物部の森

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日記風に書いてます。

【書籍】堺事件

2010年08月05日 | Weblog
 『堺事件』(森鴎外著、岩波文庫)を読む。

 T先輩から「堺で働いている以上、『堺事件』のことはきっちりと知っておけ」と渡された。
 鴎外の大正二年の作品。当時の表現そのまま文語体で、漢字も旧字が使われているので読むのに苦労する。『堺事件』は、慶応4年(1868年)に堺で起きた、いまだ攘夷の気運が残る土佐藩士がフランス水兵を殺害し、その責任を負って妙国寺で切腹した事件。
 詳細な調査に基づき事件の一部始終が克明に書かれている。処刑を言い渡されたのはもともと20人だったが、彼らが順番に切腹していきながら11人目が終わったところで、そのあまりの凄惨さに、立ち会っていたフランス公使が途中退席し、そのまま切腹は中断。結局残り9人は故郷土佐の田舎へ島流しにされ、後に特赦で許されたという。知らなかった、全員が処刑されたとばかり思っていた。そうして死んだ11人の石碑は「御残念様」、生き残った9人がもともと切腹後に入れられる予定だった瓶は「生運様」として、堺に祀られているそうである。来週月曜日に訪ねる予定。
コメント (2)
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