『陰翳礼賛』(谷崎潤一郎著、中公文庫)を読む。
現在のビジネスコーチであるTさんと、震災後の節電や現在の世の中の電力消費について論じていたときに「今読んでおくべき本」ということで薦めてもらった。昭和8年、谷崎潤一郎47歳のときの随筆。
この頃すでに、世界中で一番電燈を贅沢に使っている国は、アメリカと日本であるらしい。しかしながら、日本という国は、古来より陰翳を上手く利用し、部屋や食器(漆器)、工芸品、紙、化粧などは、煌々とした明かりの下ではなく、少し暗がりの中でこそ映えるように工夫してきた。そういった観点から、電灯をふんだんに使って陰を消すように腐心するのは、日本人の美意識と相容れないと説く。
われわれ現代人、特に都会人はふんだんな光量の下で暮らすのが当たり前になっている。これから夏に向けて節電がより一層叫ばれるが、もう一度日本人の美の原点を探る良い機会かもしれないな。
まさに今、再認識すべき文豪の達見である。薦めてくれたTさんに感謝。
現在のビジネスコーチであるTさんと、震災後の節電や現在の世の中の電力消費について論じていたときに「今読んでおくべき本」ということで薦めてもらった。昭和8年、谷崎潤一郎47歳のときの随筆。
この頃すでに、世界中で一番電燈を贅沢に使っている国は、アメリカと日本であるらしい。しかしながら、日本という国は、古来より陰翳を上手く利用し、部屋や食器(漆器)、工芸品、紙、化粧などは、煌々とした明かりの下ではなく、少し暗がりの中でこそ映えるように工夫してきた。そういった観点から、電灯をふんだんに使って陰を消すように腐心するのは、日本人の美意識と相容れないと説く。
われわれ現代人、特に都会人はふんだんな光量の下で暮らすのが当たり前になっている。これから夏に向けて節電がより一層叫ばれるが、もう一度日本人の美の原点を探る良い機会かもしれないな。
まさに今、再認識すべき文豪の達見である。薦めてくれたTさんに感謝。