関へ受診できないという悪循環に歯どめをかける、人情味ある決断を知事に求めたいと思います。

 各自治体は一般会計からの繰り入れも行い、必死で県民の医療を支えようとしております。県としても緊急の法定外の繰り入れ助成を各自治体の国保会計に対して行い、県民の命綱を守るべきと考えますが、所見をお尋ねします。



 さて、高齢化社会の急激な進行に伴い、消防と救急の役割はますます大きくなります。資料によりますと、平成18年度と平成22年度との比較では、火災の件数は、254件から224件に減少していますが、現場到着までの所要時間は、7.3分から8.2分と時間が延びております。救急では出動件数が、2万3,456件から2万5,092件と増加傾向にあります。現場到着までの所要時間は、5.9分から7.0分へと、到着に要する時間の増加傾向が見られます。

 近年の災害多発と高齢化の進展の中で、消防、救急体制の強化は重要です。県として、現場到着に要する時間が延びていることをどう分析しているか、お尋ねをします。

 また、地元住民や消防、救急現場が望まない広域化計画、すなわち現在の九つの消防本部体制を、嶺北北部・丹南・嶺南の3本部体制とする無謀な計画を進めるのではなく、地域密着の消防救急体制こそ評価すべきではありませんか。見解をお尋ねをいたします。



 最後に、狂犬病対策について質問します。

 狂犬病予防法は、狂犬病の発生を予防し撲滅し公衆衛生の向上を目指す強力な法律であります。しかし、先日、福井県獣医師会の柴田会長にお話を伺いましたが、現状は、対策が後退していると感じざるを得ません。柴田先生からは、狂犬病では中国では1,000人、世界全体では5万人が死亡している。狂犬病予防法があるが、国としての危機感がない。国民、県民の危機意識も薄れている。自治体でも優先順位が低い。アメリカなどでは野生動物への対応や、免疫チェックなど厳格に対応されているとのお話をお聞きしました。重要な問題で、政治に盲点が生まれているのではないかとも感じました。

 実際、県内の予防注射率は、一番高いところでおおい町の90.18%、一番低いのがあわら市の53.31%、福井市は63.24%で、全県平均は67.32%です。全国の平均が73.2%ですから、全国と比べても、かなり低い状況であります。狂犬病は致死率が高い病気なだけに、強力な法律がつくられています。福井県のように注射率が低いところに、外国などから狂犬病が持ち込まれれば、防疫上、県民の命を脅かす大変な問題となりかねません。

 県として、市町や獣医師会にお任せではなく、法律に基づき危機管理意識を強め、県民の命と安全に責任を持つ体制をつくるべきだというように思います。どのように予防注射率を引き上げるのか、お尋ねをして質問を終わります。



◯議長(田中敏幸君) 知事西川君。

    〔知事西川一誠君登壇〕



◯知事(西川一誠君) 佐藤議員の一般質問にお答えをいたします。

 原子力行政についてであります。

 1次のストレステストは範囲が限られており、十分な知見が集約されていないのではないか。福島の事故を絶対繰り返さないという、そういう再稼働を判断できる状況にはないのではないかというお考えであります。

 原発の再稼働につきましては、ストレステストの結果だけで判断材料とすることは不十分であり、福島原発事故の知見を反映した暫定的な安全基準を示すよう、これまで一貫して国に求めてきているところであります。

 先日も改めて、牧野経済産業副大臣に対し申し入れました。まず、国みずからが原子力発電の意義、また、再稼働の必要性について責任を持った表明をした上で、福島原発事故の知見を反映した暫定的な安全基準を示し、これをもとに個々のプラントの安全性を厳格に確認することが大前提であることを、強く申し入れたところであります。副大臣からは、「県の要請を重く受けとめ、誠意を持ってこたえていきたい」との回答があったところであります。国としては遅滞なく、福井県の要請を実行することが重要であります。現在、枝野大臣を初め関係閣僚において、本県の要請にこたえるべく検討が進められているものと考えています。

 次に、一定程度かけて、県内各地で福井県の原発をどのように考えるのかということを、なるべく多くの県民の声に耳を傾ける取り組みを行うべきではないかとのお考えであります。

 今回の福島事故を受けまして、国及び事業者は、県内市町の議会や住民、各種団体の説明会などにおきまして、原発の安全対策や取り組み状況について説明するとともに、新聞広告、チラシなども配布し、県民理解に努めているところであります。福井県といたしましても、今回の事故に対する県の対応状況や県内の放射性物質の測定結果などについて、県の広報誌等において広く県民にお知らせをしております。

 また、県原子力環境安全管理協議会において国や事業者から説明を受け、立地及び周辺市町の代表者、商工農林水産業、労働団体などさまざまな立場の人からの意見をお聞きしております。また、県の原子力安全専門委員会などを通し、専門的ないろいろな知見を申し述べ、こうしたことについて県民の理解を深めてもいるわけであります。今後、県の原子力行政に当たりましては、こうした場を活用するとともに、県民の代表である県議会での議論、地元市町の意見を十分お聞きし、安全・安心の確保を最優先に取り組んでまいりたいと考えます。

 次に、40年を超える老朽化原発は、運転再開が認められないのではないか。敦賀1号機、美浜1号機については廃炉工事による雇用創出の観点からも、廃炉を求めるべきではないかというお考えであります。

 国は、本年1月、原子力発電所の運転期間を40年とし、基準に適合した場合には、20年を超えない期間で、1回限り延長の許可をすることができるとする法案を、閣議決定をしている状況に今あります。しかし、国は、この40年という期間の科学的な根拠や、運転延長を認める明確な基準を示しておらないわけであります。高経年化に係る現行制度との整合性や違いも明らかではありません。県としては、こうした課題に対する国の検討状況を十分見きわめてまいりたいと考えます。

 その他については、関係部長から御答弁します。



◯議長(田中敏幸君) 総務部長林君。

    〔総務部長林雅則君登壇〕



◯総務部長(林 雅則君) 県民の安全と暮らしを支える問題のうち、消費税増税された場合の県内の負担増試算はどうなのかというお尋ねでございます。

 仮に消費税率を10%に、現行から5%引き上げる場合についてでございますが、まず、国全体の消費税額は、現在約12.6兆円でございますので、この消費税の対象となります物品、あるいはサービスの購入量につきまして、全国に対する本県の占める割合を見ますと、これが大体0.6%でございますから、こういったことから試算をしますと、県民、また県内の企業が負担増となります金額は、約800億円と計算されます。

 また、県、市町におけます調達等に伴います増額につきましては、平成22年度の決算額で消耗品の購入、あるいは道路の補修、学校の耐震工事等消費税の対象になる費用を見ますと、そこから試算をいたしますと、県で見ますと約45億円、それから県内の17市町合わせますと、約50億円が増加するものと見込まれます。

 なお、県と市町の財源となります地方消費税としまして、現行では1%相当の約160億円が、また、引き上げられた場合につきましては1.2%相当の約200億円が、それぞれ配分される予定となっております。



◯議長(田中敏幸君) 総合政策部長東村君。

    〔総合政策部長東村健治君登壇〕



◯総合政策部長(東村健治君) 私のほうからは、新幹線に関する御質問2点にお答えいたします。

 まず、1点目は、人口構成の大きな変化が新幹線の需要予測にどのように考慮されているのか伺うという御質問でございます。

 今回発表されております費用対効果につきましては、金沢開業後の敦賀までの延伸を算定したものでございまして、B/Cの計算上、区間が短くなると低くなる傾向も考えられております。また、東海道新幹線の代替機能であるとか冬季の定時運行の確保などは、費用対効果に盛り込まれておりません。加えて、本県が主張してまいりました国土構造の複軸化の核となる路線として、大きな意義があると考えております。

 今回の需要予測では、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の都道府県別将来推計人口」を用いまして、2050年までの人口減少を考慮した上で、新幹線の需要予測を算出しております。このことは、国土交通省から公表された資料にも記載されておりますし、確認もしているところでございます。

 2点目は、並行在来線のJRからの経営分離問題につきまして、県民への情報提供等についての御質問でございます。

 並行在来線につきましては、国の方針に従いJRから経営分離されるものでございまして、経営分離についての沿線自治体の同意は、新幹線着工に当たっての基本的条件となっております。富山県、石川県、両県におきましても、経営分離に同意してまいったところでございます。

 新幹線は、本県の将来の発展に必要不可欠なものであり、仮に金沢どまりとなったことを考えると、北陸の中で本県だけが大きく取り残されることになります。並行在来線は、県民の日常生活に欠かせない重要な社会基盤であり、経営分離後も存続を図ってまいります。

 並行在来線の経営分離に当たりましては、これまでもさまざまなパンフレットやホームページなど各種広報媒体や職員による出前講座──これは平成19年から実施しておりますが、本年度も27回実施しております等を通じまして、幅広く県民に対して理解を求めてきております。

 引き続き、県民に十分説明しながら進めていきたいと考えておりまして、悪徳商法呼ばわりされることはございません。



◯議長(田中敏幸君) 安全環境部長石塚君。

    〔安全環境部長石塚博英君登壇〕



◯安全環境部長(石塚博英君) 私のほうからは3点お答えをいたします。

 まず最初に、原子力行政につきまして、活断層の連動性に関するお尋ねでございます。

 原子力安全・保安院は、現在、平成18年9月に改訂されました耐震設計審査指針に基づきます発電所の耐震安全性のバックチェックを実施しているところでございます。

 今回の地震に関します知見を反映するために、御指摘がございましたが、本年1月27日、各電力事業者に対し、活断層の連動性の検討を指示したところでございます。この指示を受けまして関西電力は、昨日、発電所周辺におけます、これまで実施しておりますボーリング調査や、海上音波探査の調査結果などから、新たに連動を考慮する活断層はないとの評価結果を保安院に報告をしたところでございます。保安院はこの評価結果につきまして、「地震・津波に関する意見聴取会」におきまして厳正に確認していくとしておりまして、県としましては、その審議状況を注視してまいりたいというふうに考えております。

 次に、消防車や救急車の現場到着に要する時間が延びているのではないか、これをどう分析しているのかというお尋ねでございます。

 消防車両の現場到着時間でございますけれども、これは火災の件数が救急に比べまして少ないために、火災現場までの距離でありますとか、発災時の道路の混雑状況など事案ごとの事情に左右されやすい状況にございます。

 現場到着の平均時間が県内で比較的長い消防本部の状況を見ますと、特に、遠方での火災でありますとか、高速道路上での複数件の車両火災などといった幾つかの特殊な事案がございますと、それが平均の値を押し上げているという状況にあるわけでございます。

 一方、救急車でございますけれども、救急車の現場到着時間につきましては、これは同時出動の増加といいますか、最近、主に高齢者人口の増加に伴いまして救急の需要が増加いたしておりまして、同時に出動するケースがふえておりますことから、全国的には延びる傾向が見られるわけでございますけれども、本県では年によりまして、ばらつきがあるという状況であると考えております。

 なお、本県におけます救急車の現場到着時間は、平成22年では全国平均に比べまして1分6秒早く、全国3位の水準にあるところでございます。

 次に、3点目でございますが、現在の9消防本部体制を3本部体制にする計画につきまして、地域に密着の消防救急体制を強化すべきではないかというお尋ねでございます。

 県では消防の広域化につきまして、市町や消防機関の代表などが参加いたしました計画策定委員会を設置いたしまして、平成20年3月に「福井県消防広域化推進計画」を策定したところでございます。この計画に基づきまして、各消防本部及び構成市町では、組織体制、消防や救急部隊の編成・運用方針、指令システムのあり方など、広域化に向けた検討を行っているところでございます。

 県といたしましては、消防の広域化を進めることにより、財政規模の拡大に伴います資機材の充実、それでありますとか、消防・救急隊員の現場への増強など、住民サービスの向上につながりますよう市町を指導していきたいと、このように考えております。



◯議長(田中敏幸君) 健康福祉部長小林君。

    〔健康福祉部長小林正明君登壇〕



◯健康福祉部長(小林正明君) 私のほうから県民の安全と暮らしに関する問題について、2点お答えをさせていただきます。

 県として市町村国保会計に、緊急の法定外の繰り入れ助成を行うべきではないかというお尋ねでございます。

 国民健康保険事業特別会計の平成22年度の決算でございますが、県全体で市町は約19億円を法定の繰り入れを行っております。そのほか赤字の市町、11の市町で約9億円の法定外繰り入れを行っておりまして、合計で市町全体で約28億円の負担をしているということでございます。

 一方、県は国保の調整交付金、あるいは保険料軽減制度などによりまして約44億円、市町より多く負担しております。そして平成24年度には給付費等の増加にあわせまして、51億円の予算を計上しているところでございます。県が国民健康保険会計を法定外で繰り入れを行うということは、制度のあり方にもかかわることでございまして、全国でその事例はございません。

 なお、診療設備、あるいは特定健診など個別の事業に対して補助ということは、本県を含めまして数県行っている現状でございます。

 なお、国では、全国的に保険料が上昇している現状もありまして、「社会保障・税一体改革大綱」の中で、税制抜本改革時に低所得者に対する保険料の軽減の拡充等を行うことを盛り込んでいる状況でございます。

 次に、狂犬病対策について、県として責任を持つ体制をつくるべきではないか。そして予防注射率を、どう引き上げるのかというお尋ねでございます。

 狂犬病予防法では、犬の登録と予防注射の実施、さらに飼い主に対します予防注射の制度の普及啓発につきましては市町の業務とされておりまして、県は、狂犬病が発生したときの措置について対応するということが定められております。

 狂犬病は、国内の発生を見ますと、昭和32年に発生して以来、発生しておりません。ただ、平成18年に、海外旅行中に犬にかまれて帰国された方が、その後発症したという事例がございました。このため県では、それまで保健所単位で実施しておりました、市町、獣医師会との協議会に加えまして、平成19年度から県全体の会議を毎年開催することといたしまして、危機管理体制の強化を図っているとこでございます。この全体会議では、狂犬病発生時の図上訓練を行いますとともに、狂犬病予防の根幹でございます注射率の向上に効果的な対策について、情報交換を行っているとこでございます。

 さらに、県独自といたしましても注射率を向上させるために、飼い主講習会での周知に加えましてペットショップ、これはペットを買われるときに予防注射をしていただくということでございますが、あるいは動物病院に対しまして、予防注射制度の普及を重点的に働きかけているところでございます。



◯議長(田中敏幸君) 産業労働部長蓮井君。

    〔産業労働部長蓮井智哉君登壇〕



◯産業労働部長(蓮井智哉君) 原子力発電所で働く労働者の方々の雇用、勤務の実態、問題がある場合の対処についての御質問でございます。

 原子力発電所の保守点検や工事などは、電力事業者と請負会社などとの間の契約に基づくものでございまして、そこで働く労働者には、労働基準法、労働安全衛生法、職業安定法などが適用され、問題がある場合には調査など、当該法令の権限を持つ福井労働局が、責任を持って対応すべきものと考えております。

 福井労働局からは、原子力発電所で労働安全が確保されているかを確認するため、立入調査を行い、事業者に対する指導を行っていると聞いております。また、県では、美浜原発3号機の事故を受けまして、安全協定に発電所従事者の安全確保を盛り込み、事業者の安全対策の実施状況を確認しているところでございます。

 なお、労働安全に関する不適切な事例を把握した場合には、福井労働局へ連絡して、法令に基づく対処を要請することとしております。



◯議長(田中敏幸君) 警察本部長尾崎君。

    〔警察本部長尾崎徹君登壇〕



◯警察本部長(尾崎 徹君) 原発工事をめぐる暴力団関係企業等の取り締まりを初めとする抑止策についてお答えいたします。

 暴力団は、資金獲得を図るために、さまざまな経済取引に介入している現状にあることから、県警察では、資金源封圧のための取り締まりと、福井県暴力団排除条例に基づく公益事業等からの暴力団排除を推し進めているところでございます。

 こうした中、先般、原発工事をめぐる暴力団関係企業等による、職業安定法違反事件を検挙したところでありますが、今後とも暴力団の介入実態の把握に努め、この種事案については法と証拠に基づき、厳しく取り締まっていく考えでございます。

 また、今回の事件を受け、先般、福井県公益事業暴力団排除条例推進連絡会を緊急に開催し、原発事業者等に対して、事業に参入する請負業者にあっても暴力団排除条項の導入や、条例上の暴力団確認義務の履行を強く要請したところであり、暴力団との関係遮断について、今後も指導を徹底してまいる所存でございます。

大飯原発再稼動問題を審議する福井県議会は14日10時から。しかし、県民傍聴は認めず・・・・

2012年06月12日 | Weblog
     昨日は、定例議会前の予算案や議案の事前説明、大飯原発再稼動問題での福井県原子力安全専門委員会報告書の説明、九頭竜川改修同盟の会議、県議会各派代表者会議などでした。


     ニュースでも流れていますが、西川知事は大飯原発を視察し「安全対策がおこなわれている」と記者会見しました。
福井県議会では午後5時すぎから各派代表者会議が開かれました。

各派代表者会議では、大飯原発再稼動を議論する全員協議会は14日午前10時から、県庁3階の全員協議会室で開催されることになりました。

現行の規則が適用され、県民のみなさんの傍聴は認められません。

     私は、「20日から定例議会なのでそこで慎重審議をつくすべき」「全員協議会でやるにしても本会議場をつかい、県民傍聴も認めるべき」と提案しましたが、自民党などの反対で実現しませんでした。
私がこのような主張をおこなったのは、

・県原子力安全専門委員会の報告書について、県は県民説明会などの開催をおこなわない。したがって、県民傍聴者を前にした定例議会で知事がみずから再稼動についての見解を提案理由説明で述べること、また、代表質問、一般質問に知事みずからが答弁することが、事実上の「県民むけの説明」となりうること。

・国や県は意見聴取会や専門委員会などを繰り返し開催し、大飯再稼動問題を「深めてきた」。しかし、県議会は、保安院・関電の説明についての全員協議会はあったものの、議会議論としては、まさにこれから。

    ・・・・・ということがあるからです。
自民党役員からは、「知事が表明したとしても6月議会でも議論はできるではないか」「正規の議会ではないにしても、会派で深めてきている」などの発言がありました・・・・・・。



    しかも、大飯原発再稼動を議論する全員協議会は、わずか100分。1人会派に割り振られた質疑時間は答弁ふくめ10分だけ。これで日本中が注目する課題の議論はつくせない、せめて予算特別委員会なみの時間配分を、と私や野田議員は主張しましたが、自民党が反対しました。


     ただ、全員協議会ではこれまでインターネット中継や議事録作成はおこなわれていませんでしたが、私や細川議員が主張し、今回は、インターネット中継や録画、議事録は公開されることになりました。わずかの改善です。
また、石橋議員が「県庁ロビーに中継したら」と提案しましたが、「警備上できない」と拒否されました。


     こういう情勢で原発再稼動了解が切迫していますが、わたしは最後まで再稼動の問題点を議会内外で追及してがんばります。
    
      今日も、明日も、原発問題住民運動福井県連絡会は福井県庁前で再稼動許さない宣伝行動をおこないます。
午前9時~午後5時までです。5月5日からつづく原発稼動ゼロを中断させない!ぜひ、「福島を忘れない」思いと行動で、30分でも1時間でもご参加ください。

       がんばりましょう!

福島の早川さんの訴え。原発再稼動、マスコミはスケジュール報道でなく、議会の審議内容こそ問うべき

2012年06月12日 | Weblog
     昨日は、かねもと幸枝衆院1区候補らとの街頭演説、支持者のお葬式、原発問題住民運動福井県連絡会の市民行進、県庁前の宣伝行動、新日本婦人の会が企画した福島原発事故の報告会、打ち合わせなどでした。

     議会事務局から、「各派代表者会議開催」の連絡も入り、マスコミなどで既定路線のように報道されている「大飯原発再稼動、今週中の知事了解」がすすみます。
私は、もう20日から6月議会がはじまるのだから、そこで県民傍聴のもと、しっかり議論を、と提案しています。

    しかし、これだけ県議会の審議を重視しないかのようなマスコミ報道がつづき、今週中の知事同意、が繰り返し報道されると、カチンときます。
普段マスコミは、「議会のあり方」「議会は県民に開かれたものに」「議会審議の重要性」「行政のチェック機関」などなど議会に関してはいろいろ書きます。


    今回、国民県民の最大の関心事のひとつである大飯原発再稼動問題で、県の専門委員会の報告書がようやくまとまり議会で徹底議論されるべし、という時に、マスコミのなかから「わずか数時間の、県民傍聴も認めない議会審議」に苦言の一言もでてこないのはどうしたことでしょうか。

    テレビも新聞も「今週中に知事判断」と煽れば煽るほど、福井県議会の審議は通過儀礼と化し、その存在理由は低下し、マスコミの監視力も低下していることに気づくべきではないでしょうか。

その根底には、福島原発事故の「風化」がはじまっているとみざるをえません。
そこで問いたい。

1、福島原発事故は収束したのか?

2、福島原発事故の原因は解明されたのか?

3、福島事故原因にもとづき、大飯原発の安全性は万全か?

4、福島事故のような事故が大飯原発で起こった際、福井県民の防災は万全か?

たとえば、この4つの問いにマスコミのみなさんはどう答えるでしょうか。

わたしはすべてNO です。

     昨日お話しをお聞きした福島の早川千枝子さんは、楢葉町からいわき市への避難生活をつづけています。「福島の現状を知っていただき、福井のみなさんが大飯原発の再稼動を止めていただければ」と涙ながらに現地のつづく苦悩を語られていました。

「避難を余儀なくされている人は17万人。避難生活でうつになり、一時帰宅で自殺する人もでています。最近はテレビで被災地復興の姿が放映されますが、家にも地域にも帰ることができないおなじくらいの人たちがいることを忘れないでほしい」

「原発事故の代償は大きく、悲しみは深すぎます。わたしたちが原発を受け入れた代償です。私たち以外の地域の方に、この思いはさせたくはありません。『ふるさと』の歌を私は歌えない」


     福井県と福井県議会がこのような国民の生木を裂かれた苦しみをわすれたかのように、原発再稼動へすすめば、原発がおくる電気で喜ぶ国民もいるかもしれないが、はるかに多くの悲しむ国民がいることでしょう。

     マスコミこそ、再稼動のスケジュールを煽り立てる報道を競うのではなく、原発再稼動問題の本質こそ報道すべきでしょう。

その視点にたてば、「県民傍聴を認めない数時間の県議会審議」のもつ意味もみえてくるのではないでしょうか。





民主党への審判。鈴木県議・中村市議の結婚パーティ。安全専門委員会が報告書。今日、市民行進。

2012年06月11日 | Weblog
       昨日は福井県医療生協の総代会、福井県原子力安全専門委員会、鈴木県議と中村市議の結婚パーティでした。

       医療生協総代会では、発言から医療改悪のなかでの経営の課題と組合員の要望との「葛藤」がうかがえました。かねもと衆院1区候補があいさつしましたが、草の根での取り組みが大きな力です。医療現場では消費税は患者さんに転嫁できないので、消費税が倍となれば医療機関の経営にも大きな打撃となり、結果的に地域医療崩壊がすすみかねません。

いまの民主党の「一体改革」はほんとに「一体改悪」です。その審判は、昨日の沖縄県議選でもしめされました。


     鈴木県議と中村市議の結婚パーティにはたくさんの県議、市議はじめ、各界の方々がお祝いに。
鈴木県議は「つぎの県議選にはでない」とあいさつのなかで明言し、事実上の衆院選への出馬表明か?と話題に。中村市議と同僚議員の鈴木市議は仲間とともにステージにあがり、新郎新婦に熱く迫っていました。

お二人は選挙地盤が違うため、「当面は週末婚」とか言ってましたが、あまり無理せずに自然体で家庭をきずいていっていただきたいものです。おめでとうございます。

    県議の間では、当面の原発再稼動問題が話題に。いよいよ、今週があつくなりそうです。


    昨日は、福井県原子力安全専門委員会も開催されました。
    わたしも最初の30分ぐらいを傍聴しようと、細川県議、山本正雄県議とともに関係者席に。ところが、一般傍聴が50席だったため、10数名の希望者が入れなかったことや報告をまとめようとしていることなどに一部の方々が委員席につめより、大声で抗議。県の部長や課長の制止も聞かなかったために、会議そのものが別室で開かれ、県内から傍聴にきていた多数のみなさんも「排除」されることになってしまいました。

    これは大変残念なことです。きちんと、委員会の発言を「監視」し、審議内容の問題点をこそ全県民にむけて発信する市民団体のみなさんの活動ができなくなってしまったからです。なんのために傍聴を希望されたのでしょうか。

これまで、全体として多数の傍聴者が整然と傍聴され、その内容を批判的に分析し、それぞれのみなさんが発信し、再稼動反対の運動発展に貢献してきたとおもっているだけに残念でした。

     なお、現場では、福井大学の佐分利教授から「なんとかなりませんか」と要望もいただき、その場で県側にも「別室でのモニター傍聴などもできないか」とお願いしましたが、「無理」との返答でした。県側も、今後は希望者が定席を超えた場合は、モニター傍聴室をつくるなど工夫していただきたいと思います。



      さて、今日からひきつづき午前9時~午後5時まで県庁前で再稼動反対の宣伝行動を原発問題住民運動連絡会がおこないます。また、今日は、午後1時半から市民行進です。光陽3丁目の生協クリニックを出発し、県庁横の中央公園までを歩きます。ぜひ、ご参加ください。

17日には福井市中央公園での集会も12時半から開催されます。


      県議会ではまだ、会派代表者会議や全員協議会の日程は決まっていませんが、報道されているように「今週中の決着」をめざすとすると、13日か14日には全員協議会が開催されることになります。
わたしは、ひきつづき20日からの定例議会で慎重審議を、と訴えます。もし、全員協議会開催なら傍聴を認めることやネット中継などは最低限必要でしょう。

ひきつづき頑張ります。応援お願いします!

以下、報道。


■NHK・・・・・大飯原発 専門委報告書案を了承

関西電力大飯原子力発電所の運転再開を巡り、福井県が設置した原子力の専門家などが参加した委員会が開かれ、「安全は確保できている」とする報告書の案が、おおむね了承されました。
報告書は11日にも西川知事に提出され、西川知事は原発を視察をしたうえで、今週中にも運転再開を判断するものとみられます。

福井県おおい町にある大飯原発の3号機と4号機の運転再開を巡り、福井県は、原子力や耐震工学の専門家などが参加した、県原子力安全専門委員会で、政府が確認したとする安全性を独自に検証しています。
10日の委員会は、開始前から運転再開に反対する市民グループが警察官らともみ合いになり、すべての委員が別室に移動し、傍聴人を入れない状態で、予定よりおよそ1時間遅れで始まりました。

委員会で示された報告書の案では、政府が決めた新たな安全基準について、「現時点で知りうるかぎりの知見を反映している」と評価したうえで、大飯原発の安全性について、「福島第一原発の事故を教訓に想定される地震や津波が襲っても、原子炉の安全を確保するための対策はできている」と結論づけています。
このほか、国や関西電力への要望として、国の新たな規制機関の早期発足や、万が一の事故への備えを十分に確保することなどを挙げています。
委員会は午後7時50分ごろ、報告書の案がおおむね了承されました。
報告書は11日にも西川知事に提出され、西川知事は原発を視察をしたうえで、今週中にも運転再開を判断するものとみられます。・・・

大飯原発再稼動へ、本日福井県原子力専門委。傍聴希望者は2時15分、県庁へ。明日も県庁前宣伝、市民行進

2012年06月10日 | Weblog
■毎日・・・・大飯原発:野田首相再稼働会見 立地町長ら歓迎の声 住民ら、安全面に不安訴えも /福井   


 原発立地自治体でつくる「全国原子力発電所所在市町村協議会」(全原協)の河瀬一治会長(敦賀市長)は「首相自ら、我が国にとって原子力発電が重要な電源であることを認め、国民生活を守るために再稼働への理解を求めたことは、社会経済、エネルギー安保などへの影響を踏まえた現実的な判断であると感じている」などとコメントした。

 ◆県議

 自民党県政会の石川与三吉県議は「首相の対応は遅すぎた。議会としては、今後、早急に全員協議会を開き、再稼働に向けた判断をしなければならない」と話す。一方、共産党の佐藤正雄県議は、今後の議会の対応に関して「再稼働問題については非公開で議事録も残らない全員協議会ではなく、県民にも公開された定例会の場で審議を尽くすべきだ」と話した。・・・・・・・・



    野田総理会見をうけて、わざわざ日曜日の今日に、県原子力安全専門委員会を開催し、再稼動へすすむ福井県庁。
県議会は本来、「チェック、監視」機関という役割をもっているが、県庁と車の両輪で再稼動へ突き進む動きもあります。

   何度も言いますが、野田総理の言葉でも「国論二分」という大問題。20日からはじまる正式な定例県議会できちんと議論をおこなうべきです。

   県民の傍聴も認めない、議事録も残されない、「全員協議会」の数時間の議論で、ベルトコンベアーのように「再稼動ボール」を流すことは許されません。


 さて、原発立地の新潟県の泉田知事は8日、「福島原発事故はまだ収束しておらず、専門家でもない総理が安全性を確認できるはずがない」などとするコメントを発表した。新たな安全規制機関がまだ設置されていない実情を指摘したうえで、「国民生活を人質にして、安全を軽視した宣言となっていることは極めて遺憾」と批判した(読売)。

これが、国民からみても率直な実感ではないでしょうか。



              ★



    今日の福井県原子力安全専門委員会は午後3時半から福井県庁で開催されます。傍聴を希望される方は2時15分から受付です。

私は、中川委員長に委員会運営の改善と、委員会として県民に説明する機会をつくるように申し入れていましたが、ゼロ回答でした。

以前も書きましたが・・・・

「●「もんじゅ」を審議した委員会ではおこなわれた傍聴者からの質問を受け付けることはしない、●国の委員会ではおこなわれている原発に批判的な専門家の意見を聴くこともしない、●委員会として県民に説明する機会ももうけない、ということになります。
これでは科学者としての社会的責任・説明責任をどう果たすのか、が厳しく問われます。
 ましてや、原発関連企業からの資金提供をうけている委員がそのまま審議に加わり、議員や県民の質問にも答えず、「再稼働OK」を仮にだすようでは、委員会そのものの「正当性」も問われるでしょう。」


     あらためて、国の原子力安全委員会ですら「大飯原発3,4号機は安全とはいえない」とし、結果的に野田総理らの「政治判断」で再稼動がすすめられている経過があります。

つまり、国の「第三者」専門家集団ですらゴーサイン出せていない大飯原発3,4号機の安全性の問題で、福井県が設置した専門家集団がゴーサインをだすとなれば、全国的に責任を負う立場になるわけです。


    あらためて、「かつてのもんじゅ問題の委員会のように傍聴者からの質問を受け付けること」「委員以外の専門家を招き、多角的な検討を慎重におこなうこと」「最終報告をまとめる前に、県民説明会を開催し、科学者としての社会的責任を果たすこと」を求めたいと思います。

また、県議会が判断をおこなううえでも、県議会への説明などは当然おこなわれるべきでしょう。


情勢は緊迫しています。チカラをあわせてがんばりましょう!
■明日は、再稼動許さない市民行進です。

    明日11日午後1時半、福井市光陽3丁目 光陽生協クリニック前集合  福井県庁横の公園まで市民行進します

■明日も明後日も、県庁前では宣伝行動がつづけられます。午前9時から午後5時。ぜひご参加ください。


野田総理会見は新しい内容はなく、説得力なし!福井県議会は県民公開の場で堂々と議論を。

2012年06月09日 | Weblog
    昨日は、野田総理の記者会見が予定され大飯原発再稼働へ動きがおおきくすすみかねない、というので福井県庁前の宣伝行動に参加し、繰り返し、「無謀な再稼働やめよ」「福島は終わっていない」「大飯原発の安全対策などは不十分」などと訴えました。
兵庫県からも参加されてました。

    原発問題住民運動連絡会は、ひきつづき11日以降も午前9時から17時まで、「大飯原発再稼働反対」宣伝を県庁前でおこないます。
ぜひ、ご支援・ご参加をお願いします。


   明日には県の原子力安全専門委員会が開催され、その結論をうけて県議会の議論となります。

   繰り返すようですが、20日から定例県議会がはじまります。その直前に、数時間程度の、しかも県民の傍聴を排除した、ネット中継もない、記録も公開されない「全員協議会」の場で審議を終えることは、県民の付託をうけて県政に取り組んでいる県議会の審議としては問題があります。

   せいぜい全員協議会は、専門委員会の結論についての質疑応答などにとどめるべきでしょう。
20日からの県議会で知事の所信を聞き、しっかり議論する代表質問や一般質問などで議論を尽くすべきです。当然、議場では100名程度の県民が傍聴できますし、ネット中継もされ、議事録も残され、日本中の注目を集める県議会として、きちんとした対応ができることになります。


    野田総理も言うように「国論を二分している」問題の審議をおこなうわけですから、県民、国民の前で堂々と議論を尽くすべきでしょう。


            ★


    野田総理の記者会見は、西川知事の押しで開催されたものですが、内容的にはなんら新しいものはありません。つまり、国民を「説得する」新材料はなかったわけです。


    しかも、福島事故のことにふれながら、「人々の日常の生活守ることを放棄できない」などと大言壮語。しかし、16万人もの福島県民が日常の生活を長期に、半永久的にうばったものが原発事故です。日本でも過去には常に停電がありました。世界では今日でもアメリカでも途上国でも常に停電があります。しかし、福島原発事故のような残酷な生活の奪われ方はかつての停電が頻発した日本でも、今日の世界でもないでしょう。

     関電の説明でも対策は6割しか完了していないのです。「事故防止できる」と総理は断言しましたが、安全委員会の班目委員長はそのような内容を否定しています。

「安価で安定した電力」と総理は強調しますが、日本の電気料金は世界でも安くはないですし、いっぽうでは消費税を倍の10パーセントにするというのですから、電気料金もふくめて国民生活、中小企業経営は大打撃です。政策の整合性がないのです。

     国民は政治家の「安売りの」言葉にはだまされないでしょう。

むしろ、西川知事のおかげで、野田政権の底の浅さがわかった、と言えます。

以下、報道です。


■NHK・・・野田首相“大飯原発再起動すべき”

野田総理大臣は記者会見し、関西電力大飯原子力発電所について、「国民の生活を守るために大飯発電所を再起動すべきというのが私の判断だ」と述べたうえで、速やかな運転再開に向けて福井県やおおい町の理解を求めました。

関西電力大飯原子力発電所を巡って、福井県の西川知事は、先に細野原発事故担当大臣に対し、「総理大臣が国民に直接訴えることが国民の安心につながる」と述べ、野田総理大臣が運転再開の必要性を直接、国民に訴えるよう求めました。

これを受けて野田総理大臣は8日夜、記者会見しました。

この中で野田総理大臣は、「夏場の電力需要のピークが近づき、結論を出さなければいけない時期が迫りつつある。国民生活を守ることが、国論を二分している問題に対してよって立つ、唯一絶対の判断の基軸であり、国として果たさなければならない最大の責務と信じている」と述べました。

そして、野田総理大臣は、「次代を担う子どもたちのためにも、福島のような事故は決して起こさない。福島を襲った地震や津波が起こっても、事故を防止できる対策や体制は整っており、これまでの知見を最大限生かして、もし万が一、すべての電源が失われるような事態になっても炉心損傷に至らないことが確認されている」と述べ、安全性を強調しました。

一方で、野田総理大臣は、「原子力発電を今、止めてしまっては、また、止めたままでは、日本の社会は立ち行かない。関西での15%の需給ギャップは、去年の東日本大震災でも経験し、厳しいハードルだ。突発的な停電が起きれば、命の危険にさらされたり、仕事が成り立たなくなる人、また、働く場がなくなる人も出てくる」と述べ、運転再開の必要性を訴えました。

そして野田総理大臣は、「電力需給だけの問題ではない。化石燃料の依存を増やし価格が高騰すれば、ギリギリの経営を行っている小売店や中小企業や家庭にも影響する。空洞化を加速し、雇用の場が失われる。夏場限定の再稼働では国民の生活は守れない」と述べました。

そのうえで野田総理大臣は、「関西を支えてきたのが福井県であり、おおい町だ。40年以上にわたり原子力発電に向き合い、電力消費地に電力供給を続けてきたことに敬意と感謝の念を新たにしなければならない」と述べました。

そして野田総理大臣は、「国民の生活を守るために大飯発電所を再起動すべきというのが私の判断だ。そのうえで立地自治体の理解を改めてお願いしたい。理解いただいたところで再起動のプロセスを進めたい」と述べ、速やかな運転再開に向けて、福井県とおおい町に理解を求めました。

野田総理大臣の記者会見などを受けて、西川知事は、来週にも運転再開について判断するものとみられます。



□“運転再開”への手続きは

野田総理大臣の会見を受け、関西電力大飯原子力発電所の運転再開に向けて、今後は福井県側での手続きが進みます。

まず、原発の安全性を独自に検証している福井県の専門家の委員会が10日にも開かれ、最終的な議論を行います。

委員会の検証結果がまとまれば、大飯原発の立地するおおい町の時岡忍町長が、町としての判断を決めるほか、福井県の県議会も各会派ごとに意見をまとめて、西川知事に伝える予定です。

そして、西川知事が運転再開に同意した場合、政府は改めて関係閣僚による会議を開き、大飯原発の運転再開を最終的に判断します。・・・・・



■福井新聞・・・西川知事「重く受け止めている」 首相会見受けコメント

福井県の西川一誠知事は8日、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働に関する野田佳彦首相の記者会見を受け「日本の原発に対する首相の強い思いを、国民に向けてしっかり語っていただいたと重く受け止めている」とのコメントを発表した。

 再稼働の是非判断に関しては「福島のような事故を絶対起こさせないとの強い決意で臨みたい」とし、県として原発の安全設備のほか▽事業者の運転責任者らが万一の事故の際に決断ができる体制▽東京電力福島第1原発事故から得られる今後の課題を早急に生かすべきこと―などを確認するとした。

 その上で、県原子力安全専門委員会の報告書やおおい町、県会の意見を聴くとともに「私自身も現地の確認と事業者への要望を提示し、県としての判断をする」とした。・・・・・

大飯原発再稼動へ、野田総理が今日記者会見。来週、県・県議会の攻防へ。安全抜き再稼動NO!の集中を

2012年06月08日 | Weblog
■NHK・・・“運転再開の必要性” 首相会見へ

    野田総理大臣は、8日夕方、記者会見して、関西電力大飯原子力発電所の運転再開の必要性を直接、国民に訴えることになりました。
福井県の西川知事の求めを受けたもので、西川知事は、これによって政府に求めていた条件はすべて満たされるとして、来週にも運転再開に同意するとみられます。

福井県の西川知事は今月4日、細野原発事故担当大臣らと会談した際、「総理が国民にしっかり訴えることが国民の安心につながる」と述べ、運転再開への同意の条件として、野田総理大臣が直接、国民に向かって運転再開の必要性を訴えることを求めました。
これを受け、政府は福井県と調整した結果、野田総理大臣が8日夕方に記者会見を開くことを決めました。
野田総理大臣は、記者会見で、大飯原発の安全性が確保されていることを強調したうえで、日本経済の安定と発展のために原発は重要な電源であり、運転再開が必要だと訴えるとみられます。

これにより、福井県の西川知事が政府に求めていた条件はすべて満たされることになり、西川知事は、来週にも運転再開に同意するとみられます。・・・・・・・・


    実は昨日も県庁・県議会内でいろいろ情報をきくと、知事をふくめた会議が断続的につづけられていました。
そこで私は、夕方、田中県議会議長や、岩永原子力安全対策課長に、「もう来週には6月議会議案説明会が開催される。来週に、ばたばたと全員協議会を開催して再稼動問題を議論するのではなく、20日開会の定例議会で、この間の経過や安全専門委員会の審議内容もふくめて議論すべき」と要望をしておきました。

    そしたら、今朝のNHKニュースです。


    はっきり言って、前回の議会後、関電、保安院の説明をきく全員協議会が開催されただけです。
議会として、この間の原子力安全専門委員会の審議内容や、知事と国との交渉経過・関西圏の動向などを報告をうけて、しっかりと議論をしなくてはなりません。

    議会が、たんなる「手続き上の立ち寄り先」みたいに数時間のやりとりだけで、あとは知事におまかせ、では県民からみても、議会の存在意義がとわれることになります。

    昨日も、奈良県や京都のみなさんが県庁に緊急要望にこられ、県庁前での宣伝行動にも参加されました。

    福井県内外から、「安全対策も完了していない」「事故時の対策もつくられていない」・・・つまり福島原発事故をうけた対策が不十分ななかでの再稼動なんてありえない!  の世論と行動を福井県、福井県議会に届けましょう!

    私も無謀な再稼動を、議会の慎重審議なしに決めることは許さない立場でがんばります。がんばりましょう!

福井・近畿の共産党が「大飯原発再稼動認めるな」と福井県に申し入れ。交流会も開催しました。

2012年06月07日 | Weblog
     昨日は、日本共産党の、福井県委員会と嶺南地区委員会、近畿ブロックの滋賀県委員会と京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山5府県議会議員団で大飯原発3、4号機の再稼働を認めないよう福井県に申し入れました。21名が参加し、岩永原子力安全対策課長が応対しました。申し入れの後、短時間でしたが、「交流会」も開催し、各府県の状況や取り組みを情報交換しました。
   その後、生活困難やサラ金などの生活相談の対応がつづきました。
 
    今日も、明日も、福井県庁前では「大飯原発再稼動反対」行動が続きます。午前9時から午後5時まで。ぜひ、お立ち寄りください。


           ★


    昨日の申し入れでは、私や、かねもと幸枝衆院福井1区候補、山本まさひこ同3区候補、清水ただし、堀内照文両衆院近畿比例候補が参加。党側は、東京電力・福島原発事故の原因究明や安全対策、防災対策、規制行政などが不十分な現状を指摘。「(事故が起きれば)福井はもとより近畿一円に大きな影響を与えることは明らかだ」(光永敦彦・京都府議団幹事長)、「福井県民の多くがまだまだ不安をもっている」(かねもと氏)などと訴えました。

    また、再稼働の安全性について、県原子力安全専門委員会が報告書案をまとめた段階で県民説明会を開くことや、原子力規制庁の発足前の再稼働に対する暫定的な「特別監視体制」を同委員会で吟味することなどを求めました。応対した岩永幹夫原子力安全対策課長は「県原子力安全専門委員会のレポート、報告書としてまとめていくが、まだまとまっていない。国から説明があった『特別な監視体制』については、専門委員会の議論にふさわしいかどうか。委員会に事務局から説明する」などと答えました。

    再稼動判断の現況については、「知事もいろいろと言っているので、今後の動きは申し上げられない。国がゆるぎない形で、総理が述べることが必要」と答えました。
    昨日も滋賀県や京都府知事が、あらためて暫定的な安全基準であり、期間限定運転を、と記者会見で述べており、政府や福井県との認識のおおきな違いのままです。

    あらためて、安全ぬきの再稼動への国民の厳しい批判世論の反映です。
    国も西川知事も拙速な判断をすべきではありません。

    また、福井県議会としてもこの間、閉会中審査などの議論はおこなわれていません。このような国民県民の厳しい声や多様な意見があるなかで、短時間の「県民の傍聴を認めない全員協議会」方式での決着では県議会の存在意義が問われます。
    定例会開会目前であり、この間の「交渉経過」もふくめて知事の考えもじっくり聞くし、専門委員会もふくめ参考人招致などもおこない、県民の前で徹底した議論をつくすべきです。

   以下、昨日の申し入れ文です。


              ★

2012年6月6日
福井県知事 西川一誠殿

                        日本共産党福井県委員会
                            委員長  南秀一
                           同書記長  金元幸枝
                           県議会議員 佐藤正雄
                        日本共産党嶺南地区委員会
                            委員長  山本雅彦
                  
原発行政についての申し入れ書

一、日々、道理のなさが明らかになっている大飯原発3・4号機の再稼働に同意しないこと。
①東日本大震災で破壊され、放射性物質を外部に拡散する重大事故を引き起こした福島原発は、原子炉内部の様子さえわからず、どこがなぜ壊れたのかさえわかりません。東電は地震には耐えたが津波で破壊されたと言うだけで、原因を突き止めたわけではありません。政府と国会の調査委員会も、事故原因の究明は東電任せです。事故原因が究明されていないのに、安全基準や対策も確立できません。だいたい全国の原発がどの程度の地震や津波に見舞われるかの想定さえ見直しが迫られているのに安全が確保できるようにいうのは、新たな「安全神話」そのものです。
しかも、関電の説明でも安全対策工事の進捗率は6割にとどまっています。さらに、現状は福井県民の原子力防災計画やヨウ素剤の配備も3.11前と変わらず、再稼働後に福島のような事故がおこれば深刻な県民の避難の遅れや被曝をうける恐れがあります。
このような状態のままで、大飯原発3・4号機の再稼動には同意しないでいただきたい。

②4日に来福した細野大臣らは大飯原発の再稼働をめぐって関西から一定の理解が得られたとした上で、福井県が求めていた特別な監視体制についても、副大臣などをおおい町に常駐させるなどして、原子力規制庁が発足するまで安全確保に努めると説明しました。
しかし、早くも近畿圏の首長から「期間限定運転」が強調されるなど、国の説明との食い違いをみせていますが、これは安全抜き、防災対策抜きの再稼働にたいする国民の厳しい批判の反映でもあります。
「特別な監視体制」についても安全面に「穴」があるから、このような「特別体制」が必要になるという、根本矛盾があります。しかも、全国各地の原発に水平展開できない「体制」は場当たり的であることの裏返しです。このような、小手先の説明で国民、県民をごまかそうとする姑息な野田政権のやり方は許されません。
  今後、県の原子力安全専門委員会でも、この「監視体制」の有効性について国からの説明を受けて、しっかり審議をしてください。
 
③SPEEDIシステムを県内全域をシュミレーションできるものとし、福井県内全域を対象とした原子力防災計画を策定し、避難訓練を実施してください。その際、「合理的に」隣県はもちろんですが、SPEEDIでの計算結果も公表し、実効性ある相互支援協定を考えてください。ヨウ素剤についても、全県民分を準備し、学校施設、公共施設などに重複配備してください。

④これだけ国民県民の関心が高い課題であることをふまえ、県の原子力安全専門委員会の報告書案がまとまった段階で、県として国などとも協力し「県民説明会」を開催し、県民からの意見聴取をおこなってください。


二、敦賀半島周辺の活断層調査は、事業者まかせにせず国が責任をもっておこなうよう求めること。
  経済産業省原子力安全・保安院が、日本原子力発電敦賀原発1、2号機の建屋下を通る断層を専門家と調査した結果、2万~3万年前以降に活動した可能性があることが4月24日わかった。これは、変動地形学者やわが党、住民団体等が指摘してきた通りである。現行の耐震設計審査指針は、活断層の真上に原発を建てることを想定していない。それは、原発の直下が震源だとすれば、耐震設計は計算するまでもなく、工学的に意味がなく、原発施設の破壊はさけられないからである。
 そのため、保安院は5月29日、同院の開いた意見聴取会で、敦賀原発の敷地内を通る浦底断層について、南北の複数の断層(北側の和布─干飯崎沖断層から南方向の鍛冶屋断層まで)との運動を考慮して全長約100キロの断層として影響を評価するよう日本原電に指示。同半島には、関電美浜原発、高速増殖炉「もんじゅ」などがあるため、関電などにも同様の指示をした。さらに、美浜原発の前面海域の海底に存在する断層と南方陸域にのびる三方断層との連動についても、考慮する必要があるとして、保安院は原発3社に評価を行うよう求めた。これについてもわが党と住民団体は、地震学者と地震調査研究推進本部(文科省)の見解を根拠に、浦底断層が連動して動いた場合、「断層帯全体が活動する場合は、マグニチュード8・2程度の地震が発生する可能性がある」と指摘。同様に、三方・花折断層帯は、若狭湾から京都盆地南東部に至る活断層帯で、想定される地震規模はM7・2程度。野坂・集福寺断層帯は、若狭湾から琵琶湖北方の野坂山地にかけて分布する活断層帯で同M7・3程度と指摘してきた。ともに原発機器に与える影響が大きく、基準地震動の見直しにつながる可能性が高い。
したがって、「原発の廃炉判断につながりかねない」敦賀原発の真下の破砕帯が活断層であるかどうかの調査を当事者である日本原電がおこなうことは不適切であり、住民の理解は得られない。調査は国が責任を持って実施し、作業・分析は日本原電と利害関係のない第三者機関によって行い、調査データは全て公開し、住民に説明するよう国に求めること。
 また、三方・花折断層帯、野坂・集福寺断層帯についても同様に求めること。


三、立地自治体への抜本的支援をーー国による補償措置、雇用対策としての老朽化原発の廃炉作業を
 原発停止による地域経済への深刻な影響が出ているといわれ、地元紙は「原発停止で取引企業9割『影響』」(福井新聞4月27日付)と報じている。「仕事がない」という労働者は、「生活のために再稼働を願ってきたが、いまは仕事づくりや生活支援にこそ力を入れてほしい。このままでは暮らせない」と話しているが、敦賀市などでは市長は、「市民生活を守らないといけない。毎日めしを食っていかなあかん」(5月9日、内閣府原子力委員会)と再稼働を求めているものの、肝心の失業対策は、「特別に講じる予定はない」(市産業経済部)という状況である。原発立地自治体は地場産業などの成長が阻害され、一次産業だけでなく工業出荷額も衰退しいびつな産業構造になっている。当面、国による補償と他の仕事をつくり雇用と生活を守りながら、原発依存ではない経済に転換してこそ原発立地自治体の将来、雇用は守られる。
 福井県が福島原発事故の教訓と、その後の「将来、危険な原発をなくし自然エネルギーに」と願う県民の声を真摯にうけとめ、原発推進政策をあらためるよう求める。
現状は、原発運転停止によって、原発関連会社やその取引先、建設業者などから「仕事の予定が入らない」「売り上げが減った」などの声が上がっている。短期的対策として、原発の停止は福島事故が原因であり、そのことで生じた損害について国に補償するよう求めること。
 敦賀市商工会議所のアンケートで、原発停止の影響を訴えた企業の4分の1は人員削減や労働時間の短縮などの雇用調整で対応すると回答しており、商工会議所幹部も「ドンと直撃を受けるのは経営ではない。雇用だ」と指摘している。従業員数人を雇用する「親方」(3次、4次下請け)は、「再稼働しても次の定期検査まで10カ月間は仕事がない。4割減の給与を従業員に払うのも5月までが限界」と話す。こうした下請け企業に補償が必要である。
 また、老朽化した敦賀1号、美浜1、2号などの廃炉を決断し、それにより仕事と雇用を確保することを提案すること。くわえて、原発は廃止措置となるものでも施設内に使用済み核燃料を抱えており、再稼働するしないにかかわらず、防潮堤や免震事務棟など巨大地震・津波対策を講じることは当然である。
 長期的対策として、原発交付金や原発埋蔵金などを、自然エネルギー開発を支援するものに切り替えるとともに、自治体が地場産業の育成や港を利用した街おこしで、地域に新たな産業と雇用をつくりだすことを支援すること。

                                                以上

原発再稼動をめぐる重要な知事、細野大臣会談。福井県庁は、なぜその記録を県議会議員に提供しないのか?

2012年06月06日 | Weblog
   FBC・・・官房長官「首相は十分説明している」(2012年6月5日19:06)

   大飯原発の再稼動をめぐり、西川知事が野田総理に国民に向けたメッセージを発するべきだと念を押したことに対し、藤村官房長官は5日、現段階では十分説明しているとの考えを示しました。

■藤村官房長官
「最終的に4大臣で判断をし、判断の最終責任者は私(総理)であるなど、きのうの(総理の)発言。非常に福井向けにはっきりと言っていると思う」

藤村官房長官は、野田総理は閣僚会議や会見などを通して、国民に向けたメッセージを十分発しているとの考えを示しました。

西川知事は4日、細野大臣らに野田総理が国民に直接メッセージを示すことが重要と改めて求めていました。

ところで、おおい町の時岡町長は5日、政府の対応について「遅々として進まない」と不満を述べつつ、改めて野田総理のメッセージを求めました。

■おおい町・時岡町長
「総理が国民に対して、原子力の位置づけというものをはっきりというべき。県やおおい町や立地に対して理解をしてと言ってもそれは無理だと思います」「国民への呼びかけの会見をするべき」・・・・・・・


    こういう報道に接すると、西川知事と細野大臣の会談は「うまくいかなかったのかな」と思う。

   昨日も、県庁前で大飯原発再稼動反対の宣伝行動に参加しました。手を振って激励していく方や、いったん通り過ぎた若い女性が、また戻ってきて署名していくなど、原発再稼動にたいする批判、不安はますます広がっていると思います。
連日の街頭宣伝で顔はまっくろに!なかには「ゴルフ焼けですか」という方も・・・・とんでもありません。

    さて、こうした県民世論や関西圏の動きに、当然知事も敏感になるだろうし、それだけに総理の強いアピールを求めたのでしょう。

    そこでさっそく、県庁で「知事と細野大臣の会談記録をください」と要求しましたが、けっきょく、「そういうものはつくっていない」!との返事。ちょっと信じられない返答でした。
     
    田中県議会議長、吉田副議長と大臣らの会談記録は作成され、その日の夜には全議員にFAXされています。当然です。

    なぜこんな重大問題の、知事と大臣の会談記録がつくられないのか?
あるいは内部ではつくられているが、県議会議員には提供しないのか?

    こんな対応では、議会としてもまともに審議はできません。

    しかも、知事と大臣の会談では、マスコミ関係者をも退席させた10分程度の時間があったとか。

    いったい何を話したのか?

    国民、県民の命と安全を左右しかねない原発問題で、「秘密の取引」などは許されませんよ。

    福井県庁はすべてを明らかにすべきです。

    
    今日も、明日も、原発問題住民運動福井県連絡会は福井県庁前で9時から17時、「大飯原発再稼動反対」宣伝署名行動に取り組みます。
    県民のみなさんのご支援をよろしくお願いいたします。

細野大臣らが知事・議長と会談。「特別な監視体制」は場当たり的です。県専門委、県議会で慎重審議を

2012年06月05日 | Weblog
    NHK・・・・細野原発担当大臣と知事が会談

    関西電力・大飯原発の再稼働をめぐって西川知事は4日夕方、細野原発事故担当大臣、齋藤内閣官房副長官、牧野経済産業副大臣の3人と福井県庁で会談しました。
細野大臣らは大飯原発の再稼働をめぐって関西から一定の理解が得られたとした上で、福井県が求めていた特別な監視体制についても、副大臣などをおおい町に常駐させるなどして、原子力規制庁が発足するまで安全確保に努めると説明しました。そのうえで細野大臣は「長年経験を積んだ県の専門職員の協力も得たい」と述べ、特別な監視体制に県も参加してほしいと協力を求めました。

これに対し、西川知事は「自治体の立場として異例かもしれないが、あえて県の専門職員を積極的に参加させる思い切った措置をとらざるをえない」と述べ、監視体制に協力する考えを示しました。更に、西川知事は「短期の電力需給の問題ではなく日本経済全体を考えて、総理が国民にしっかり訴えていただくことが国民の安心につながる」と述べ野田総理大臣に対して直接国民に向かって再稼働の必要性を訴えるようあらためて求めました。

政府は福井県とおおい町の同意が得られれば、今週中にも再稼働を正式に決めたいとしていますが、西川知事は、県が安全性を独自に検証している県原子力安全専門委員会の検証結果や、おおい町と県議会の判断を踏まえ再稼働を判断するとしていて知事の判断自体が来週にずれ込む可能性もあります。・・・・・・・・



      昨日は、朝から県庁前の再稼動抗議行動や会議などがつづきました。原発問題住民運動連絡会に参加する各団体メンバーや、サヨナラ原発の市民団体、グリーンピースなどのみなさんが県庁前での行動をつづけました。
衆院1区のかねもと幸枝、3区の山本まさひこ両候補も参加しました。

     大飯原発再稼動について、細野原発事故担当大臣が「特別な監視体制」について、知事や議長に説明しました。

しかし、何度も指摘しているように、根本的に安全に「穴」があるから、このような「特別体制」が必要になるという、根本矛盾があります。
しかも、全国各地の原発に水平展開できない「体制」は場当たり的であることの裏返しです。

このような、小手先の説明で国民、県民をごまかそうとする姑息な野田政権のやり方は許されません。

     今後、県の安全専門委員会の議論でも、この「監視体制」の有効性について国からの説明を受けて、しっかり審議をすることは当然でしょう。

     県議会としては、この問題もふくめ、これまでの安全専門委員会の審議内容の説明をうけて、慎重審議が求められることになります
私は、開会目前の6月議会で、県民に公開された場でしっかり審議すべきである、と主張しています


     原発問題住民運動連絡会では、ひきつづき午前9時から午後5時までの予定で、福井県庁前での監視宣伝行動を継続します。知事や県議会が県民の声を直接聞くように求めてがんばります。
ぜひ、ひきつづきの応援をお願いします。


「大飯原発再稼動許すな!」県庁を囲んだ叫び。今日夕方、細野大臣らが来県。緊急行動をおこないます!

2012年06月04日 | Weblog
    昨日は、大飯原発再稼動反対集会が福井市中央公園で開催され、600名が参加しました。

    県内外から、若いみなさんもふくめての参加でおおいに盛り上がりました。福井県内のレゲエ歌手のみなさんの歌や、藤波心さんの生のスピーチ、歌声も聞くことができました。
雨もたいしたことがなく、集会、県庁の周りをデモ行進とスムーズにおこなわれました。各地から参加されたみなさん、お疲れさまでした。

   デモ行進の後、中央公園の広場で、坂井市在住の斉藤清巳さんが作詞作曲した「停まった」を輪になって歌いました。

たたかいのなかから、また新しい歌が誕生した!うれしいことです。


    動かしたい人たちは  躍起になっている

    そうはさせないと  今立ち上がる

    事故はゴメンだ  事故はもういやだ

    声を重ねて  ついに停まった

    国中の原発が停まったけれど

    停電にならない  電気は足りている


              ★


  ところが集会直後に、細野原発担当大臣が来福することが明らかに!

  細野原発事故担当大臣、斉藤官房副長官、牧野経産副大臣が福井県庁で西川知事、田中県議会議長と会談するそうです。

  知事との会談は夕方5時15分から18時までを予定。


■朝日・・・関西電力大飯原発(福井県おおい町)の再稼働に向けて、野田政権は4日夕に細野豪志原発相を福井県に派遣し、西川一誠知事と会談する。福井県側が求めていた「特別な監視態勢」として、経済産業副大臣を常駐させるなど大飯原発の安全対策について説明するねらいだ。
 斎藤勁官房副長官と牧野聖修経済産業副大臣も同行する。当初は2日に訪問する予定だったが、福井県側との調整がつかず、先送りされていた。・・・・・・



    しかし、このように水平展開できないような「特別監視態勢」はパフォーマンスにしかすぎません。

安全対策の6割程度しか完了していない、福島原発事故をふまえた防災計画もヨウ素剤配備もない・・・・このような状況での再稼動は無謀というものです。許されません。

     このような状況のままで、なぜ再稼動ができるのか?

    民主党政権は、福島原発事故からなんの教訓も導き出していない、といわざるをえません。



    原発問題住民運動福井県連絡会では、福井県庁前で朝9時から、大臣が県庁を出るまでの時間を「再稼動抗議宣伝行動」としておこないます。

   ぜひ多くの県民、国民のみなさんのご参加をお願いします。

    黙っていたら、危険な原発の再稼動容認、につながります。チカラをあわせましょう。がんばりましょう。

大飯再稼動許すな!本日、福井市で緊急集会。注目の赤旗連載、敦賀商工会議所幹部も登場。

2012年06月03日 | Weblog
     昨日は共産党北陸信越ブロックの後援会集会が新潟県で開催されました。が、私は原発情勢のため参加をきゅうきょキャンセルし、原発問題住民運動福井県連絡会が福井県庁前で取り組む行動に代表委員として参加することとし、後援会集会はかねもと候補を先頭に、西村、鈴木両福井市議らが後援会員のみなさんとともに福井市からのバスツアーで参加しました。

     福井県庁前での「大飯原発再稼働反対」行動では奥出代表委員や林事務局長とともに私も訴えました。青年のみなさんもマイクをもって気迫をこめての訴え。闘病中の元福井新聞社員の方もかけつけ、「大声で訴えることはできないが、心のなかは怒りに燃えている」と語られました。私もテレビ局にインタビューされましたが、さて放映されたでしょうか?


     今日は、午後1時から県庁横の中央公園で緊急集会です。正午からミュージック企画などがあります。

     明日からは、午前9時~午後5時まで、連日福井県庁前で「あぶない再稼働認めるな」行動に取り組みます。
今日の県民福井1面では「大飯再稼動  原発相来県  あす軸に」との大見出しが。
     みなさん、ぜひご参加ください。


    朝日新聞は3面で、「大飯再稼動のキーマン  福井知事 胸の内は」の大きな記事。民主党の国会議員が知事の態度に呆れているとか、知事は総理に直接判断を伝えることを望んでいるとか、いろいろ書かれています。
しかし、大事なことは、「県民が議論の場外」の置き去りにされていることです。

    県の原子力安全専門委員会や県が責任をもって県民にたいする説明会なども開かずに、「政府との取引、駆け引き」に終始していては、だめです。



                    ★



■昨日からはじまった赤旗連載「再稼働誰のため 福井―つくられた「共生」」は、国や県が叫ぶ状況に真実のメスを入れていきます。

第1回では、経済界幹部が皮相な見方を否定しており、注目されます。

購読のお申し込みは 0776-27-3800へ。月3400円。



内容の一部を紹介します。

● 従業員数人を雇用する「親方」として、大飯原発や県内原発の定期検査の3次、4次下請けに入る30代男性は、4月から仕事がありません。

 大飯原発の場合、定期検査時に増える労働者は約2000人。男性は県内原発を渡り歩き、途切れなく仕事を得てきました。

 原発の危険は誰より身にしみています。「非常用注水ポンプは機械のくせを見て100分の3ミリの精度で据え付ける。地震でずれれば、ベアリングが焼きつく。津波がなくても冷却機能を失う恐れがある」

 いざ仕事がなくなると、再稼働頼みでは暮らせないことが分かってきたと男性。再稼働から次の定期検査まで10カ月間は仕事がないからです。6割減の給与を従業員に払うのも5月までが限界です。

 ところが、国も県も再稼働に固執し、雇用対策には本腰が入りません。

 全国原子力発電所所在市町村協議会(全原協)会長でもある河瀬一治敦賀市長は、「市民生活を守らないといけない。毎日めしを食っていかなあかん」(5月9日、内閣府原子力委員会)と再稼働を求めますが、肝心の失業対策は、「特別に講じる予定はない」(市産業経済部)という状況です。

 

●他方、再稼働を求める地元経済界の実情はどうか。

 「今までが原発でもうけたから余力がある。すぐに破産や会社更生の申請に至る切実さはない」というのは敦賀商工会議所(敦賀市)の小寺英樹専務理事。会員企業の原発停止に対する危機感は「意外と薄い」と説明します。

 資金繰りの特別相談窓口を設けて1カ月以上経過しても、相談件数はゼロです。

 同会議所が4月下旬に発表した会員企業のアンケート結果を、地元紙は「原発停止で取引企業9割『影響』」(福井新聞4月27日付)と報道。地元経済界への影響が甚大かのように流布されましたが、実際のところは―。

アンケート結果は、切実な声が寄せられると考えた同会議所の予想と異なりました。会員1759社のうち回答を寄せたのは約2割にとどまったからです。

 小寺専務理事は、「ドンと直撃を受けるのは、経営ではない。雇用だ」と指摘します。アンケートで原発停止の影響を訴えた企業の4分の1は人員削減や労働時間の短縮などの雇用調整で対応すると回答しました。

 県中小企業家同友会の牧尾映太郎相談役は、「原発の立地地域は他産業の成長が阻まれ、農・漁業だけでなく工業出荷高も衰退してきた。当面の仕事をつくりながら、原発頼みではない経済に変えてこそ地域の将来、雇用は守られる」と話します。・・・・・・