物部の森

日常感じたこと、趣味のこと、仕事のこと・・・等々
日記風に書いてます。

【書籍】つなげる力

2008年12月08日 | Weblog
 『つなげる力』(藤原和博著、文藝春秋)を読む。

 民間企業(リクルート)から初めて公立中学校の校長へ登用された筆者は、「現代社会のさまざまな問題は、『つなげる』ことでドラマチックに解決していく。『つなげる』ことでまったく新しい地平が見えてくる」と述べている。「学校と塾をつなげる」、「子どもたちと世界をつなげる」、「偶然をつなげる」といったテーマで、実際に本人が取り組んできた試みが紹介されている。文章が面白くないせいか、あまり読みやすくなかったのだが、キーコンセプトは共感できる。

 03年5月に小学4年で行方不明になった大阪府熊取町の吉川友梨ちゃんの家族に対し「友梨さんを捜してあげる」などと嘘をついて金をだまし取ったとして、詐欺容疑で犯人が逮捕された。犯人は友梨ちゃんの家族に約4年間で約470回にわたり計約7千万円を支払わせていたそうだ。
 友梨ちゃん捜索協力のポスターは、わが地元でも警察や交番の掲示板はもちろん、駅やコミュニティスペースなどあちこちに貼られていて、同じ小さな子供を持つ親として他人事ではない気持ちで見ていた。時々地元での一斉捜索のニュースなんかも報道されていた。しかしその裏で4年間もの長きに渡り、被害者家族はこんな目にあっていたのか。
 警察や被害者支援ネットワークのNPO法人は、「(犯人が)許せない!」と怒りのコメントを出していたが、そもそも被害者家族・警察・近隣住民・NPO法人、これらの間に情報共有化や連携の仕組み、信頼関係はどうなっていたのか。事件解決に向けて一枚岩になってたの?要するに“ツナガッテイナカッタ”のではないのか!?
 門外漢という立場を重々承知した上であえて言わせてもらうなら、「かわいそう」や「やるせない」といった感情を通り越し、むしろ被害者サイドに対し「何やっとんねんっ・・・」という暗澹たる気分を抱いてしまう。友梨ちゃんの父親が自殺しないことを心から祈る。
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