今年も家庭菜園の柑橘系にアオムシが何処からともなく現れ 数匹以上が葉っぱを
爆食している。昨年も沢山のアオムシが現れてそのほとんどは何処ともわからない
ところへ移動をして行った。おそらくサナギになるための安全な場所を求めて旅立
って行ったのだろう。
昨年は一匹だけが至近距離のブリキ缶にサナギとして貼り付き 暑い夏と寒い冬を
堪え過ごした。そして この春奇跡と感動の羽化を果たし大空へと舞い立って行っ
たのである。その蝶はナミアゲハといって文様鮮やかなアゲハチョウである。今年
の蝶もナミアゲハであろう。これも現在のところ一匹だけがそれと分かる場所に陣
取りサナギ化した。この子は越冬組ではなく まもなく羽化を迎える筈である。
一連のアゲハ成蝶までの過程は 見たままそのままでも美しく感動であるが 自然
界の見えない部分の 人間には窺い知ることが出来ない生命生育の深さをそれとな
く示唆してくれる。もちろん観察者(関与者)の『人』が三位の然るべき視座ポイ
ントを持たない限り共振は出来ないものではある。だが 彼らを吾が子の如く観護
る時 彼らと自然はあり得ない奇跡のプレゼントを授けてくれるのである。